ヨハン&ギゼム&ハヤタ&フィディア&セリヤーナ

シュクロズアリ

マリア/ヨハン > (王都攻城を終えてからの一週間は慌ただしく、嵐のように過ぎ去った。これからは石畳の上を拠点に構えて暮らす事になるのだろう。相変わらず統率も規律もなく散り散りになり、棲家の物色でもしに行くと思われた旅団員達を再び寄り集めたのは、特に誰ともなく出た『礼拝に行こう』と言う提案であった。度重なる会議や夥しい程に迫られる決定の数々に疲弊しきっていたヨハンはこれ幸いと、王都にほど近いスザンのスラムに行く事を提案した。乗り気でない者を言いくるめ、ヨズア連邦軍なんて大層な名前に変わった一同はもはや懐かしさすら感じる慣れ親しんだキャラバンの様相を呈して、王都の端の林で野営の幕を張る事になったと言う訳だ。)「ウェントにもそのうち神殿を作るんだろうけどさ、建立には職にあぶれてたヨズア人を携わらせてやろう。きっと、良い結果になる。」   (3/22 20:41:30)
マリア/ヨハン > (殆ど独り言のように言い放ちながら、土の上に座り焚き火を眺め夜を謳歌する梟の声に耳を傾けた。周囲には松の木が生い茂り、遠くでは雪解け水が沢を成す音が聞こえる。こうして焚き火を囲むのも最後になるのかもしれないという思いからか、ヨハンも慣れない野草摘みに精を出していつも以上に豊かな食糧をかき集めていた。家を出た頃は食えるものと食えないものの区別もつかなかったが、旅の中でこの男も成長したということだろう。野草でいっぱいになった小さめの麻袋を抱えて辺りを見回した。)「……なあ、誰か鍋貸してくれ。みんな持ち寄ったもんを全部入れちまおうぜ、オレ塩持ってきた。おっとと、それから火が消えそうだ。手も貸してくれよ。」(火種を突いていた枯れ枝をタクトのように持ち、軽く振りながら旅団員達に声をかける。側に居るのが自分と縁の浅からぬもので固まったのは、なんとなく自然な導きなんだろう。…………この面子ならば、構わないか。ギゼム、フィディア、セリヤーナ、ハヤタの顔を順に見て、ヨハンはにいっと笑った。)   (3/22 20:41:38)
マリア/ヨハン > 「……なあ。」(夜の静寂に一石を投じるとしよう。)「ウェントは元より多民族の街だ。ヨズアの血も、そう遠くない未来には薄れていってしまうかもしれない。純血主義が正義とは思わないけど、オレたちが後世に残せるもんをひとつ、考えてみたんだ。」(焚き火がヨハンの顔を煌々と照らした。赤い目の中でちらちらと火の先が動く。)「これから名字を名乗らないか?なんでも良いよ、ヨズアらしけりゃなんでも。‥…それともみーんな一緒に”シュクロズア”にしちまおうか?」(最後の一言は流石に冗談のつもりで、そうと解るように口調を変えて軽快に放たれた。)「ハサドとロジータはどう思う?」(続いて、誰の顔も見ないまま悪びれもなくそう呟く。それは王都攻城で聞いた名だった。自分も敵にすら真名を打ち明けてしまったのだから、この二人……ギゼムとフィディアにとってもきっとこれは真名なのだろうと決め打っていた。あえて名指しにしなかったのはほんの少しの良心が逃げ道を用意してやったからで、ダメ押しに『なーんてなっ、ははは!』と手をひらひら動かした。)   (3/22 20:41:46)
マリア/ヨハン > 「そうなりゃオレは、ジョン・ザルツベルグ=シュクロズアかな。いや、さすがに冗談だけどね。けど、ザルツベルグの名は捨てらんねぇや。」(自分の真名を口にするのも、この面子ならば抵抗もない。あと聞いていないのはセリヤーナとハヤタか。どっちでも良いとは思うけど、どうせなら聞いてはみたい。ついでに、ギゼムやフィディアの真名の由来も。あえて口にしないにしろ、そんな思いがなければこんな話はしないという事を察する者は察するだろう。)   (3/22 20:41:51)


シロー/ギゼム > 「ひひひっ!やっぱりこうじゃないとなぁ」(一通り旅団員などと談笑を交わして来たのだろう。他の焚き火を囲む別のグループから、ヨハン達の方へと歩いてきたギゼムは、背中に麻袋を一つ引っ掛けた状態で笑った。王都に程近いからか獣の遠吠えは聞こえないものの、暗がりでぱちぱちと薪が爆ぜる音、梟の夜鳴き、揺れる火に合わせて影の形を変えながら照らされる旅団員の横顔というのは、まさしく心躍る時間であった。ましてや、これが最後かもしれないと思えば。ヨハン、セリヤーナ、フィディア、ハヤタと順に眺め、さて誰から絡もうかと彼らの表情を一人一人物色しようとした所で、ヨハンから掛けられた声に視線を向けたのだった。)   (3/22 22:29:00)
