フィディア&ゼロイバ

ウェント会戦

ゑゐりあん/ゼロイバ > あーあ、ついに始まっちまったのかい。全く…あたしが騎士になってまだ半年も経ってないってのに、相手さんもせっかちだねぇ(戦闘の音が響く王都の前の戦場にて、錨を担いだ女が1人、面倒くさそうに呟いていた。そして目の前には2度、戦いを繰り広げた相手がいた)よーあんた、また会ったねぇ。そんなにあたいのことが好きなのかい?(葉巻を咥えつつ冗談を言うゼロイバ。しかし直ぐに煙を吐いて真面目な顔になる)冗談だよ。…フーッ。…でもまぁ、あんたはあたいに2度も勝ったんだ。丘に上がったばっかで魔術師と戦い慣れてなかった…ってのは言い訳だねぇ。未知との相手と戦うのは日常茶飯事だ。…だけどねぇ   (3/7 15:30:33)
ゑゐりあん/ゼロイバ > (そういうとゼロイバは葉巻を宙に投げ、持っていた錨を勢いよく振るう。錨に叩かれた葉巻はそのままフィディアの横を通って遥か彼方へと吹き飛んだ。そして錨の先端をフィディアに向け睨みつける)3度目は…ない。2度も負けたなんて、あたいの恥だからねぇ。それに、今は後ろに護らなきゃいけねぇものもある。まぁ、あんたも護らなきゃいけないものがあるんだろうからこんなふうに戦うんだろうけどさ。…まぁともかく(ブンッと少し離れたフィディアの耳にまで風切り音が聞こえるほどに勢いよく錨を振るい、再び肩に担ぎ)フェニクス騎士団所属ゼロイバ。…勝たせてもらうよ(目の前の敵を睨みつけた)   (3/7 15:30:44)


清瀬/フィディア > (遅すぎる数多の狼煙と炎が街を包んでいる。まだ崩れて間もない新しい瓦礫を靴底で踏み潰しながら歩いていき、空へと帰る重い灰色の煙をぼんやりと眺めた。濁った空には天を統べる鳥の一羽も見当たらなくて、溢れる涙もない程に虚ろな心を写しているよう。人々の悲鳴は尽きる命へ贈る永遠の子守唄。戦火に身を投ずるような真似をすることになるとは、己が一番予想だにしていなかった。)「俺、なんでこんなところに居るんだろうな」(ぼやいた言葉は誰にも聞こえない。今頃同志達はこの地を手にしようと目を怨念に瞋せているのだろうか。もし誰かからウェントが欲しいのかと問われたら、俺は首を振る人間だ。面倒事なんて御免だと熟思っていたのに、波乱の運命の方から手を招かれてしまったのだから仕方がない。気分屋でもプライドの一つや二つ大切にしたっていいだろう。格好つかないところなんて、皆に見せるわけにはいかない。)   (3/7 16:01:08)
清瀬/フィディア > 「やあ海賊の御姉さん、また会ったね。僕たちもしかしたら…運命の糸で結ばれてるのかも」(錨を振るう相手を見た途端に、ケラケラと子供のような笑い声を発しながら腹を抱えた。まさか二度ならず三度目を与えてくるだなんて。神はどこまでも俺の心を煮えさせたくてしょうがないらしい。いいだろう、ならば噴く血潮を以て祝福としよう。ハルベルトを肩に担ぐと猫なで声で貴方を煽り、帰ってきた言葉に嬉しそうに目を細める。俺たちは本当に、小指に固く結ばれた約束のままに導かれているのかもしれない。その糸が互いの首を絞めんとしているのだから、縁起でもなくて笑ってしまう。──通ったのは風を切り裂く音。セリヤーナに腕利きの店を教えてもらって新調した服を、早速この女に駄目にされるところだった。ゼロイバの口上を最後まで聞き届けると首を傾げ、武器の柄をくるくると器用に回しながら甘い声を続けた。)   (3/7 16:01:10)
清瀬/フィディア > 「それで終わり~~?残念ながら僕護りたいもんなんてないしぃ~、そもそもそれを奪ったのはお前らだしさ。……あっそうそう、この間は名前教えてあげなかったから、今日はちゃんと名乗ってあげようかな。……冥土の土産に何もないのは、悲しいもんね?」(此処に立つ理由なんて気分の一言で事足りる。此方の全てを焼き払っておきながら、俺が守るべきものの為に戦っているだなんて思っているのが最高に烏滸がましくて図々しい。丸く開いていた目の端をきっと絞ると、向けられた錨に応えるように矢先を彼女の喉笛目掛けて掲げた。)「俺は魔術師フィディア。悪いけど王都は旅団が貰いうけるよ。……その無駄にしぶとい息の根、今度こそ止めてあげる」   (3/7 16:01:21)


