ゼロイバ&ディラン

騎士が海賊の罪をあげる

ゑゐりあん/ゼロイバ > うーむ…(工房の近くにある大樹。その枝の上に寝そべり、ボーッと空を眺める1人の女。近頃謎の影が街を襲っているというのに、こんな風に暇を持て余しているかのような振る舞いをする騎士は一人しかいない。元海賊、ゼロイバだ)うーむ…(豪放磊落、単純明快が服を着て歩いているかのようなゼロイバだが、今日は珍しくなにかを悩んでいるようで難しい顔をして唸りながら、なにか考え事をしているようだった。その内容は、彼女の今後についてである。騎士になって僅かな日数が経たぬうちに護るべき国は敗北。元々この国を護ろうと心を入れ替えて騎士になったというのに、その国を失ってしまったのだ。どうやら聞くところによれば完全に無くなる訳ではなく、ヨズアの民と統合するとかなんとか…という話であるが、もはやそんな国は守りたかった国ではない。だからこそゼロイバは、こうやって今後の展望を考えていたのだ。海にはもう戻れない。海賊だと言うのに、敵に捕まり陸で騎士になったというのに、再び海賊に戻るのはなんか嫌だ。かと言ってこのまま陸にいても、無気力なままである)…難儀だねぇ(人生であまり悩むことのなかったゼロイバの数少ない悩みであった)   (3/16 20:01:48)


シロー/ディラン > 「魔術砲が故障1⋯修理予定はなし、兵器は現状生産の必要性は薄⋯⋯そりゃあそうか、王国は負けたんだもんな⋯」(昼下がりの聖騎士団本部。先日、アシュトンと共にシントから帰投したディランは、小さく呟いて溜息を吐いた。幸い負傷は前腕部のみで、それも変に力を込めるとずきりと痛む程度あった為に、ぐるぐると包帯を巻くだけで生活に支障は無かった。さっきまで工房でアシュトンのシェルターの整備をしていたようで、首には遮光ゴーグルが掛けられており、作業服は煤などでいつにも増して黒ずんでいた。シェルターの下に潜り込んで点検を行ったり、破損箇所の溶接を行った為だ。休憩の為に外に出てきたディランは、一つ息を吸って何となしに空を見上げようとして⋯⋯ゼロイバの存在に気がついた。)   (3/16 20:30:57)
シロー/ディラン > 「⋯⋯おーい、危ないよー」(女性のようではあるが、見れば身の丈は自分と同じくらいありそうだ。ゼロイバの身の上もあるし、ディランは整備士でもある為、彼女の事は知らなかったが服装を見て騎士だと言うことは分かったらしく。木の枝の上に寝転ぶなんて、子供じゃあるまいし。と内心苦笑いしつつも、もし昼寝をしていて落ちて怪我でもしたら目も当てられない。見過ごす事は出来なかったようで、起きているのか寝ているのか分からないゼロイバを見つめると、工房の入口から口に片手を当てて呼び掛ける。)「その下は石畳だから、降りてきた方がいいぞー!怪我するよ!」   (3/16 20:30:59)


ゑゐりあん/ゼロイバ > あー?(すると、下の方から男の声がした。危ないよ、と。それは十割親切心からだろうが、ゼロイバにとっては迷惑でしか無かった。かと言って拒否しても何か言われるのも面倒なので、ゼロイバは起き上がりジャンプ。石畳の上に、いわゆるスーパーヒーロー着地のポーズで飛び降りた)何もんだいあんた。騎士じゃないね。民間人かい?(そして立ち上がり、服に着いた葉っぱやらホコリやらを叩きつつ、声の主の姿を見る。身長は同じくらいだが騎士の制服ではない。ゼロイバの残念な脳は、騎士の制服ではない人物=騎士団の関係者ではないと考えているらしく、ディランを民間人だと判断した)民間人がどうしてこんなところにいるんだい。あたしは今考え事をしてて忙しいんだよ。用があるなら他の騎士に言いな(シッシと手で払う仕草をするゼロイバ。本当にこいつは騎士なのか)   (3/16 20:37:09)