シロー/ギゼム > (いやらしい笑みを髭の下で浮かべたギゼムだったが、肩にかけていた方の麻袋を地面において開くと、中から果実酒の瓶を取り出して見せた。無論、何処から手に入れてきたのかを問われれば碌でもない答えが帰ってくるだろう。事実、王都の酒屋からかっぱらってきたものであった。麻袋を火の横に置いて、自分はというと何だかんだ鍋を煮る準備を進めるつもりらしく、焚き火を囲むように地面に突き刺され、丁度焚き火の上で交わるように結ばれた三本の木の結び目に、新たに使い古された紐を結んでいく。ここから焚き火の上に鍋を吊るそうとしているようだ。そんな中、再びヨハンから静寂を裂く声が掛けられた事に対し、手を止めて視線を向けた。)「へぇ?⋯⋯名字ねぇ」(一瞬だけ紐を結ぶ作業に戻って、また途中で手を止めて視線を戻すと、僅かに口角を上げてボリボリと大袈裟に癖のある野暮ったい髪を掻いた。)   (3/22 22:29:14)
シロー/ギゼム > 「〝ハサドのオッサン〟はねぇ、そうだなぁ。ハサド・オッサンでもいいけどね」(〝ハサドのオッサン〟と、普段ヨハンが自分を呼ぶ時に使うフレーズを真名に変えわざとらしく強調したのは、自分の真名を何気なく口にした事に対するいやらしい意趣返しのつもりであった。無論、こうして自分から口にした以上悪い気はしていない。シュクロズアにしちまおうか、と冗談っぽく口にしたヨハンに乗って自分も冗談を口にすると、きゅっ、と紐をしっかりと縛って垂らし鍋を引っ掛けられるよう先にフックを取り付け始めた。)「俺は賛成!俺は今日からハサド・シュクロズアにするよ!そうすれば俺の子孫達も、『ハサド様』ってお祈りしてくれるだろうし成仏できらぁ、ははは」(冗談でも無さそうに笑ったが、正直な所子供を残す展望も無いし、なんなら自分はこれまでと何ら変わらない人生を送っていきそうな気がしていた。他の案は今すぐに思いつかないという理由もあり、そうお茶を濁すと周りを一瞥した。)   (3/22 22:29:32)
シロー/ギゼム > 「俺は良いと思うけどなぁ、皆ならどうするよ?オッサン気になるなあ~?」(皆がもし名字をちゃんと考えるようならその間に自分も考えてみるかな、と視線を向けていく。しかしフィディアに向けた視線と比べて、ハヤタとセリヤーナに向けた視線はほくそ笑むように細められていて、暗に真名も気になるな、と不躾にも見つめたのだった。   (3/22 22:29:41)


蕨/ハヤタ > (小さな熾火に輪郭を照らされながらぼうっと立ち上る煙を眺めていたハヤタは、各々が緩慢に食事の支度を始める様子を認め、それに釣られるようにして足元に置いていた帆布製の背嚢を引き寄せた。口紐を解くと重ねられた手製の皿を取り出し、それを一旦膝へと除けた後、更に中から皺だらけの紙袋を摘み上げる。空になった背嚢を汚れることも厭わず地面に敷いてしまうと、陶物の擦れ合う音を鳴らしながらその上に器と匙とを置いた。本来なら回し飲みの類を気にする余裕もない野営にこれだけ持ってくるのはやっぱり少し不似合いだったかもしれない、嵩張るし重たかった。それでもこんな機会も最後かもしれないと思えばこその、わざわざ吹聴せずとも折角だからという気持ちが勝った故の愚行だった。)   (3/23 18:46:42)
蕨/ハヤタ > 「取皿、ここに置いとくねー」(特に誰にという訳でもなくそう呼びかけると、『あ、おれ代わろうか』と言って火の番を請け負う。その際に改めて同座の面子を窺い見れば、それぞれと喋りたいことがあった。ギゼムには占いの約束を取り付けたいと思っていたし、フィディアにはいつも連れている不如帰の名前を聞きそびれている。セリヤーナは憧れの人と言っていい存在だから、却って何を話せばいいのか分からないくらいだ。……まあ、ヨハンはいいとして。だって、この場で作陶の授業などできよう筈もない。──それでも一度準備に取りかかってしまえば、そちらに集中力と興味を割かれてしまうのもまたハヤタという少女だった。拾い集めるまでもなく辺りに落ちていた松笠を幾つか種火へ放り込むと、枯れ枝を手折り乾燥具合を確かめながらその上へと積んでいく。野焼きなんかに比べれば随分と可愛らしい炎には違いないからと、調子に乗りすぎないよう加減に慎重になりながらもヨハンの語りに耳を傾けた。)   (3/23 18:46:47)