ゑゐりあん/ゼロイバ > 運命の糸はきっと…あたしたちの血で色付けされてるんだろうねぇ(それは随分と物騒な運命ではあるが、ゼロイバにとってはその赤い糸こそ、最上級のものであった)…護りたいものはない…かい。まぁそれは人それぞれだろうねぇ。でもまぁ、誤解されているようだから言っておくと、あたしは別にヨズアだけから大切なものを奪ったわけじゃないさ。王国、帝国、ヨズア。あらゆる奴らから略奪してきたのさ。おや?そう考えると、あたしは平等主義者ってことかい?(とどうでもいいことに気付くゼロイバ。しかし、直ぐに考えるのをやめて、錨を地面に突き刺す)やめだやめだ。平等とか平和とかバカバカしい。…今はただ、語ろうじゃないか。「魔術」という「言葉」で…ッ!   (3/7 16:23:55)
ゑゐりあん/ゼロイバ > (そうして両手で錨を覆うようにして構え、目を瞑る)海よ顕現せよ 海よ蹂躙せよ 海よ翻弄せよ 海よ 絶叫せよ 海よ降臨せよ(詠唱を始めると、錨の先に水が出現し始め、錨を取り巻くように回転を始める)蒼く強く優しく脆く苦しく広く深く 平等で寛容で凶暴で太平で傲慢で強欲で(そしてその量は次第に多くなり、気がつけば錨がドリルに見えるほどに渦は巨大になっていた)この世に無数に蔓延る全ての生命の母よ(そうしてゼロイバは錨の柄を両手で握り、腰を落として錨の先端をフィディアに向ける)子の願いを聞き入れ 兄弟を終幕へと導きたまえ(カッと目を見開き、足を前に踏み出して、錨を勢いよく前に突き出す)   (3/7 16:24:11)
ゑゐりあん/ゼロイバ > 激流槍ッ!!(前に突き出された錨の先端にまとわりついていた巨大な渦は、そのままフィディアに向けて放たれる。地面を削りつつ進む巨大な渦は、海を行き交う船を喰らう渦潮そのものであった。内部には細かな水の刃が回転しており、避けるか魔術を使って防がぬ限りは致命傷は必死だろう)   (3/7 16:24:26)


