フェリス&フュメオム
生きる理由大和守/フェリス > 「ん~~んんん、この広場は夜もやっぱりキレイ~っすねぇ! 傷すら癒されてく心地っす~、なんつってっ!」(王都、その噴水広場。水の流れるる音、穏やかな風が静かに通り過ぎる声。その音色は以前此処に訪れた時から変わっておらず、月が見守る中噴水の周りをぐるぐると回っていたのだった。先日は昼間に訪れて新しい発明の案が浮かんだ様に思えて。ならば静かな夜に来たらまた何かあるのではないかと、完全に適当な思考ではあるが新たな何かを求めて。くるくると回りながら噴水の周りを歩いているせいで、その度にかちゃかちゃとスパナとそれを取り付けている金具が擦れて音を発した。その音すら楽しむ様に、ふざけた一人言を溢す。討伐の任務が出されたイモータルと戦った際、脇腹に小さいけれど風穴が空いてしまったものだから本来は安静にしなければいけない。事実、まだ包帯の下では痛みが続いていた、のだが。此処に居ると本当に痛みすら緩和されていくようで。周りの音に身を委ねる様に瞳を閉じ、フェリスは楽しんでいたのだった。) (3/19 23:55:57)
山葵@フュメオム > …確かに、綺麗な広場ですね。…本当に、傷も癒えていく程に水は澄んでいる。この王国を象徴するような…。(カツ、と高い革靴の音が響く。黒い紳士服に、特徴的な大きな帽子。後ろから降る声は穏やかで、聞いていれば声だけで大勢の人間が振り向き心酔するような声。そして容姿は、声に負けず劣らずで、そして何処か悟ったような穏やかな表情を浮かべた好青年だ。陶器のような真っ白な肌を持った好青年が、フェリスから少し離れた場所で止まる。見れば、スーツには数カ所に縫い直した痕があった。)……貴女は、フェリスさん。…間違いありませんね。(一言目は、確認。二言目は、確信。癖のある赤毛は様々な人種の入り乱れる王国ではあまり珍しいものでもない。判断材料が何なのかは、てんで検討つかずだろう。 (3/20 00:08:46)
大和守/フェリス > 「ーーみにゃっ!?」(目を閉じていた事もあり完全に気付いていなかったのだろう。後ろから響いた美しき声音に陶酔やらよりも先に驚きが勝り、フェリスはまるで猫の様な悲鳴を発しながら勢い良く振り向いた。)「……え、あ、はい、そう……っすけど……。何で、私の名前を知ってるんすか? あと、貴方は誰かお聞きしても良いっすかね?」(穏やかな表情を浮かべている、紳士のような青年がそこには居た。フェリスに乙女心やらそんなものが残っていればときめきでもしたのだろうが、生憎此方は「青春は機械に捧げたっす」と言う様な女子力の欠片もない女だ。ただ、貴方が己の字を知っていた事に不思議そうな表情を浮かべて、貴方は誰なのかと首を傾げて問うだろう。今は夜ーー危ない輩やらイモータルやら、そんな連中は夜に現れる事が多い。危害を加えられる事を考慮して、手は腰に提げたスパナに触れ何時でも外せる様にしていた。) (3/20 00:19:37)
山葵@フュメオム > …失礼しました。自己紹介が遅れてしまいましたね。…私は……。…私は、フュメオム。貴方に害を生す存在ではありません。(ぱっ、と両手を広げ、相手に敵意がないことを伝える。いつでもスパナを外せるように警戒する彼女に満足げな表情を浮かべると、すぐに口を開く。)いえ…機械技師の知り合いに聞いたんです。やましい事ではございません。突然驚かせてしまった此方の配慮が足りませんでしたね、すみません。(ぺこり、と頭を下げ謝罪の言葉を口にする。彼は貴族か何かだろうか。整えられた身なり、礼儀正しい姿。少なくとも、只者ではない筈だ。)……少し、お頼みしたいことがございまして。…お引き受け、いただけませんでしょうか。 (3/20 00:30:04)
大和守/フェリス > 「……フュメオム、さん……っすか。あーっ、気にしないで欲しいっすっ! 話も聞かず勝手にビビっちゃった此方のせいでもあるっすから~!」(貴方がそんな表情を浮かべる理由が分からなかった。どうしてそんな満足気な表情を浮かべているのか──それは全く分からなかった、けれど。少なくとも貴方に敵意が無い事と名を知り、先走って警戒してしまった事に恥ずかしそうに頭を掻いた。)「……頼みたい事、っすか? 勿論良いっすけど……えーと、人殺しとかそういう物騒なのは駄目っすよ! 絶対に!」(頼みたいことがある、と聞いてはきょとんと不思議そうに首を傾げるも、頭に浮かんだ多くの予想の中に物騒なモノが浮かべばぶんぶんと頭を横に振り、びしっと貴女に向けて指を突き付けるだろう。まさかそんな物騒な事を頼まれるとは思っていないが、それでもそれすら怖がってしまうのが人の性というものだろう。) (3/20 11:31:41)
山葵@フュメオム > お気遣い、ありがとうございます。(そっと手に胸を当て、再度嬉しげな笑みを浮かべて見せる。あぁ、彼女は悪い人では無さそうだ。なんてぼんやりとした思考の中で、びしりと此方に向けられた指に意識を引き戻される。)まさか!そのような野蛮なことではありません。…この銃を、届けてほしい人が居るんです。(するり、と懐から取り出した白銀の小銃。綺麗に磨かれ、新品と見間違えてしまいそうだ。)…私の知人のディランさんが、落とした物です。ずっと届けようと思っていまして。ですが中々機会に恵まれず。…そこに、貴方がいらっしゃった。これを彼に届けたいのですが…お願いできますでしょうか。 (3/23 23:48:58)
