アデルグント&雷鏡
傷心店長の本領発揮大和守/アデルグント > (──アレイス、という騎士。司祭の連絡を聞いた途端、雷鏡が慌てて部屋を飛び出したのを見ては思わず追い掛けてしまい──それをアデルグントは後に大きく後悔した。それが雷鏡の兄だったのだろうという事は、泣き崩れた雷鏡の──アレイスに向けた、けれど誰にも向けられていない言葉で察してしまった。兄を失った悲しみは計り知れないだろう。アデルグントは一人だった為にそんな存在は居なかったが、仮に居たとしたら自分も大いに悲しむだろうから。──同時に、『羨ましい』なんてほの暗い感情が芽生えていた事には気付かない振りをした。悲しんで、嘆いてくれる人が居るアレイスに対して、そんな思いが。けれどそれは貴方に向けてはいけない事も、そしてあまりに自分勝手過ぎるモノだという事もよく理解していた。せめて、それを別の感情に変えられないかと。そう思い至り、アデルグントは兄を失った貴方を『心配』するという名目で、貴方の万事屋へと来ていたのだった。) (2/28 20:54:19)
大和守/アデルグント > 「…………雷鏡。悪い、邪魔するぞ。……大丈夫、か……?」(──大丈夫でない事は十分に分かっている。けれど、そう問わない事には会話の切っ掛けが掴めない事もまた事実で。扉を開き、中へ入れば閉めて。悲しみに包まれ微かに暗い貴方の店の中へと訪れていた。『悪い』、というのは一体何に対してか。『羨ましい』なんて感情を抱いてしまった事に対してか。その感情を、貴方の事を心配する事で視線を逸らそうとした事に対してか。貴方が今辛いというにも関わらず『心配』しに来た事に対してか。恐らくその全てなのだろうという事を何となく悟りつつ、心配そうに眉を下げながらアデルグントは其処に立っていた。) (2/28 20:54:24)
グレー/雷鏡 ◆ > ……(酒の瓶を開けるが……どうしても飲む気にはなれない。当たり前が崩れ去った今、酒でも飲もうかと思ったものの、それは兄が亡くなったことが分かったその日にやけ酒をしたが、それは癒されないということを感じたからだ。コーフにも心配をさせてしまっているが……)ああ……入ってくれ。(と、その酒の瓶を冷蔵庫にしまい込んで、俺は相手を出迎える。)団長さんか。昨日は、取り乱してすまなかったな……(と、俺はまずは詫びを入れよう。あくまでも、あそこは病気になった人達が療養しているところなので、あそこで泣き叫んだことに関しては不躾以外の何物でもないのは確かだからだ。) (2/28 21:10:21)
グレー/雷鏡 ◆ > 大丈夫もなにも……精神的にはかなり堪えるのが現実だよ。しかし、やけ酒をしてもどうにもならんことは昨日の晩に痛感したしな……自分でも、あいつの分まで幸せな生き方をするべきということは自分でも分かってちゃあいるんだ。しかし、あいつの死を受け入れられない自分がいることも確かだ。……万騎長は、治療しようとしてくれた。最期にはあいつは、万騎長へ愛を伝えてから逝ったそうだ。……最期まで、あいつは騎士をしてたよ。(と、そう俺は語る……椅子に深く腰かけて……姿勢が悪いのは見た目から分かるだろうし、傍目から見ても分かる。……嗚呼、死ぬのは順番だということは分かってはいるものの……)あいつだって、やりたいことしたいこといっぱいあったはずだろうになぁ……(と、虚空を見つめる……それをしてもどうにもならないのだが……) (2/28 21:10:31)