蕨/ハヤタ > (名字、シュクロズアか。然程深く考えるまでもなくいいね、と相槌を打ちかけた所でようやく気付いたという程度には、彼が自らと二人分の真名のようなものを口にしたのはごく自然な流れに感じられた。果実酒なんて洒落たものを引っ提げてきてくれて、今は自分が世話をする火の上で鍋の準備を進めているギゼムが反応したのを見、前者が彼の真名であることを覚る。笑いながらヨハンの提案をそっくりそのまま受け入れたギゼムの狂言回しを受けて、ハヤタも頷きながら口を開いた。)「うん、おれもいいと思うなぁ、それ。もし陶工として名が売れたら、誇れる気がするし……じゃあ、おれはハイマ・シュクロズアね」(領土がないなら、ヨズア人の屍で海を埋め立ててやればいい──そんな風に考えたことも一度や二度じゃ済まなかったが、今日の記念として名字を持ち帰ることができるなら、それは生涯を通じて記憶の栞となるだろう。)   (3/23 18:46:51)
蕨/ハヤタ > (残る二人がこの半ば悪ふざけに乗っかるかどうか、少々動向を気遣いながらも自分としては特に拒む理由は見当たらなかったし、真名についても打ち明けることよりそうしないことの方が違和感を覚えるような、何だか勿体ないという心持ちだった。)「あ、おれはお菓子持ってきたから鍋には入れないよ。……いや、入れよっか?マシュマロだけど」(じき鍋の用意ができるといった段階になって、遅まきながら思い出したようにヨハンの初めの喚起に触れた。マシュマロが詰まった紙袋が皺くちゃなのは、緩衝材を兼ねていたのだから仕方ない。絶対炙った方が美味しいだろうな、と考えながら、その為に火に焼べていない新たな小枝を探し始めた。)   (3/23 18:46:56)


フルディア/セリヤーナ > (やっと気の休まる時が訪れた。いまさら戦を忌避するようなことは無いけど、スザン・ウェント・シントと気を張り詰める場面が多すぎた。またこうやって落ち着いて仲間と焚火を囲む時間を味わえることは大きな喜びだ。ヨハンの誘いを断る理由などなかった。)「持ち合わせはあんまりないけど…ウェントを出るときに果物は少しばかり調達してきたよ。あと葡萄酒。」(ホーリアにいたころは狩りもしたなと懐かしむ気持ちも沸いたが、いくつかの死線を共にしたこの縁も感慨深いものだ。短い野営のときのいつものメニューだが、みなで持ち合わせるとちょっとしたものだ。しばらく見ない間にヨハンの手際もずいぶんと良くなっているものだから、火と料理の番はほとんど彼に任せてしまえそうなほどだった。果物をかごに盛り、葡萄酒の瓶をギゼムの瓶に添えた。)   (3/24 00:51:46)
フルディア/セリヤーナ > 「ヨハン…」(キミはもう少し魔術師の礼儀というやつをだね、と言いかけてやめた。この場での彼なりの気遣いというものなのだろう。ギゼムのおっさん…戦場を共にした仲だが、ヨハンと"旅団"との仲立ちをしたという以外は改めて思い返すとよく知らないな。マシュマロを火にかざす少女はハヤタという字を耳にした以外人となりはわからない。フィディアはウェントでの大立ち回りが記憶に新しいが、その時に言葉を交わしたきりだ。戦友だの個人主義だのと宣ってみても、まだまだ互いを知らないことも多いのだなと目を伏せた。)「姓か。悪くないね。…でもボクはシュクロズアを名乗るのは遠慮しておくよ。いや、それ自体悪いこととは思っていないよ。ただ、ね…その名はボクにはちょっと背負えないな…。」   (3/24 00:51:55)
フルディア/セリヤーナ > 「ボクの名はシャムス。姓はそのうち名乗ることもあるかもしれないけど、しばらくはいらないかな。すこし旅に出ようと思ってるんだ。…キミたちに預けておけば、真名を知る人がいなくなった、なんてことにはならないよね。ギゼムやフィディアはともかく、ヨハンやハヤタまでボクより先に死なないでよ。」(冗談めかして笑ったが旅に出るつもりなのは本当だ。やっぱり、この縁はとても心地よい。人となりがどうこうというのは些末なこと、とまでは言わないが、それ以上のものがある。騎士団の霊性だとか軍の規律だとかではなく、旅団を旅団たらしめるのはそれぞれの意志と行動だけだ。それをこうして少しでも共有できたのだから、真名を預けることも良しと思えた。)   (3/24 00:52:21)


