リューグナー&イビーリオ
終章Ⅰゑゐりあん/リューグナー > …来ましたか(シントに聳え立つ神島城砦。過去に起きた戦闘により、もはや砦としての意味は成しておらず、あちこちが老朽化し天井にも無数の穴が開いていた。天井から差し込むいくつかの光の柱は室内を中途半端に照らしているがゆえに、砦内は半分以上が影、という状態になっていた。そんな城内の最も広い大広間の中央に、一人の男が鎮座していた。元々この砦にあったのであろう玉座に座り、天井より差し込む光に照らされる男。死の水事件の主犯であり、現在あちこちで人々を傷つけ、殺している影を生み出している元凶。神殺しを目論む異形の怪物。リューグナーだ。そんな彼は、この神島城砦に来客が来たことを察した)もう私の居場所が知られてしまったのですねぇ。まだ時間がかかるかとも思いましたが…、少々侮っていたようです(そういうとリューグナーは立ち上がり、玉座を乱雑に蹴とばす。そのしなやかな足から繰り出される蹴りは、そこそこ老朽化しているとはいえそこそこの大きさを誇る玉座を吹き飛ばし、破壊した。そして帽子をかぶりなおし、顔だけ入口に向け、にこり、と笑みを浮かべる) (3/14 14:00:07)
ゑゐりあん/リューグナー > ようこそ。…その姿を見るに、あなたはフェニクス騎士団の方ですね?ここに来る余裕があるということは…。…そうですか、ウェント会戦は終わりましたか。王国が勝ったのかヨズアが勝ったのか…。まぁ、そのあたりはどうでもいいです(そういうとリューグナーは体ごと来客の方に向ける。すると彼の足元に広がる影がざわめき始める)まぁ、長話もほどほどにして…。…殺しあいましょうか(笑う。嗤う。哂う。影は、嘲笑う。神を信じた愚か者どもを。神に生きる間抜けどもを。今まで紡いできた物語の、おわりの、はじまり) (3/14 14:00:10)
黒助/イビーリオ > おいおい、遠路遥々来たばかりってのにもう始めるのか。そいつは少しロマンが足りねぇんじゃねぇか?(かつての大戦によって崩れ、廃れていくだけの砦の際奥、蹴り飛ばされた玉座が空しく存在するだけのそこでガシャッ、と鎧が擦れ合う音を響かせながら言い、やれやれと言わんばかりに肩を竦めた。王都だけではなく帝國でも発生した死の水事件、その事件の首謀者であるコートの男は悠々自適に笑っている。まるで全てが自分の掌の上であり、自分がここに来たことですら予定調和だったと言わんばかりに) (3/14 14:25:25)
黒助/イビーリオ > ま、早速始めようってのは俺も賛成だ。まどろっこしい事は抜きにするに限る――何せ、あんたがやったことはロマンの欠片もねぇからな(目の前の男は人ではなく、人であった者、というべき存在だ。一度死に、しかしどういう因果か生き還って悪逆を成している。ならば、加減は必要ないだろう――腰に下げた二本の剣を引き抜き、右足を後ろに下げて左半身を前に出す。それに会わせて左手に握る剣を地面と水平にし、右手の剣の切っ先を後ろ向けて構えた。両足は肩幅に開き、何時でも動き出せるように膝を軽く曲げつつ六割の力で地面を踏みしめる。大広間であるがゆえに土が無いためここで魔術を使うことは出来ないが、そこはロマンで何とかすることにしよう。そう決め、両手の剣を握る力を少し強めつつ、相対する相手と視線と視線を会わせた) (3/14 14:25:27)
黒助/イビーリオ > フィニクス騎士団が一人、騎士イビーリオ…俺のロマンを見せてやるぜッ! (3/14 14:25:30)
黒助/イビーリオ > ――はぁッ!(先手必勝。後手に回れば経験や技術の差で負けるのはこちらであることが分かっているため、相手が動くよりも前に早く動く。下げた右足で踏み出し、左足を地面がえぐれるほどに強く踏み込みながら、体格と足幅を利用して三歩で武器の間合いまで踏み込む。剣の間合いに入った最後の一歩である左足を軸足にし、そこから膝、腰と順に右側に捻ることで瞬間的に遠心力を最度まで持っていく。その動きに体が一瞬だけ悲鳴をあげるもそれを黙殺しながら、左で握る剣を首めがけて左下から振るい上げた) (3/14 14:35:49)
ゑゐりあん/リューグナー > (まずは様子見。相手が攻撃をするようにわざと隙を晒すリューグナー。案の定、相手は攻撃を仕掛けてきたが、それを予期しリューグナーは体を最小限に反らして回避する。その切っ先が胸元を少しばかり切り裂いたがこちらは不死身の体。多少の傷は問題ない。そして避けたリューグナーの足元に広がる彼の影が一気にざわついたかと思うと足元の影から影の触手が出現し、鋭い先端を向けイビーリオを突き刺そうと目論む) (3/14 14:43:36)
黒助/イビーリオ > 痛、ぅ…ッ!(下から振るい、振り抜いた刃。狙ったのは首だが、実際に当たったのは胸元の肉。しかも浅い。その事を悔やむ――間もなく、相手からの攻撃がやって来る。回避に合わせたカウンターとも呼べる一撃は相手の両手ではなく、その足元の影から迫ってくるものだった。後ろに下がれば回避することは容易なものだったが、恐らくそれはブラフ、故に当たらないように回避することは捨てた。振るいあげた左の剣を逆手に持ち変え、右の剣で背中に下げた長剣の紐を斬りながら影の槍の軌道に十字を描くように揃え、尖端がぶつかった瞬間に流す――瞬間、脇腹に灼熱のような痛みを感じた。流した影が脇腹を抉ったのだろう。だがダメージはまだ形容範囲内であり、動きが鈍ることはない) (3/14 14:56:08)