大和守.アデルグント > 「……そんな事、気にしないでくれ。……取り乱して、当然だ。家族が死んだんだから……」(ぐちゃり、こぽり。その感情は、思いは、確かに少しずつ育っている事を理解した。『羨ましい』、『妬ましい』。どろどろとした、貴方には決して向けられない感情達が増えて、育って。それを表情にも声色にも出さないよう、当たり障りの無い言葉を発する事しか出来なかった。)「……そう、そう……だな。前にな、アレイスから言われたんだ。『ある人に想いを寄せてたけど、独りよがりな片想いだって気付いた』『何の為に努力するのかまるで分からなくなっている』……って」「でも……そう、そうか、愛を伝えて……騎士と、して。うん、きっと、そんな最低な状態から這い上がれて……それから、逝けたんだから……。だからきっと、最期は幸せ……だったんじゃないかな」(慰め方が分からない。分からないから思い付いた言葉を矢継ぎ早に紡ぐしか出来ず。合っているのか間違っているのかも分からず、アレイスと会話を交わした事を思い出す。彼はヘスティアに恋をしていたのか。そう思うと一層ぐちゃりと思いが歪んだ気がして、アデルグントはぐっと口を真一文字に結ぶ。それだけだった。) (2/28 21:24:46)
グレー/雷鏡 ◆ > まぁ、詳しい遺言の内容は、後日万騎長に聞いてみるとして……まずは、アレイスが俺たちに何を遺したのか。何を伝えようとしたのか。それを整理することから初めないとな……(と、俺は兄貴が遺した紙の束を読み始める。アイツが言っていたのだ。「もし、俺が死ぬようなことがあれば、1束の紙を残してある。それを読んで欲しい。」との事だ。……読み進めていると、あいつの努力の跡が紙として、文として遺されているということと、これからしたかったこと、心残りなこと、色々書いてあったが、1番目に着いたのは、やはりヘスティアのことだ。そのためにトレーニングをしたり、言葉を学んだりなど、あいつなりに努力を惜しまずに毎日続けていたということが見てわかる。だらけている自分とは違う。やはり、あいつは真面目な奴だ……) (2/28 21:47:57)
グレー/雷鏡 ◆ > つくづく、兄貴が真面目なやつだったってのが身に染みてわかるぜ……団長さんよ、もし良ければだが、この束を俺が複写する。それを色んな人に回して欲しいんだ。あいつがどんな生き様を貫いていたのかということを、俺は色んな人に知って欲しい。……特に、ヘスティアには原本を俺が直接渡したいくらいだ。複写したものを配るのは出来るか?(と、俺は相手にそう言おうか。原本はヘスティアに直接渡すことにしたい。だから、遺言を聞くと共にそれを渡せば良いのだろう。) (2/28 21:48:06)
大和守.アデルグント > (ーーああ、やっぱり『羨ましい』、『妬ましい』。そしてーー……流石にこの先は、陥ってはいけない領域だ。駄目だ、と自分を落ち着かせる様にぐっと己の手首を握り締め、その感情を痛みに変換する事で理性との均衡を保っていた。)「嗚呼、勿論良いぞ。……だが、多分……今のこの現象が落ち着いてからの方が良いだろう。この状況で渡したとしても……皆には今余裕なんて無いだろうから、突っぱねられるだけだと思うぞ」(小さく頷いて……だが、今は駄目だと言ってみせた。……正直、自分は読みたくない。余計に妬ましくなって、この思いを育てるだけの【水】になるだけだろうから。それは、亡くなった彼への冒涜でしかなくて、余りにも失礼すぎる。なら、最初から【水】となる物を見なければ良い。)「……だから、アレイスのそれを知って貰う為にもこの厄災を早く終息させなきゃだな」(そんな自分の思いを隠すように、アデルグントは思ってもない事を言ってのけたのだった。) (2/28 22:07:05)
グレー/雷鏡 ◆ > ああ。そうさせてもらうよ。……まずは複写するところからだな。……ところで、団長さんよ、あんた、俺に何か思うところがあるんじゃないか?否、正確には俺とアレイスとの関係性とか、その辺について……か。(と、俺は先程から相手の中で包まれている感情を察知しようか。先程から、団長の中で何かが渦巻いているのは何となくわかっていた。だからこそ、あえて相手に聞くのだ。)なに、遠慮することは無い。むしろ、遠慮して包み隠す方がよっぽど酷いことになるからな。……兄貴の恋愛も実際そうだったけどな……伝える機会が、最期の最期になっちまったわけだし。何か、抱えているものがあれば、早めに伝えるなり吐き出すなりした方が気が楽になるぜ?(と、俺はそう言おう。俺はもう既に兄貴の死を受け入れた。それが運命というのならば、変えられないというのならば、それを受け止めてあいつの分まで幸せに生き抜くだけ。それだけの事だ。) (2/28 22:26:32)
