火津彌&董

六道輪廻

マリア/火津彌 > 「董、どんな花が欲しい?」 (植物が好きなあなたを連れて花祭りに来ていた火津彌が口にしたのは、幼妻を甘やかすようなそんな言葉だった。曲がりなりにも元帝国軍人、顔が割れていないとも言い切れない為に一応大通りは避けて歩きつつ、それでも花に囲まれた王都はどこもかしこも華やかだ。洋装に身を包み、あなたも洋装で行くように手配をした上で連れ立って歩く二人は見た目だけなら尊華系ウェンディア人だと言われてもわからないだろう。) 「お前が好きな花を買おう。腹は減ってないか?疲れてないか?屋台で何か食べるのもええな。食べたいものがあったら言うとええ。」(鬱陶しい仮面を取っ払っても、ウェントの人間は見向きもしない。多様性が認められている国ということなのだろう。連邦となってからはどうなるか、いやはや解りかねる所ではあるが──────今は政治の事は忘れるとしよう。自分はもう、軍人ですらないのだから。)   (3/29 20:48:17)


ゑゐりあん/董 > んー…。選んでくれたものならなんでも嬉しいかな。あ、でも「お前っぽい」とか言って雑草とか渡さないでよね?(賑やかな大通りを避けてはいるが、それでも祭り特有の明るい喧騒は隅から隅まで届いており、2人の歩く路地も例外ではなかった。愛する夫から花を買ってやろうかなんて言われて笑顔を浮かべながらそういう董。死の水由来の病も完治したじゃじゃ馬娘だったが、まだ齢19の小娘。 干支1つ分以上離れた火津彌の前ではあどけなさと可愛らしさが表に出ているのである)もー…子供じゃないんだから。一々言われなくても大丈夫だよ。それに…今は人も少ないから字じゃなくて真名で呼んで欲しいかなあって…(恥ずかしそうに顔を伏せながら言う董。身長の高い彼女に洋装はよく似合い、髪型を整えれば男性に見えないこともないだろう。そんな董は実は花祭りに行きたがっていたのだ。傭兵時代に各地を転々としていた董だったが、訪れる時期が悪く花祭りに参加出来たことがなかった。それ故に、愛する火津彌と花祭りに来れるだけでも大満足だったのだ)   (3/29 21:03:50)


マリア/火津彌 > 「……へえ……」(照れているのかなんなのか、笑顔でそう言ってのける董を見て火津彌は意外そうな声を漏らした。そう深く掘り下げられるつもりもなく言ったものだろうから火津彌も聞き流せばよさそうなものだが、董なら考えがあるのかと何気なく引っ掛かりを口にした。)「……お前なら、”雑草という名の植物はない”とか言いそうやと思ったんやがな。野の花は嫌いか?まぁ良い。そう言うなら一番高いのを買うてやるとするか。」(凛とした立ち姿に似合わず、『子供じゃないんだから』だなんて相変わらず言う事は本当に子供のようだ。やれやれと肩を聳やかしつつも、彼女が羽を伸ばしている証拠には安堵を覚えた。)「子供扱いだと思ったんか?そりゃ僕の言葉選びが下手くそだったようで失敬。ま、口説かれても解らないようじゃ浮気の心配はないな。」(こつんと額にでこぴんを食らわせながら目を細めて)「あーほ、あほ響希。」(と付け加えていじわるに笑った。)   (3/29 21:13:56)


ゑゐりあん/董 > あー…まぁ確かに雑草って言うのは語弊かな。私が言いたかったのは「贈る目的で育てられてない花」って意味でね。野花はもちろん好きだよ?でも、折角贈るために育てられた花があるのに、一生懸命生きてる花とか草を態々摘むのはあんまり好きじゃないかなーって話。生まれたものにはそれぞれ意味があるからね。その意味以外の使い方を部外者はしちゃいけないって思うんだ(董の持つ生きる意味についての解釈。ふと思い出すのは帝國での祭りの際に小さな少女に同じようなことを説いた覚えがある。あの時あの子を傷つけてしまうようなことを言ってしまったが、今は元気にしているだろうか)浮気なんてするわけないでしょ?私にとっての月光はだ…旦那…さん…以外の意味もあるんだから!(やはり旦那さんというのは少々恥ずかしいのか少しだけ言葉を詰まらせる董。やはりまだまだ子供っぽい)んな!?アホって言わないでよ馬鹿月光!アホって言った方がアホなんだから(ギャーギャーとじゃじゃ馬らしい反論をする董であった)   (3/29 21:26:02)


