椿&ノービア

断罪と約束

クロ:椿 > ( 簡潔に今の状況を整理しよう。先ず、この呆然と立ち尽くす男は尊華帝國軍の一兵、字を椿である。尊華人なのにも関わらず、綺麗だが平凡な洋装に身を包む理由はただ一つ。今、椿の居る今この場が花祭りを行っている王国だからだ。椿は慣れない洋装に身を包み、花と人と笑顔と幸福で溢れかえる地に降り立ったのはつい先程である。見渡す限りの人と花。実の所花祭りに来るのは人生で初めてであり、賑わう群衆の中で呆然としてしまうのも無理はない。さて、椿がここに来た理由。それは至って簡単で探し人が居るからなのだ。人、人__否、化け物( イモータル )だけれど。)   (4/3 00:39:40)
クロ:椿 > ( 初めての地で道に迷うわ人酔いするわ、散々な目に遭ってしまった椿。時間が過ぎるのが酷く早く感じてしまうほどに貴女は見付からない。気が付けば朝方に着いた筈なのに天に昇っていた陽は落ち掛け、月がひょこりと顔を出し始めていた。「 居ねェじゃねェか、もッと早く有給叩きつけりャ良かッた..くそ、」なんて、ぶつくさと文句を言いつつも未だ時間はあると言い聞かせ探すのを辞めはしなかった。慣れない服装で転びそうになるけれど、以前出逢った時の状況を必死に思い出し、路地やらなんやら、暗めの所を探し始める。_彼奴確か、夜に出逢った筈だよな…_そんな事を思いつつ、駆け出して何分経っただろうか。そんな事はどうでも良い。あの時に話した" 花婿を殺す "という言葉が頭にこびり付いて離れないのだ。早く見つけ出して気を引かねば、一般市民が殺されちまうかもしれねェ___なんて、何も知らぬ椿はただ、「 ノービア!! 」と名前を叫びながら路地を駆け回っていた。)   (4/3 00:39:42)


大和守/ノービア > (嗚呼、殺した。確かにこの手で、彼を、アシュトンを殺したのだ。だから恨みは、怒りは、仇は、取れた筈なのだ。だからこそ高らかに己の戦果を謳っても良いのだけれど、そんな気分には到底なる事が出来なかった。……何故だろうか、なんて理由はノービアには分からない。理由が其処らに転がっている訳が無いのに、探す様にして路地を歩いていた。)「…………椿、さん?」(そんな時、己の名を呼ぶ声が確かに聞こえた。それは聞き覚えのあるもので、記憶を探れば簡単にその正体が分かった。そう、確かーー『椿』だった筈だ。『花婿』探しを手伝うと申し出てくれた彼で、けれどもう『花婿』は殺したのだからこれ以上手伝って貰う必要はない。路地の更に入り組んだ場所の角から声の聞こえた場所へひょっこりと顔を出してみれば駆ける貴方の姿が見えて、『やっぱり、椿さんでしたか』なんて呑気に声を掛けたのだった。)   (4/3 00:51:43)


クロ:椿 > おァ、居るじゃねェか( 路地の奥から声と共に顔を覗かせるのは、探し人のノービア。ひょこり、と顔を覗かせ、呑気に声を出す貴女を見て、ほッと安堵の一息を出し、さッさと駆け寄…___ふ、と。鉄の香りがした。不意に立ち止まり、辺りをぐるりと見渡す。暗く、人気のない路地の奥。鉄、否何と云うかコレは何処かで嗅いだことのあるような、嫌な匂い。けれど其れが何なのかは分からず、首をほんのりと傾けながら再び歩みを進めた。)   (4/3 01:07:17)
クロ:椿 > おい、ノ ー び、あ..( 貴女の元へと駆け寄り、『 花婿は見つかったのか 』『 なにか変化はあったのか 』『 大丈夫なのか 』。色々と聞き出そうとしたけれど、それは叶う事は無かった。貴女の名前を呼ぶ自分の声が途切れる。目を開き、血塗れの貴女をじッと見詰める。血塗れ、以前も血塗れだッた。けれどそれは主に顔から上半身が殆どの筈だと云うのに貴女は何といえば良いのだろうか。全体的に、血がべたり、と付いている感じがしたのだッた。溢れ出すような付き方では無い。何かが、飛び散り、それを被ってしまったような、そんな……___まさか。)   (4/3 01:07:27)
クロ:椿 > お、い、ノービアおまえ、..花婿どうした、( 敢えて何をしたと聞かなかッたのは、ただ、言葉が上手く出てこなくて。ただ、上手く聞けなくて。嗚呼心臓が酷く煩い。冷や汗がタラりと頬を伝い地面に落ちる。ほんのりと青ざめた顔で、けれど眼光は貴女を鋭く見詰め、薄く儚い希望に手を伸ばす。どうか見つけれてないと云ッてくれ。被害は無いと、殺していないと。なァ、なぁ___じゃなきゃお前を今此処で処分しなきゃならなくなるだろ。)   (4/3 01:08:14)