大和守.アデルグント > (ぱちくり、とアデルグントは驚いた様に瞬きを一つ。嗚呼、まさか気付かれていたとは。中身がどんなモノかは分からずとも、存在には気付かれていたのだろう。その上で己に接してくれていた事に、アデルグントは何処か諦めた様に溜め息を一つ溢した。)「…………あぁ、思う事は勿論あるよ。だけどな、それ以上に嫌われたりだとか……そんな事になりたくはないから……言わない。お前も知らなかった振りをしててくれないか、……頼むから」(その上で、言わないという選択肢を選んだ。彼の事だ、恐らく……言っても嫌ったりはしないだろうが。それでもその可能性は皆無という訳では無いだろう。だから、言わない。嫌われるのが何よりも怖いから、何よりも避けねばならない事だから。それを避ける為ならば、幾らだって自分の心を押し潰して隠してしまおう。これまでも、これからもそうやって生きていくとアデルグントは決めているから。最後には、小さく頭を下げて懇願するかのように言葉を紡ごうか。) (2/28 22:36:48)
グレー/雷鏡 ◆ > 嫌われたくない……か。(と、俺はそこから本質を抜きとる。それが、相手が1番恐れていることなのだろう。そう言うことをなんとなくだが、察知した……それを恐れるのならば、1つ、ガツンと言ってやらねばいけないな。)お前さん、1つ、勘違いしてねぇか?(と、俺はそう、まずは相手に問いかけよう。何を勘違いしているのかは……) (2/28 22:54:10)
グレー/雷鏡 ◆ > お前さん、「嫌われたくない」……そう言ったよな。 (2/28 22:54:23)
グレー/雷鏡 ◆ > 確かに、人間誰かに嫌われることはあるかもしれない。お前さんを貶めようと言う人間がいるのかもしれない。しかし、考えてみな。その貶めようとしている人間たちは、「自分とは違う。愛されている。」ということをその人に感じるからこそ、「同じところまで下げよう」と考えてそうするのさ。しかし、そう思われるまでに、他人から愛されているということにもなると思うのだが、違うか?(そして、俺は椅子に座り直す……) (2/28 22:54:37)
グレー/雷鏡 ◆ > うちの嫁みたいに、みんなから愛されるような振る舞いをしていると自然と敵は出来ないかもしれない。しかし、時々話していたんだ。嫌がらせをしてくる人が居る。辞めたいってな。でも、俺はその時何時もこう言うんだ。「そのくらい、お前さんが色んな人から愛されている証拠だぜ。」ってな。……有名なやつってのは、当然その有名なやつをとにかく批判しようとするやつも現れるのさ。 (2/28 22:55:05)
グレー/雷鏡 ◆ > だが、批判されるということは、それ以上に多くの人に愛されている。だからこそ、そう言ったやつが現れるということにも繋がると俺は思うのさ。(最後に、俺はこう付け加えよう。) (2/28 22:55:23)
グレー/雷鏡 ◆ > 多く人に愛されても愛されなくても、そこは関係ない。 (2/28 22:55:37)
グレー/雷鏡 ◆ > ……大事なのは、「お前が愛する人間がいるのかどうか」だ。 (2/28 22:55:50)
グレー/雷鏡 ◆ > 別に、愛を受けること自体は簡単さ。色んな人に注目されれば自ずと愛されるようになるぜ?だがなぁ……他人を「愛する」ことは、たった1人のためにしかできない。親愛は多くの人に捧げることは出来るだろう。しかし、情愛を捧げるのはたった1人にしか出来ない。その、情愛を捧げる人を見つけることこそが、本質だと思うぜ? (2/28 22:56:08)
