袋の男&ステラ

りそうのきしさま

大和守/袋の男 > (輝く様な金髪、太陽の様な紅の瞳。すらりと細い長身にウェンディアブルー、そして白のマントを纏ったその姿はまるで『騎士』という文字を背負うのに相応しいと理解させられる様な美丈夫がいた。彼は医務室へと訪れていて、何かを探す様に辺りを見回すだろう。何やら寝台に寝転がる患者の数は少なくなく、重傷者も居るのか付きっきりになっている司祭も多い。そんな中、目を付けたのは、まだ幼い貴女。周りよりも幼いが、きっと貴女も司祭の一人に違いない。そう踏み、彼は貴女の元へ歩んでいく。──嗚呼、その騎士の下には醜い化物が隠れているだなんて、一体何人が暴けるというのだろうか。事実、医務室に入ってきてから何人もの司祭や患者達にその姿を見られたが『化物だ』なんて叫ぶ者は一人として居ないのだから。騎士の姿に化けて忍び込んだのは、まぁまだ若い子供を連れ去る目的以外には何も無いのだが。その標的として、貴女が選ばれた。)「すいません、そこの司祭の方」(貴女の前で、腰を折って一礼してはそう声を掛けた。表情には柔らかな笑みを浮かべそのまま保って、警戒なんてされないように。)   (3/24 08:48:57)
大和守/袋の男 > 「……嗚呼、突然お声掛けしてしまい申し訳ありません。お恥ずかしい事ですが、鍛練の途中で右腕に怪我を負ってしまいまして……宜しければどうか、貴女に、治療をお願いしたいのです」(『貴女に』の部分を特に強調する。それがあるのと無いのとではかなり言葉の印象が変わってくるだろうし、それに年頃の女の子というのはそういう特別感とやらが好きなのでは無かったか。そんな青春など送った記憶も無いソイツにとってはただの予想でしか無いが、貴女に何らかの効果を与えられた事を期待する。患部だと思われる腕を胸の前で折り、まるで敬礼でもするかの様に曲げた腕をそのまま貴女へ軽く差し出した。実の所怪我なんて負っていない。ただ貴女に接触する為の切っ掛けとして、お得意の演技を嘘を口にしただけなのだから。)   (3/24 08:48:59)


シロー/ステラ > 「⋯⋯はいっ、暫くは安静にしておいて下さいね。えっと⋯⋯」(少しずつ落ち着いては来たものの、司祭という役職柄、負傷した騎士達の治療などで忙しい日々は変わらなかった。今年も変わらず始まった花祭りにまだ行けていないのは悲しいけれど、ここに居る騎士達はもっと悲しいだろうと思うことで頑張っていた。寝台に寝転がった一人の騎士の幹部に向けていた掌を引っ込めると、安心させる為か、少し跳ねがちでくすんだ髪とは裏腹に穏やかな笑顔を浮かべ。他の騎士を見回ろうと歩き出した所で呼び止められて、振り向いたのだった。)「あっ⋯⋯えっ、わたし⋯ですか?はいっ?」(周りを見渡したが、やはり彼が見ているのは私だということで、自分よりも背の高い騎士を見上げる。まるで騎士団物語に出てくるような様になった姿に、ほんの僅かに憧れからか高鳴ってしまう胸を、彼は負傷してるんだから!と押さえ込みつつも、さらに続いた言葉に今度こそ感情を顕に瞳を見開いた。)   (3/24 22:32:16)
シロー/ステラ > 「わ、わたし⋯⋯!⋯⋯は、はい!わたしでよければ、分かりました!」(お世辞を抜きにしても整った顔立ちの騎士で、尚且つ口調も礼儀正しく気品に溢れている。少々キザすぎると思う人も居るのかもしれないが、少々夢見がちな少女には効果覿面だったようで。緊張した様子で、胸の前で手を合わせて握りしめながら頷いた。わたしはまだまだ新米で、他にも立派な司祭様はいるのに。なんて気持ちから一欠片も怪しむ事もなく、身に余る光栄に失礼ながら胸を高鳴らせつつ、掌をたどたどしく、おっかなびっくりといった様子で差し出された幹部らしき腕に向けた。)「ここですよねっ⋯!あの、どんな怪我をしちゃったんですか⋯?出来ればその、袖を捲って見せて頂いても⋯⋯っ」(どんな怪我が、出来れば視覚と知識で認識して呪文を組み立てた方がいいと、この騎士様に恥ずかしい所は見せられないと、少しでも綺麗に治療する為に近づいて上目遣いで眉を下げた。   (3/24 22:32:20)


