禍善
死の水-発症-大和守/禍善 > (こくり。小さく喉を鳴らして、【水】を嚥下した。目を覚ましたら先ずは寝起きの頭を働かせる為に水を一杯飲む。それが禍善の日課で、習慣で、当たり前の動作。何も疑問を抱く事の無い自然な事。ーーその、筈だったのに。)「あ……ぁ、……あ? な、何……ッ、なんだ、これ……ッ……!!」(ーー悪寒が走る。得も言われぬ気味悪さが全身を支配し、今にも悲鳴をあげてしまいそうになる。足に力が入らず、その場に崩れ落ちそうになる。何か、何かに今すぐすがらなければ自分そのものが溢れ落ちてしまいそうな。がたがたと禍善は身を震わせ、呼吸を荒くしながらも何とか堪えていた。どうしようもない程に精神を蝕む、強烈な【不安】が禍善を支配していた。普通、水を飲んだだけでこうなる事など有り得ない。それこそ恐怖症やらそういった類のモノでも無い限り、通常はこうならないのに。明らかな異常の音に、【普通】が壊れていく声がした。) (2/23 21:44:30)
大和守/禍善 > 「……ッ、……あ、ぁ、はっ…………ーーぁは、ッ?」(今度こそ、体から力が抜けた。側にあった椅子を派手に巻き込んで、禍善はその場に崩れ落ちる。思い切り椅子にぶつかったせいで強烈な痛みをーー感じる事は無かった。否、完全に痛みが無かった訳でも無い。ーーそう、感覚が、痛覚が鈍っているというのが正しいだろうか。そんな異常に気付いても尚。それでもただ、笑いがこぼれた。先程までの不安は一体どこに行ったのか、禍善はただ笑っていた。気が、狂っている。異常。そう表現するに相応しい自分のこの様子を、禍善も何処かで分かっている。)「……あは、あ、は、はははッ……ッ!」(だけど笑いが収まらない。狂ったように、わらいがこぼれる。笑みが、狂気が。音を立ててーー溢れた。) (2/23 21:49:37)
大和守/禍善 > 「…………ひ、ひ、ふへ、……へ、……あッ、はははははーーッははははははははははァッ!!!」(えみがこぼれておさまらなくて、とめられなくてずっとずっとかぜんはわらいつづけているずっとずっとずっとずっとわらってわらってわらいつづけてつかれるまでつかれてもずっとわらってわらってげらげらけたけたくすくすくすくす)「あ、あーーぁ、う、うあ、ッ、あー……ひぐ、ッ、う、……ふへ、へ……うあ、あ……ぁ、はは、ッ……」(今度は涙を溢して只泣いた。情緒が不安定となってしまっているが故かそのせいかときどきわらいながら狂気を示した。わらいも涙もいっさい収まらない。)「ひ、っあ、あい、あいされた、や、だ、ひとり、やだ……あい、され、ぁは、ひ、ひっう、う、え……」(ーー愛されたい。あいされたくって愛を欲して只ーー嗚呼、愛されたい好かれたい。ぐるぐるぐる、ぐるぐると、三つの主張がぐるぐる回る。) (2/23 21:58:40)
大和守/禍善 > (ずっとずっと、ぐるぐると、わらいと悲と求愛の主張は続いた。終わらなかった。何処までもくるって、狂ってーー愛されたくって。ずっと抑えていたものが溢れて、壊れて。止まる事は無かった。) (2/23 22:00:17)