鬼若&白梅

愛の形

大和守/鬼若 > (──医務室、その隅。先日の日中、だろうか。討伐任務の出された対象であるイモータルをこの手で討ち滅ぼさんと鬼若は赴いたのだが──完全に排除する事は叶わず、逃がしてしまった。が、かなりの痛手を負わす事は出来た。それは鬼若の心にとっても少しの安堵を与えてくれるモノだったが……その代償に此方も同様、左腕に深く傷を一つ貰ってしまった。その傷を放っておく訳にも行かず、帰還してから即座に巫子達の世話となる事になってしまった。)「…………余はもう大丈夫だと言うておるのだが……全く」(所詮は傷一つ。そこまで気にする事は無いのであろうが、イモータルから食らったモノだと──あの水の厄災の根元の化物が与えたモノなのだからと、一日経っても返しては貰えなかった。流石に寝台を借りる程では無いからと遠慮してはいるが、隅に置かれた長椅子に座り。包帯を巻かれた如何にも痛々しそうな己の腕を眺めながら、ぽつりと一言文句を口にしたのだった。)   (3/15 20:40:30)


クロ:白梅 > ( 1人静かに悩んでいたのは和柄のうさぎ面を付けている白梅である。日が落ち、灯りが灯された廊下を歩きながらそろそろ帰ろうか、それとも明日の為にもう少しだけ働こうか、等と考えているのだ。ゆらりゆらりと髪の毛を揺らし、面のせいでほんのりと見えずらい視界の中、とある兵士達が話していたのを耳にした。普段なら会話や噂話等尾鰭がつくものだから余り気にはしなかったと言うのに、今回は少し違った。『 とある軍人が此度の病の騒ぎの元凶である者と相見えたらしい。怪我を負い、今は医務室に居るのだとか。』『 確か腕を怪我したんでしょう?酷い怪我と聞いた 』『 体全体に動けないほどの傷を負ったと聞いたが 』『 何にせよ医務室で伏せっているんだろう? 』『 嗚呼、そうらしい……確か…大佐だったか、けど勝てたと聞いたが 』)   (3/15 20:54:06)
クロ:白梅 > ( そこまで耳に入れば、白梅は歩みを止める。面の外からは分からないけれど、白梅は酷く青ざめていた。そして、急いで駆け足で医務室へと向かう。道中『 顔をやられたと聞いた 』という話や『 大怪我 』などと噂話が無駄に聞こえてきてしまい酷く恐れた。噂話など、尾鰭がつくものだから気にするな__そう思っても、どうしても最悪な方向へと考えてしまう。まさかまた身近な人を亡くすのか。まさか、まさか…確かめなければ、確認しなければ。そんな思いを投げつけるかのように医務室に飛び込めば一言「 鬼若は居るか!!!! 」と焦りの声色で叫んだのだった。___その後直ぐに鬼若の怪我の状態を知り、安堵の一息を出すと共に床に座り込むのだけれど。)   (3/15 20:54:07)


大和守/鬼若 > 「ーーっは、はいっ!?」(静かな、本当に静かな医務室。このままずっとこの雰囲気に浸っていれば寝てしまうのではないかと思う程、穏やかな中ーーその静寂が乱された。耳に入ったのは己の字で、その言葉は明らかに己よりも上官の者が発するような口調で。ーー思わず鬼若は、普段口にする事の無い様な言葉を発してしまった。上官となれば人は限られている。少将か、元帥かーーはたまた、己が敬愛し崇拝する大将様か。焦りを表情に出しながら鬼若は医務室の入口へと駆けていきーー。)「……し、白梅様っ!? ど、どうされたのですかっ……嗚呼それよりも先ずは、どうかお立ちになって下さいっ……!」(ーーそこに居た人物を見て、鬼若は大きく目を見開いた。床に座り込む想い人、貴女の姿。その様子に鬼若はどうしたら良いのかとわたわたと手を収める事も出来ず振って、結果貴女の前に片膝をついて座り、どうか立って欲しいと告げた。貴女よりも頭が高くてはいけない。貴女は何よりも美しき華なのだから。……それにしても、あの時完全に決別してしまったのではないかと思っていたのだが。一体、どうしたのだろうか。)   (3/15 21:20:04)


