竜灯&彌生
雑兵二人シロー/竜灯 > (帝都を狂い水の再来が襲う数日前のことであった。榮郷本部基地の上階より階段を降りてきた竜灯は、ふと見知った背中を見つけて近づいて行った。わくわく、といった風にその口元は緩んでいた。)「───彌生兵!!尊華軍人たる者、常に気を張れいっ!!」(一人窓から外を眺めていた後ろ姿に近付いて、若干トーンを落とした声を張り、上官っぽく声を掛けると、振り向くであろう彌生に悪戯っぽくニヒルに笑いかけた。)「どうぜ?驚いたか?彌生さん。新兵訓練ん時の扱きもまだ記憶に新しいじゃろ?」(瞳を細めてニヤニヤと笑ったまま、片手を腰に当てて鼻を鳴らした。 (3/3 21:00:24)
グレー/彌生 ◆ > うおっ……(と、小さく声を上げると共に、相手の方向に振り向く。彼は先輩の竜灯。新兵訓練の時にしこたま扱かれたが……)ああ。あの時はつい不躾な発言をして申し訳なかった。(と、相手にそう謝る。そう。俺はちょくちょく思ったことがストレートに口から出てしまう。この前の時なんかは、「暑い……否、この場合どのあついなんだ?」と口を滑らせて少し居残りになったのを思い出す。あれ以降直そうと努力はしているものの、たまに暴発してしまうこともあるから困りものだ。)それにしても、楽しそうだな。(と、俺はそう言おうか。なんとなくだが、相手から楽しそうな「音」が聞こえるからだ。) (3/3 21:06:26)
シロー/竜灯 > 「あの時?なんかあったかの?よう分からんがええんじゃええんじゃ、いやあ、彌生さんはまっこと面白い人じゃのお」(良い反応を示してくれた事が嬉しくて、悪戯大成功とばかりに笑いながら肩を揺らす。実際に何を謝っているのか覚えていないらしい。暫くの間余韻で頬を弛め続けていた竜灯だったが、投げ掛けられた彌生の言葉にはっとすると、辺りを見渡してから言葉を紡いだ)「そうじゃ、いやあ、どうやら元帥からお達しがあったみたいでの。近々王国のカイナントに攻勢を掛けるらしいぜよ。一次攻勢は氷原少尉⋯⋯おまんとよう似た白髪で、こう⋯⋯背が高うて⋯⋯」(戦争が楽しいと言われれば頷ける訳では無いものの、軍人と生まれたからには昂るものはある。先程司令を受けた事をこっそり彌生に教えてしまうと、氷原の特徴を新兵の彌生にも分かりやすく教えた。途中で口を噤むと、ああ!とまた顔を綻ばす)「ああ!おまんによう似ちょる。ちっとばかし抜けよる所があっての、そういう所もおまんによう似ちょるお人じゃ、あはは!ほんとじゃ、氷原少尉と彌生さん、よう似ちょる!はははは!!」 (3/3 21:19:25)
シロー/竜灯 > (思い返せば、どこか抜けた発言ばかりする様子も似ているではないか。背中を丸めて彌生の顔を見つめると、無遠慮に鼻先を指差して笑った。)「気が合うかもしれんの、良かったら俺が話、通しておいちゃるぜよ。ええ人ぜよ、氷原さんは」 (3/3 21:19:27)
グレー/彌生 ◆ > ふむ……氷原少尉……(と、俺は何となく思い出す。確かに、見た目としてはかなり似ているが……あの人の髪ももしかして後天的に白髪になったのか…?それとも、先天的なものかな…?)なるほど……王国のカイナントに……(それは残念だと言いたいが、さすがにこれを滑らせたら軍をクビになることは間違いない。だからこそ、口に出すにも出せないのだ。実際、俺は人種の垣根を超えた平和を目指すために軍に入ったのに、攻め落として侵略すると反感を買うことを考えると、どうも俺の思う方向性とは違うような気がするからだ。しかし、こういう時にポーカーフェイスは助かるものだ。……それと、戦争の話をしている時は多くの人が心拍数が上がる傾向にあり、目の前の先輩もまた同じく。やはり、人間は争いが好きなものなのだな……と少し落胆する) (3/3 21:25:55)