大和守/ノービア > 「……はい、どうしましたか?」(己へ駆け寄り、けれど言葉を紡ぐ最中で不意に動きを止める貴方。ノービアにとっては不思議で仕方がなかったらしく、首を傾げては一体どうしたのだろうと問いを投げ掛けた。イモータルにとって殺しなど、何の疑問を抱く事も罪悪感も無い行為。少なくとも、『花婿』に対する思いはそうだった。だから貴方が想定した最悪の事態だなんてモノに思考は当然回る事無く、疑問符ばかりが並べられていく。)「『花婿』……ですか?」(貴方が青ざめている理由が分からなかった。喜びとも何とも言えない感情が渦巻いてはいるが、仄かに心が晴れた様な感覚はあったのだ。自分がそれを抱けているのだから、咎められる理由なんて何も思い付かなくて。だから。)「ふふっ。先程、運の良い事に見つけられまして」(貴方の望まない答えを突き付けよう。)「………………殺しましたよ」(希望に伸ばした貴方の手を、乱雑に払った。)   (4/3 01:22:49)


クロ:椿 > ( ガラリと何かが崩れ落ちた。)   (4/3 01:45:02)
クロ:椿 > ( やはり目の前の彼女は化け物で。その本質が本性が出ただけなのに、どうしても酷く心臓が煩かった。綺麗な顔付きだが、溢れ出す鮮血に塗れて居る顔。肉の無い腕。血相も酷く悪い。けれど貴女は椿から見れば優しい分類の化け物で。頭のどこかで、彼女が手を汚さずに生きていけるのではと甘い考えを持ってしまって居たのだ。頼む云うな。面倒事を作るな。一般市民に手出ししたなんて事実は無いんだろう。そうなんだろう。そんな事を思えど貴女は微笑みながら希望を砕く。『 先程見つけまして 』やめろ云うな。『 殺しましたよ 』____嗚呼、哀れや憐れ。時既に遅し。)   (4/3 01:45:04)
クロ:椿 > …殺したのか、おまえ、( ぽつ、と1人呟く様に小さく云えば、その三白眼で貴女を睨む。ほんのり足腰に力を入れれば、構えたまま貴女に声を投げ掛ける。「 あの時、お前に攻撃しなかッたのは、俺が甘かッたからだ、花婿は字からして此処に住む誰かなンだろうからな。俺がなンで此処に来たと思ッてンだ。お前が手出ししねェようにする為だ。けど遅かッたよう、だな。なァ、ノービア。お前が手を下した事実が今此処に芽生えているのなら、俺は其れを摘まなきゃなンねェ。..分かるだろ、ノービア。俺は、兵士なンだよ。」まるで吐き捨てるかのようにそう云えば、苦々しく歪められた顔と共に包帯で巻かれた両腕を広げ貴女に向けた。貴女に敵意…と云うのだろうか。敵意がある、そう伝える為の行動だッた。)   (4/3 01:45:16)