クロ:白梅 > どうしたも、…こうしたも、あるものか…( は ー 、は ー 、と息切れをしつつ、言葉を発していき、ゆっくりと顔を上げる。片膝を付いて座る貴方の姿を見れば、再度安堵の一息を出す。そして、ゆらり、と立ち上がれば「 …医務室に立ち寄ったのは、特に理由は無い 」なんて、完全に誤魔化せれないのに言ってみる。……が、どうにもいたたまれなくなり、「 …否、噂話に身を振られるとは思わなかったものでな、その…妾は、御主が重傷と聞いたのだ、だから少し、な。」と、ぽつ、ぽつと真実を述べていく。情けない姿かもしれない。けれど、先程の行動をしてから、『 実は特に用はない 』なんて誤魔化す方が情けない気がしたのだ。)   (3/15 21:34:36)
クロ:白梅 > ( _嗚呼、面を付けていて良かった…息苦しいけれど…_そんな事を思いつつ、自分の立場をふ、と振り返る。名前を叫びながら医務室に入る自分。そもそもの話、鬼若とは最近顔を合わせていなかった。だからこそ噂話に身を心を振られた。何故顔を合わせていなかったか____そうだ、アレがあったからだ。ハッと気が付き、今のこの状態を再度振り返る。__よもや、この状況はとてもまずいのでは…?_と、自覚したが時すでに遅し。気まずい空気が部屋に立ち込める。声を出そうにも、この空気感に押されてしまい中々出てこない。尚更、面をつけていて良かったと考えるが、それ以外の事が全く考えれないし、解決策も思い付かない。取り敢えずの策で、白梅は1人この静かな部屋から、無言で、ゆっくりとゆっくりと、音を立てないようにして出ていこうとした。)   (3/15 21:34:38)


大和守/鬼若 > 「…………白梅、様……」(医務室に寄ったのに特に理由は無いだなんて、普段貴女の言葉なら信じ讃える鬼若でも分かる様な嘘を聞いて。もしかして貴女はーーだなんて淡い期待を一切の慈悲なく断ち切られた様な心地がして。鬼若は少し、表情を曇らせかけたがーー『御主が重傷だと聞いたのだ』『だから少し、な』。先の言葉を否定し紡がれた言葉に、ぱあっと鬼若の表情は仄かに灯った。嗚呼、もしかして。本当に貴女は、自分の事を。最近顔を殆ど合わせていなかったその理由を思えばこれは本当に意外で、予想外で。だからこそ、その喜びの余韻にも浸らせぬままに立ち去ろうとする貴女の袖の裾を、くいと小さく引っ張って。恐る恐ると言った様子で言葉を紡ぎ、そして貴女を引き留めようとしたのだった。)「……ーーま、待ってください、白梅様っ……無礼だとは思っているのですが……。……その、少し……話をする事は、出来ないでしょうか……」   (3/15 21:49:43)


クロ:白梅 > …( 袖を引かれる。ふ、と息を飲み、振り払える筈なのに、どうしても、どうしても。_どうしても、振り払えなかった。)   (3/18 23:51:11)
クロ:白梅 > 何だ、鬼若よ。…良い、今宵は未だ始まったばかり故、時間は有る。話せ。( 平然を装ってそう言い、ゆっくりと振り返る。しゃらん、と耳飾りが鳴る。 時間は、沢山ある。気まずい空気もいつの間にか、ほんのりと和らいだような_そんな気がする。けれどやはり、未だ少し緊張感のある空気で、面の下でこっそりと深呼吸を繰り返した。_この間の、その、…" アレ "についてだろうか。アレは、アレは。妾が逃げ出してしまったのだ、アレで御主を、鬼若を傷付けてしまったかもしれぬ。…否、それ以上、それ以下かもしれぬ。何にせよ、アレは妾が、未熟者の妾のせいなのだ。これを機に、謝るべきであろうか、…当たり前か_。そんな事ばかり考えてしまい、感情が揺らいでしまうが唇を噛み締め耐える。何せ白梅は今から、貴方から言われる言葉を聞かねばならぬから。可愛らしい和柄の面の下で、白梅は可愛らしくない表情をして、貴方の口から出る言葉を紡がれる言葉を待ち続けた。)   (3/18 23:51:13)
クロ:白梅 > ( 深く、どろりと蕩けるような夜が今、ぬゆりと花弁を開いた )   (3/18 23:51:32)