シロー/竜灯 > 「そうぜそうぜ。氷原さんが指揮官じゃ、俺と氷原さん、ほんで兵が何人かでまずはいくつか前哨基地を落とし、二次攻勢で海南都を奪う。そこまでしか俺には聞かされちょらんが、元帥も剛毅な策を取りゆう。流石じゃ」(目を閉じて頷くと満足気に口角を上げる。カイナントといえば王国の流通の要。特に港も多く、帆船、蒸気船と古くから船舶を使用した人や物資の移動を頻繁に行う王都には少なからず痛手となるであろう。その分防衛も馬地や環汰里と比べ強固なものではあるだろうが、橋頭堡も無しに王国の深部へと攻め入る大胆な作戦を竜灯は好ましく思った。この土地を落とす事が出来たならば、自分の名も轟くだろう。⋯⋯そこでふと、続く言葉を発しない彌生に首を傾げたが、何やら思い立ったようにその肩へと手を置いた。) (3/3 21:57:45)
シロー/竜灯 > 「⋯⋯ああ!おまんも従軍出来るよう俺から氷原少尉に言うておいてやるぜよ!新兵とはいえおまんも軍人じゃ、こがな戦にすら往けんのは尊華軍人の名折れっちゅうのも俺には痛い程分かるちや。」(自分も彌生の立場であれば、死に物狂いでも戦列に並ぼうとしたであろう。沈黙の意味を功を急ぐ気持ちから来る悔しさだと捉えた竜灯は、何度も肩をとんとんと叩いてから、そのまま掴んで生気に溢れた眼を向けた。)「新兵じゃからと遠慮せんでええ、おまんも立派な軍人じゃ。魔術を交える事が怖ければ、支援兵として着いても来れるき。此処で戦果を上げれば、俺らの字は王国にも轟くぞ!」 (3/3 21:57:48)
グレー/彌生 ◆ > ……その勧め、一応考えておきますね。(と、俺はそう答える。ここは必死に頭をはたらかせた。言葉を紡ぐのが下手くそな自分でも、ここで下手に突き放してしまえば自分の立場も危うくなるからだ。.しかし、……最近は、何かがおかしいような気がする。最近の戦争の再発は王都が起こしたものだということは聞いたことはある。基本的に、帝国は受け身だったということも。だからこそ違和感を感じえないのだ。もし、何か裏があるのだとすれば……?否、それを勘ぐったところで一介の一般兵に果たして出来ることはあるのだろうか…?となれば……やれることはただ1つ。自らの課せられた任務の遂行だ。それがどのような結果を招こうとも……) (3/5 19:50:14)
シロー/竜灯 > 「ん?おお、ほうか!見ちょれよ、大戦果を上げて凱旋したるきに。尊華帝國軍旗を翻して来たるちや!」(乗ってくるかは賭けであったが、考える時間は欲しいという事であった。彌生の人当たりを考えれば妥当ではあったし、急に言われても、という気持ちもあるのだろう。二つ返事で頷くと、僅かに胸を張って快活な笑みを投げかけた。氷原元帥の戦いぶりに負けぬよう、尊華帝國軍の名に恥じぬよう、一番槍として華々しい活躍を挙げたいものだ。目の前に吊り下げられた名誉という名の餌に瞳を輝かせながら、彌生に手を挙げて挨拶し、その場を去っていくだろう。)「彌生さんも気ぃつけて、戦果を挙げちょくれ。おまんなら大丈夫じゃ、俺が帰ったら呑みにでも誘うぜよ。」【雑兵二人】 (3/7 18:27:34)