大和守/ノービア > 「……はい、殺しましたよ」(何となく、もうこの何とも言えなかった距離感に明確な名前が付けられつつあるのは理解していた。だってほら、貴方は兵……ですものね。人を殺した報いが与えられるのは、当然の事。何よりも明らかな事実。何となくその事は悟っていて、けれども『殺した』という事実をもう一度繰り返そう。だから、あぁ、ほら。)「えぇ、…………存じておりますとも」(何を存じているのか。何を分かっているのか。貴方が甘い事か、己を裁かねばならない事か、貴方が兵士である事か。その全てである事を理解しながら、ノービアはただ微笑んだ。だってまだ、殺せないよ。まだ、鐘が鳴っただけ。花婿と花嫁は誓いすら出来ていないの。その理由を、ちゃんと見つけなきゃ。)「えぇ……えぇ、分かっていますよ。けれど私は、不死の化物……ですから」(本当に何故か。貴方になら殺されても良い、なんていう気持ちが現れていた。神罰に阻まれて自ら終わりを望む事は不可能。でもヒントを出す事ぐらいは出来る、だろうか。手で顔を覆う血を拭った。赤い化粧が取れた、本来のノービアを表した姿は。)「ねぇ、貴方は私を見てどう思いますか?」(その姿は正に『花嫁』だった。)   (4/3 01:59:35)


クロ:椿 > ..クソッタレが( 舌打ちを1つ零せば、貴女を見据える。花祭りだなんて呑気な事を云ッて居られない張り詰めた緊張感を取り去るように首を数回動かし、上から貴女をじっと見下ろす。_存じている_その言葉がどうしてか酷く心をざわつかせるものだから、もう1つ舌打ちを零す。何時しか、陽は完全に落ち、月夜が空を染め上げ、月陽が2人を照らす。不死の化け物と、人間の一兵。本来ならもッと殺伐として殺し合うのが正しいかもしれない関係性。けれど其れが出来なかったのは貴女が花婿を探し困っていたから。被害を出していないなら監視すれば良いと思ったから。困ってる姿がほんのりと可愛らしかったから。貴女が女性だから。そして何より、貴女が____。)   (4/3 08:06:29)
クロ:椿 > ( 血塗れの顔が、そうではなくなッた時。ほんのりと目を開き、不意に頭に浮かぶ花。貴女をどう思うか、まさに貴女は。「 …御前は、俺から見たら桜だな。知ッてッか、ソメイヨシノッて桜があンだけど、てめェにすげェ似合う、と、思う..ンだよ..な 」あからさまに目を逸らし、慣れない褒め言葉をぽつりと呟く。けれど之では貴女には伝わらない事を悟り、唇を噛み締め、「 あ ー 」と唸り自身の髪の毛を乱雑にかきあげる。こんな事云ッたッて意味なんて無い。早く処分しなきゃいけねェのに。そんな葛藤が椿の脳内を這いずり回る。「 くそ 」と呟いた数秒後、意を決したようだ。)   (4/3 08:06:40)
クロ:椿 > てめェは、花嫁だろ。花婿らしいンだよ、花らしいッつ ー か、美しいッて云えば良い..の、か..?や、ちげェな、あ" ー ..だから、あ" ー ..本来なら手出ししたくねェぐらい、..綺麗だ、ッて云ッてンだよ。( 何処と無くほんのりと頬を赤らめ、叫ぶ様な形で云う。けれど逸らしていた筈の視線は貴女をじっと捉えていた。花祭りに花嫁。花だらけで頭が可笑しくなりそうだ。甘ったるい香りが全身に纒わり付く感じがしてしまう。_否、甘ったるいのは俺だ。こんなにも呑気に話してしまうなんて、本当に殺す気あンのか。やれ。やるンだ。女だろ ー が此奴は殺さなきゃいけねェ相手だ。どンなに美しかろうが、無害そうに見えようが、良き友人になれそうに見えようが、なんだろうが。此奴は、俺が今此処で殺さなきゃいけねェンだ。__ほんの少しだけ震える身体にムチを打ち再度片手を握り締めて、臨戦態勢になッた。)   (4/3 08:11:11)