大和守/鬼若 > 「……あ…………」(袖を摘まんだ手が振り払われなかった事に、鬼若はほっと安堵の息を吐いた。何せ先日の事がある。振り払われる覚悟さえしていたものだが、やはり何と慈悲深きお方なのだろう、だなんて。満たされる様な、傷付いた心が癒される様な心地を浮かべながら鬼若は言葉を紡ぐ。)「有難う御座います、白梅様……。ですが、その前に……。此処では話し辛い、かもしれませんので……場所を、移動しましょう」(此処は医務室。病人や怪我人が安らぐ為の場所であり、好き勝手に使って良い訳ではない。そう判断すれば、先導する様にして貴女の前を歩いていくのだろう。──嗚呼そう言えば、人があまり寄り付かない穴場みたいな場所があったな、なんて。記憶を漁り思い出せば、その場所へと静かに向かっていくのだ。)   (3/19 11:12:09)
大和守/鬼若 > 「────先日は申し訳ありませんでした」(開口一番、頭を下げては謝罪の言葉を口にした。)(自棄に人の寄り付かない場所。廊下の一角。意外にも此処に人は寄り付いてこない様で、二人以外の物音が聞こえてこないような、本当に静かな場所で。)「私めの言動のせいで貴女様を傷付けてしまったという愚行……本当に申し訳ありません。何度謝罪を繰り返した所でこれは到底許される行いではありません。……貴女様の御好きな様にして頂いて構いません。指でも何でも、命であろうと命じられれば私めは貴女様に捧げましょう。ですから、どうか……、」(最後に続いた筈の『嫌わないで下さい』、という言の葉は本当にか細く囁かれた。これはあの日以来、ずっと鬼若を蝕んでいた言葉だった。そのせいで仕事も上手く手に付かず、安眠出来た日なんて幾つあるだろうか。貴女様に嫌われない為なら何でも出来るのです。命を捨てる事すら容易いのです。だからどうか────。ぐっと目を瞑り。頭を下げ続けたまま。鬼若は、貴女の言葉を待っていた。『嫌われたくない』という切なる願いを抱えながら。)   (3/19 11:12:12)
クロ:白梅 > ( 静かに後ろを着いて行く。ぞわり、どくり、と身体の中で鳴り響き、酷く煩く感じる。_治まれ、収まれ、納まってくれ、…_そう願えど叶う事は無く、更に深く唇を噛み締めた。足音が耳にキンキンと響き脳が揺れる。" 何処に向かうのだろうか "なんて思う暇もなく、ただただ従ったのだった。)   (3/19 13:47:01)
クロ:白梅 > ( 場所に着いたのだろう。逃げようと思えば逃げれるが、人に助けを求める事は出来ない。そんな事を考えて居たのだが、その逃げ腰の思考回路を消し去るように貴方は謝罪をしたのだ。" どうして謝るのだ "と。" 妾の事を責めないのか "と。そんな疑問ばかりが募る。物静かな場所だというのに、貴方の言葉が遠く離れていくような感覚だ。口が動いているのをこの目で確認できるのに、声が遠く響き渡る。まるで洞窟で洞穴で話しているような、そんな響き過ぎて聞こえない状態だと言うのに、最後の『 嫌わないで 』という言葉だけが、まるで耳元で囁かれた様に聞こえたのだ。 背筋が冷水にかけられたかの如く冷え上がり、噛み締めていた口がゆるりと開く。 どうしてそこまで嫌われたくないのか。どうしてそこまで妾が良いのか。どうしてそこまでするのか。どうしてなのだろうか。)   (3/19 13:47:11)
クロ:白梅 > ( _否、白梅はその応えを知っていた。見ようとしていないのだ。知らないフリをしていたのだ。けれど此処迄されたのならば見なければならない。気付かなければならない。向き合わねばならない。拳を強く握りしめ、自分を奮い立たせる。そして遂に、意を決して、白梅はその疑問の応えを見詰めた。 …彼は、鬼若は。それ程までに白梅の事を___妾の事を、愛してくれていると云う現実を事実を、見詰めた。)   (3/19 13:47:21)
クロ:白梅 > 嫌うも、何も…妾は元より嫌ッて等居らぬ。…が、1つ、…御主に隠し事を、して、いたのも又、事実である。( ぽつり、と独り言を呟くようにして話し出す。ほんのりと下を俯き、ゆっくり、ゆっくりと話し始める。) 妾は、御主が思うほど綺麗な華では無い。御主に、好いていると云われた時、酷く心が、此処が、荒れ狂う海の如くザワついたのは、逃げたのは、理由がある、御主が嫌いではない、寧ろ妾は日々努力し、國の為軍の為、…妾の為に、その身体を動かしてくれて居た御主の事を好いて居る。だがそれは、それは。愛ではない、…( 静かに、淡々と話していたはずなのに。声が震える、手が震える、身体が震える。今から、口に出す言葉は気持ちは、余りにも白梅には耐えきれないモノだ。だが、…云わなければ、鬼若の事すら侮辱してしまうのだ。ばっと顔を上げ、白梅は相手が口を開く前に話し出す。_自分の、愚かな想いを心を気持ちを。)   (3/19 13:47:39)
クロ:白梅 > 妾は、御主の言葉を嬉しくも想うた。だが、それと同時に恐ろしくなった、何故恐ろしくなったのかをずっと考えていた、ずっと、考え、そして理解したのだ自分が愚か者だと理解したのだ、妾は、妾は、…兄を、腹違いとは云えど兄を、愛していたのだ、だから、だ、から!!!( 叫ぶ様に、声を、震える声を強く強く上げる。) …だから、御主の美しき愛を受け取る事も、御主を愛する事も、愛する権利も、…( _何も、無い。その言葉を言おうとするも、紡ごうとするも、ほろりほろりと零れてくる涙のせいで喉につっかえてしまい、出てくる事はなかった。面を付けているせいで、拭う事も出来ず_否、そもそも拭おうともせずに、ただただ先程とは打って変わって俯き、黙り込む。ほろり、ほろり。ぽたり、ぽたり。ただ、ただ、涙が溢れて止まらなかった。)   (3/19 13:47:55)