シロー/ディラン > 「⋯⋯いや⋯俺は⋯」(最初からその騎士の反応は良いとは言えないものであった。さながら昼寝を邪魔されて怒っているかのような声の後、器用に飛び降りた長身の女性騎士から次いで掛けられた声は予想外のもので。自分は工房の入口に立っているものだから、それに格好を見て分かるものだと思っていて、歯切れの悪い返事を返してしまった。)「俺は民間人じゃなくて整備士だよ、邪魔して悪かったけど、でもあそこは危ないよ」(普段なら年上に敬語を使うディランであったが、木の上で昼寝をするなんて、あまりに目の前の騎士の行動が子供地味ていたから、崩した口調で眉を困らせながら説明した。まず普通の騎士ではあんな行動はしないし、若干癖のある人なのだろうか、とは思うものの、改めて近くで見ればその顔には幾つもの傷が見えた。流石にこれを木から落ちたり転んだ怪我だとはディランも思えず、僅かに気圧されつつも続けた。)   (3/16 21:00:10)
シロー/ディラン > 「それに、あんまり良い顔はされないと思うよ⋯」(騎士としての行動をしないと、というのもそうだが、状況が状況だ。シント攻勢前というのもあるし、王国は敗戦処理に追われている状況のようだ。⋯⋯それとも、だから腐っていたのだろうか。顔の傷を見れば、騎士として幾つもの死線を越えてきたであろうことは明白だった。そう思えば言い過ぎだったかもしれない、と思えてきて、バツの悪そうに首に手を当てた。)「兎に角、危ないから⋯⋯」   (3/16 21:00:12)


ゑゐりあん/ゼロイバ > 整備士?あー…そういや王国じゃぁ他の国より機械技術が進んでるんだったな…。なるほどねぇ、騎士団は工房を持ってたわけか。となればこれが工房か。へー(海育ちの筋肉達磨は、どうやらそんな常識すら知らなかったようで物珍しそうにディランの背後にある工房を見る。そもそもここ建物が工房とすら思ってなかったそうだ)いい顔ねぇ。別にあたしはいい顔されなくたって結構さ。それにこんなナリをして元海賊となりゃぁ、どんな聖人だっていい顔はしないだろうさ。第一危ないったって別に陸には渦潮も荒波も凶暴な魚もいないじゃないか。確かに落ちたら危ないだろうが、あたしはそんなヘマしないよ(そう言って頭をボリボリと掻くゼロイバ。そして大欠伸をする。どうやら頭を使って眠くなったようだ)…それに、昼寝しようったってここは海みたいに揺れないじゃないか。あの波の心地いい揺れがなきゃ昼寝なんてできやしないさ   (3/16 21:08:23)


シロー/ディラン > 「ああ、そうだよ」(何を言っているんだ、とディランは思ったが、更にその後に続いた言葉にディランは顔を顰めるのだった。)「へえ、海賊だったんだ⋯⋯」(海賊と言えば、正直言ってあまり良い印象は抱かない。造船所出のディランとしては、商船を襲い積荷を奪う海賊というのは悪の象徴でもあった。口には出さずに、僅かに口数を減らして黙り込んでから、瞳を細めて穏やかな表情で問い掛けた。)「元海賊が騎士か。⋯俺の中では海賊というのは商船を襲って積荷を奪ったりするようなイメージしかないんだけど、君が居たところはどうだったんだ?⋯⋯俺は元々造船所の出だから、そういう話は良く耳にしていたからさ」(もしそうなら、騎士団に入れる筈が無いだろう。義賊のようなものであれば良いけれど。そう希望を持って問いかけるだろう。   (3/16 21:28:41)


ゑゐりあん/ゼロイバ > ん?知らなかったのかい。そうさ、あたしは元海賊だよ。…って言っても、騎士団との戦いに負けた今は騎士の身さ(そう苦笑するゼロイバ。もし、海賊時代に鎬を削っていた他の海賊らが今の状況を見れば、なんと言って笑うのだろうか。なんて思っていると、彼が海賊時代は何をしていたのか?と尋ねてきた)あー?そりゃぁいっぱい殺したし奪ったさ。海賊だからね。…もしかしてあんた、あたしが義賊だとでも思ったのかい?(そう言って顔を覗き込むゼロイバ。心做しかその顔はどこか不機嫌そうであった)あんた幾つだい?まさか海賊の中にも義賊がいるとか思っているのかい?(ゼロイバは少しドスの聞いた声でそう尋ねた)   (3/16 21:39:03)