グレー/雷鏡 ◆ > ……兄貴は、ヘスティアに真っ直ぐな情愛を向けた。その結果が実った実らなかったは別としてな。そこで、あんたに聞きたい。______お前さんに、愛する人はいるのか?(と。熱く語ってしまったが、妻を持つ身だからこそここはガッツリと話さないといけないのだ。) (2/28 22:56:32)
大和守.アデルグント > 「…………愛、されて……いる?」(貴方の語る言葉に、アデルグントは眉を潜めた。『他人から愛されているという事にもなる』『批判されるという事は、それ以上に多くの人に愛されている』。それらの言葉が、余りにもアデルグントにとっては理解できなくて。自分が確かに愛されていると、そんな事を思う機会は無かった。否、もしかしたら与えられていたのかもしれないがアデルグント自身はそうは思っていなかっただろう。『愛』。何よりも自分には無縁の言葉で、そしてーー永遠に与えられないと、そう思っているから。)(意味が、分からなかった。けれど、『お前さんに、愛する人はいるのか』と。その問いが耳に入れば。)「………………」「……わ、わた……私、は……」「……ヘスティア様、を…………」(言葉を震わせながら。これが貴方の兄に対する冒涜になってしまうのではないかと、それを恐れながら。それによってどうなるかーーに、少しだけ怯えながら。)「わた、くしは……ヘスティア様を、愛して……います……」(アデルグントにとっての憧れであり、情愛を向けている彼女ーーヘスティアの字を口にしたのだった。) (2/28 23:14:38)
グレー/雷鏡 ◆ > なるほど……(と、俺は苦笑する。さすがに、俺が話しているのは「情愛を向ける人はいるのか?」という話なのだから、相手がヘスティアを愛しているというのならば、それもまた、事実。)まぁ……その心は、大事にした方がいいぜ。……というか、驚いたな。まさか、ヘスティアは3人の人から愛されているとは…………4角関係……否、ライバルの多い恋愛か、はたまたヘスティアが罪な人なだけなのか…?どちらにしても、人気者であることは、紛うことなき事実。(と、俺は驚いたがしかし冷静に解析していく……)まぁ、要は「嫌われることはあっても、人を愛することだけはやめるな。」ってことだな。誰に嫌われてもいい。自分が、誰を愛するか。そこが重要であるということだけ、念頭に置いて過ごせば、自ずと生活しやすくなるし、自分をさらけ出せると思うぜ。(と、最後に要約だけして相手に伝えよう。) (2/28 23:27:44)
大和守.アデルグント > 「は、っ……さ、三人? 私と、アレイスと……あともう一人……」(『ヘスティアは三人の人から愛されている』。その貴方の言葉に思わず目を丸くした。……成る程、この恋心の行く先には随分と困難が待ち受けているらしい。そもそもこの思いを伝える気など無いが……だが、あわよくばだなんて思っていた事もあり、新たな情報にアデルグントはがっくりと肩を落とした。)「……えぇ、……あ、嗚呼、わかった。……お前も辛い筈なのに、こんな…………ありがとな、雷鏡」(ーーだが、貴方の言葉に少し……少しだけ、どろどろに煮詰まった感情が軽くなった様な心地もあって。貴方を『心配』するという名目で、『羨ましい』という感情を変換する為に来たという目的が貴方に見透かされたままに達成された事に少しの罪悪感はあったものの。アデルグントは、感謝の言葉を述べたのだった。) (2/28 23:41:10)
グレー/雷鏡 ◆ > まぁ、「ダメで元々。人生はギャンブル」なのさ。1度は当たって砕けても良いという気概でストレートにぶつけるというのもありだ思うぜ?待つだけだと、何も進展はないからな。(と、俺はそう話した後に……)おう。……さてと、複写の作業もそうだけど。まずは契約してる薬の制作を急がんとな…………よし!切り替え切り替え!!いつまでもクヨクヨしてても何も進まん!とにかく進む!(と、俺はそう自らを鼓舞した後に、研究室に入り、薬の製造をしようか。一応定期契約のものはしっかりと作らないことには、お金が入って来ないからな。) (2/28 23:45:51)