清瀬/フィディア > (月の薄明かりと誰かの燃べる焚き火、黄色っぽい光の燈會を頼りに夜の林で憩いの時を過ごす。スザンのスラムへの礼拝は連戦の疲弊を癒すにはうってつけ……かどうかは、まぁ気分次第だったわけで。魚籠に入っていた鰮の鱗を削り終えて、また誰かの持ってきた塩につけて放っておいた。保存食として干したイサキも少々ある。鰮は後で火でも借りて丸焼きにしようか、と算段を立てながら、嫋々に煽られる煙が夜空に昇るのを眺めていた。木々の間から瞬くのを見せる星々はいつも自分の意識を空へと手招く。鳥の微かな羽音にそよ風、木々の絵枝が揺れる音。静かでいて豊かな音と代わり映えのない景色にうっとり微睡んでいたのを引き戻したのは、ヨハンの何気ない一言だった。まぁ、先を見据えているというか聡明というか、行き当たりばったりな自分からは想像もつかない名案を出してくるから感心の一言。)   (3/25 23:56:44)
清瀬/フィディア > 「ハヤタ……あ、いいや。なんでもないよ」(ギゼム、セリヤーナ、ハヤタとそれから言い出しっぺのヨハン。動きを見せたのはこの四人で、それだけかな、と辺りを見渡してから同じく焚き火を囲むように腰をおろした。肩に担いでいるのは干したイサキの入った麻の巾着、手にしているのは木彫りのスプーンと鰮を人数分。食器らしきものを携えて焚き火の周りへと集まるハヤタを見て「これも一緒に配っといて」と雑務を任せるつもりでいたが火の番を請け負ったのを見て言葉を濁す。何故か渋々といった表情で身を乗り出すと取皿を手に取り、匙を付けてギゼムやセリヤーナに渡してそれぞれの席に配るよう目で頼んだ。誰がどんな物を持ち寄ってきたのか伺ってから、袋の中の物を見せびらかすようにひらひらと指先で空を扇いだ。)   (3/25 23:56:56)
清瀬/フィディア > 「これ、乾燥させたイサキ。同志の晩餐の為に奮発してやるから感謝してよね~」(料理の事なんて知ったことか、禁忌の料理ができた時にはこいつらも道連れだ。砕いたり割いたりしながら大きさを整えて、口を開けた巾着の中へと放って一旦戻す。酒に果物、菓子も付くときたもんだ、いつもの食と比べると豪勢が過ぎる程の品揃えであったが、今日ぐらいは構わないだろう。足元で丁度良さそうな枝を手探りで探していると、よ~く聞き覚えのある言葉に一瞬動きを止めた。……その前に聞こえたハサドの名は、誰の何を表すものであろうか。狩に真名を狙ったのだとしたら、不正解に終ったというわけだ。見事戦を勝利へと導いた彼、ヨハン……いや、心の中だけでもジョンと呼んでやった方が良いのだろうか。先程の彼の失敗が彼を人間たらしめるもののような気がして、ひっそりと満足げに口角を上げた。意地が悪いとは言われずとも、自分がそこそこに醜い人間であることは理解しているつもりだ。)   (3/25 23:57:17)
清瀬/フィディア > 「残念だったねヨハン、そっちじゃないんだ」(三個目の串刺しが完成すると徐に振り向いて、背後にあるちょっとしたスペースで落ち葉の海に戯れる相棒に向かって小さな口笛を一つ、それからくるくると指先を回した。幾重にもした服に埋めるようにしてアスセナを抱えると額に巻いていたバンダナをほどき、ヨハンに向けてにっと、誠勝手に多少の愉悦を含めて笑ってみせた。ジョンに、ハサド、ハイマ、それからシャムス。真名であろうと思われるその言葉と同志とを重ねても不思議と違和感はなかった、付き合いの薄い者は尚更。皆無用心だなとはどこかで思いつつも、ここで名乗り出るのを渋るなんて真似をして場を乱すつもりもなかった。)   (3/25 23:57:53)
清瀬/フィディア > 「シュクロズアね。背負うにはなんか重すぎるけど……悪くないんじゃないの?でも俺は今はいいかなぁ、気が向いたら名乗らせて貰うよ。リリウム・シュクロズア、とか、そんな感じで」(差程気にかけぬ様子を繕うように、火に晒した魚の身が焦げないように地に刺した棒をくるくると回す。責任が伴うことも何かを共有するのも、身軽さや自由を失うことは元々嫌いだった。それがいつしか協調を気にするようになったのは、成長と呼べるだろうか。)「セリヤーナは旅、ねぇ。皆今後の予定とか、目標とかあるの?俺はなーんもないよ、気儘にどっかで生きてくからさ。皆の話を聞かせてよ」   (3/25 23:58:05)