シロー/ディラン > 「⋯⋯っ」(同じように苦笑していた空気は一変し、ドスの効いた声で顔を近づけられ、ディランは逃げるように視線を僅かに下げた。どちらかといえばそれは怯えを感じたと言うよりは、状況が理解出来ないが故の行動だった。考える時間を求めるように視線を逃がすと、ディランは沸々と湧き上がる嫌悪感によく似た感情を押さえ込んで考えようとした。不機嫌そうな顔を一歩、また近付けられると、ディランは一歩後退りして、きっと眉だけを僅かに潜めて視線を向けた。)「⋯⋯義賊でもなければ、騎士団に入れる筈がない、絶対。きっと前団長も、現団長も許さない⋯⋯」(太陽の騎士として、霊性を捧げて殺した訳じゃない、私欲の為に収奪と殺人を繰り返すような、自分でもはっきりと分かるような悪人が騎士になんてなれる筈がない、絶対に。例え騎士団が敗北したとしても、それだけは信じられなかった。問い詰めるような視線で拳を握った。)「なんで貴女みたいな人が騎士をやっているんだ、良く平気な顔でぬけぬけと⋯⋯」(騎士だってこの人に殺されたんじゃないのか、なんで当たり前のようにその騎士の制服を着ているんだ⋯⋯。口元を歪ませて確かな嫌悪感を示した。   (3/16 21:55:26)


ゑゐりあん/ゼロイバ > ん?(義賊でもなければ騎士団に入れるわけが無い。その言葉を聞いてゼロイバはキョトンとした顔をする。そして彼の「なんで貴女みたいな人が騎士をやっているんだ、良く平気な顔でぬけぬけと」という言葉を聞いて、ゼロイバは顔を伏せて肩を震わせる。怒りか?否、違う)ぶわっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!(大きな声で突然笑いだし、膝を叩き腹を抱えるゼロイバ。まるで先程まであった重い空気が嘘であるかのような笑いっぷりである。そして一分ほど笑ったあと、ヒーヒー言いながら涙を拭った)はー…っはは…あー…面白い…ふー…久々に笑ったねぇ(まだおかしいのか笑顔のままのゼロイバ。そして再びディランに近付く。そして彼の頭の後ろに手を回したかと思うとグイッと腕を引き、ディランと自身の額をぶつける)   (3/16 22:11:29)
ゑゐりあん/ゼロイバ > 何寝ぼけたこといってんだい。寝言は寝ていいな(と、先程以上に低く、ドスの効いた声で言うゼロイバ。まるで今から殺すぞ、と言わんばかりの迫力である)騎士は正義だとでも言いたいのかい?絶対的正義だとでも言いたいのかい?バカ言うんじゃないよ。世間知らずのガキはさっさと家に帰って夢でも見てな(そう言って乱雑にディランの頭を離す)じゃぁ聞くが、騎士は人を殺さないかい?物資を奪わないかい?海賊みたいにさ。…違うだろうが。ヨズアとの戦争は?帝国との戦争は?知らないとは言わせないよ。敵国の兵士を殺し、敵国の物資を奪う。それが戦争だろうが。あたしたち海賊と何が違うってんだい?言ってみなよ。まさか国のために殺しているから問題ないって言うんじゃないだろうね?国のため?国のためってなんだい?それは国を豊かにしたい、民間人を守りたい。そういう「自分の叶えたい欲望」じゃないかい。結局、国の為って言ったって自分のためなんだよ。自分の欲望を叶えたいだけなんだよ。   (3/16 22:11:43)
ゑゐりあん/ゼロイバ > それと海賊の違いはなんだい?言ってご覧よ。聞いてあげるからさ。ほら、早く言いなよ(まるでまくし立てるように言うゼロイバ。もしここが海の上で、彼が騎士団の仲間ではなく敵船の船員であった場合、既に彼はこの世に居なかっただろう)   (3/16 22:11:44)