清瀬/フィディア > 「……別に俺は恨んでないけどね、自分のこと以外はどうでもいいし。別にもう、お前に話さなくったってよくなるし」(静かにぎらつく紫の眼はその先にある確かな称えを見据えていた。啼かぬのなら縄で叩いてやればいいし、五月蝿いのなら口をなくして黙らせてやればいい。非難されるだろうか、でもそれが、この世が望んだ正義の掴み方だ。)   (3/7 19:08:35)
清瀬/フィディア > 「──澎湃たる彩雲を眺め、瑞雲のめでたきを祀らんとす。睥睨の糠星は屡叩き、身に宿るは阿吽の天恵」(風を纏い盾と、そして矛とする。ゼロイバの詠唱を追いかけるようにして魔術を紡げば、現れたのは彼女の魔術の片割れのような、槍に宿した竜巻であった。)「──李下に頂く冠を翳せ、曇天にこそ霹靂を顕せ。祝福の輪唱の……っ、くそ!ダー・ニト・ロロイ・リリウム……っ!!」(来た、そんな焦燥にかられて矢継ぎ早に言葉を探す。より届くように、より強かにあるように。不完全なままに捧げた言葉が呼び寄せたのは恵みの春風、微々たる覇気しか持たぬ剣であった。散りながら消えていく己と彼方の魔術、競り合いながらも負けていることは犇々と伝わる。衝突、そして削れて……不味いなんて思った頃には、釜の中の湯に温度なく燃されているような感覚が襲ってきた。)   (3/7 19:08:37)
清瀬/フィディア > 「───っつ、いや…あは、クソ…しんど……はは、俺…かっこ悪ぃ………あぁ。ほんと、死ぬほど痛ぇわこれ……」(一瞬か永遠かはわからかったが、空白を置いての笑い声。冗談混じりにこの敗北を笑わなければ気が狂いそうだった。威力を相殺しきれなくてこの様だ、もう何処がやられたかもわからないぐらいに廃れてしまった。一度破れた相手に打ち勝つ、まさに彼方からしたらお望み通りの展開だ。幾重の服ごと切り裂かれた身を僅かに動かして、髪の隙間から悠然と立つゼロイバを睨んだ。大口を叩いておきながらこのやられよう、王国のガキ共は正義の女ヒーローに歓喜の声をあげるだろう。くそくらえ、生憎綺麗な悪役を用意できる程お前を施す余裕もない。足掻くならばしぶとく、吐き気のするまで厭らしく。どうせこれが最期に残す言葉となるのだろう。嫌味な笑みを震わせて、思うように動かぬ腕で胸から上を持ち上げては減らぬ憎まれ口を叩いた。)   (3/7 19:08:54)
清瀬/フィディア > 「ゼロイバ、だっけ。どうやって俺を、惨たらしく…殺してくれるっつーのかな……?どれだけ悪趣味だったか…あっちでお前の仲間に、教えてあげるよ。はは、よかったな……えらい勲章じゃないか…俺の仲間に、見せびらかしてやりなよ……彼奴ら、喜んでお前を。そう……殺してくれるから」   (3/7 19:09:01)


ゑゐりあん/ゼロイバ > ふー…ッ。…あたしの勝ちかねぇ(大きく息を吐きながらそう言うゼロイバ。そうして辺りに広がる水溜まりを踏みながら彼の元へとゆく。そうして相手に錨の先端を向け相手の言葉を聞く)…本来なら、国を護る騎士ならばここで不穏分子であり敵であるあんたを殺すべきなんだろうねぇ。それに、あんたを殺せばあんたの仲間があたしを殺しに来てくれるって言うなら願ったりだね(そう言って錨を高く掲げ、勢いよく地面に振り下ろす。しかしその錨はフィディアには当たらず、その真隣の地面に突き刺さったていた。その際に跳ねた泥が彼の服を汚しながら)でもねぇ…生憎あたしは純粋な騎士じゃない。元海賊なんでねぇ、ここであんたを逃がすことになんの躊躇いもないよ。それにねぇ(錨を地面から引き抜き、肩に担ぐゼロイバ)   (3/7 23:37:24)
ゑゐりあん/ゼロイバ > あたしはまだあんたに勝ってないからさ。ここで殺しちまったらあんたの勝ち逃げになっちまう(戦うこと三度。うちゼロイバの勝利はこの戦いだけだった。まだゼロイバは勝ち越せていないのだ。まだあと少なくとも2回、彼を倒さねば気が済まない。殺せない)それに、あたしはあんたの強さを気に入ったからねぇ。他の奴らが殺しにくるかもしれないってのは確かに魅力的だが、でもあんたより強い保証はないだろ?…なら、ここであえてあんたを見逃してまた戦うことになる方が楽しいじゃないか(そう言って懐から葉巻とマッチを取り出して火をつけようとするが、マッチが湿っており火がつかず、溜息をつきながらマッチを地面に投げ捨てた)ま、もっと簡単に言うなら、「情けをかけてやる」ってことさ。悔しかったらまた殺り合おうじゃないか。いつだって受けてたってやるさ。ま、何度でも負かしてやるけどね   (3/7 23:38:02)
ゑゐりあん/ゼロイバ > (ニィッと好戦的な笑みを浮かべるゼロイバ。これが、戦いを愛する彼女の流儀だった。情けをかける、と本人は言ったが、そんな単純な言葉では片付けれぬ程に彼女の流儀は複雑であった。しかし、ひとつ言えるのはゼロイバは「優しさで彼を逃がした」という訳ではない事だ)そんなわけさ。ほら、他の奴らが来る前にさっさと逃げて仲間のところで慰めてもらいな。流石に他の騎士が来てあんたを殺しにかかっても、仲間は殺せないから止めらんないよ(そう言ってあっち行け、のジェスチャーをする)   (3/7 23:38:17)


