雷鏡&ニーナ
堕天使グレー/雷鏡 ◆ > 〜♪(と、鼻唄を歌いながら、俺は夜の王都のメインストリートを歩いていた。最近、白衣の姿のままうろつくことも多くなり、この格好でちょっとしたバーに立ち寄れば他の客の目を引き、昼の時間にオウトスイートによれば、「お医者さんですか?」と聞かれることもあった。が、最近はそういうことも慣れてきた。むしろ、この格好の方が汚れが付きにくいのだ。……正直、自分でも薬剤師としての自覚はあるほど薬売りとしての顔が板に付いてきた。事実として、安定した収入源のひとつとして俺の拠点の経済を回しているわけだ。依頼のお金、ものを売ったり、食べ物を提供したりということも含めてであるが……)んー、甘いもんでも食いたいなぁ……やっぱ、頭使うと脳がエネルギーを欲しがるのよな……(と、独り言を呟く。そう。最近は米食もしているが、それでも甘いものが時々食べたくなるのだ。) (3/9 21:48:34)
マリア/ニーナ > (夜の王都に天使の姿をした少女が一人。普段ならこんなメインストリートまで来ることは少ないのだが、ニーナは今どうしても果たしたい目的があったのだ。街路樹の上に乗って風を浴びながら、目的に協力してくれそうな人が来るのを待っていた。)「む……むむっ?」(そこへ鼻歌を歌いながら歩いてくる白衣の男の姿を見つけて、ニーナは街路樹から舞い降りた。風が上に吹き上げ、髪や服がふわりとたなびく。一瞬、ぶかぶかのニットに覆われた白い肌の臍のほうまで見えるが、ニーナはお構いなしだった。)「こんにちは、あなたは──」(そこまで言いかけ、はっと口を噤んだ。赤と黄色のオッドアイ…ニーナは青と黄色のオッドアイ。まるで……)「ニーナの、おにいちゃん?」(そう思うのもおかしくはなかった。ニーナはこてりと首を傾げて、あなたの顔を覗き込む。) (3/9 22:08:15)
グレー/雷鏡 ◆ > 〜♪……ん?(と、何かを察知して俺はすかさず距離を取ろうとするが、相手の次の言葉で一瞬だけだが、完全に混乱した。しかし、そこは流石と言うべきか、角果糖を1つ食べて栄養を補給した後に言葉を紡いでいく。)いや、俺は妹がいた覚えはないな。俺は今は嫁と暮らす1人の若者さ。……そして、肉親はもう既に全員逝っちまったから、血の繋がった者はもう居ないのさ。(と、そう語る。が、)まぁ、血統上はそうじゃなくても、そう名乗ることは別に自由だが……(と、言葉を付け足した。事実として、戸籍上で家族関係になるということも事例としてはあることにはあるのだから……) (3/9 22:34:13)
マリア/ニーナ > 「……ん……そっか……そうなんだ……」(ニーナは悲しそうにうつむいた。”妹がいない”だなんてことは、それこそ両親くらいしか証明出来ないことであり、ましてやその両親が亡くなっているのであればなおさらに妹が居た可能性を否定出来ないことなど、聡明なあなたならいつか気づくのだろう。しかし、ニーナには何もわからなかったから、言葉の通りに受け取って残念そうに天使の羽をしょんぼりと畳んだ。その姿を見て、ニーナがイモータルであることに気づくだろうか。)「……ニーナ、おにいちゃんを探してるの。ニーナに似てる人、しらない……?」(彼女の目的は『お兄ちゃんを見つける事』であり、『誰かをおにいちゃんに見立てて家族ごっこをする事』ではない。だからめげずにそう尋ねた。) (3/10 23:50:41)
マリア/ニーナ > 「……あ……ううん、でも知らないならいーんだっ。……ニーナ、今日はちがうの。」(そう言うと、王都の中心を徘徊していた理由を話し出す。)「あのね、ニーナね、”おうとすいーとのぷりん”を食べてみたいの。だからいろんなひとに声をかけてるんだけど、みんなニーナのこと見たら逃げちゃって、だれも教えてくれないの……ねえ、おにーさん、おうとすいーとってどこにあるか知ってる?」(打って変わって屈託のない笑みを浮かべながら、羽をぱたぱた動かしてニーナはあなたの周りを舞った。ニーナは、【食べることが大好き】だ。) (3/10 23:50:53)