大和守/鬼若 > (──嫌ってなどない、と。その言葉に鬼若はゆっくりと顔を上げた。安堵、安心、あらゆる安らぎが心に訪れる。……が、続いた言葉に、『隠し事をしていた』という告白に、ぴくりと眉を一つ動かした。初めは、鬼若にとっては嬉しくも取れる言葉。けれどやがて言葉達は不穏を帯び始めた。そして、やがてその不穏は姿を見せ始めて────嗚呼。)   (3/19 17:21:07)
大和守/鬼若 > (────『兄を、腹違いとは云えど兄を、愛していたのだ』。その言葉に、鬼若は心の臓まで冷えるような心地を覚えた。『だから、御主の美しき愛を受け取る事も』『御主を愛する事も』『愛する権利も』──。続く巡る言葉に鬼若は、心の臓が痛むのを感じた。嗚呼、でも。それでも、此処まで言われた方が良い。あやふやで不安定な言の葉より良いものは無い、だろうから。)「…………泣いて、いらっしゃるのですか……?」(己の痛みを封じ込めながら、想い人の声の震えに、喉の引きつる音に気付く。震える手を伸ばそうとして、けれども畏れ多くて引っ込めた。だけども、伝えねばならない事があって。どうしようもなく痛む心を押さえながら、鬼若は口を開いた。)   (3/19 17:21:25)
大和守/鬼若 > 「……白梅様」「今から申す事は検討違いな事かもしれません。ですので聞き流して下さっても勿論構いません」「これだけ、申させて下さい」(前置きを、一つ。すぅ、と小さく息を吸って、鬼若は語り始める。)「……愛に権利など、必要御座いません。万人にその権利はあって、持っていて。尊重されるべきもの……ですから」「……ですから、白梅様」「貴女様は、その【愛】を否定する必要は無いのです。愚かなど、貴女様が愚か者だなんて事は絶対に……絶対に、有り得ません!!」(何時の間にか、熱が入っていた。あくまでも落ち着いて話すつもりだったというのに。)「ですからどうか……誇ってください、兄上への愛を。その尊き【愛】を」(貴女に何も無い、なんて事はない。【愛】を持っているじゃあないか。一つ、輝くような【愛】を。貴女様の幸せこそが私の幸せ。だから、例え結ばれなくとも────。)   (3/19 17:21:43)
大和守/鬼若 > 「────私は、貴女様を愛しています」(【愛】を、告げる。)   (3/19 17:21:54)
大和守/鬼若 > 「……それだけです」「それだけ伝えられれば、私は良いのです」「受け取らなくても、構いません。愛されなくても良いのです。ただ、貴女様を愛せれば、それで……」(それだけで良い。それだけで良いから、だから。)「だから────」「……どうか、どうか一思いに私の【恋】を、諦めさせてください……」(貴女が【愛】を持っている限り、この【恋】が叶う事は無いから。このままこの思いを抱き続ける事より辛い事は無い、から。だからどうか、いっそきっぱりと諦めさせてくれた方が、良いのだから。頭を下げて、鬼若はそう懇願した。)   (3/19 17:22:09)