マリア/ヨハン > (ヨハンの塩と野草、ギゼムの果実酒、ハヤタの器と匙とマシュマロ、セリヤーナの果物とぶどう酒、フィディアの匙とイサキと鰮。これだけあればちょっとした宴と呼んでも良いくらいに上等だ。フィディアの匙は口当たりの良さそうな木製であったから、ハヤタの匙はサービングスプーンとして使わせて貰う事にしようと合点した。)「おおおっと、待てまてハヤタ勘弁してくれよ、お~い、誰か止めてくれよな。」(『マシュマロを鍋に入れる』という冗談か本気かわからない言葉に、笑いながらストップをかける。それぞれが自然と役割分担し、手際よく作業を進める様は協調性と言うよりは自立心の為せる技なのだろう。さて自分もと袋から野草を取り出したところで、はたと手が止まった。)   (3/26 23:43:37)
マリア/ヨハン > 「あれ?結局誰も鍋を持ってこなかったのか、……まったく、世話が焼けるぜ。別のグループから借りてきてもいいけど、んー……そだ、セリヤーナは果物持ってきてくれたんだっけ。バナナの葉とかあるか?……あぁこれでいいや、完璧。」(籠に敷いていた大きめのバナナの葉を抜き取り、『これで蒸し焼きにしちまおう』と言いながらフィディアの鰮を拝借して載せる。摘んできたノカンゾウとセリ、塩をまぶしてくるめば、ギゼムが用意してくれた紐にくるんで炙るように吊り下げた。作業をしながらも、仲間たちの声に耳を傾け続ける。何か言葉を挟む隙を伺うまでもなく会話はとんとんと進んでゆき、ギゼム、ハヤタの後、セリヤーナまでもが真名を明かしてくれた事には意外さを感じて目を見開いた。)「……へぇ、シャムス。」(うん、良い名だ。と言葉にはせずに感慨深げに微笑んだ。)「ん?」(続けてからかうような微笑みをフィディアから受け、気の抜けた声を漏らした。すぐにその真意が解ると、『そうか、オレの早とちりだったんだな』と頭を掻いた。)「なるほどなぁ……。」(ハサド、ハイマ、シャムスにリリウム。皆ヨズアらしい良い名だ。)   (3/26 23:43:56)
マリア/ヨハン > 「いや、ちょっと待った。ギゼムにハヤタ!このまんまじゃ本当に”シュクロズア”になりそうな流れじゃねーか。……いや、納得しての事なら良いけどな?」(少なからず、セリヤーナとフィディアは控えめながら異を唱えているように見える。全て冗談だったとも言い切れないが、どうせ笑い飛ばされると思っていただけに全員の反応が意外だった。)「シュクロズアはたぶん、”シュクル・ヨズア”だろ?シュクル、うん、シュクルのほうが良いんじゃないか?シュクロズアでも良いけどさ。……まぁオレもだけど皆、急いで決める事はないと思うぜ。後々どうなったか教えて貰うか……そうでなくとも、いつかみんなの子孫の噂が耳に届いた時にはさ、”ああ、アイツの姓だ”と解るもんだと嬉しいと思うよ。」(子孫を残す……すなわち、誰か別の者に産んで貰うという事だ。それは一人では成し遂げられない。伴侶を見つける展望は全くの皆無、であるが。これが茶飲みの恋愛話にすり替わらぬうちに、願望くらいは口にしておこう。)   (3/26 23:44:15)
マリア/ヨハン > 「……ああちょっと待ったフィディア、セリヤーナの話は聞き捨てならないな。旅に出るってのはアンタらしいけど、そのさ」(さらりと聞き流し、皆の展望を聞こうとするフィディアを静止し、セリヤーナに目を向ける。熱っぽいと言っても過言ではない、あるいは少年らしいと思うか、とにかく、絶望を知らぬ若さを感じるであろう真っ直ぐなもので。ヨハンは怯える事もなく、赤い視線を彼女に注いだ。)「……もし、もしだけど。子孫を残そうと思ったらさ、うん。……オレにしとけよ!……なァーんてな、はははっ!」(冗談と受け取られても構わない。決して傷つくのが怖い訳ではないけれど。もしそうなら、態々皆の前では言わない事だ。愛の日々と呼べるほどの事は何もなかったけれど、少なくともギゼムやフィディアに取られるくらいならと思える程度には、彼女への憧れは引き返せないところまで来ている。)   (3/26 23:44:29)