清瀬/フィディア > (こんな大切な場で、よもやこいつに。起こり得る最低の項目を全て満たした台本は怒りすらも呼び起こさなかった。最期はきっと惨めな水葬、焼かれ灰となり空へ昇ることも叶わない。飼い主の居なくなったアスセナは誰かが放してくれるだろうか。せめてもの微かな希望、相棒だけは大空へと羽ばたき自由の元で過ごしてほしい。同時に預けた、自分の分身のような彼女には夢を託したかった。ああ、あといつまで俺は考えていられるだろうか。声も届かない、頭の中まで彼奴に囚われるのは勘弁願いたい。散り際ぐらいはヨズアの民で居たいのだ。妄想を偶像に崇拝馬鹿でもいいからお気楽の間抜けになんてなりたくないのだ。両手を合わせ握る力などなくて、俯せたままに悪態すら出てこない。神よ、ロジータよ、どうか俺を最後まで、魔術師フィディアのままに。)   (3/8 20:38:03)
清瀬/フィディア > (────鈍い音は肉を抉らず、土を耕す鍬のような音をたてた。既に土に摺れた服を上書きする薄汚れた絵の具、何の痛みも伴わなかったそれに驚愕が渦巻き、頬についた泥を拭うこともなかった。虚無は去れど疑問が襲う。やはり貴方の言葉が頭から抜けていき、“何故”が己を占めていく。戦いを好むならば、何故こんなにも俺を無防備なままにしているのか。こんな口を叩いておきながら本当は仕掛けを残しているような気がしてならない、どこまでも陰湿に、意地の悪い思考がこびりついていた。)「……────」(逃がすという貴方の言葉は今一つフィディアには届かなかったが、結果として貴方が逃亡を誘発したことは確か。土を握りしめて爪を汚し、呪いのように、怨みを唱えるかのごとく魔術を呟く。不幸の前には静寂という前兆があり、それが煮えきったところで何かが崩壊を始めるもの。)   (3/8 20:38:05)
清瀬/フィディア > 「カムイカル レラ アシ!ダー・ニト・ロロイ・ロジータッ!!」(突風にしては可愛げに溢れた、ただ人を怯ませる程度には強い風を地から沸き上がらせた。その風を乗りこなすように宙に身を浮かせて、少しずつ貴方から遠ざかるように空を滑り叫んだ。)「甘い、とことん甘いねゼロイバ!俺がもし命をかける気分だったら……お前、その首飛んでたよ」(負け犬はしつこく嘶く。服の裾から、生地から、額から血を滲ませ滴らせる。)「っぐ……ははっ、お前は悪運の強い海賊だよ!命拾いしたと、思いな……っ。──今回は、お前のそのふざけた自論っつー船に“乗っかってやる”。喜べ……俺は、卑劣だからっ、さぁ!お前の好きなようにはさせてやらない、その情けを後悔するぐらいに絶望させてやる、お前のそれは紛れだって……何度だってわからせてやるさ!いつかその首かいてやるから、夢から無事目覚められるか、毎晩怯えて……眠るんだな……っ!」   (3/8 20:38:26)
清瀬/フィディア > (そのまま鳥は赤の軌跡を伴い去り行く。瞳孔を憎悪の一色に染めていつまでも恨んでいた。彼女の見栄を、意地を、信念を、どこまでも壊してやりたくなった。誰ならばこの気持ちを理解してくれるだろうか。嗚呼、世を統べる神々の誰か一人でもいい。前髪を逆撫で傷口を吹き抜ける風に乗せて囁いた。)「彼奴だけは、俺がいつか殺ってやるよ」〆   (3/8 20:38:35)