クロ:白梅 > ( 元より、自分が余りにも醜く、憐れな華だと理解していた。)   (3/19 19:29:59)
クロ:白梅 > ( 幼き頃から兄の事を想い、兄の事を敬い、兄の事を見ていた。その大きな背中を追い掛けていた。けれど、それがその大きな背中を愛しく思い始めたのは。その隣に居たいと思ったのは、もう何年も前からである。まさかこれが" 恋 "だなんて。" 愛 "だなんて、誰が想像しただろうか。 あの時からずっと。出逢った時からずっと自分は清き美しい想いではなく醜い思いを抱いていたのだとつい最近知ったのだ。故に白梅は愚か者だと罵られると。気味が悪い気持ちが悪いと蔑まれると思っていたのだ。けれど彼は。彼は違った。こんな汚らしい愛を自己満足で固められた造られた愛を、『 誇れ 』と。『 尊き愛 』と。そう言ってくれたのだ。)   (3/19 19:30:02)
クロ:白梅 > ( 嗚呼、御前の方が痛いだろうに。御前の方が辛いだろうに。甘えてしまっている自分が情けなく思うのに。ぼろぼろと涙は零れるばかりで止まる気配がない。「 ひゅ、 」と何度も息を吸い込み、面をからんと下に投げ捨てる。両手で顔を覆い、ぼろり、ほろりと涙を両手に貯めていく。ぽたり、ぽたりと頬を伝い手に落ち、地面に落ち、小さな小さな水溜まりをつくる。そして小さく、けれど酷く悲痛な声を上げた。)   (3/19 19:30:11)
クロ:白梅 > あ、兄様、あにさまは、もう、こ、この世にはッ、お、おらぬ、…!!!! " 亡くなられた "のだ、!!!!!!ッ、わ、らわを、妾を、愛しッ、て、くれる、御方は、もう、も、う、居らぬと思うていたのに、!!( 叫ぶ、叫ぶ。情けないのに、華が咲き誇る様に感情がぶわりと湧き出て止まらない。ぼたぼたと涙を落とし、両手を離して顔を上げる。泣き腫らした、充血した目が貴方を捉える。)お、おッ、お前が、愛してるだなんて言うから、おまえが、妾の、醜い愛を、誇れと、いうから、妾は、わらわは、!!!!( 酷く大きく叫ぶ。しゃっくりが止まらない、再度両手で顔を覆い、その場にしゃがみこむ。ぐす、ぐず、と鼻を鳴らし、溢れる涙を止めようともせずただただか弱き女子の様に身体を震わせた。)   (3/19 19:30:21)
クロ:白梅 > ( そして、静かに。掠れた声でぽつりと呟いた。「 _御主のせいで、御主が愛を妾に渡すせいで、この世に未だ居たいと、思ってしまったじゃないか 」と。)   (3/19 19:30:41)


