雷鏡&セオドア
店長の想い 店長の決意グレー/雷鏡 ◆ > ……はぁ……(と、俺はとぼとぼと歩いていく。実際、自分の兄の死に目に間に合わなかったからだ。これから、兄貴がいない世界はどう変わっていくのだろうか…?そして、俺自身はどうすればいいのか?全く検討もすらつかないが、ただ分かることは、前よりかは少し寂しくなるということと……心の中の支えのひとつがすっぽりと抜け落ちたような感覚があること。) (3/2 22:56:19)
清瀬/セオドア > (水を拒む狂った騎士達、絶望の嘆きに呑まれる街。休む暇などある筈もなく、今日明日にはどうなっているかもわからない自身の体を粉にして西へ東へと走っていた。騎士を拐ったイモータルの処置も儘ならない中今度は見境のない中毒反応、王水が魔の手を伸ばしたようなその負の連鎖には精神がやられてしまう。騎士団として幸いなのは重要役職の皆が“現時点で”無事であること。廊下を忙しなく歩く中、ふと風の伝えから覚えのある容姿を見つけて足を止めた。規律ある組織の中では妙に浮いたその姿に駆け寄ると、いつもよりも凛々しく威厳を以て彼に声をかける。)「どうもこんにちは、雷鏡さんとお見受けしますが。今日はどのようなご用件で……それとも、もう用事は済んだ感じかな?」(俯き気味のその人は、姿のない親を捜す迷い子のように途方に暮れているように見えた。差し障りのない笑みと素振りで貴方の前に立ち、にっと口の端を持ち上げる。) (3/2 23:08:54)
清瀬/セオドア > 「兄貴…………。アレイス、ですか。御冥福を、お祈り致します」(兄貴たる人の死。頭の中に浮かべた騎士団の面々を順繰りに捲りながら、ある一人で止まって息を飲んだ。差し障りのない返事ぐらいしか送れずに、心から彼に寄り添えない自分は冷たい人間?否、オレこそが此所に要るべき人間。ため息をつく姿は、結婚式で見かけた、飄々と、悠然としている雷鏡その人とはかけ離れている。これは少し施しが必要かな、なんて手を徐に叩いて乾いた音を鳴らした。近くにあった騎士の憩いの場、休憩室のようなところに彼を通して椅子に座り、隣に腰かけるよう促しながら言葉に耳を傾ける。)「あはは!それは嬉しいなぁ、シャルロッテには此方こそお世話になってるよ。……彼女は奥さんのお姉さんなんだっけ?随分と仲がいいんだね」 (3/3 21:30:57)
グレー/雷鏡 ◆ > まぁ、いつまでも引きずるのはよかねぇのは分かってちゃあいるけども、でもやっぱり唯一の肉親が逝っちまったらメンタルも相当来るわけなんだわ。(と、いつもの調子で話しているものの、その顔は沈んでいる事は容易に分かるだろう。そして、シャルロッテについての話に流れた。)ああ。義理の姉っていうことになる訳だからな。そりゃあ、肉親も誰もいない今、家族と言える人がほんとに数える程しか居ないわけだからな。少ない家族を大切にしようと自然に思うんだわ。(と、そう言おうか。) (3/3 22:00:51)
清瀬/セオドア > 「そうかぁ~……雷鏡さんは人ができてるなぁ、オレはもう命が奪われていくのに……慣れちゃったよ。そうなったらもう人間じゃないのかもね、キミはせめて人として生きなよ」(雷鏡の憂いげな表情、それと裏腹に声色は冷静だったから不思議なものだ。細かな刃を巻き込んだ向かい風に、これ迄に沢山の貴紙が負けてきた。権力争い然り、敵国との戦い然り。冷戦状態の続いていた三年間は只の休憩で、異形やこの混乱をか弱い人類に乗り越えさせる為の戯れにも思えてしまう。葬った数も弔った数もとうに忘れていて、いつ自分が棺のない葬儀を迎えるかもわからない。おちおちと眠れない筈の状況でも何一つ変わらない生活ができているのは、命を軽んじているからなのか。黙殺への非難が幻想となり聞こえる。) (3/3 22:55:40)
清瀬/セオドア > 「…そんな彼女も騎士、残されてしまうことは覚悟しとかないといけないんじゃないかな。勿論シャルロッテがヤワじゃないことぐらいわかってるよ、スザンではよく頑張ってくれたみたいだから」(シャルロッテがお世話になっていると聞いたのであれば、当然彼女の想いも“聞いているのだろう”。こういう奴は大概心を見透かすのが上手くて、貪欲で獰猛で、冷静で変に敏い。脚を組んだり手を交差させたり、余裕もないのに何でもないよう取り繕うような素振り。騎士の肉親を持って、彼は一体どんな信念で居るのだろうか。彼らの何を汲み取っているのだろうか。そんな好奇心が口を開かせた。)「……ねぇ、雷鏡さん。キミは、戦争は不毛だと思う?」 (3/3 22:55:48)
