シャルロッテ&セオドア

分かつ天命

グレー/シャルロッテ ◆ > …………(と、人々が行き交う中、1束のバラの花束を持った少女が、王都の広場にて佇んでいた。多くの人は、その雰囲気、大体の本数……そして、その花の種類を見て、察しが着いたのか、少し離れて歩いていることが分かるかもしれない。)……せめて、最後は思いを伝えたい……(と、アタイはそう独り言をこぼした……)   (3/30 15:44:40)


清瀬/セオドア > (春風に花弁の舞う花祭り。中々に纏まりのない家族がその日だけは仲睦まじく手を取り合い、幸せを笑顔に現して催しを楽しんだ子供の頃の記憶が甦る。長男と長女は祭りの主役である花に目を腫らして苦しんでいたし、卵を食べることができない次女はオウトスイートのフラッグを恨めしそうに睨んでいた。それをも包み込む花祭りの愉しさはまさに偉大な魔術で、それが挙行されることは大変喜ばしいことであった。説明も追い付かぬ程に様々な事があった、疲弊しきった今の自分が心からこの行事を楽しめるだろうか。なんとなく遠巻きにしていたのを払ったのはシャルロッテ。一緒に祭りを回ろうと声をかけてきた彼女の顔に気まずさの色はなく、かといっていつもの覇気溢れるものでもなく。緊張していたようにも、どこか覚悟を決めたようにも見えたあの瞳に見つめられてしまっては、蟠りなど気にしていては無礼というもの。なんてことのない私服に身を包んで外を歩けば、今年も春の王都は明るかった。)   (3/30 16:09:12)
清瀬/セオドア > 「……ほんとに花だらけだなぁ」(鮮やかに飾られた菓子、子供用の玩具、棚に掛けられた装飾品。見渡す限り、モチーフは全て花。華を尊ぶとは名ばかりか、不思議なことに帝国に此のような花を特別に取り扱う行事はない。暗黙の了承ではないが、尊華人も御忍びで来ているのだろう。すれ違う黒髪に、つい余計な意識を向けてしまう。──シャルロッテはもう待っているだろうか、時計塔に目をやると時間丁度を指していた。通りから広場へと抜けて、整った金髪の女性を見つけると軽く手を振った。)「お待たせ、シャルロッテ」(ぱっと目に飛び込んできたのは綺麗な花束。この祭では皆、花の言葉に耳を傾ける。前日にちょっと、付け焼き刃程度に齧った知識で薔薇の伝えたい言葉を思い出そうとするが……はて、何だったかと後ろで手を組ながら花を見つめる。それからシャルロッテの顔に視線を移すと、「どうしたの、これ」と貴方の気持ちを束ねたそれを指差した。)   (3/30 16:09:14)


グレー/シャルロッテ ◆ > ……セオドア。(と、アタイはあなたを見て、心臓が高鳴り始める……恐らく、顔にも多少は出ていることだろうが、そんなことはどうでもいい。……伝えると、決めたんだ。)これ……贈り物。受け取ってくれるかな……(と、花束を相手に渡そうとするだろう。そこには、赤い薔薇が99本……そして、その中にはレターもあり、その中に花言葉が書いてあるかもしれない。)アタイさ……色々あったけども、やっぱり、しっかり自分の思いを伝えたいって思ってね。それに、花祭りがあるから、ちょうどいいかもって思って。(と、相手にそう言おうか……その花言葉の意味は……)   (3/30 16:23:02)


清瀬/セオドア > 「……ん?」(字を呟き此方を真っ直ぐに見つめるシャルロッテ。その顔は喜悦などではなく、祭に誘った時と同じ真摯なもの。ちょっとばかし……いや、だいぶ量のある薔薇の花束をずいと差し出され、“贈り物”と言われた時点で、此れは告白の類いだと漸く確信が持てた。燃ゆる程の情熱的な赤色、特徴的な甘い匂いが鼻腔を擽る。)「……そっか」(笑顔でシャルロッテを見つめるものの、眉は下がりきって声は低くなり、哀に濡れた感情を隠すことはできなかった。『ありがとう』とは言えず曖昧な返事で間を繋ぐ。受け取ることは容易ではなかった。これがシャルロッテの気持ちであると、愛を伝えたものであるとするならば、手に取ることすら。──そうやって躊躇ってしまう時点で、辿り着く結末は一つしかない。)「ちょっと、移動しよっか」(花束をシャルロッテの手元に残して返事はほんの少しお預け。頭をぽん、と一つ撫でてから背中を軽く押して、人気の少ない方へと貴方を誘導しよう。辺りを見渡せば通行人がわんさかと居る、これを見世物にするつもりはない。)   (3/30 16:51:30)


グレー/シャルロッテ ◆ > うん……(と、あなたに誘導されて、脇道に入ろうか……そこに入ると先程の喧騒は無くなり、2人だけの空間となっている……)それでさ……この前はほんとにごめん。怒ったからって思いっきり殴りあげちゃって。(と、まずは相手に謝罪しよう。一通り終わったあと、やはり自分でも突っかかるところはあったのだ。だからこそ謝る。)   (3/30 17:00:42)