マリア/火津彌 > 「……」(生まれたものにはそれぞれ意味がある、か。何故か胸がつきりと傷んで、目の前の図体ばかりでかい割に中身はいつまでも天真爛漫なこの少女を問い詰めてやりたい気持ちにすらなった。けれど、あなたがそう言うのなら──────と。湧き上がる感傷を今一度少しばかり抑えて、あなたらしい、笑顔の花を、あなたなりに咲かせている姿を見つめて目を細める。)「……そうか。」(肯定も否定もしないまま、元気いっぱいに騒ぎ立てるあなたの高い頭に手を伸ばす。2,3回ぽんぽん、と撫でて、軽口の応酬を終わりにした。)「はいはい、アホで結構。……ほんなら、お前の言う通り贈られる為の花を見るとしよう。ちょうど花屋があるな。」(今だけはウェント中のどこにでも花屋が軒先を連ねる。『キルシュブリューテ』と書かれた花屋に近寄り、バケツに入れられた花たちを吟味した。桜にチューリップ、菖蒲、カーネーション、薔薇に芍薬。むせ返るような花の匂いに包まれながらあなたの顔を伺った。火津彌が選んだものならばなんでもいいとは言われたけれど、好きな花くらいきっとあるのだろう。)   (3/29 21:44:14)


ゑゐりあん/董 > …?(頭をポンポンと優しく叩かれ首を傾げて大人しくなる董。まるでそういうおもちゃみたいだ。そして彼について行くと綺麗な花々が並んだ花屋に着く)わぁ〜…!いい匂い!それにどの花も全部綺麗だなぁ(と目を輝かせて花々を眺める董。火津彌の実家に嫁いだとはいえ、幼い頃から慣れ親しんだ信仰は簡単に変えることはできておらず、今も彼女の自室はいくつかの植物がある程だ。そんな彼女にとって花屋は心安らぐ場所にひとつであるだろう)…(と彼女の目線の先に留まった花があった。その花は菖蒲であった。己の生き方でもある菖蒲道にも書かれている菖蒲。やはりその花は董にとって思入れ深い花であった)   (3/29 21:52:28)


マリア/火津彌 > (菖蒲の花に目を止める彼女を見て、火津彌はどこかほっとした。そのまま店主に『この菖蒲を、あるだけ全部』と伝えて金を渡す。菖蒲は花束には向かないから、家で生けるようにと売られているのだろう。根本を濡れた紙で包み、花籠に入れられた数十本の菖蒲を受け取り董に手渡した。)「まだ全部蕾やな。家で生ける為やから、だんだんと咲いていくのを楽しむんやろう。……家までは遠いが、宿にでも行ったら飾ってくれ」(まるで自分は行かないとでも言うような口ぶりは、完全に無意識からこぼれ落ちたものだった。『さて、今度こそ飯でも行くか?』と告げて空いたあなたの手を取る。)   (3/29 21:58:57)


ゑゐりあん/董 > わぁ…!ありがと!(目線に気付いた火津彌が菖蒲を買うのにそう時間はかからなかった。火津彌が購入した菖蒲を受け取り董は笑顔で礼を述べる)うん、そうするよ。家に帰ったら一緒に植えようよ。目立つ場所にさ(買ってもらい気分が高揚したの彼の不自然な物言いに気付かぬ董。そして飯にするか?と言われ手を握られ)うん。行こ(手を握り返して返事をする董。そして体を少しだけ彼の方に寄せてみる。歩きにくいけど、暖かいから)   (3/29 22:03:54)


マリア/火津彌 > (董と話せば話すほど、自分は何も知らない、とんでもなく無垢な少女を拐かしてしまった気分になる。天真爛漫で可愛いと思う事はあれど、若さ故の未熟さを完全に許容し手放しで愛でる事もできない程度には、やはり火津彌も若かった。)「あのな……」(菖蒲は球根で育ち、葉挿しでは増えない。これを庭に埋めたところで枯れてゆくだけという事くらい、植物に詳しい董なら知っている事なのだろう。だからおそらくは”植える”と”生ける”を間違えたのだと解釈した。もう軍人ではないから言葉を大切にしろなどと説教をして魔術師の何たるかを説いたところでとは思うものの……)「”生ける”、な。これを植えてもどうしようもないぞ。」(とりあえず、このくらいにしておこう。)「……」(そんな事だから、手を握られても胸が高鳴る事はなかった。それでも彼女といると安心し穏やかな気持ちにはなるから、結婚相手としては相応しかったのだろう。ただ胸を締め付ける罪悪感からは逃れられないまま、ぎこちなく手を握り返した。)「……董、お前は……うちを、鬼灯家をどう思う?……やはり、肩身が狭いか?」   (3/29 22:26:22)


