ユピテル

あたしと、二人

大和守/ユピテル > 「う、っ……いた、いたぁ、い……助け、て、……ぇ、親分……っ……ぅ」(その言葉を聞いて、大丈夫かと駆け付けてくれるような人はいませんでした。親分だって、あんなにボロボロにされちゃったせいで今は住処で休んでいる筈です。だから絶対に来てくれはしないのです。どれだけ助けを求めても、絶対に。今まで人を無慈悲に虐げてきたあたし達に、救いなんてない。それが分かっているから、理解してしまっているから。)「……う、うう……うあああああっ! 助けて、助けて、よおおっ! フィリウス、サンクトゥスぅうっ……!!」(まるで子供みたいに泣きじゃくります。それはもうみっともない程に、泣いて泣いて泣き叫びました。でもね。あたしに救いは無いのです。もしもそんなものがあるとしたら、無意識の産物。意図的に救いが与えられるなんて事は、これから一生ありません。だって、ほら。)   (3/15 00:52:06)
大和守/ユピテル > 「っ、あ……ぁ、うっ…………?」(今まで動かす事すら出来なかった体が、突然動くようになりました。見れば、釘が消えてーーそして、刺さっていた矢も跡形もなく消えていって。これが意図的に消された訳じゃないのは、混乱するあたしの頭でも分かりました。あのお兄さんは、すっごく怒ってたから。そんな事をしてくれる訳がないのです。何かの拍子にひょいと消してしまったのでしょうか。)「……ね、フィリウス、サン……。帰ろぉよ……あたし、もう疲れ、ちゃったから……休んでも良いよね……? 二人も疲れてる、そうでしょ……?」(手は切り落とされてしまいましたから今は使えません。何とか壁とかを使って腕に二人を抱えて、そう聞きます。うんうんと二人も頷いて答えてくれました。ほっと安心してーーーーあれ? どうして安心なんてしたのでしょう。安心なんて、する必要がない。二人が居れば、『三人一緒』ならいっつも安心出来て……出来ていた、から。)「フィリウス、サン……?」(変な違和感が怖くって、二人の名前を呼びます。二人は首を傾げるだけで…………嗚呼、分かった。)   (3/15 00:59:24)
大和守/ユピテル > 「……………………なんでこたえてくれないの?」(ーー二人が、一言も言葉を発してくれない。違和感の答えはそれで。だって、だって。サンはいっつも明るくて騒がしくて、フィリウスは反対に静かだけどーーあたしの言葉に答えないなんて、一度もなかったのです。だからーーーー)「…………やめて、……や、いや、いや……こたえて、こたえてよ、……一人、一人は……いや、なの、ッ……ねぇお願い、こたえて、こたえてよぉお……ッッ!!」(どうして、こたえてくれないの? なんて、答えは分かっているんです。あのお兄さんの言葉が切っ掛けになって。その言葉を聞いちゃったせいで、二人も困惑しているんです。困惑して、動揺して、それで。きっとそうに決まってますそうじゃないといけないんですだってそうじゃなきゃだってだってだってだってだってーーーー。)   (3/15 01:04:34)
大和守/ユピテル > 「……一人、ぼっち……は、一人は……ぁッ」(再び響いた、崩壊の音。)「う、ぁ、…………」(ーー今度こそ、決定的に何かが崩れた。)「……い、や、いや……ーーいやああああああああああああっっ!!」(ーーーーもう、戻れない。)(ーーそこから駆け出した。じくじくずきずき感じる痛みなんて知らない。今はそんなもの、どうでも良いくらいには辛くって。悲しくって。)(ーーーー辛くって。)   (3/15 01:07:47)
大和守/ユピテル > (嗚呼、神様。忌々しき神様。あたし達を、あたしを救う事なんてしてくれなかった神様。どうか、助けて。あたし達を元に戻して。ーー嘘だって言ってよ。)【あたしと、二人】〆   (3/15 01:08:54)