大和守/鬼若 > (──終わらせられるのを待っていた。この【恋】を容赦なく断ち切られるのを、落とされるのを。終わらせられるのを。けれど、放たれたのは、悲痛な叫びだった。)「…………ッ……!」(──『兄はもうこの世には居ない』『亡くなられた』──と。鬼若は、貴女の兄に出会った事がある。飄々とした、まるで煙の様な男。そんな男が死ぬだなんて、亡くなっただなんて思ってもいなくて、きっとあの男が死ぬのは寿命を全うした時かはたまた自害か何かかと失礼ながらもそう思っていた。から。貴女の言葉を、叫びを聞いて、鬼若は目を丸く見開いた。死んでいるだなんて知らなかったから、だからその貴女の恋を愛を応援する気概でいたのに。続く叫びに鬼若は堪らず顔を伏せる。それは、果たして良い事だったのだろうか。『御主のせいで』──だなんて言葉が心に刺さっていて、善悪の判断すら鬼若には付かなかった。──ただ、今の貴女は。彼女は、『大将』だなんて軍人ではない。今の貴女は、まるでか弱い少女の様だった。)   (3/19 20:01:10)
大和守/鬼若 > 「…………」(『早く去れ』、だなんて途切れ途切れの言葉が紡がれた。絞り出されたその音に、か細く何の効力すら無いだろうその言葉に鬼若は一瞬強く狼狽えた。……今は何を言っても、どんな言葉を掛けても貴女を傷付けてしまいそうな気がして。けれど、今此処で離れてしまえば、もう二度と戻らないような気がして──。鬼若はただ静かに貴女の側へと歩み寄り。片膝を立てて座れば、貴女の背を優しく撫でるだろうか。これが振り払われたとしても、拒絶されたとしても。決して今の貴女を見放す事は出来なくて、側に居て守らなくてはなんて思いが浮かんでしまったから──。)(────まだもう少しだけ、夜は続く。)   (3/19 20:01:13)


クロ:白梅 > ( どうして去らない。どうしてなのだ。早く去ってくれ。でなければ、…___そんな事を思えど、貴方は去ることなく白梅の背を優しく撫でた。嗚呼、酷く優しく撫でられる。酷く優しい手つきが、白梅の心を緩く優しく治していく_そんな感覚がした。 - 縋るな、辞めろ。お前が縋っていい訳が無い。お前は捨てたんだ、お前は美しき花の様な彼に縋ってはならぬ - 。脳内でがん、がん、と警報が鳴る。けれど、どうしても。ダメだった。ゆらり、と身体を揺れ動かし、離れようとはした。けれど駄目だった。無理があった。)   (3/19 20:43:46)
クロ:白梅 > お、おにわか、( 静かに、小さく囁くように字を呼ぶ。そして、遂に。白梅は、ゆっくりと手を彼の背へと回して服を掴んだ。ぽす、と頭を彼の胸元へと預ければ、1人声を上げて泣いた。普段はそんな事しないのに。大怪我をしても部下の前で泣くなんて事はしないようにしていたのに。ましてや恋愛事情でこんな情けない醜態を晒すなんて、有り得ない筈なのに。白梅は、貴方に全てをさらけ出した。白く美しき華は、本当の姿を。平凡な華の姿を貴方に捧げた。)   (3/19 20:43:55)
クロ:白梅 > ( 何分…否、何十分経っただろうか。少しずつ落ち着いてきたのか、数回鼻を鳴らすも、ほんのりまだしゃっくりが出るも、涙はやっと収まったのだ。ほんのりと頬を赤くし、泣き腫らした目を擦れば「 …すまぬ 」と小さく謝罪した。恥の気持ちを含んだ、謝罪だった。身体をゆっくりと起こそうとしたが…_何を思ったのか相手の肩にひょこ、と顔を乗せた。そして「 妾を愛してると申してくれて、ありがとう 」と小さく、小さく。誰にも聞こえぬように。世界すらも気付かない様に。__貴方だけに聞こえるように囁いた。バッと身体を起こし、服をぱん、と叩いてホコリを落とす。どこか、吹っ切れたような顔で貴方を上から見下ろす。情けない顔だと言うのを自分でも理解できるものだから、ほんのりと、微笑んだ。その後、相手が立ち上がる前にさっと右手を差し出して、普段と_否、普段よりも凛とした顔で言ったのだ。)   (3/19 20:44:20)
クロ:白梅 > 御主に、酷く、余りにも酷く惨い事をした。…許せとは云わぬ。だが、もしも。もしも、御主が未だ、妾と共に居てくれるのなら。_居てくれるのならば( _貴方を見据える。余りにも都合の良い女だと思われるのは分かっている。そんな物は分かっている。けれど、貴方と仲間として、友として、共に居たい気持ちがあるのもまた、事実である。だから、この手を受け取るか受け取らないかは、貴方に任せる事にしようではないか。)   (3/19 20:44:33)