ゑゐりあん/董 > あ…(火津彌に買ってもらって気分が高揚してしまったせいか言葉選びを間違えたようだ。魔術師としては失格である失言だ)や…やだなぁ!わかってるってば!あははは!(なんて言いながら照れ隠しなのか握る手を強める董。やはりどこか、幼い)え?鬼灯家を?(突然の質問にキョトンとした表情を浮かべる董)うーん…まぁ…やっぱり狭いっていえば…狭い…かな。…ただでさえ没落貴族出身で女らしさがないし、その上にこの前はあんなことになっちゃったし…(あんなこと。つまりは死の水による発狂である。あまり親子関係が良くない火津彌。そんな彼の妻である董も鬼灯家が諸手を挙げて歓迎するような立場ではなかった。その上で死の水で精神に異常をきたし多大な迷惑をかけたのだ。肩身が狭くないわけが無い。しかし、肩身が狭い思いをしながらも、居心地の悪さを感じながらも火津彌の存在が董を支えているのは確かであった)   (3/29 22:37:18)


マリア/火津彌 > 「……うん、うん。」(董の返答を聞き、火津彌はきつく唇噛んだ。)「ただ、お前の思っている以上に家の人間はお前を好いとる。……その、女中とか、神職の奴らとかな。お前の明るさが、ぎすぎすとした鬼灯神社を少し変えてくれたんや。……父上のことは、ほっとけ。どうせお前より先に死ぬ。それにな、女らしさが無いなどと自虐する必要はないぞ。伊丹家が落ちぶれたとかいう話はお前からも聞いたが、それでも貴族育ちやからかな。時々とんでもない事をするし、やらかしも多いがお前を下品だと思った事はない。……いや、回りくどい言い方はやめよう。お前にはどこか気品があるよ。菖蒲に似た凛とした気品が。」(今考えている事を話そうか、話すのをやめようか、ずっと考えていた。自分は家を発つつもりでいるということ。とりあえず飯にでも逃げようと思っていたが、董と話していくうちに心が決まったというのか、むしろ彼女が背中を押してくれている気すらする。)「……なぁ、花屋に戻ろう。鉢でも買わないか?」   (3/29 22:55:30)
マリア/火津彌 > (言葉には力がある。言霊には心がある。”生ける”と”植える”を間違えたのは必ずしもうっかりという訳ではなく、彼女の深層心理がまろび出たものなのかもしれないと、先の返答を聞いて考え直した。董はきっと、ずっと寂しかったのだ。鬼灯のうちを親しんだ植物だらけにして居心地を良くしたかったのだ。カッコウが宿主の雛を追い出すのともまた少し違うけれど、まだあそこは、彼女にとって巣にはなり得ておらず、だから彼女は、家の目立つところに菖蒲が、伊丹の徴が生えていればいいと、きっと、そう思ったのだろう。)「うちに植えるのならば、どんな木がいいかな。……花なぞ咲かんでもええ、長く続いてくれるなら、それで。」(もしも本当に自分がいなくなってしまったら、望んだ切なさを満たすものがいるだろう。ならば長く生きる木を。火津彌はただ、そう思った。)   (3/29 22:55:35)


ゑゐりあん/董 > そう…なの?(火津彌から告げられたのは想定外のことだった。そもそも蝶よ花よと育てられた箱入りの令嬢なのだ。見知らぬ家に嫁入りすれば、不安が身を支配し周りが敵に見えるのも致し方なしと言ったところだろう。その言葉が嘘であれ誠であれ、董の心の荷を下ろしたことは事実であった)…ありがとう(本当に不安で仕方がなかったのだろう。怖くて仕方がなかったのだろう。董の目にはちょっぴり涙が浮かんでいた。ろくに花嫁修行もせず、男のようにじゃじゃ馬で、他の女性を見る度に実は不安に苛まれていたのだ。没落したとはいえ帝國建国期より続く貴族の娘。そんな肩書きに見合う気品さを自分は持ち合わせていない。火津彌にも迷惑をかけているのではないか、と枕を濡らす事もあった。そんな彼女の心を火津彌は確かに癒したのだった)…うん。そうだね。買いに行こうか   (3/29 23:18:59)
ゑゐりあん/董 > (鉢を買いに行こうか。彼の言葉に同意する董。しかし心が落ち着きを取り戻したことで、ひとつ気付いたことがあった。火津彌の様子がなんだかおかしい。病気とか怪我とかを隠すおかしさでは無い。何かを言い出そうとして中々言い出せないようなおかしさであった。普段の軽口で皮肉屋な雰囲気の彼とは全く違うのだ。強い絆を持つ董でなくとも察することは出来るだろう。物凄い胸騒ぎがした。ザワザワと、大木が揺れるような胸騒ぎが)…そうだね。何十年…何百年って待てるような……木がいいな(何を言い出すのだろうか。分からない。とても怖かった。怖いから董は火津彌の指に己の指を絡ませ外れないように、離れないようにした。それはまるで、地に根を張る植えられた花のようだった)…ねぇ月光(董が口を開いた)…何か…隠してない?(ここで董は足を止めて火津彌の顔を見る。本当は言いたくなかったが、しかし我慢できなかった。どうしても、聞きたかったから)気の所為ならいいんだけどさ…。その…いつもと様子違うなって…(風が吹く。常磐色の髪が、木々を彩る緑葉のように揺れた)   (3/29 23:19:01)


