篠&氷原
筍は寒さに弱いけどマリア/篠 > 「誌洲先生、居っですか?篠ですけど…あれ?おらんとじゃろうか」(酒を飲みすぎてぶっ倒れた日から、ひょんなことで自分の受け持ちをしてくれることになった巫子。医者とは少し違うから、主治医というのも変な気がするけれど…その名も誌洲先生の詰めているであろう医務室の前で、篠は何やら袋をかかえて立っていた。反応が無いのを確認し、ノックをしてから室内へ足を踏み入れると、思いがけない先客に少したじろぐ。)「あ、わぁ!少尉……はわ、おやっとさ…じゃなかった、おつかれさまでございもす!」(敬礼のために右手を上げると、袋の中身がバランスを崩して篠の腕から零れてゆく。みかんであった。)「うぎゃ」(上司の前でなんという失態!篠は慌てたようにその場にしゃがみこみ、みかんを拾っていった。)「すみもはん、少尉がおったとは知りもはんじゃした。出直し……あれ?」(ふと、視線をあげる。いつもだいたい誌洲先生が座っている場所に彼がいないのを見て、不思議そうに首を傾げた。) (2/21 02:38:34)
ゑゐりあん/氷原 > ……(ボーッと医務室にある椅子の上でボーっとしている氷原。視点は定まっておらず、夜に見たら普通にホラーである。何故氷原が来たかと言うと、常備薬を貰いに来たためである。氷原の体を昔からよく知っている誌洲に、氷原の薬を用意してもらっているのだが、ついこの間常備薬が切れたのでその補充に来たのだ。しかし肝心の誌洲はおらず、かと言って帰るのも面倒なので何もせずただボーっとしていたのである。すると、扉が開き何だか騒がしい声がしたため、錆び付いたブリキのおもちゃのようにゆっくりと首だけを回して扉の方を見る。すると、そこに居たのは自分と同じであろう軍人の女性だった。自分に対して敬礼をしたためかみかんを零し、尾を踏まれた猫のような悲鳴を上げながらみかんを拾う彼女を見て「誰だっけ」と少尉にあるまじき思考をしながら彼女がみかんを拾うのを見て、立ち上がってから彼女との手伝いを始めた) (2/21 02:47:57)
ゑゐりあん/氷原 > …えっと。…お疲れ様…?(何が疲れたのかはよく分からないが、とりあえず挨拶をしてみかんを拾い始める。すると彼女は誌洲が居ないことを疑問に思ったようで、どうやら同じ目的を持ったのだと把握する)…あぁ、先生なら今居ないよ。出かけてるみたい。…これ食ってもいい?(みかんを拾いつつ答えた氷原。ふと手にしたみかんが実に美味そうだったため、拾うのを中断し、首を少しだけ傾げながら食べていいかを尋ねる氷原。相変わらずのマイペースである) (2/21 02:48:17)
マリア/篠 > 「……!……わ、わ」(少尉自らみかん拾いを手伝ってくれている状況に若干慌て恐縮しながらも、断って余計に手間をかけさせる事を忌避して篠はますます早巻きでみかんをひろいはじめた。少尉より早く全部拾いきってしまえばお手間はかけさせないはずだと。すると思いがけず『食ってもいい?』などと聞かれるものだから、目をぱちくりし)「えっ…これですか?」(と、拾ったみかんを胸の前へ持ち上げた。)「もちろんどうぞどうぞ!?床に落ちたもんじゃなくこっちの綺麗なのをどうぞ…誌洲先生はお出ちょっか。少尉は帰ってくっまでお待ちになっつもりで?」(袋の奥から出した形のよいみかんを両手で差し出す。誌洲先生におすそ分けしようと思っていたものだし、この状況ならきっと先生だってそれを少尉にお分けするだろう。マイペースと言えばこの女も引けを取らないからか、あなたの気質はまったくきにならなかった。) (2/21 02:58:25)
ゑゐりあん/氷原 > うん。それ(氷原は落ちたみかんを指さしうなずく。すると彼女がきれいなものを取り出したのを見て)…違う。俺が欲しいのはこっち(彼女が差し出したものではなく、わざわざ手を伸ばして落ちたほうを手に取った)…ありがとう(そういって定位置に戻り少しだけウキウキした雰囲気を出しながらみかんを向き始める氷原。そんな中彼女が誌洲が戻ってくるまで待つのか?と言われたので、無論)そう。…先生が帰ってこなきゃ、薬がもらえないから(待つ、と答える。そして皮をむいたみかんを一かけら口に入れモグモグと咀嚼。飲み込んで、篠の方を見る)…おいしいね、これ。…何か特別なみかんなの?(どうやらおいしかったようで篠にそう尋ねる) (2/21 18:11:17)
> 「あっそんな…あぁ…」(落ちた方を手に取られるが、篠は強く拒めずそのまま渡してしまう。なんだか嬉しそうだし、少尉がいいならいいか!と椅子まで戻る背中を見送る。)「そうなんですね…」(薬か……。軍人としては低からぬ位置に座しながらも、病弱な身体を推して働いている彼の事情は有名だ。尊敬とも心配ともつかない曖昧な視線を送り、何となく困った実の置き所を一思いに、上がり框に座ってしまうことにする。)「あっ、わかりますか?今年は寒かったで、みかんがうんめ生ったごたって。特別でもなか、朝一で買うたみかんですけど。先生にも食べて欲しゅうて持ってきたんです。少尉は、果物がお好きなんですねえ」(篠はみかんの大袋を脇に置き、嬉しそうに微笑んだ。) (2/21 18:35:17)