大和守/フェリス > 「ああ、なら良かったっす……って、」(そんな野蛮な事ではない、と否定されれば安心した様に胸を撫で下ろした。仮にそんな物騒な事を言われていたら一目散に逃げ出していただろうから、そんな事では無くて本当に良かった。なんて安堵へ向かっていた意識は、貴方が取り出した白銀の銃に向かっていく。)「あっちゃー、ディランさん銃なんか落としていっちゃったんすか! 全くも~、先輩なのに仕方ない人っすね~……了解っす! 感謝するっす、責任を持って私がディランさんに届けるっす!」(先輩なのにこんなドジをしてしまうなんて、とその先輩が出会った事に直面したら二度と同じ感想は抱けなくなる様な失礼な事を口にする。最後には承ったとの証としてビシッと敬礼をし、銃を受け取った後に良い事を思い付いたとでも言いたげに「あっ」と言葉を溢す。)「そうだ、折角届けに来てくれたんす。何かお礼がしたいんすけど……う~ん、具体的にゃ思い付かないっすねぇ……。あ、何か食べたいスイーツがあるとかなら奢るっすよ、何かあるっすか!?」(なんて、お礼がしたいと提案した。初対面だというのに馴れ馴れしく、けれどきらきらと瞳を輝かせて貴方の言葉を待っていた。) (3/24 00:07:22)
山葵@フュメオム > 感謝しかございません。…ありがとうございます、これで…。(何かを口にしかけ、そして直ぐにその口を閉ざす。表情には出ていないが、何かまずい事を言いかけたのか。しかしすぐに話を切り替える貴女に乗る。)奢る…?いえ、寧ろ私が奢りたいくらいです。このような見ず知らずの自分の頼みを素直に聞いてくださったのですから。…そうですね…。……王都と言えばやはり、ケーキなど…良いですね。(フェリスの言葉に謙遜した態度を取るものの、キラキラと、まるで川で綺麗な小石を拾った子供のようなうぶな視線を向けられたら、断るにも断りきれない。ふと口に出したのは、己が死ぬ以前から好んでよく食べた、ケーキだった。) (3/24 00:23:29)
大和守/フェリス > 「…………?」(『これで』、と何かを言い掛けて止まった貴方にフェリスは首を傾げた。だが、特に突っ込む必要も無いかと追及はせず心の中に留めておく事にして。)「ケーキっすか! いいっすねぇ……あ、でも今はもう夜だしやってないっすよね……あ、じゃああのっ!」(時間帯を考えると今からというのはやはり厳しいだろうか。うーん、と腕を組んで考える仕草。どうにかお礼をしたい、と策を捻り捻り、やがて一つ思い付いた案に息を弾ませた。)「……今度、一緒にスイーツ食べに行かないっすか!? 待ち合わせして、それで行きましょうっす!! 楽しそうじゃないっすか!?」(言葉を紡いでいくにつれ沸き上がる興奮が抑えられなくなったのか、ぶんぶんと腕を振ったり過剰な身ぶり手振りを加えながらフェリスはその案を話した。一人でじっくりと食べるのも良いが、誰かと食べに行くとなるとまた違うだろう。けれど流石に出過ぎたかな、とハッとすれば「あ、す、すいませんっすこんな……駄目だったら駄目でも良いんで!」と言葉を付け足した。) (3/24 00:39:24)
山葵@フュメオム > …!それは、名案ですね。……良いですよ、丁度一週間後の昼…ここでまたお会いしましょう。そしたら、王都のお菓子屋さんを巡りましょう。満足するまで。(突然の提案に少し目を見開き固まるが、すぐに先程とは違った屈託のない、心からの笑みを見せた。言葉を詰まらせ、大きく身振り手振りで伝えようとしてくるフェリスに、良い意味で心配になってしまう。初対面の自分にこんなに良くしてくれる人間が居たのなら……自分と、この少女と、一人の親友の為にもう少し、生きてみようか。)二人で、邪魔されずに…。ふふ、想像しただけで、嬉しくなってきますね…。 (3/24 00:52:37)
大和守/フェリス > 「……ッ、ほんとっすか! はーいっ、分かったっす! へへっ、とっても楽しみっすねぇ……」(承諾されれば分かりやすく喜の感情を顔に大きく浮かべて、歓喜のあまりぴょんぴょんと飛び跳ねた。一週間後の昼、この場所で待ち合わせ。まるでもう友達になったかのようで、その言葉を反芻しては幸せが溢れる。)「はっ……すいません、そろそろすっごい遅い時間になっちゃいそうなんで、今日は此処で! ディランさんの銃、届けて下さって有難う御座いましたっす! ……じゃあ、またっ!!」(銃を片手に抱えて、もう片方の手をぶんぶんと大きく振りながら進行方向に背を向けて歩いていく。『さようなら』とは言わなかった。だってまた絶対に会うのだから。こんな戦争の世だ、何時死ぬかなんて分からない。今日明日、今も死の可能性は十分あるけれど。楽しみにしている事があるという事実が、何より生への渇望と気力を生み出してくれるのだから。だからまた、絶対に会いましょう。……嗚呼、一週間後が待ち遠しい。)【生きる理由】〆 (3/24 01:14:08)