ガデューカ&叉羅
再会と真名の約束クロ:ガデューカ > ( 廊下を走る、走る。ばさばさと髪が揺れ、額に汗が滲むのもお構い無しに階段を駆け下り、手に持っている瓶を落とさないようにしながら必死に目的地へと向かう。時は早朝、先程、遂に特効薬が何か調べ上げた毒蛇は疲弊した身体に鞭を打ち苦しむ患者の元へと急ぐべく部屋を飛び出したのだ。 足音が響く、仮眠しか取れていない故に多少ふらついてしまうけれど、それさえもお構い無しだ。) (3/15 15:26:36)
クロ:ガデューカ > ( 徐々に朝日が登り、空を白く美しく照らし始めてきた時、毒蛇は目的地である_牢獄に辿り着く。鍵を開け、扉を閉めずにぶつかる勢いで中に居る人_否、鬼と云うべきだろう。鬼に向かって駆け寄り、急いで瓶を取り出す。ひゅぅ、ひゅぅ、と息が切れてしまっていると云うのにも関わらず、忙しなく瓶の蓋を開いたかと思えば、相手が目を覚ます、覚まさない関係なしに腕を頭の後ろに入れ込み、水が器官に入らないように配慮しつつ瓶を口元へと寄せる。少し、少し、ゆっくり、ゆっくりと瓶を傾けては口内に水を流し込む。正直な所、起こしてからでも良かったのではないか、なんて思ったりもしたのだが、毒蛇は水を飲ませながら考え込んだ。_水を恐れている故に、今からこれをお前に飲ませるなんて言い、近寄らせれば大人しくしてくれる訳がないのだから、これは仕方が…無いんだよ、許しておくれよ?_なんて、1人脳内で自己解決しては、飲まし終えた瓶を適当に床に置く。カラカラカラ…と置かれた瓶が床に転がる音と共に、「 オウガ、オウガ。目を覚ましておくれ、 」と、掠れた声で呼び掛けた。) (3/15 15:26:38)
しぃずま/叉羅 > 「…(目は、覚ました。けれど動くことはできない。まっすぐな黒い角を額に生やした男。姿形は化け物なれど、いまだ心は「人」にあった。夜に咲いた胡蝶蘭に見惚れ、未だ見えない姿を追い求めた、たった一人の男であった。けれど今は、ただ憔悴しきった、人の手がなければ生きていけない獣となっていた。獣たる、鬼となっていた。)グ…ガ…(自らの体に触れられること、すなわち「攻撃」。戦争を望む鬼の血が、全てを戦争行動へと結び付ける。だが、魚でなくとも水を得れねば生命を保つことはできない。それも、今は道中殺しあった獣との傷も残っている。抵抗はしても、あなたの女性らしい腕からも逃れられない、弱い力で、だった。成す術なく、彼はその液体を流し込まれる。いくら吐き出そうとしても、体に力が入らず。…そして、眠っていた「人間」が、覚醒していく。)」 (3/15 15:49:32)
しぃずま/叉羅 > 「…あぁ…ヘッ、さすがは…俺の、主治医さまだ…(先ほどまでの敵意は消え去り、かわりにそこには、人間たる感情が、取り戻されていた。その笑みは、とてもとても大きい、「信頼」に満ち溢れたものであった。)…とりあえず…水をくれ…(けれどそれ以上に、力がなかった。覇気がなかった。どうしてか?それは、彼の姿を見ればわかるだろう。いつもの豪快な顔立ちは、竜のようにやつれていた。生き返った脳みそが、肉体が、水を求めて、ひどく嘆いている。)」 (3/15 15:49:34)
クロ:ガデューカ > は、…はぁ、…あ" ー …( 貴方の言葉、顔を見た途端、はぁぁぁ、と大きく息を吐き出し、床にぺたりと座り込む。一気に力が抜けていく感じがするが、水が欲しいと云うから、急いで立ち上がり、「 そこで大人しく待っているんだよ? 」と言いながら足を動かして水と軽食を取りに出る。牢獄の付近にある共用スペースという名目で置かれている監視部屋の様な部屋で、せっせと数本の瓶の中に水を入れ、果物やパン等の軽食も籠の中に入れていく。…流れる水の音が、誰も居ないこの部屋が酷く心地よくて堪らず、つい眠気がふわり、と起き上がってきてしまう。 けれど、こんな所で休んでいる暇は無い。両頬をぱちり、と手で叩き睡魔を飛ばしては、深呼吸をする。タオルも数枚手に持ち、急いで彼の元へと帰った ) (3/15 16:21:57)
クロ:ガデューカ > 良かったよ、アンタが目を覚ましてくれて。( 力が出ないのだろう、普段_といっても結構前になるのだが、何時もの覇気が無い。仕方がない、何せアレはあの病は酷く辛いものだ。( 経験したことが無いから、何とも言えないけれど、症状からして酷く辛いんだろうねぇ… )なんて、考えながら籠を貴方に渡す。そして、両手で顔や腕、身体等を触り「 取り敢えず、今まで出来なかった分の傷を癒すとしようじゃないか、…アンタ無駄に動いてたからね 」と呆れつつも酷く安堵した顔でポケットから紙を取り出す。霞む視界を正すために目を擦り、「 目覚めよ、謳えよ、癒しの聖なる泉、… 」と詠唱を始める。ぽつ、ぽつと呟くように詠唱しては、手で優しく傷の部分を撫でる。少しづつ、少しづつ治っていく傷を見て、再度安堵の一息を出し、彼の顔を見る。 (3/15 16:22:00)