マリア/火津彌 > 「──────……」(おずおずと口を開き、顔を向けてくる董の瞳を見つめる。ああ、ここが正念場だ。何というべきか火津彌は何度も息を吸いためらった。『別れよう』だろうかか?それとも、『自由になって良い』だろうか。『お前の好きなところに行け』『好きに生きろ』……『お前はどうしたい?』『お前は──────』『お前は、本当に僕の事が好きなのか?僕の事を、見てくれていたか?』)「……お前は、」(何もわからない。最後は沈黙に耐えかねて、するりと喉から這い出るように言葉をこぼした。)「贈るために育てられた花は、贈るために摘まれるべきだと言ったな。」(あなたに握られた手を離し、足元に目を向けた。火津彌はもう、自分を縛る”禍根”の何もかもをも断ち切りたかった。)   (3/30 00:04:40)
マリア/火津彌 > 「……僕は、鬼灯家の当主になる為に育てられた。忌々しい父上の跡を継ぐ為に種を撒かれた。……望むように育てられた者ばかりではないんや。あの人も─────……」   (3/30 00:05:02)
マリア/火津彌 > (あの人。とうとう、口にしてしまった。花祭りの喧騒が耳鳴りのように遠くなっていくのを感じながら、火津彌は視線をあなたに向け直した。)「すまん。僕は、……咲夜中将を探しに行く。もう、帰らない。」(自分も、董も、中将も。花や植物ではない、人間なのだ。その足で行きたい所に行けるというのに、董の持論を真に受けて否定するような事を言う自分が酷く見にくい悪者に思えた。いや、実際そうなのかもしれない。それでも、初めに花を擬人したのは他ならぬ董なのだ。)「オウガはいつまでも見つからない。僕はもうあんな奴に期待したくない、雷鏡に渡した金は全部くれてやる、僕は、もう。戦っても、戦わなくても辛いんや。」(万事屋雷鏡という男に、咲夜中将と因縁の相手、オウガを捜索するように依頼したのはあなたにも話したことがある。咲夜中将に執着するのは、決して恋や情などと呼べるものではない。これはあなたと中将を天秤にかけた結果などという簡単なものではないけれど、それでもあなたを連れていく事は出来ないと思った気持ちには説明がつかない。)   (3/30 00:05:11)
マリア/火津彌 > 「お前を愛すのも、捨てるのも辛い。中将を忘れるのも、思い出すのも辛い。もう、どうなっても辛いんや。」(口にすれば整理できると思っていた気持ちは、余計に混沌を極めて絡まり縺れる。自分の気持ちを聴いて欲しいなどと、董に甘えるのはもう止そうと思った。彼女は自分を、決して甘えさせてはくれない。だからいつか甘えさせてくれる女のところへふらふらと行き、屑に成り下がるのも時間の問題かもしれないとすら思えた。自分は妻を充分甘やかしたつもりだ。そう思ってしまう自分は、竜灯のような色男にはなれないのだと器の小ささを思い知る。)「すまん、こんな男で、本当にすまん。根が絡んで、もう、自分ではどうすることもできないんや。探さないでくれ。」   (3/30 00:05:17)