グレー/雷鏡 ◆ > んー、色んな人に出会いはしたけど、一人一人顔を確実に覚えてる訳じゃあないからなぁ……とどのつまり、分からないってことさ。って、オウトスイート?ならば、俺が一緒に買いに行ってやろうか?あそこの店員さんとは顔見知りなんでね。ある程度話を聞いてもらえれば買わせてもらえるだろう。ところで、あんたは金持ってんのか?まぁ、プリンはそんなに高くはないけど、お金がなきゃ買えないからな。(と、俺はそう相手に聞こうか。) (3/11 21:16:46)
マリア/ニーナ > 「おはなし?」(恐らくは、閉店間際のこの時間を危ぶんで言った事なのだろう。ニーナはよくわからないが、連れて行ってくれるならうれしいと思った。)「お金…?お金は…うんっ、あるよ。あそこに!」(ニーナはそう言うと、時計台のてっぺんを指差した。)「まえに、ニーナのことをみて、お金をくれる人がいたの。てんしさま…って…言ってた。でもニーナは、かばんもおさいふもないから、あそこに隠してるの。今からとりにいくね!」(そう言うと、彼女は勢いをつけて飛び立とうとする。) (3/11 21:24:48)
グレー/雷鏡 ◆ > んじゃあ、時計台の上にあるのならば、俺も行くか。(と、ボソボソっと詠唱を行うと、背中から2対の翼を生やした。それはまるで蝙蝠のような翼であった。)これで、天空にでもどこにでも行けるぜ。さぁ、行きますかっとね。(と、俺は時計台の頂点に向かい、足に力を加えて飛び上がった後にさらに上昇した!) (3/11 21:43:57)
マリア/ニーナ > 「わぁっ……!」(不思議なおにいさんと一緒に空のおさんぽ。ニーナにとって、それは初めての経験だった。星空を散りばめたような涼しい空を満喫するようにうんと手足を伸ばしてから、ニーナは目を細めてあなたに笑いかけた。)「……すてき!おにいさん、おなまえは?ニーナは、ニーナ!」(程なくして時計台のてっぺんにたどりついたニーナは、小柄なニーナが屈んでようやく入れるような、ガゼボのようになっている装飾屋根の中にとてとてと入っていく。)「……あっ」(そこにあったのは、山のような金銀財宝─────ではなく。枯れ枝と、光のない電飾と、いくつもの電線とで作られたカラスの巣だった。) (3/11 22:04:11)
マリア/ニーナ > 「……鳥さん……ニーナのお金、気に入っちゃったんだ……。」(巣の周りに、まるで戦利品かのように集められた数々のがらくた。ナット、ボルト、ペーパークリップ、真鍮の飾りボタン、片方だけのピアスや、いかにもイミテーションといったおもちゃの宝石、シーグラス、豆電球。それらの中に、数枚の銀貨と一枚の金貨があった。ニーナが手を伸ばそうとすればカラスたちはかあかあと警戒し、くちばしを向けた。)「……どうしよう…かなぁ……」(”ぷりん”は諦めるか、それともお金を返してもらうか……しばらくニーナは悩んでいた。) (3/11 22:04:19)
グレー/雷鏡 ◆ > 俺の名前か?俺の名は雷鏡。王都じゃ有名な何でも屋の店長の名前だ。(と、俺はそう相手に名乗ろうか。名前は?と聞かれたので答えるのが道理だ)……ふむ。(と、俺はその様子を観察する。カラスだって生き物なのだ、何も邪険にする必要はないだろう。となると、彼女の望みはどう叶えてやろうか……相手がイモータルであることは端から分かっていたが、それでも俺はイモータルはあくまでも観察対象であり、友となれるのならばそれに超したことは無いからだ。)ならば、俺が奢ろうか?プリンひとつくらい、安いものだからな。(と、俺は相手にそう言おうか。)……それに、そいつらだって生き物だからな。邪険にすることも無い。それに、お金ならばまた集めればいいさ。(と、俺はそう言う。) (3/11 22:19:14)