クロ:ガデューカ > 酷くやつれているような顔を見ては、自分もクマが酷く、やつれていると云うのに「 あっはっはは、アンタの男前な顔が台無しじゃないか、当分は休むこったね 」と笑いながら言いつつ、カゴからタオルと水の入った瓶を取りだし、タオルを濡らす。そして、それを渡しながら今度は「 気になる傷があれば今の内に治すから、隠さず出しなよ? 」と伝えた。) (3/15 16:22:33)
しぃずま/叉羅 > 「(籠を受けとると、微笑みながら感謝の意を伝える。そうすればすぐに、あなたが手の付けていない水入り瓶に手を伸ばし、掴み、一気に飲み干す。)生き返る気持ちだぜ。水ってのはこんなにもうまいんだなあ。(なんて、感想を述べれば、まだまだ水を飲む。飯を食べる。区切りを付けて、食事も一段落、というところで…)まずはありがとう。運良く、発症したのが王都の近くでな。それで、まあ完全に病状が出る前にできるだけ近づきすぎないようにあの森に入ったわけだ。…そんで、思った通り、お前さんが森へ来てくれた。そんで今、俺を助けてくれてる。本当、さすがだお前さんは。(治療を受けながら、まずはあなたへの感謝を。…感謝はするけれど、今は、彼は、王国人ではないのだ。)でもな。休んでる暇はないんだ。(旅人たる故に。…獣たる鬼は、鬼たる人であり、人たる旅人だ。もはや、兵士たらない。)」 (3/15 16:57:06)
しぃずま/叉羅 > 「…いろいろとすまんな。急にいなくなった上に、再会がこれたぁ締まらんもんだ。(懐かしい姿を見て沸き上がるのは、王国への想い。戦争を望まないと口では言っていながら、あのときあの狐の裏切りに、正直心躍っていた。だから、国から、逃げた。まあ逃げたと言っても、正式に手続きはしたとも。)俺ぁな。…もう退役した軍人だ。俺は1人で万を片付ける、ってな戦い方は、今の戦術にゃ合わなくてな…それに精神も、まあまともじゃねえ。戦えなくなったんだ…大事な時期だからな。俺は「足手まとい」になると判断された。俺もそれにゃ反対してねえから、退役した。…今日中に俺は出ていく。せっかくの再会だっつーのに、悪い。さっき言った通り、休む暇はない。待たせてる奴がいるんだ。(去る前…自分の面を左半分、焼いた男。そいつとの戦いで、あの刀を拾うまでは、「決着をつける」…つまり、奴を殺そうとしていた。心躍る故に。戦に生きる故に。それも刀を見れば揺らいだ…中途半端な者が、この王国にいていいものなのか、それがわからなかった。だから、退役を薦められた時。正直、心が安らいでいた。…先程の口上は、まあ、半分言い訳だった。)」 (3/15 16:58:00)
クロ:ガデューカ > ( 貴方の話をうん、うん、そうだね、と頷きながら聞く。感謝の言葉を言われれば「 運が良かったのさ、アンタが無事で何よりだよ 」と答え、休む暇がないと言われてしまえば、ただただ無言で話を聞く。睡魔などとうに何処かに飛んでいき、実感がまるで湧かないけれど、再会したんだなぁ、なんて頭の片隅で思えば、以前感じていた突然消えた事に関しての怒りや、寂しさ、治してやれなかった悔しさが脳裏によぎるけれど、それを口に出すこともなく、ただひたすらに話を聞いていた。) (3/15 18:12:50)
クロ:ガデューカ > その、何だ。( 話を聞き終えた後、数分間静けさが部屋を満たす。ふ、と。毒蛇は立ち上がり、大きく背伸びをすれば、服の擦れる音、ボサボサの髪の毛が揺れる音が部屋に響く。そして、片付けをしながらぽつり、と言葉を出すけれど、上手く言葉が続かない。誤魔化すように手を身体を動かし、片付けを始める。自分が何かを言おうとしているのは分かるけれど、喉奥から何かが出てきそうな感覚は分かるけれど、引っかかってしまい、上手く出てこない。やっと出てきたかと思えば、「 御前は今、幸せかい?」なんて、訳の分からない言葉だった。自分でも何を聞きたいのか分からなくて、何を言えばいいのか分からないのに、ただ、幸せかどうかの確認が口からするりと出たのだ。けれど、" 言いたい事と違う ''なんて否定の言葉は出てこなかった。_私の、1番気になる事がコレなのかね_そんな事を考えながら、手を止めて、貴方の顔を見た。) (3/15 18:12:52)