ゑゐりあん/董 > …うん(生きるものには生きる意味がある。それが董の持論だった。そのことを繰り返され董は頷く。すると彼が指の絡んだ手を離す。行かないで、離れないで。そう思いながらも引き止めることの出来ない程の意志の強さのようなものを感じた)……っ(帰らない。その言葉を聞いて董の唇が震え、それを悟られぬように唇を強く噛み締めた。その後の彼の言葉もどこか遠くに聞こえた。きっと私に飽きたとか、そんな一言で片付けられる問題では無いのだろうと直感で理解した。こんな事を言うのに凄い勇気が必要だっただろう。探さないで、という彼の言葉を聞き終えると。董はより火津彌の顔を見つめた。脳に焼き付けようとするかの如く。小さく涙が零れた)   (3/30 21:56:16)
ゑゐりあん/董 > …私は…(彼の顔を見つめて数十秒後、董は口を開く。その言葉は、様々な感情が故に震えていた)咲夜中将って人に会ったことがないし…月光と咲夜中将がどんな関係かもわかんない…から…っ(ボロボロと大粒の涙が零れる。行かないで欲しい。離れないで欲しい)月光の…想いを…ッ理解することはできないんだ…ッ(声が上擦る。1人にしないで。ようやく手に入れた安らぎなのに)…でも…私は…ッ   (3/30 21:56:33)
ゑゐりあん/董 > (でも、そんな想いはあなたを縛り付ける根でしかない。あなたの心を犯す罪深い根。嫉妬深い独占欲。そんな根は、燃やさねば)…私は、 これ以上なくあなたに与えてもらった。幸せを。安寧を(董は涙を拭い、泣き出すのを我慢し、真っ直ぐに彼の目を見てそう告げる)だから今度は私があなたの願いを聞き入れる番だって思ってる。だから…私はあなたを引き止めない(ギュッと、小さく握りこぶしを作る。今すぐに考え直して欲しい、という己の欲望を押さえつけるように)…ただ、私としてはあなたと離れたくない。…全力であなたを送り出せない…(我慢しろ。彼はずっと我慢してたんだ。だから私も我慢を)   (3/30 21:56:46)
ゑゐりあん/董 > 月光…ッ!!(董は駆け出し、火津彌を抱きしめた。強く。力強く)浮気したら…許さないから…ッ!!他の女に誑かされたら許さないから…ッ!! もう帰らないって言っても…私はずっと待ってやる…ッ!!一生待ってやる…ッ!!(限界だった。それは当然かもしれない。己を名前の呪縛から解き放った恩人であり、最愛に人物を失うに等しい事なのだから。この言葉が彼の心を縛る根になっても、言わずには居られなかった。やはり、まだまだ幼い若芽だった)ごめん……愛してる(そう言って董は火津彌に寄りかかった)   (3/30 21:56:48)


マリア/火津彌 > (力強く抱きしめてくる董のぬくもりを感じながら、火津彌はうなだれた。いっそこの頬を叩いてくれたら、この胸を殴りつけてくれたらどんなにか──────いや。どの道を選んでも、苦しむなんて事は承知のはずだったろう。)「……すまん……」(思えば、幸せや安寧を与えてもらったのはむしろ自分のほうだ。こんな時代でさえなければ、素直にそう思う事が出来たのだろう。これ以上自分に縛り付けたくないと思いながらも、震える腕は彼女の背中に周り、抱き締め返す事を止められないでいた。)「……お前は、ほんまに、ええ女や。」(だからこそ自分にはもったいなかった。今更そんな事を思うだなんて、本当に救えない。)   (4/1 20:35:55)
マリア/火津彌 > 「もし、来世で……」(そう口にしてしまった瞬間、目に涙が滲んだ。)「会うたら、」(今はひどく、あなたが小さく見える。)「今度こそ、添い遂げて、しあわせに、なろう」(離さなければいけないと思うのに、その震える肩をはねのける事はできなかった。火津彌は立ち尽くしながら、いつまでもいつまでも、妻を抱き締め続けた。──────一生待ってやるなんて言うな。今生は、お前の好きに生きてくれ。だけどもし、本当に待ってくれるというのなら、来世こそ。来世で、待っていてくれ。そんな自分勝手な言葉はついぞ伝えられないまま。一つの物語が幕を閉じる。)   (4/1 20:36:02)
マリア/火津彌 > (二人が明かした最後の晩は、ここには記さない。火津彌と名乗った男の旅立ちの傍らにはニ双の小太刀があった。これを返す時が来るとしたら来世だろうか。それは玉響の一瞬かもしれないし、あるいは、久遠の無窮かもしれない。……どちらにせよ、似たようなものだ。)「一如、二諦、三相、四智、五行……………」(火津彌は使いなれた詠唱を意味もなく唱えながら、心を無にして一歩足を踏み出す。修羅の道へと)〆【六道輪廻】   (4/1 20:36:08)