黒助/イビーリオ > まだ、まだァ――!(影の一撃なんて一度も受けたことがないし、ましてや流したこともない。まぁ、それは誰だってそうだろう。自分の影を斬ったところで、それはただ影が映っている空間、あるいは物を斬っているだけなのだから――だからこそ、当然のように両手の剣が折れた。流すときに力を込めすぎたか、あるいは変な方向に力を入れてしまったか。どちらにせよ、最早この戦いで使うことはないだろう。――だからこそ、歩法で後ろに一歩踏み込みながら下がり、先程紐を斬って落ちつつある長剣の鞘を左手で掴んだ。下げた左足の動きに会わせて今度は左側に腰を捻りつつ、右手で長剣の柄を握り締める。本来ならばここで鞘を引き抜いてから振るうのが正解なのだが、それでは一手遅れてしまう。故に、左手で鞘を掴んだまま、相手の胴体を横一文字に切り裂くように剣を引き抜き――居合い斬りと呼ばれる、帝國のカタナの技を振るっていた) (3/14 15:10:44)
ゑゐりあん/リューグナー > 甘いですねぇ(相手も手練れのようだが、影の触手の流し方など知るはずもないだろう。最初こそ後ろに回避させこちらも体勢を立て直すつもりであったが、相手はそれを察したのだろう。あえて避けずにこちらの攻撃を受けることに専念したようだ。だが、回避したほうが正しかったかもしれない。その証拠に相手の脇腹を影の触手が抉ったのだから。さらにここから追撃を。そう思ったリューグナーだったが、相手はそこで怯まずにこちらに攻撃を仕掛けようとする。まだまだ、という相手の声を聴き防御の姿勢をとったリューグナーだったが、触手を切ったことが仇となったか相手の二振りの短剣が折れた)ふ…ッ。武器に裏切られましたか…ッ!(が、相手はそれだけでは終わらなかった。騎士の意地か。それともまた別の感情か。相手は固定紐が切断され地面に落下しつつあった長剣の鞘を握り締める。鞘で殴るつもりなのか?そう思ったが、それは違った。片手で鞘を、そしてもう片手で柄を握り締め、剣を抜いた) (3/14 15:24:58)
ゑゐりあん/リューグナー > い…居合だと…ッ!?(その攻撃は帝國の兵士が使うことのある居合切りそのものであった。元より体勢が崩れかけであり、なおかつ相手の武器が折れたのを見て防御を解いていたのだ。相手の横一文字の一閃がリューグナーの腹部を崩れかけの防御に確かに命中した)ぐ…ッ!(防御をしていた両腕にそれなりに深い傷を負わせたイビーリオ。しかし、その攻撃が逆にリューグナーの逆鱗に触れた)貴様…ふざけるな…ッ!(そういうと、影の触手が一振りの短剣へと形を変え、リューグナーはそれを手に取り、相手の腹部めがけて投げつけた) (3/14 15:25:06)
黒助/イビーリオ > これも耐えるか…なんだ、あんたも結構ロマンあるじゃねぇか(気合いを、そしてロマンと全力を込めて振るった居合い斬り。それを両腕で受け止めて見せた相手には驚くしかなかった。だが、そこで動きを止めずに、剣から伝わった感触に嫌な予感を感じて素早くステップを踏みながら距離をとった――その瞬間、負荷に耐えきれなかった長剣がひび割れ、砕けた。本来ならば軽く弧を描いているカタナだからこそ出来る技であり、剣でやるには体、あるいは武器への負担が大きすぎたのだ。脇腹が尋常じゃなく痛いが、一撃放てたこと、当てたときに砕けなかったことは誉めるべきだろう) (3/14 15:47:09)
黒助/イビーリオ > ――っと(そうして武器に意識を向けていると、激情した相手が短剣の形をした影を投げ付けてきた。咄嗟に砕けた剣の鞘を手放して左手で掴んだものの。脇腹よりは少ないが夥しい量の出血となった。正直凄く痛いが――これ以上ここに止まっていたら殺されてしまうことだろう。そう判断し、掴んだ短剣を放り投げた)本当ならここでアンタを倒したいところだが…残念ながら、このままだと擂り潰されそうなんでな。ロマンに欠けるかもしれないが、ここまでとさせてもらうぜ!(本当、ロマンがねぇなぁ。と内心ひとりごちる。そう思いながら懐に砕けた長剣の柄を仕舞い、それと取り替えるように煙玉を二個取り出した。取り出したそれを素早く地面に叩きつけると、あえて大きく足音を響かせることで音の反射や強弱を利用して何処に移動しているのか、どう動いているのかを誤認させながら素早く離脱する――煙玉で離脱するのはロマンがあるが、背中を向けて逃げ出すのはロマンがない。それを残念に思いながら、仲間達の元へと帰還していった) (3/14 15:47:10)
ゑゐりあん/リューグナー > (攻撃を受けその反動で地面に倒れるリューグナー。すぐに体勢を立て直すが、相手はすでに攻撃の範囲外に出ていた。そのまま追撃してもいいが、こちらも想定外のダメージを受けた。切り傷を受けた両腕。これを放置して戦うのはあまりよろしくない)…まだ後詰が来る可能性もありますからねぇ。…捨ておきましょうか(短剣は命中したようで、煙玉で目くらましをし血の跡を作りながら撤退するイビーリオ。受けた傷の回復を優先するため、リューグナーはそれを追うことはしなかった)…ほらみろ、神だなんだと言いながら俺には勝てないじゃないか(誰もいなくなった大広間で、リューグナーは笑いながらそう呟いた) (3/14 16:02:37)