マリア/ニーナ > 「……えっ……ほんとう?いいの……?」(ニーナは雷鏡と名乗ったおにいさんを見上げて、やけにうるうると輝く瞳を向け、次の瞬間にはにぱあっと擬音がつくくらいに笑った。)「わぁ……うれ……し……───────」(ぴき、と、時が止まった……否、神によって””止められた””かのように、ニーナの顔は凍りつく。突然かなづちで思い切り頭を殴られたかのような痛みにふらりと気を失って倒れる。ニーナの身体はカラスの巣の上に落ち、三羽のカラスは絶叫しながらバサバサと時計台を飛び去った。カラスの翼から抜けた黒い羽が、一枚。宙を舞い──────……) (3/11 22:50:37)
マリア/ニーナ > (─────【天使。天使の絵。天使の絵付け皿。天使の陶器人形。天使のタペストリー。天使のソープディッシュ。天使のランプスタンド。天使の時計。天使の柄のグラス。────窓。カーテン。揺れる。ママ、ママ。】 【『ママ……』『こっちを向いてよ、ママ……』】 黒い羽が、ふわり、ふわりと翻り、ゆっくりと落ちていく。ニーナはまだ、目を瞑ったまま。【『ママ』『ニーナも、天使になれば─────』『愛してくれるのかな。』】 【あんなにも探し求めていたおにいちゃんは、どこだろう?追憶の記憶の中には、ママしかいなかった。どうしてこっちを向いてくれないの。ママ、その手を、組んだ手を、離して。祈りなんか、捧げないで。】 【『ママ、ニーナも天使になりたいよ。おにいちゃんみたいに。』】 【レースのカーテンを一枚隔てたその向こうで、ママがこちらをゆっくりと振り向いた。……ああ、やっとこっちをみてくれるのね。……なあに?ママ……】) (3/11 22:50:42)
マリア/ニーナ > (【『う ま れ て こ な け れ ば よ か っ た の に』】) (3/11 22:50:48)
マリア/ニーナ > (黒い羽が、ニーナの顔をかすめて着地した。涙を払うように、拭うようにして、水滴とともに、ぴちゃんと落ちる。)「───────……おにい……ちゃ……!!」(ニーナは目を開けて飛び起きた。どくどくと心臓が早鐘を打って、黒く原始的な感情に支配されそうだった。目の前に立っているあなたは、だれ?ニーナのおにいちゃんじゃないの?ニーナのおにいちゃんだったら、だったら、)「……た……食べ……食べなきゃっ、……食べ、食べなきゃっ、食べなきゃ。」(ニーナは、よろよろと這いつくばりながらあなたに近寄った。あなたを今すぐ食べなければいけないような気がしてたまらなくて)「……あああああ……おにいちゃん……ニーナが食べてあげるからね、おにーちゃん、おにいちゃん、おにいいちゃん」(にーなはたべることがだーいすき。けーき、ちょこれーと、ぷりん、ぜりー、ぜーんぶにーながたべてあげるの。にーなはたべることがだーいすき。おいしいおいしいごはんとおかしでおなかいっぱいになって、おなかいっぱいになるの。にーなはたべることがだーいすき。にーなはたべることがだーいすき。にーなはたべることがだーいすき。) (3/11 22:50:59)
マリア/ニーナ > 「……いやあああああ、ば、ばけものなんかに、なりたくないよぉおおおっ……!!!」(よろよろと立ち上がり、歩みだしたつま先でカラスの羽を蹴った。そう広くはない時計台の上、カラスの羽は縁から落下する。ニーナは顔を手で覆いながら、そして─────羽を追うように、時計台から真っ逆さまに落下する。……恐らく、あなたには聞こえないのだろうが、下のほうで、ぐちゃりと肉の潰れる音がした。白い服が血で染められてゆく。)「……てんしに……」(天使に、ようやく、なれるのかな。────そんな願いは、神罰によって阻められる。不死の異形は、まだ死ねない。)《残りコード耐性:2》〆【堕天使】 (3/11 22:51:04)