大和守/ノービア > (『ソメイヨシノ』、と言われてもやはりノービアには当然の事ながら分からなかった。不思議そうに首を傾げて、けれども貴方の言葉をただ、待つ。己は貴方を攻撃するつもりなど微塵も無いから。何より絶対にそれをしてはいけないと何かが叫んでいるから。そして新たな切欠は、あまりにも早く訪れる。)「────、ッ!」(────『美しい』。貴方のその言葉に切られたかの様な鋭い痛みを脳に覚えた。一瞬、体が安定せず数歩ふらついた。やがてずきずきと、ゆっくりと痛みを訴える様になる頭を骨と人間の手で押さえて。)(──さぁ、扉を開けて。見て、視て、看て。教会の鐘は鳴らされた。後は、扉を開けて。真相を、真実をこの目に焼き付ければ良い。)   (4/3 11:06:58)
大和守/ノービア > (──そもそも最初は、本当に大好きだったのです。愛していたのです。名前を呼べば必ず私を見て微笑んでくれる所。たまに見せる子供っぽい笑顔も素敵で愛しかった。私と同じ銀髪、あの人と同じ部位があるだけでとても嬉しかった。だって、運命みたいじゃない。彼の名前は……そう、「ガーヤ」だったはず。名前すらも忘れてしまったせいで分からなかったけれどやっと分かっ、て、? あれ、そう、だっけ。……なら、あの人は、彼は……アシュトン、は? だってあの人は……違う、違う、あぁ、だって、そうじゃなかったら私、は。…………彼の髪の、色は。金髪、だった。金色、銀じゃない。あぁ、あぁ、私────私、は。無関係の、人を。関係の無い人を、何の罪も無い人を。)(──────殺してしまった、の?)   (4/3 11:07:27)
大和守/ノービア > 「ぁ────ッ、」(過去の『花婿』をはっきりと思い出したノービアは思わずその場に崩れ落ちた。無関係の人を殺さないと決めていたのに、巻き込まないと決めていたのに殺めてしまった事に気が付いて。それはあまりにも遅かった。あまりにも遅くて、愚かで救いようがなかった。)「ぁ、あ、……わ、わた、し、私」(今更気付いても遅すぎて、殺した事には変わりなくて、変える事なんて出来なくて。己の罪に苛まれる事しか、出来なかった。──人を、殺してしまった。何の罪も無い人を。彼を。普通に生きて、当たり前の幸せを享受出来た筈の彼を。ノービアが勘違いして手出しさえしなければ生きていられた筈の人を傷付かなかった筈の人を彼以外をも悲しませる事になった事をそれはあまりにも重すぎて辛くてだから、あぁ、)「……彼、は、アシュトン、は……違う、違う、……彼は、わたしの『花婿』じゃ、あぁ、私、わ、わたしッ!!」(頭を抱えた。手に絡む銀髪を握って、どうにかなってしまいそうな程渦巻く罪の意識に思わず叫んだ。)   (4/3 11:07:49)
大和守/ノービア > 「──────────殺して、ください」(ぽつり、落ち着いた声で貴方に懇願した。)「……私は、関係の無い人を、『花婿』ではない、人を──殺してしまい、ました」(それはまるで懺悔の様だった。罪を己の口から告白し、そして救済を求める。)「この罪を、どうか、どうか、裁いて…………お願い、……お願いします」(貴方にしか、頼めなかった。裁かれるのなら、他ならぬ貴方が良いと無意識に思ってしまっていた。地に踞りそして俯きながら、貴方に罪を置かしてしまった事への罰を求める。どうか、この罪人を裁いてほしかった。貴方は兵士だ。そうなんだろう。どうか正しく、この異形に罰を与えてくれ。)   (4/3 11:07:53)