ゑゐりあん/氷原 > …そっか(やはり普通とは違うみかんだったようで、篠が丁寧に説明してくれる。普段なら他人のしてくれる丁寧な説明を聞くことはしないのだが、彼女とは波長が合うのか最後までしっかりと聞いた。珍しいことである)うん。…小さい頃はよく食べてたな。…特にみかんはいっつも食べてたよ。俺の故郷は寒いからみかんがおいしくて。ご飯を食べれないときでも、みかんだけは食べてたかな(と、体の弱かった昔を懐かしむ氷原。そういえば故郷の家族は今何をしているだろうか。戦争中だし、きっと物資の配送なんかで忙しくしているのかもしれない)…えっとそれで…君の名前は?(ふたかけら目のみかんを食べ終えてから彼女の名を尋ねる。会話が続かず話題を探した結果の質問だ) (2/21 18:40:52)
マリア/篠 > 「そうなんですか…!このみかん、置いていっですから、あのー、良かったや先生と分けて食べたもんせ。そげん気に入ったんなら、ひとつち言わずどしこでも食べて欲しかですから。」(立ち上がりそのまま机の上にみかんを置くと、名を聞かれて少尉の方を向いた。)「字ですか。あっ、申し遅れてすみません。しのと言いもす。……竹かんむりに、條…あんー、小枝ん條です。そいで、篠。緑の恩恵を受けっ魔術を使うとじゃっどん、実は竹しか生やせんで……あはは!変ですよね!じゃっどたけのこは食べ放題じゃ!」(お喋りに魔術の事まで話してしまったのが照れ臭かったのか、頬を少し赤くして後頭部を描きながら笑った。) (2/21 18:51:48)
ゑゐりあん/氷原 > …うん。ありがとう。先生にも伝えておくよ(いくつでも食べていいといわれ、まだ食べてるみかんがあるにもかかわらず、みかんの山からもう一つを手に取る氷原。意外と食い意地が張っているようだ)し…の。…篠だね。…俺は氷原。…氷の原っぱって書いて氷原だよ。…よろしく(相手が名乗ってきたので一応こちらも返す氷原。相手は自分の名を知っていると、わかっているのかわかっていないのか)…竹は素晴らしいよ。固いから先端を削れば立派な武器になるし、軽いから筏なんかも作れる。…切れば器にもなるし、水分もあるから緊急用の水にもなる。…いい魔術だね(彼女がどんな魔術を使うのかを知った氷原だが、思ったよりも反応は良く、竹に関する豆知識を披露しながらほめる)…君の魔術はいい魔術だね。…もっと誇っても…いいと思うよ(そういってさらにみかんをぱくり) (2/21 18:58:44)
マリア/篠 > 「……あいがと、もしゃげもす。」(魔術を褒められ、誉れに頬を赤くしながらも神妙な顔付きで頭を軽く下げた。緑の恩恵を受ける魔術師たちの下位互換のような存在であるが、竹という木を何よりも愛し、神性を感じているのは篠自信なのだ。嬉しくないわけがなかった。)「少尉んご実家は北ん方なんじゃなあ。うちん家は、昔から竹でいろんなもんを作ってきたですから、私もちょっとした竹細工は得意なんです。ないかご入用やったら、いつでん御用命ください!竹籠に魚籠(びく)や笊、お弁当箱や水筒も作るっじゃ!あっ、音楽がお好きなら篠笛なんかも。」(得意げにそう話し胸を張る。)「そいじゃ、私はそろそろこいで。また先生がおっ時に出直しもす。……あっ、少尉、みかん食べすぎると指先が黄色うなっで、お拭きになったほうがよかですよ。」(帰り際、ポケットから手ぬぐいを出して少尉に手渡した。その手ぬぐいには、雪持笹の吉祥紋が描かれていた。) 「それ、返さんでん大丈夫ですから。じゃ、失礼いたしもす!」(敬礼をし、医務室から去っていった。……次に会う時は戦場、ということもあり得る。束の間の平和を噛み締めるように、ほうっと白い息を吐いたのだった。) (2/21 19:20:42)
ゑゐりあん/氷原 > へぇ…竹細工…か(そういえば実家にもいくつか竹細工の品物があったはずだ。…とはいっても生活用品ではなく観賞用としてだが。しかし、何か作ってくれるのならありがたい。何を作ってもらおうか…。と考え出た結果は)…じゃぁ今度…水筒をお願いしようかな…。…大丈夫?(水筒をお願いすることにした。何かと薬を飲む機会も多いのだ。水筒があればありがたいことこの上ない。すると彼女は医務室から出る前に手拭いを渡してくれた)あ…ありがとう(思わず受けた厚意に驚く氷原。後で洗って返すから、と言おうとしたら彼女は足早に帰ってしまった)…元気な人だな。…友達になれたらいいけど(そう思いながら氷原は、傍らに手拭いを置き黙々とみかんを食べるのであった)【筍は寒さに弱いけど】 (2/21 19:27:27)