マリア/ヨハン > 「さて。話は尽きないけど、このへんで一つ区切りをつけるとするか。」(傷つく事は恐れなくても、逃げ道くらいは作っておこう。良い匂いもしてきた事だしと、ヨハンは立ち上がって音頭を取り始めた。)「スザンの神殿までまだ少しあるけど、今夜の食前の祈りは少し丁寧にやりたいとこだな。皆のおかげでこれだけの糧を得る事が出来た訳だし。”ゴブレット”は、オレが最初に貰うぜ。」(礼拝に使うゴブレット、あるいはそれの代わりになるようなグラスは見当たらない。それでも”解るよな?”とばかりに含みを込めて口角を上げ、ヨハンは空中に手を伸ばした。煙を掴み、祈りの言葉を朗々と口にする。)   (3/26 23:45:11)
マリア/ヨハン > 「─────……」(それぞれにはそれぞれの、祈る事があるのだろう。胸中を窺い知る事は出来ないが、それがフィディアの言うところの”今後の予定とか、目標とか”に相当するのかもしれない。)「我らが神を褒め称えよ、御心のままに。ダー・ニト・ロロイ・シュクロズアリ」(最後に合唱する為の締め句を口にすると、その手の中に存在しないゴブレットを高く掲げて口にする。)「ハサド」(と、右隣のギゼムの真名を呼び、”回し飲み”をするために拳を作り、彼の手の近くに突き合わせた。)   (3/26 23:45:16)


シロー/ギゼム > 「上等な夕餉になりそうだなぁ、優秀な同志に恵まれて嬉しいわあ」(それぞれが真名を口にしながら、テキパキと準備に取り掛かる。ハヤタのマシュマロに関してはぶっ込んでも食えなくは無いだろうと、凡そ何でも食べられるギゼムは放置しかけていたが、流石のヨハンが止めるのだった。ヨハンちゃんの舌って肥えてそうだもんなあと思いつつも、まさか鍋が無いという事態にも慣れた手つきで葉っぱを使って調理を進めるヨハンを見ている内に考えを改めるのだった。気づけばすっかり坊ちゃんでは無くなっていた。)「だってよぉハヤタちゃん⋯、じゃあ俺はその通りシュクルにするかな!なんてったってヨズアの英雄様の案だからさぁ。それに、セリヤーナちゃんの言いたいことも俺分かるもん」(『俺らだけじゃあ重すぎるわぁ』とハヤタ、セリヤーナ、ヨハン、フィディアの順に視線を移して大笑いした。というよりも、我等がシュクロズアリ旅団の中でも多くの功績を挙げてきたセリヤーナが『重すぎる』と言ったのだ、そうなれば自分には重すぎる所の話ではない。ここに居る皆で付けるなら、悪くないとは思ったけれど。   (3/28 14:52:35)
シロー/ギゼム > この繋がりと、共に過ごした日々は面白かったなあ、と皆と同じ名字を付けられるなら何でもいいとすら思っている自分を俯瞰して口角を上げた。さて、まだ暫くは蒸し上がるのに時間が掛かりそうだ。占い師の性か、単に待ち遠しいだけか、揺れる火を眺めることにしたギゼムだったが、そこにヨハンの口から飛び出した言葉にギゼムは口を窄めて口笛を吹きそうになった。)「そりゃあいいね!!!ははは!」(普段なら酒でも開けて大騒ぎしたい所であったが、一言言うだけに留めておいた。恋が成就したら目の前で髭を全部剃ってやる!と言いかけたのを抑え込み、お似合いなヨズアの英雄二人を眺めたのだった。賑やかな様子を見ていると、このまま別れても、各々楽しくやっていけそうだなあと思える。そのまま不可視の杯を掴んだヨハンに促されて食事前の礼拝に臨んだ。)   (3/28 14:52:53)
シロー/ギゼム > 「───」(旧き神々よ、どうか彼等の行く末に希望を与えたまえ。幸あらんことを。そして、我等がまた出会えるよう、お導き下さい。)「ダー・ニト・ロロイ・シュクロズアリ」(短い祈りを捧げたのみだったが、祈る事などそれだけで十分であった。まだ特に展望など無いギゼムにとっては、また何処かでこうして夕餉を共にしたい、今はそれだけが望みであった。拳を軽くぶつけるようにしてヨハンから見えないゴブレットを受け取ると、静かに傾けて口をつける。)「今のところ展望は特にはないけど、そうだなあ、もしいつかお前らのうち誰かに会った時は、しばらく着いていくよ俺。金魚の糞みたいに」(口を離して小さく呟くと、隣のハヤタに回し飲みのゴブレットを手渡す為、足の部分を摘むようにして向けた。)「はい、ハイマ」   (3/28 14:53:16)