清瀬/セオドア > (人気の少ない方へと歩いている間も、どこか落ち着かずに視線が彼方此方へと移ろっていた。いつもならば途切れさせることのなかったリップサービスは何処へやら、まともな会話も続かず路地裏へと入る。紙吹雪や有名なロゴの付いた塵なんかが散らかっていた通りとは違い、騒々しさもその後の侘しさもない、ただ二人だけの空間。この間のことは無しかと思っていたのだが、“それでさ”と続けられた謝罪に首を捻りながら苦笑を浮かべて謝り返した。)「いーや、オレの方こそごめんね。あん時はどうかしてたよ……シャルロッテが居なきゃ、もっと酷いことになってたかもしれないしさ。だからありがとうね」(大人げないなんてものではない。あの時の自分は、ただ自分の主張を突っぱねるばかり、貴方を困らせる為に駄々を捏ねた最低なものだった。)「……それ、貰えるかな」   (4/1 20:43:06)
清瀬/セオドア > (足を止めて赤色の花束をシャルロッテから受け取ると、その中に紛れていたメッセージカードを裏返した。“永遠の愛”を示すこの本数、何故同じ薔薇であるのに数が異なることで様々な意味を為すのか。疑問であると共に、信仰にも似た何かを感じるような気がする。告げれば全ては終わる。13本だなんて不吉な数字で貴方を縛らせるわけにはいかない。友情で終らせることのできる真っ直ぐとした関係ではなくなっていた。貴方には目を覚まして欲しい、この散々だった夢は獏にでもやればいいだろう。きっと二度と見ずに済む。)「本当にごめんね、シャルロッテ」(84本となった花束を地にそっと落として、ハンカチの包み布で小さく束ねた返事をシャルロッテに贈った。愛を崩した答えは。)   (4/1 20:43:08)


グレー/シャルロッテ ◆ > ……ごめんなさい……か。んーん。それはいいってことよ。アタイの片想いかもしれない恋に、きっちりとケジメつけたかっただけだからさ。(と、相手の謝罪とその花言葉をしっかりと受け止めて、そしてしっかりと返す。やはり、初恋はなかなか実らないと言うが、本当であるということは分かった。それで、だ。)   (4/3 21:38:35)
グレー/シャルロッテ ◆ > ……それと、アタイ、この花祭りが終わったら、魔術師辞めて故郷に帰ろうと思うんだ。んで、両親の農作業を手伝ったりとかする予定なんだ。……だから、もうシャルロッテっていう名前も使うことは無いんだ。それに、アタイの村に行ったら大抵はアタイの真名で覚えててくれているはずだから、今更になって字を名乗るのも変だしな。(と、そう切り出そうか。)   (4/3 21:38:59)
グレー/シャルロッテ ◆ > だから、もしカーヤの農村にたどり着いたら、アタイの今から言う名前を出せば、すぐに案内してくれるはずだからな。……アタイの本当の名前は、エリーゼ。エリーゼ・アラカイだ。(と、相手に真名を伝えた。)   (4/3 21:39:32)


清瀬/セオドア > (返事をしかと受け止めたシャルロッテ。やはり彼女は強かで、白黒はっきりとついていて、ほんとに素敵な人だ。だからこそ、こんな自分で困らせるわけにはいかない。自分では結局誰も愛せないのだ。……“魔術師を辞める”という言葉に反射的に何かを言いかけ、開いた口を固く結び直す。シャルロッテの決めた道ならば応援してあげたい、非難は愚か邪魔なんてのはもっての他だ。)「……エリーゼ。うん、いい名前だね」(上手く笑えていたかも怪しい。真名を教えたその真意は何か、さし図ることも難しかった。二人しか居ない空間というのはやけに静寂が目立つものだ。何度目かの抱擁、後頭部に手を回して引き寄せて、暫くはまだ躊躇っていた。   (4/4 11:48:11)
清瀬/セオドア > 応えたい気持ちに対して躊躇はやけに大きな存在だった。真名を告げることがけじめとなるだろうか、今まで誰にも言えず仕舞いだったのに。頼り甲斐があるとはいえども自分に比べれば小さなシャルロッテの体。腕できつく懐に閉じ込めて、蚊の鳴くような小さな声で一つ、呟いた。)「オレの名前、ロイド・ポロックっていうんだ」(忘れてくれてもいい、呪ってくれてもいい。天命を分かち合ったという枷を自ら嵌めた囚人は、密かに願った。天命という刃の先を喉元に突き立てられながら生きたっていい、全てを忘れることを止めて欲しい。ヘスティアのことも、トールのことも、ソウやアレイス、ステラのことも。この少しの間に起きた数々の全てを、記憶に焼き付ける為に。世を生きる人々に完全に忘却されたその時こそが、人の死の瞬間だ。彼らを殺してはいけない。僅かに垂れた涙を枯らしてからそっとシャルロッテを離して、貴方の手を取って特大の笑顔を贈る。)   (4/4 11:48:27)
清瀬/セオドア > 「さっ、行こっか!折角待ち合わせまでして来たんだ。花祭り、目一杯楽しもうよ」(此処を離れる貴方に贈る思い出として、この関係の分別として。恋人にもなれなければ素晴らしい友にもなれないオレたちの終着点は、蔽われた秘密を脱がせあった姿だ。少し寂しくなった花束を拾って、歓楽の祭へと再び足を踏み入れる。贈り物を崩すなんて形ではなく、ちゃんと花を買ってあげたい。例えばそこの店にある、花糸撫子だとか。)〆【分かつ天命】   (4/4 11:48:38)