しぃずま/叉羅 > 「…ごめんな。俺は、今が幸せでいる。だから、お前さんから離れるのを止めることはできない。(あなたは、あなたから離れていく自分が幸せであることを、信じたくないのだろうか。信じたいのだろうか。だが生憎、どちらだったとしても、彼の答えは「幸せ」だ。まあ少なくとも、あの壁から希望が見えて、そしてとある少女と共にいて。)けどな。俺だって、死のうとしてるとか、そんなんじゃねえんだ。だから、お前さんともいつか会えるさ。…会いに行けるようになったら、必ず会いに行く。約束するよ、ガデューカ。(自分の顔を見るあなたの、なんと愛おしいことか。妹のような、強がっているけれど、所々弱々しい女性。1つではない感情で乱れた、可愛らしい顔を…なんて、言う年ではないのかもしれないけれど…まあ、どれだけ年を取っても、可愛らしいものは可愛らしい、付き合いが長ければそういうものだ。とにかく、可愛らしい顔を見て、豪快にその紫の髪が咲き乱れる頭を撫でまわした。)」 (3/15 18:35:46)
しぃずま/叉羅 > 「その内お前さんに、俺の本当に幸せになった姿を見せてやるよ。絶対、会いに行く。(独房のボロ布の布団では、布が足りないか。)悪い。俺が着れるくらいの布をくれないか。ああそれと…できるだけ、俺がここにいたことは誰にも言わないで欲しい。俺がここにいることを知ってる奴にも伝えといてくれ。(腰を上げて、とりあえず房から出ようとする。…しかし、あなたがまた愛おしくなって、もう一度、頭を撫でた。)そうだな…約束の証とか、お詫びと言っちゃあなんだが。なんだかんだ教えてなかったから、覚えといてくれよ。」 (3/15 18:35:51)
しぃずま/叉羅 > 「俺の真名は、リアムだ。」 (3/15 18:36:02)
クロ:ガデューカ > …そうかい。( 幸せだと、そう言われた時。何故かは分からなかった。分からないのに、寂しそうな嬉しそうな、…儚げな微笑みを、ほろり、と零した。) (3/15 19:11:08)
クロ:ガデューカ > ふ、ははっ、何を言ってるんだい?当たり前だろう。大体御前サンは無駄な無茶ばかりするんだ。大きな怪我したり、面倒な病に掛かったら何時でも顔を見せにおいで。私は毒蛇さ、そしてアンタは私の患者( 獲物 )なんだから。( 頭を豪快に撫でられれば、先程と別人なんじゃないかと思ってしまうほど、けらけら、と声を上げて笑いながら貴方の手を受け入れる。そして、すぐにパッと離れて「 布だね、分かったよ。直ぐに支度をしようじゃないか 」と言い、いつの間にか持ってきていたものを全て籠の中に片付け終えていた毒蛇は、貴方の要望に答えるべく貴方よりも先に牢獄から出ようとする__が、其れは出来なかった。再度撫でてくる手の感触が分からなくなる程、驚いた。そして、嬉しさも出てきた。_が、それと同じぐらい悲しみも毒蛇の心を蝕んだ。しかし、それを徐に顔に出すなんて馬鹿な真似はしない。ゆっくりと振り返れば、いつものすまし顔で「 そう言えば、言われてなければ言っても無かったね。アンタは、アンタの真名はリアムなんだね。良い名だ。」なんて言った。) (3/15 19:11:10)
クロ:ガデューカ > ( " 少し待っていておくれ "そう言いながら籠を手に持ち、先程色々と拝借した部屋へと入る。運良く人は居らず、急いで片付けしつつ、適度な布を取る。そして、再度籠の中に水と果物を入れては、自分が持っている金も適当に放り込んでおく。言えば受け取らないのは分かっているから、取り敢えず少ないけれど宿代にはなるであろう金額を入れときゃいいか。という精神だ。無論、金額としては本当に宿代ぐらいだ。_食事付きのそこそこ良い宿に5回泊まれるぐらいの、だけれど。人が居ないか、と辺りを確認しつつ貴方の元に戻れば、布と籠を渡しつつ「 取り敢えず何処に帰るのかは知らんが、なんかあったらいけないからね、コレを持っておいき。司祭としても、私としても、病み上がりのアンタを送り出したくはないけれど… 」なんて言うが、直ぐにけらけらと笑を零し「 冗談さ。アンタを止める義理は無いからね。見つからないように行くんだよ?」 ) (3/15 19:11:30)
クロ:ガデューカ > …私の真名、アンタには必要ないだろうけれど、アンタが約束として言ったんだ、私もアンタが会いに来る迄元気に居るって約束で言おうかね。私は、" 鳥兜( アコナイト ) "だよ。( 貴方が去る直前、まるで今思い出したと言わんばかりに突然、そしてさらりと自身の真名を言う。守れないかもしれない約束なんて、するつもり無かったけれど今回ばかりは良いよね、と自分に甘えての言葉だった。そして、『 大勢の人に見つかる前に早く行け 』の意を込めて手を振った。) (3/15 19:11:47)