大和守/袋の男 > (─────嗚呼、実にイイ。どうやら己の演技は上手く行っている様子で、貴女の幼さの残る仕草と肯定とを目にしては内心嫌らしく笑みを浮かべた。これだから子供というのは実に扱い易く、そしてそこが実に愛らしい。今の貴女はまるて恋する乙女の様にも見える。己に向けられている感情が何であれ、負のモノではないのだろうと断定したソイツは、けれど都合の悪い言葉に少し困った様に笑みを浮かべるだろうか。)「あ、ええと……分かりました。少しばかり酷く……もしかしたら驚かれてしまうかもしれませんが……」(一瞬、言葉に詰まってしまった。けれど悩んでいた理由を尤もらしく付けてやれば休む間も無く思考を巡らせる。酷い傷……腕にぶっ刺した時の傷でも模倣してみせるか? 否、流石にそれは駄目だ。傷口があまりにも耐え難すぎるし、怯えさせてしまう可能性もある。剣使いの騎士、という設定を勝手に組み立てていたソイツの思考には多くの傷が浮かんでは消えた。最終的に数個に絞り、その中から見た事のある──というよりかは、己が付けた事のある傷のみを抜擢しそして。)   (3/25 16:39:50)
大和守/袋の男 > 「……一応、縛って止血はしてあります。ただ、治癒魔法に私は精通しておらず……情けない話ではありますが……」(ぐにゃり、一瞬にして記憶の中に浮かんだ一つの傷を無傷の肌へと乗せた。袖を捲り、その下にはぱっくりと一直線に開いてしまった傷があった。止血をし、血は綺麗に拭ったお陰で傷口だけが見えている。眉を下げ、こんな傷をうら若き少女へ見せてしまう事への情けなさに、表情に影が射した。弱々しい笑みを浮かべて、己の未熟さへの呆れを嘆く。────無論、その下に居る化物はそんな事一欠片たりとも思っていないのだが。こうして騎士に化けるにあたって、化物が今だ完全には治っておらず負っている傷も化ける事によって一時的に隠しているが。本音としてはさっさと治療しやがれ小娘、であり相手を慮る心など一切ありはしない。ある訳がない。そんな内心を抑え込みながら、貴女を何処か不安そうに見つめ治療を待っていた。)   (3/25 16:39:52)


シロー/ステラ > 「⋯⋯⋯っ」(ごくりと息を飲む。相当な怪我をしているのだろう、驚くような失態はしまいと緊張した面持ちで臨む。緊張は、無意識のうちに掌を合わせ、指を何度も交差させている様子からも窺えるだろう。袖を捲られると、そこには痛々しい斬り傷が。息の漏れる音と共に、ステラの視線が彼を見上げるように上目遣いになる。眉を下げる表情を見て、まだ痛いのだろう、と心配しつつも、焦って司祭として無様を晒す事だけは絶対に避けなきゃと、一度深呼吸してから掌をかざした。)「情けなくなんてありません⋯!い、今すぐ治療致しますので⋯⋯」(そう言ってから、ステラが呪文を唱えるまでには数秒の空白が生じる。頭の中で恥ずかしくない呪文を練り上げて、ゆっくりと一語一語噛み締めて唱える。)「大地照らす天上の神よ。我等に遍く寵愛を与えてくださる太陽神様に希う。かの敬虔なる太陽の騎士の傷を癒したまえ。どうか、主の御威光と御加護を以てしてかの者を救いたまえ。太陽の名のもとに」(ゆっくりと呪文を紡ぎ、祈るように目を閉じたまま、彼の傷に手を翳し続ける。怪我は癒されたのか、緊張しながらゆっくりと目を開けて確かめようとするだろう。   (3/26 15:01:01)


大和守/袋の男 > 「…………あっ……」(溢した言葉は、貴方の詠唱が成功し魔術が為った事への証明か。とは言っても、傷が癒される瞬間など見た事が無くむしろ傷付けるばかりのソイツにとってはそれを演じる事など出来ず、それもまたお得意の演技に違いない。偽りの傷には癒しなど与えられずとも、本来のソイツの黒い体には確かに癒しが為っていた。貴方が目を開き結果を見る前に、傷を隠す様にして無傷の肌を上へと被せる。貴方からしたらそれは魔術によって癒された事だと思えるだろう。)「有難う御座います、やはり貴女に頼んで良かった……! 貴女は素晴らしい御方なのですね……。その淡い色の綺麗な御髪も併せて……まるでそう、天使の様な方だ」(貴女の手を両の手で柔らかく包み込み、貴女の素晴らしさを心から称賛するかの如く感情を込めて言葉を口にした。決して棒読みにならない様に、演技だとバレないように。ハッとして『あっ、申し訳御座いません』と手を離せば、主に仕える騎士の様に貴女の前に片膝をついた。)   (3/26 19:53:50)
大和守/袋の男 > 「私はヘリオスと申します。……今から申す言葉は貴女を驚かせてしまうかもしれません。ですがどうか、私の言葉に耳を傾けて下されば嬉しく思います」(貴女を見上げ、真摯にそう訴える。これから告げる言葉は、貴女を確実に驚かせる様な言葉だ。何故と、動揺させてしまう言葉だ。緊張しているのか深呼吸を一つして。ソイツは言葉を紡ぎ始めた。)「私は、貴女に恋心を抱いております。貴女の努力し励む健気な姿に心を打たれ、何時しか貴女を側で守りたいと思う様になりました。……どうか私とお付き合いして頂けませんか」(人を上手く懐柔するには【恋】というモノが最もやり易い。先程までの貴女の反応を見るに、上手く押せばいけるのでは無いかと推測した。どうか堕ちてくれやしないかと、実に真剣な表情で貴女を見つめていたのだった。)   (3/26 19:54:01)