グレー/雷鏡 ◆ > 俺も正直言うと、普段から命のやり取りを行っているものの、それでも肉親が死んだらショックは受けるよ。(と、俺はそう言う。普段、週に1匹か2匹、猪を狩ってその肉を色んな料理に使ったりする。そういう意味でも、自分は命をやり取りしているということに換算していいだろう。)ああ。兄貴の様なことがあったという事実がある以上、それを受け入れる準備は出来ているとも。(と、俺はそう返そうか。実際、自分は父も母も無くし、今度は兄も無くした。……自分が死ぬ訳には行かないのだ。これはもう、生き物としての本質的な、本能的なところからも来ているため、どうしても死ぬ気にはなれないのだ。) (3/3 23:39:02)
グレー/雷鏡 ◆ > 戦争が……不毛か……?(と、俺は聞かれた問いを咀嚼する。戦争に意味を求めること、それは時に様々な意見の相違が起こりうる危険性を孕んでいるが、聞かれたことにはきちんと答えることが相手に対する礼儀だろう。)んー……ある1面ではYESとも言えるし、もう1面ではNOと言えるかな……その2面は、人間の欲求として、もう一面は国という大義的な面からだ。まず、人間の欲求の側面から見ると、戦争は不毛だと俺は考える。今までの歴史でも、人間は常に争い、平和に暮らすという歴史があまりない。文化の違い、考えの違いや人種的な違いからという大義を設けてでも、人間は闘うという欲求を満たそうとしているようにしか見えないんだ。 (3/3 23:39:21)
グレー/雷鏡 ◆ > でも、大義を背負うとどうなる?その戦争には意味が持たされる。たとえそれが人間の欲求を満たすためのものだとしても、「国のため」と思えば、それは国のための戦争になるから、不毛ではなくなるかもな。でも、人類の敵とされるイモータルが出現した今という状態を考えると……やはり、戦争は不毛と言える。わざわざ同種内で同士討ちをして、イモータルがさらに好き勝手出来るようになる可能性が高くなる訳だからな。……まぁ、イモータルを敵と見るかは人それぞれだと思うが……… (3/3 23:39:42)
清瀬/セオドア > 「肉親、ね」(家族、血縁。それは騎士になる時に捨てた己のレッテル。同じ人に対しての生殺与奪を生業とするならば、要らないことだと思いこむ他なかった。慈愛に溢れていればこんなところには来なかったし、神でなく人を純烈に信じていたならばここまで生き残ることなどできなかっただろう。最早遠い記憶の中に捨ててきた騒がしく愛嬌のある兄姉達と、ウェントのシスターとなった一人の妹。父や母の記憶は掠れ、あるのはがむしゃらに走ってきた此所での記憶ばかり。家族とは到底呼べぬ、繋がりこそなくても同じ味のする血を流した仲間達が休憩する様子を遠目に見て、太腿に乗せた腕で頬杖をついた。)「──キミはやっぱり、戦争事は一切勘弁願いたいと思ってるらしいね。いや…違うか、オレこそが少数派。そりゃあ喜んで命を擲つ奴なんかいるわけないもんなぁ」(非常に整った物言いで意見を述べていくそれは、予想していたよりも納得のいくものだった。これがきっと本来、人るが何の懸念や疑問もなく抱くべき思念なのだろう。 (3/4 20:28:33)
清瀬/セオドア > 世界の皆がこうであれば、戦うことの愚かさを唱え続ければ、不毛なこの世界は新たな歴史に手をつけることになる。多角的な意見に唸らされる反面、人というのは醜いもので粗捜しをする生き物。)「そう、だからキミの意見に反対こそしないけど…………此所に居る人達が戦闘の衝動を己が性をと思う生粋の戦士なら、きっと王国はこんなに矮小じゃなかったさ」(力を持てば誇示しようとし、特別を求めて張り合おうとするのが人。それ自体は町違っているだなんて思わない。言いたいことこそ山ほどあったが、それを言うべき相手は貴方じゃないし、この世のどこにも居ないだろう。刷り込まれた生への執着に闘いの欲ごときが勝てるだなんて思えなかった。研いだ刃を突きつけるような視線をほんの一瞬だけ見せると、何事もなかったように乾いた笑顔を張り付けた。)「引き留めちゃってごめんね。今はあんまり丁重にもてなせる時間もなくてさぁ~、ほんとヤになっちゃうよ。…ありがとうね、お話に付き合ってもらって」(このまま貴方が引き留めることがなければ立ち上がり、そつなく別れを告げて去っていくだろう。) (3/4 20:28:35)
グレー/雷鏡 ◆ > いいってことよ。俺も、少しだけだが、元気でたよ。……俺は俺なりに頑張る予定さ。少なくとも、金欠で誰かに借りに行くなんてことはしないしな!(と、快活な微笑みを浮かべた後に、俺は立ち去ろう。俺は俺なりに。義姉が言っているように、自分のやりたいこと、やるべきことをしっかりとするだけ。ただそれだけの事だ。)さて……色々やることは詰まっている。やる事やって、好きなことやるか……(と、俺はそう独り言をこぼした。最期のその時まで……せめて、嫁と添い遂げようと。そう決心したのだから。)【店長の想い 店長の決意】 (3/4 22:01:22)