蕨/ハヤタ > 「はぁい、じゃーヨハンのわがまま聞いてあげるよ」(目配せの一つすら寄越さないまま、ハヤタは引き続き使えそうな梢を選り分けていく。彼以外誰も暴挙への制止を口にしなかったのは、薄情というか無頓着というか。とは言え、それが却って旅団らしく感じられるのもまた事実だった。──ジョンにハサド、そしてシャムスにリリウム。残る二人も追って真名を打ち明けてくれたことで、この榾火に集う全員が天命を共有した。その感慨に浸る間も然程なく、旅なり根無し草なりといった散会の予兆を耳にすれば、『死なないよ、多分』なんて軽口を叩く気勢は一抹の離愁によって挫かれてしまう。それでも時折爆ぜる熾のお守りをしている内に琴線は凪いでいき、バナナの葉から昇る煙が食事への期待を募らせた。メインディッシュは鰮と野草の包み焼き、籠盛りの果物があって、菓子もあり、こういった場の必需品として果実酒と葡萄酒が栓を抜かれるのを待っている───最高の気分で眠りに就けること請け合いのご馳走勢揃いだ。イサキの干物は好物だから、どうにか多目に配分してもらえるよう後でフィディアと交渉してみよう。甘い物好きなら話が早いんだけど。)   (3/30 00:18:32)
蕨/ハヤタ > (そんな風にすっかり腹の勘定へと意識を切り替えようとしていたから、ヨハンの唐突な告白には一驚を喫した。それでも嘗てスザンの海辺で話したことが想起されれば、すぐに腑に落ちる。確か旅団入りは彼女の影響だと言っていたっけ。そっか、ヨハンはセリヤーナのことが好きだったんだ。いかにも愉快そうな声を上げたギゼムは、さしずめお似合いだとでも思っているのだろう。)「……そうだなぁ、シュクルか。うん、いい響きだよね。……それか、将来旦那サンができてからでもいいかな。名字を貰うのは」(目まぐるしく変遷するせいで先程は曖昧に頷くのが精一杯だった話題に、今更ながら独白同然の返事を呟いた。既に栞は四枚も手に入れたことだし、ヨハンに当てられてしまったのか、柄にもない未来像を思い描いてみる。その手の沙汰には間違いなく縁遠かったこれまでが、これからも不変であるかどうかは分からない。恐らく残されているであろう時間、歩んでいくであろう人生の長さを考えれば尚更だ。何とはなしにギゼムとフィディアを順に窺い見てから、小首を傾げて密かに頬を掻いた。)   (3/30 00:18:40)
蕨/ハヤタ > (それに実際、セリヤーナとギゼムの言うことも不思議じゃない。王国を我々の手に渡してくださったのがヨズアの旧き神々ならば、その偉大なる媒介者であるシュクロズアも決して徒人ではあり得ないのだから。遂に王都を陥落させた立役者が背負えないと言うのなら、自分もそれに倣いたい。……尤も、言い出しっぺも立役者には違いないのだけど。その英雄たる潮騒の魔術師から食前の祈りと聞いて、ハヤタは居住まいを正してから頭を垂れた。)「…………」(祝福の晩餐を同胞と共に囲める、団欒の一時への感謝。ここに至るまでの道程の導きと支えへの感謝。これから散りゆく各々への備えと示しを願い、またヨズアが豊かな恵みを受け、尚以て満ちていくことを願う。)「ダー・ニト・ロロイ・シュクロズアリ」(ヨハンの言葉に連なるようにして黙祷を終え、締め句を合唱する。ギゼムのいかにも彼らしい見通しに笑みを湛えながら、真似て回されたゴブレットのステムを指で挟み持った。二度と味わえないであろう特別な杯に口をつけ、幾度となく繰り返してきた仕草をなぞる。)   (3/30 00:18:45)
蕨/ハヤタ > 「おれは……いつか、シントで自分の窯元を持てたらいいな」(そう囁くと、照れ臭そうにはにかみながら小さく俯く。珊瑚色の旋毛を晒したのも束の間、透明なゴブレットにもう片手を添えながら丁重に戴くと、隣のセリヤーナへと差し出した。)「どーぞっ、シャムス」   (3/30 00:18:51)


フルディア/セリヤーナ > 「…次に会った時にまだ気が変わってなかったらもう一度聞かせてよ。ボクが何か見つけていたら、ちゃんと返事が出来るかも。」(そうやってちょっと誤魔化したように笑うときはただの冗談じゃないことを知っている。ヨハンをきちんと見つめ返して返事をする。どの姓を名乗るかもその時に考えようか、と付け加えて。これが今の一番の誠意だった。) (みなの食前の祈りを神妙に見届けた。微笑みとともに会釈しながらハヤタから受け取った"杯"を軽く掲げる。) (ヨズアの信仰が連綿と続き、虚空に消えてしまうことのないように。その上を往くボクらの道々に祝福が途絶えないように。)「ダー・ニト・ロロイ・シュクロズアリ。キミたちの夢の先が明るいものでありますように。」(それを呷れば心が満たされた。激しい戦いの後行き着いた場所がここだというなら、それはとても贅沢なことだ。)「フィディア、次はキミだよ。」   (3/30 22:40:30)