クロ:椿 > お、おい、( ふらつく貴女にギョッと驚き、数歩近寄る。けれど手は空を切った。触れる訳が無かった。声を漏らし、崩れ落ちる貴女をただただ、上からじっと見下ろす。何が起こったのかなんて、全く持って椿には理解不能だッた。けれどそれでも、貴女が何かに気が付いたのだけは、何故か。分かったのだ。)   (4/3 17:47:25)
クロ:椿 > ..( 無言で貴女の叫びを聞く。不思議と先程まで湧いていた殺意も困惑も焦りも、全てが無くなッた。" 花婿じゃない人を殺した "。酷い事実で真実だ。余りにも愚かで悲しいモノだ。頭を押え荒れ狂う貴女を、ただ、ただ。じッと見据え、何故か落ち着いていた__不意にぽつりと呟かれた貴女の言葉を聞くまでは。『 殺してくれ 』と。『 罪を裁いてくれ 』と。俯きながら云う貴女の姿を見て、1歩後退りをする。先程まで感じなかったさ向けが椿を襲い、ヒュルリひゅうりと風が泣き叫ぶ_まるで貴女の心みたいだ。普段なら願ったり叶ったり、面倒な事もただ風の魔術を使い手を下すだけで全てが円満に終わるからとても幸運だと。そう思いさっさと片付ける筈なのに、どうしてか上手く腕も口も身体も頭も動かない。_動かなかった。)   (4/3 17:47:35)
クロ:椿 > ..ンな事、してる暇はねェもンな...( 数分後。ぽつりと小さく自分に言い聞かせるように呟いた言葉。それが椿の決意であり、決断だった。小さく息を吐きながら右掌をそっと貴女に向け、ゆっくりと瞬きをする。探し回っていた時よりも時間が遅く感じてしまい、ほんのりと顔を顰めるものの、それをかき消すかのように椿は言葉を紡いだ。「 ノービア、御前。御前が殺さねェように見張れなかッた俺にも責任ッつ ー モンがある。..心底、死ぬ程、めんどくせェけど、けどな。だからこそ、俺が御前を責任もッて裁く。」上から目線でそんな事を云えば、すん、と鼻を鳴らしそのまま口を閉じなずに詠唱を1つ。)   (4/3 17:47:45)
クロ:椿 > 唄え生者、聞けよ死者。届け、轟け、奏でよ風の音_鎮魂歌。ひゅるりと呻けどふわりと浮かぶ。流せ、永世よ償いの風。ごう、と吹き荒れ薙ぎ払え。真の臓器を捧げる為に、ノービア( 御前 )を貫く風の刃。風前之灯。( 右腕に纏わり付く、糸のように細く、美しく輝く風。其れは椿の包帯を千切り肉を抉る。ぼたぼたと地面に椿の鮮血が降り掛かるけれど慣れた様子で其れを腕から指鉄砲の先へと動かす。素早く、その手を小さく上に向けさせ、鉄砲を撃ち込む素振りを見せれば、風は貴女に向けて畝りながら進む。細く、糸のような風だけれど、威力は酷く恐ろしいのが椿の腕の怪我からして分かるだろう。そしてそれは、貴女の胸元へと向かい、心臓付近を貫こうとした。___椿は冷めた目で、肉の抉れた痛みに悶える事も、顔を顰めることもせずにただ其れをじっと見詰めた。)   (4/3 17:47:56)


大和守/ノービア > (──貴方の、覚悟を乗せた宣告。それが同時に己への死の宣告である事も悟り。祈る様にして手を組んだ。それは裁きだ。公平なる、魔術師から下される罰への裁き。死ぬ事を恐れていないといえば嘘になってしまうけれど、何より関係の無い人を殺してしまった自分が一切許せなかった。それを思えば、死への恐怖などあって無い様なものだったのだから。)「……お願いします。このリディアに、裁きを」(貴方の詠唱に被せる様にして口にしたのは、生前の名前だった。きっともう誰も知る事の無い名前ではあったのだろうけど、それでも貴方には伝えておきたかった。被せてしまったのだから届いたのかも分からない。分からないけれど、口にする事こそ意味がある。それが魔術師、なのでしょう?)   (4/3 18:28:28)
大和守/ノービア > (己を断罪する風が迫ってきていた。その姿が自棄に遅く感じて、これが走馬灯なのだろうかと漠然と感じていた。何せ二回目なのだから定義するのも容易い。一度目の【死】は、何よりも辛く苦しいモノだった。最愛の人に裏切られ、全てを奪われた重い【死】だった。けれど、この二度目の【死】は。)「……………あ、ぁ、」(まるでその【死】によって己の罪が許された様な、解放されたかの様な心地だった。心の臓を、貴方の風が寸分狂わず貫いていく。血が勢い良く吹き出す。既に致死量まで素早く到達しようとしているのだろう。痛いというよりも、熱い。否、もうそれすらも薄れつつあった。口からも血を溢しながら、仰向けに倒れながらも。己を下してくれた貴方に感謝を。心からの思いを伝えなければならない。)「……あ、り、……が…………」(言葉を詰まらせ、囁くかの様な声量にはなってしまったけれど。殺してくれた貴方に、【死】を与えてくれた貴方に感謝を。こんな事を頼んでしまってごめんなさい。そして、有難う。貴方の幸福を何よりも、願っ、て────。)   (4/3 18:28:41)
大和守/ノービア > 「つば、……ぃ、さ……────」(貴方の字を呼んだのが最期だった。ぱたりと体からは力が抜け落ちて、それきり一切の動きを見せない。罪人は、此処に死の罰を受け救済を与えられた。)   (4/3 18:28:43)