シロー/ディラン > (突然笑いだした目の前の相手を見て、ディランは益々嫌悪感を抱いた。笑い事じゃないだろう、それとも、彼女にとってそれは笑い事なのだろうか、人殺しは快楽とでもいうつもりなのだろうか。自分には理解できない。こうして口にするだけでも気を張っているというのに。ディランには、目の前の彼女が狂人にすら見えてきた。僅かな怯えが、近付いてくるゼロイバから逃げる足を遅れさせた。足を竦ませて一歩、地面を擦るように下げたが、そのまま頭を掴まれて、顔が近づいた。その瞬間に衝撃が走って、暫くしてじんじんと額が痛み始める。)「⋯⋯う⋯⋯っ⋯⋯でも貴女は⋯⋯」(売り言葉に買い言葉で、正義ではなくても、貴女は絶対に悪だ、そう言いかけた口が、乱雑に頭を離された衝撃で止まる。たたらを踏むようにして工房の壁へと背中をぶつけると、尻餅を着きかけて何とか体勢を立て直した。捲し立てる様に続けられた言葉と迫力に、怯えから口を噤んでしまったが、視線は外さなかったのがディランのせめてもの意地だった。)   (3/16 22:55:32)
シロー/ディラン > 「騎士が戦争で戦い合うのは魔術師同士⋯⋯でも貴女達は、戦うつもりもない商人達から貨物を奪って、殺すじゃないかっ⋯!⋯⋯貴女は⋯⋯」(造船所で、そういった被害者達のことを何人も耳にしたし、この目でも見た。かあっと熱くなった勢いで貴女は悪だとまた言いかけた所で、アシュトンの言葉が脳裏を過ぎって口を噤んだ。『そこで、ディランさんがなんかヒロイックな事言ってさ、彼女に影響を与えなきゃいけないって思ってんなら傲慢しょ。』⋯⋯その言葉が頭から離れなくて、それ以上何かを言うことが出来なかった。⋯⋯考えた瞬間、実際に騎士として前線で戦い続けた経験の一つない自分が、熱くなって正義面している姿が途端に恥ずかしくなって、それ以上続けることはとてもじゃないが出来なかった。)   (3/16 22:55:34)
シロー/ディラン > 「⋯⋯何でもない、忘れて欲しい、何でもない⋯⋯。お⋯俺が言うべき事じゃなかった⋯⋯ッ!!」(言いかけた事を全て撤退して、何でもないと吐き捨てる様に繰り返す。益々情けない部分が露呈すると分かっていても、耳まで赤くする程に悔しい気持ちに唇をかみ締めるのを止められなかった。こんな事を言う資格があるのは実際に戦っている騎士だけだ、傲慢以外の何物でもない。大口を叩いておいて反論の一つ出来やしなかった事実にどんどん居た堪れなくなってきて、意地で向けていた視線をすっかり下に落とすと、悔しさと恥ずかしさが混在した感情に苛まれて涙さえ滲んだ顔を見られまいと下を向いたまま声を張り上げた。)「なんでもない⋯⋯───俺が悪かったからもうどっかに行ってくれ!!工房には二度と近づかないでくれ⋯⋯!!!」(静かに肩で息をして、拳を握り締めながら掠れた声で叫んだ。   (3/16 22:55:45)


ゑゐりあん/ゼロイバ > あたしは?あたしが何なんだい?行ってみなよ。ほら早く(彼が何かを言おうとして言葉を詰まらせたため、早く言うように催促するゼロイバ。彼が「戦うつもりもない商人達から」と言った時点で「戦う気のない奴らは殺さない」と言おうともしたが、冷静に考えれば間違ってはいない。ちょっとでも反抗的な態度を取ったやつももれなく殺しているからだ。きっとそんな態度を取った奴らは戦う気もないのだろうが、そんなことは関係ない。まぁとにかく、反論するのも面倒だったし、実際間違っては居なかったから反論しなかった。そんなことよりも早く続きを言ってくれ。何が言いたい?どんな寝言を聞かせてくれる?そう思ってたゼロイバだったが、彼がなんでもない、と言った時点で呆れた顔をした)   (3/16 23:09:38)
ゑゐりあん/ゼロイバ > はぁ〜…(そして盛大なため息。工房に二度と近付かないでくれ、とまで言われたが)やだね。何か用があるかもしれないし、あんたの言うことなんて聞くつもりは無いよ。寝言ぼーや。ま、ここにいちゃまたなにか言われそうだからねぇ。あたしはここで帰らせてもらうよ。腹も減ってきたし(そう言って工房から離れるゼロイバ。しかし、途中で止まり後ろを振り返る)あぁそうそう。整備士って言ってたよね。王都を色々見回ってみたけど色んな機械の兵器があったんだ。あれ、あんたらの制作物だろ?(そういうとニヤリと意地悪い笑みを浮かべる)人殺し機械を作った手で食う飯、美味いだろ?(そう言ってゼロイバは立ち去っていった)   (3/16 23:09:40)