シロー/ステラ > (無事治療が成功した事を察すると、ステラはぱぁっと表情を明るくしてから、ほっと胸を撫で下ろした。良かった、騎士様に不甲斐ない姿を見せずに済んだ。太陽神様、ありがとうございます。と何度も心の中で繰り返していたが、そんな思考は一瞬にして頬に当てられた掌のせいで消え去ってしまった。)「えっ⋯⋯?あっ⋯⋯そっ、そうですか⋯⋯?わたしが⋯⋯?あ⋯⋯」(頬に手を当てられたたけで、ステラの顔は茹で蛸のように耳まで、みるみるうちに赤みを帯びていく。更には畳み掛ける様に掛けられたキザな口説き文句は、初心な上に夢見がちな少女の心にするりと入り込んで消えなかった。何度もさっきの言葉が脳内でリフレインして、すっかりのぼせ上がった頭が冷える間も与えられる事無く、熱を持った言葉が確かな魔力を持ってステラの耳に届く。)「あっ⋯⋯わたしは⋯⋯ステラ⋯⋯です。⋯⋯あ、あ。」   (3/27 18:45:37)
シロー/ステラ > (ただ名乗りを返す事しか出来ずに居る間に続いた言葉に、口をぱく、ぱくと開けたり塞いだりして、瞳を細めて視線を下げると、もじもじと下腹部あたりで掌を擦り合わせていた。魔術師でありながら言葉一つ紡げない醜態を数十秒の間披露してから、上目遣いにヘリオスを見上げるのだった。)「わ⋯⋯わたしでよければ⋯⋯あっ、いえっ⋯!わたしも⋯⋯ヘリオスさんみたいな素敵な人となら⋯⋯あ、いいえ、ヘリオスさんが好きです、好きになりました⋯⋯」(途中で耐えきれずにまた視線を下げ、金の前髪で顔を見えないように隠しながら、震えがちに何とか言葉を紡いだ。真っ赤になった耳が髪の間から見えるだろう。そのまま、深くお辞儀をした。)「⋯⋯よ、よろこんで⋯⋯っ!精一杯、尽くします⋯!」(こんな夢の様なシチュエーションに、ステラはもう虜になっていた。   (3/27 18:45:39)


大和守/袋の男 > (貴女が口をぱくぱくと開け、閉じ。明らかに動揺している様子をソイツはじっと見つめていた。さぁ、どんな返答が来るだろうか。望むのは『はい』、という己を受け入れるという了承だけだ。嗚呼、それさえ揃えば。それさえ整ってしまえば──そんな願いを、無情にも神は叶えてしまうのだった。ソイツを喜ばせる事しかしない、ソイツ以外は絶対に幸せになれない願いを。)「……嗚呼、」(────嗚呼。)「……良かった、有難う御座います。私はこの世の誰よりも幸福です……!」(──最高、だ。)「此方こそ。今この時より、貴女の事を命を懸けて守る事を此処に誓います」(心の底から嬉しそうに、ソイツは笑みを浮かべた。そのまま貴女の手を取って、その手の甲に口付けを一つ落とすのだった。正しくその姿は物語に出てくる『騎士』の様で。何処までも、何をしても貴女の『理想』を演じてみせようとも。だって、幸福の絶頂で叩き落とすのが何よりも楽しいのだから。それを心から楽しむのが、ソイツの楽しみだ。どうしようもない、救いようが無い【悪】だ。)   (3/27 19:48:54)
大和守/袋の男 > (──────さぁ、布石は整った。後は地獄に落として、堕としてやる。『理想の騎士様』に裏切られて殺される時の気持ちは、是非とも教えて欲しい。)【りそうのきしさま】〆   (3/27 19:48:57)