大和守/鬼若 > (貴女が己の字を呼ぶそのか弱さと言ったら、今にも儚く脆く崩れてしまいそうで。手が背へと回され、服が掴まれる感触がした。胸元へと重みが増して、一連の動作から貴女が己を抱き締めているのだと理解すれば、優しく撫でるその手をその頭部へと。まるで幼子の如く声を上げて泣く貴女の姿に、守りたいと庇護の気持ちが強く溢れ出るのを感じた。今貴女の見せている姿は滅多に見られない様なもので、それを見れているというこの状況に独占欲が掻き立てられ、片手を貴女の背へと回せば小さく力を込めて抱き締めるだろうか。)「白梅、様……っ」(負の感情だけで無く、恥というのも混じった謝罪の言葉に、鬼若は可愛らしさを覚え思わず頬が緩んだ。が──『妾を愛してると申してくれて、ありがとう』──……。肩に頭を乗せて、本当に小さく、小さく囁かれた言葉に思わず瞳を見開いた。まるでその言葉が天啓の様にそれは、響いて、響いて。すっと憑き物が墜ちたかの如き感覚に襲われる。今までの苦痛も辛さも何もかも、報われたかの様だった。)   (3/20 11:16:17)
大和守/鬼若 > 「……勿論です、白梅様。この鬼若──いえ、『筑紫』は。永久に貴女様の側に在り、愛す事を誓いましょうとも」(悩む事など何一つ無かった。返答に少し詰まってしまったのは、貴女のその言葉があまりにも嬉しく、まるで救われたかの様な心地を覚えて。思わず涙が溢れそうになってしまったのを堪えていれば、自然と言葉を発するのが遅くなってしまった。片膝を立てて地へ座ったまま、貴女を見上げ──己の『真名』を口にして誓う様に言葉を紡いだ。この命も存在すらも何もかもを貴女に捧ごう。鬼若の心に華を咲かせ、恋の炎を灯し生の灯火を燃え上がらせた、貴女に、文字通り全てを捧ごう。この身は貴女の為に在り、貴女が居なければ何も出来ない様なモノなのだから。そして鬼若は────貴女の手を取った。)   (3/20 11:16:20)


クロ:白梅 > そうか、御主、筑紫と云うのか。うむ、良い名であるな。( ぶわ、と華が咲き誇る。手を取る貴方の顔をじっと見詰め、酷く優しい顔を零す。手を取る貴方に向かって、手を引き立ち上がらせる。ゆっくりと、ゆっくりと。まるで世界が止まったように思えてしまうほどゆっくりとした時が流れる。するり、と此方へ手を引くと同時に一言、愛しい顔をして。落ち着いた声色で白梅は伝えた。)   (3/20 21:49:44)
クロ:白梅 > 妾は、天舞音。蘭 天舞音と申す。筑紫よ、どうか、どうか。( ___どうか、これからも。頼むぞ。)   (3/20 21:50:09)
クロ:白梅 > ( 今宵の夜は、酷く濃厚でどろりと蕩け出す。空から眺める月すらもが羨む程に美しく輝いている様な気がする2人。嗚呼どうか、どうか。歪な形でも。これが2人の2人なりの愛なのだ。どうか愛だと認めておくれ。) 【 愛の形 】   (3/20 21:50:18)