鬼若&白梅
逃避大和守/鬼若 > 「…………」(ーー今日こそ、この想いをお伝えしよう。そんな決意を胸に抱いたのは良いものの、やはり緊張してしまう。もしも、断られたらどうするか。そんな不安は、今は亡き兵によって少しは軽くなっていると言えよう。それでもやはり不安で。それを思うと足が踏み出せずにいた。踏み出せず留まって一体何時間が経過しただろうか。何時の間にか陽は沈もうとしていて、このままでは決意も虚しく今日が終わってしまうと気付いた鬼若は、その焦りに急かされ。そして、ある部屋の前に立っていた。緊張が収まらない。心臓が破裂してしまうのでは無いかと言うくらいには脈打っているのを感じる。此処から逃げようにも、もう足は動いてくれない。左手で右手を無理矢理引っ張り、執務室の扉を数度叩く。)「ーー白梅様。お、鬼若です。突然、申し訳ありません。お、お伝えしたい事が御座いまして、此方へ参りました。入室しても、大丈夫でしょうか」(声が裏返らないようにと必死で押さえつけながら、扉の向こうに居るであろう貴女へ声を掛けた。掛けた後は貴女の返答を待ち震えて待つ事しか出来ない。どうかこの告白が上手くいきますようにと、拳を強く握って鬼若はただ祈っていた。) (2/20 23:02:13)
クロ:白梅 > ( かたり、と小さく音を立てながら湯呑みを置く。目の前にある書類に署名をし、横にあるメモ用紙にチェックを付け、さらり、さらりと筆を動かしていく。日がどんどん傾くにつれ、目の前にある今日の分の書類がどんどんと減っていくのを目線で感じ、再度湯呑みを取れば、お茶を飲み干しそのまま湯呑みを持って椅子から立ち上がる。さら、と髪の毛の微かな音が耳元で鳴ったのを、こそばゆく思ったのか口角をほんのりと上げ、湯呑みを小さな洗い場に置く。歩いて自身の机へと戻る途中、背伸びをしながら「 ん"、ん、」と声を漏らし1つ大きな欠伸をほろり。) (2/20 23:24:57)
クロ:白梅 > ( さて、夕陽が部屋を紅く染め上げる頃、今宵は早めに上がり月見酒でもどうだろうか、なんて呑気に考えていた時。扉を叩く音が聞こえ、外から声を掛けられた。_何事だろうか…_今宵の月見酒は御預けだ、國の為に軍の為に、もう少し働こうではないか。そんな意気込みを1人勝手にしつつ、「 鬼若か、よい、入れ 」と凛とした声色で返す。 さっさと机の上の書類を隅に片し、筆を元の位置へと置く。夕陽が、紅と橙部屋を染め上げる。夕陽が、ほんのりと微笑んだ気がした。) (2/20 23:24:59)
大和守/鬼若 > (ーー返答。部屋に入る事を許可される。その言の葉すら、それを紡ぐ声すら今は何時もよりも愛しく感じてしまって。蜜の如く溢れるその感情を抑える事すら出来ないままに、扉を恐る恐るといった様子でゆっくりと開けば、鬼若は部屋の中へ入っていく。)「失礼、致しますっ……」(入室の際の挨拶を口にし、鬼若は扉へ向き直れば音を立てぬようにしながらそれを閉じた。嗚呼、ついに来てしまった。己から望んできた事ではあるが、どうにも緊張してしまって。けれどもどうしたのかと問われる前にと、鬼若はその場に片足を立てて跪いた。)「ーー先程も申しました通り、お伝えしたい事があり此方へ参りました。その前に、一つお心にお留めおき下さい。これから申す言葉は、軍人ではなく【鬼若】という一人の男の言葉です」(貴女は全てを見て下さっている。國を愛し、民を愛す素晴らしいお方だ。だからこそ、この言葉が"敬愛"の一つだと言われる事を恐れ。貴女からしたら、これからの言葉に困惑やらを抱いてしまうかもしれない。けれども顔を伏せながら、鬼若は次なる言葉の為の用意をしていた。心置き無く想いを伝える為の、前座である。) (2/20 23:40:46)
クロ:白梅 > …?( 少し首を傾げたくなる。何せ目の前に来た愛しい部下が、普段より動きがぎこちない気がするのだ。だから、どうしたのかと。聞こうとして、顔をふ、とあげたその時。そこに顔はなかった。白梅が、驚きと困惑の表情で彼の元に1歩近寄り" 見下ろせば ''此方が何かを言う前に言葉を紡がれてしまう。_ど、どく、どくん。心臓の音が、耳の奥底を身体の奥底を叩いて何かを叫んでいる。貴方の紡いだ言葉が、刃となり針となり鋭く尖った先を向けている、そんな感じがしてしまい、小さくヒュ、と息を吸い込んだ。) (2/20 23:56:29)