クロ:椿 > ( 『 ありがとう 』と。掠れた声で言ったのを聞き逃さなかった。途端に、感情が沸き上がる。倒れ込み、己の名を呼ぶ貴女に駆け寄り、上半身を抱き抱えて、何かを叫ぼうとした。けれどそれは声にならず、口を数回はくはくと動かしただけになってしまった。..呼吸を1度整えて、静かに、静かに。顔を耳元に近寄らせて囁く。「 冥土の土産にはなンねェかもな。俺は、陽夏だ。一生覚えとけ 」___もう届いてないかもしれないけれど、それだけはどうしても、伝えたくて。死人は耳が最後に残ると聞いた事がある。冷たく冷えていく貴女の身体の感触を実感しながらも、それだけは伝えたくて。無駄かもしれないのに、自身の真名を貴女に捧げた。)   (4/3 21:26:55)
クロ:椿 > さ、帰るぞ ( 不意にそんな事を述べては、貴女を優しく姫抱きしながら立ち上がッた。力のない、冷めていく貴女の身体を崩れ落ちないように。自身のつり上がった三白眼が貴女の顔を捉える。酷く、美しい顔。それに向かって声を落としつつも、ぶっきらぼうに「 御前さぁ、詠唱に真名重ねンなよ。俺じゃなきゃ聴き逃してたぞ 」と文句を1つ。路地をゆっくりと、ゆっくりと、1歩1歩のらりくらりと歩き出し、路地の奥深くへと入っていく。   (4/3 21:27:20)
クロ:椿 > それと同時に口を開けば、「 陽夏ッつ ー のは、太陽の陽に、春夏秋冬の、夏。すげ ー 気に入ッてンだぜ 」なんて。「 俺さ、妹居たんだぜ。今も居るんだけど、まァ妹がさ、俺に姫抱きしろッてよくせびって来てよ、めんどくせェのなンの。」なんて。「 妹もさ、御前と同じ空の上の黄泉の国ッつ ー 所に居るんだわ。御前さ、暇だろ?あの馬鹿の相手してやッてくンね? 」なんて。まるで誰かに語るように話し出す。誰か、そんなのは分かりきっている。貴女へ向けてだ。意味なんて無いと言われるかもしれない。けれど、けど。__俺がずッと話してッから、寂しくねェだろ。御前1人なンだろ。御前を止められなかッた俺が悪いンだ。最期ぐらい御前の為に1つぐらいは何かをしてやりたくて。酷い自己満足だけど。勝手な身の上話しかないけど。聞いてくれよ、____リディア。)   (4/3 21:27:29)
クロ:椿 > ( 歩き続ける。冷たくなる身体を落とさないように抱き、歩き続ける。帰ろう、帰るしかない。帰ったら弔おう、御前の為に。御前は酷い奴だよ、いけない事をしたから死ぬ運命だった。俺の手で殺せてよかったなんて、上から目線で面倒な事思って、言って、悪ィな。ごめんな。御前の罪半分俺が貰うからまた今度、俺が全ての役目終えたら妹と迎えに来てくれよ。な、また逢おうな。) 【 断罪と約束 】   (4/3 21:27:54)