清瀬/フィディア > (ヨハンにイサキを手渡して、鍋のことは一切任せて鰮が焦げないように見張る。魚の身の向こうで火は微かに揺蕩い、蒸気に乗って香る芳ばしい匂いは食欲をそそる。手際も良いし他に人も居るし大丈夫だろう。くるる、とくぐもった声を出す相棒を揺すっていると、話題転換を咎められては次にでた言葉に慌てて口を塞いだ。)「っく、ふは……!」(大笑いとはいかなかったが、容量を越えた笑みが噛み殺しきれずに吹き出して溢れた。正直この面々がどんな関係を築いているかも曖昧、あまりわかったような反応はしないでおこうと思ったが、これぐらいは許して貰えるだろう。)   (4/3 00:26:57)
清瀬/フィディア > 「シュクルね、成る程。……あ、そだ。因みに俺を狙ってた人が居たら残念でした、伴侶は二人も要らないよ」(名字に関してそれ程執着があるわけではない、変に首は突っ込まない、そんな気持ちで差し障りのない相槌を打つ。それよりは、ヨハンとセリヤーナの独特で面白そうな距離だったり、ハヤタが何となく便乗して触れたことになんとなくむず痒さを感じた。ギゼムもなんも言ってくれないの、変におどけられるよりは良いけどさ。同志はやはり同志で、戦友として見ることは何とかできても一時期の集いのように自分には感じられた。一通り皆の主張が済んだ頃、言い忘れたと言わんばかりに俄に付け足しては『ね~アスセナ』と懐に収まった不如帰の頬を摘まむように撫でたりと大袈裟に愛でてみせる。“そういう面倒事は御免だよ”という保身だった。連れ添う人がもし自分に出来たら、という可能性の未来を考えないわけではなかったが、それこそ身軽を愛する自分には重すぎる。)   (4/3 00:27:12)
清瀬/フィディア > (ヨハンから始まった儀式擬き。アスセナをまた広場の方にやって、足に肘をついて皆の言動に意識を傾ける。セリヤーナからやけに馴染みのあるゴブレットを受け取ると軽い返事を返して、美味な水面に火の揺らめきが映るのを少し眺めた。)「────」(出逢いは人を変える。此処に居る面々であったからこそ、束縛を嫌う筈の自分の気持ちが『同志とならば』と此処を止まり木にできている。ギゼムとの数奇な巡り合わせもまた、胡散臭い言葉だが天命的な何かが働いたのだろうか。占い師というスピリチュアルな要素を生業にした彼に踊らされているようで一寸ばかり癪だが。せめて皆の人生の大切な時ぐらいには、心地好い追い風が吹きますように。)   (4/3 00:27:29)
清瀬/フィディア > 「ダー・ニト・ロロイ・シュクロズアリ」(暖かい味、というのが此程までにしっくりくるのも珍しいこと。これで一周して紛い物の儀式は終了。ゴブレットを地面に置くなんてわけにもいかないが、かといって近くに台があるわけでもない。胡座をかいた足の上にできた服の窪みに、皆が啜り少なくなった中身が溢れぬよう平行を保ちながらそっと器を置いた。)「あーあ、なんか惜しくなっちゃうじゃん。もし今後頻繁に人肌恋しくなっちゃったら皆のせいだからな、特にそこの二人」(ほんとに、何かが抜けていたら騒動の全てを他人事のように眺めている観客だったのだろうから、それをキャストに引き込んだ何かには驚かざるを得ない。それが天命だったり、運命だったり、見えざる力とも言われる神の存在、かもしれない。そこら辺にあった木の棒を拾ってはそこの二人、右側に居る男二人を半ば八つ当たりのように指してニヤリと笑う。ちらりと鰮に目をやれば、既に一つは食べ頃となり芳しい匂いを漂わせていた。)   (4/3 00:28:02)
清瀬/フィディア > 「……あ、もう焼けてたわ。はいヨハン、あとついでにこれも」(レディファースト、とも考えたけれど此処は王都の英雄から。行き場を失っていた即興ゴブレットも一緒に押し付けて余計なサービスの御提供。空白の余韻に浸るような雅の後に、とりとめのない話が何処からか呟かれて始まった。密やかな晩餐は談笑に包まれ、夜更けまで暖かさは灯される。どうか皆に幸多からんことを、ダー・ニト・ロロイ────)〆【シュクロズアリ】   (4/3 00:28:22)