叉羅

置き手紙

しぃずま/叉羅 > 「(小さな、小さな、少女。水のように儚く、こぼれてしまいそうな彼女を、どうしてこうも。あぁ、怖い。気持ち悪い、彼女を生かすとそう言ったはずなのに。)…離れなければ。(とてもまともな精神ではないと、そう思った。まずい。心の自分が迫ってくる感覚がする、獣が迫ってくる。その前に、準備をせねば。…バッグに詰め込んだ品々の中から紙と万年筆、蓋を閉めたインクを取り出し、できるだけ読みやすいように、かつ走り書き、そして易しい言葉を並べる。これは置き手紙だ。…天幕内、海月のようなその少女の寝袋の隣にそれを石で固定し、外に出る。できるだけ殺傷力の高いものを持ち込まないように、刀は、苦渋の思いで置いていった。けれど彼女ならば、邪険に扱うことは決してないはずだ。それに、大事なものであることは知っている。彼女になら、任せられる。)炎よ、その光よ。歪み、溶け込み、帳を下ろせ。その地を隠し守れ。太陽の名の下に。(腰から抜いた魔導書を開き、魔術を唱える。…すると、空間が…いいや。この地に降りる光が歪み、奥の景色へ溶け込んでいく。そして、その帳の外にいる彼は、その場から目を閉じて、めちゃくちゃな方向へ、逃げた。)」   (3/10 17:02:37)
しぃずま/叉羅 > 「いっしゅうかんいない かえってくる スープ ざいりょと きぐ ばっぐに そこから うごかないで いいこに して   しゃら(…それが手紙の内容だった。材料には保存の魔術を掛けてある。1週間は持つだろう。幻と炎の帳を張る魔術を掛けたので、獣に傷つけられることはない。そして、理性のなくなった獣となった自分を、誰かが見つけ出して捕縛し、治療するのにそう時間はかからないはずだ。何故なら。…王都に近い位置での夜営が功を奏した。あそこには、精鋭の兵士たち。…そしてあの、腕利きの医者がいる。)」   (3/10 17:02:48)
しぃずま/叉羅 > 「(今、自分を最も知る、主治医だ。)」置き手紙 〆   (3/10 17:02:59)