クロ:白梅 > …何を、伝えに来たのだ?( 冷静になれ、落ち着け、静まれ、鎮まれ。そんな事ばかり考え、必死に平常を装う。ぱち、ぱちと数回大きく瞬きをし、唇を動かして要件を聞こうとする。心の、奥の、奥深く。底の、底で何かが叫んでいる気がするが、無理矢理それを押さえつけ、敢えて凛とした顔で。敢えて、背筋を伸ばして鬼若の前へと歩み寄り、そのまま上から見下ろす。聞かねばならぬ、聞くべきなのだ。コレは敬愛ではない。だからこそ、何なのかを聞くべきなのだ。もしかしたら、相談事かもしれない。もしかしたら、軍事的なとこかもしれない。もしかしたら、悪ふざけかもしれない。どれも有り得ない事ばかりが脳裏に思い浮かぶが、氷の刃でそれ等を凍らせ砕いて回る。綺麗に咲き誇る氷の華。美しい華の如く、白梅はその場で上記の言葉以外は何も言わず、口を噤んでいた。) (2/20 23:56:30)
大和守/鬼若 > (ーー心臓が、自棄に煩い。呼吸が自然と速くなり、目眩がしそうな程に苦しい。それら全てを無理矢理押さえ付け、深呼吸を一つ。ーー想いを、綴る。)「ーー私は、貴女様を愛しています」「貴女様への永久の忠誠を誓いましょう。貴女様へ害を為す全てを切り裂きましょう。貴女様は古今東西どの華にも劣らぬ、最も美しく気高い華」(想いは、続く。)「そんな貴女様へ、私如きがこの様な気持ちを抱くのは不敬であるとは理解しております。ですが、どうぞお聞き下さい」「私は貴女を愛しています」「貴女様を一目見た時から、私の中には恋の華が在りました。それは狂おしい程に咲き誇り、今も尚御座います」「私は、貴女様を心から愛しています」「どうか、この華を摘んでは下さいませんでしょうか。どうか、貴女様のお側へ、一人の男として置いて頂けないでしょうか」(狂おしい程に育ったその想いは。十年の時を経て、こうして紡がれた。それを手折るか否かは、貴女に委ねられている。) (2/21 00:18:16)
クロ:白梅 > ( 貴方の紡いだ言葉を、耳に入れ頭に入れ心に入れる。思いの外、すんなりと入ってくるものだから、一瞬気を抜いてしまった。その瞬間、ぞ、ッとした悪寒が白梅を包み込んだのだ。気を抜いたのがいけなかった。一瞬でも気を抜いたのが行けなかった…否、元よりすんなり入ってきているのではなかったのだ。とろりと流れ込む怪しげな液体が氷の華を砕き溶かしていく。どろり、どろりとした感情が溢れだしてしまうのではないかと。そう思ってしまうほどだ。先程まで窓の隙間を通ってくる微かな風の音、遠くで聴こえいた人の音などが全て消え去り、無音の世界が続いていく。) (2/21 00:36:58)
クロ:白梅 > そ、の。先ずは立ち上がってはくれまいか。妾は、対等に話がしたいのだ。( 対等に、何を話すんだ。冷や汗がでて自身の頬を伝う感覚にすら、ぞわ、としてしまう。思っていたものと、全くもって違った。無言の間が酷く心を締め付ける、そんな気がして必死に言葉を出そうとしても声と思考回路が震えてしまい、「 その。なんだ。御主は、妾を。華が咲いたのは、妾の、」なんて、あまりにも可笑しな事を言ってしまう。挙動不審、困惑、不安。マイナスな面ばかりが白梅の脳内で咲き誇り、凛とした氷の華に纏わりついては汚していく。貴方の姿が美しかった。恐ろしい程に美しかった。あまりにも、美しいものだから。白い華は、恐れおののき、微かに震える自身の片手で耳飾りに触れながら、応えではなく疑問をなげかけた。 (2/21 00:37:09)
クロ:白梅 > 「 鬼若、鬼若よ。御主はいつから妾を、その。…その様に思っていたのだ? 」言葉が、ゆっくりと紡がれるにつれて、少しずつ消えていくような弱々しい声。貴方にどう思われるのかは、分からない。けれど、どうか許して欲しい。どうか許して、答えが欲しいと急かさないで。どうか、1人の女として、困り、畏れさせて。) (2/21 00:37:29)
大和守/鬼若 > 「…………はい」(紡がれたのは、告白に対する返答では無かった。緊張により震える足を無理矢理動かし立ち上がれば、やや伏せ目がちではあるが貴女を見た。まだ、まだ、答えは返されていない。大丈夫、まだだ。と己を落ち着かせてはいても、それは手折るかどうかを少し先に伸ばしただけなのだから安堵出来る余裕は無い。……今にも、その判断が下されるかもしれないのだから。)「……十年前からです。私が軍に入る前、貴女様が元帥として在られる姿を私は見ておりました。その時から私は貴女様を好いていました。愛していました。……貴女様の為に軍へ入り、今の位に上り詰めたと言っても過言では御座いません」(次の言葉も、また違うものだった。問。今度は貴女を真っ直ぐに見つめ、その想いを語る。語ったその言葉は一つとして偽りのモノは無い。全てが本当で、本物で。十年もの間、不器用だけれど大切に育てられた華を、貴女はどう見るのだろうか。) (2/21 00:49:08)
クロ:白梅 > 、( 少しの沈黙。かち、かち、と流れる時計の音が、酷く遅く感じてしまったが、ほんの数分の沈黙が2人に訪れる。けれども日はどんどん傾き、夕陽が少しずつ宵を連れてくる。 _正直な、所。好意を伝えられるのは、嬉しく思う妾が居るのだ、答える答えない関係無しに、酷く嬉しく思えてしまうのだ、…_ だから、上手く答えられなくとも、相手の気持ちに全てに応えれなくとも。白梅は、嬉しいという気持ちと、どう答えれば良いのか分からぬという言葉を出そうと決意した。草木が芽生えるかの如く、ゆっくりと、だが優しげに、儚げに顔を上げ、相手の顔を見る。姿を見る。そして言葉を、紡ぎ、互いの気持ちをつなげ____ ) (2/23 16:13:28)
クロ:白梅 > ぁ、( 掠れる声色、揺らぐ瞳。ガクンッッと、白梅の中で何かが傾き、跡形もなく崩れ落ちた。堕ちる音がした。恐ろしいと畏れられる白梅の黒の瞳に入り込む貴方の姿は、夕陽が後ろから差し込んで、綺麗で、儚げで。夕陽の真っ赤な光が彼を支えている。まるで、正反対の色だった。貴方の其の姿は、太陽の様だった。其の姿は、夕陽の様だった。其の姿は、花のようだった。其の姿は、温かみがあった。其の姿は、人間の様だった。其の姿は、其の姿は、其の姿は___ ) (2/23 16:13:45)
クロ:白梅 > ( 其の姿 は 、余りにも 美し過ぎた ) (2/23 16:13:47)
クロ:白梅 > ( ひゅ、と小さく息を吸い込む。上手く吸えない。酸欠で頭に血が溜まっていく気がする。ガンガンと音が響いてくる。けど倒れ込む訳にもいかない。顔を真っ青に染め上げ、唇を必死に強く噛み締めて消え去りそうな意識を繋いでいる。_嗚呼、嗚呼、嗚呼!余りにも愚かだ!白梅は愚かだった、愚か者だった、人の気持ちを何も理解していなかった。何が紡ぐだ、何が繋げるだ、何が想いだ、気持ちだ、何も知らない癖に!嗚呼、嗚呼!なんて愚かなんだ!!何が我が子だ、何が愛だ、何が、何が、何が!何も知らない癖に、何も知らぬ癖に、何も分からぬ愚か者の癖に!!!嗚呼!!!!……___あぁ、………___ ) (2/23 16:13:59)
クロ:白梅 > ( 頭を何度も鈍器で殴られた様な感覚。夕陽は沈み、宵が2人を包み込む。部屋の中だと言うのに、身体が芯からかき、がち、と凍っていく感覚がする。何も答えられない。けれど、彼が目の前に居るとどうにも、どうにも落ち着かなくてしょうがない。助けを求めたくても手が動かない。動くのは、顔だけで。だから、精一杯の力を込めて、白梅は目を逸らした。それが今の白梅にできる、今の白梅なりの、応えだった。好きとも、嫌いとも言わず。出てけども言わず。感謝の言葉も罵倒の言葉も紡ぐことは無く、ただただ、貴方から目を逸らした。下劣な雑草の如く、卑怯者の如く、貴方の存在を、目の前に居る貴方の事を視界から外した。宵が作り出した闇夜の影が部屋を包み込む。しん、と静まりかえった部屋で白梅は、白い華は。美しく凛と咲いていた氷の華は__ ) (2/23 16:14:08)
クロ:白梅 > ( 初めて、拒絶を顕にした ) (2/23 16:14:14)
大和守/鬼若 > (──────【拒絶】。形容するならば、その言葉が最適だっただろう。答えは、無かった。……何も、無かった。貴女の視界から、鬼若という己の存在が消えたのを──確かに、感じた。感じて、しまった。嗚呼、これは一体、何なのだ。どうして、嗚呼、────【嫌】、だ。悲しい。辛い。そんな言葉などでは表す事が出来ない程の感情が、鬼若を支配していた。そして、蝕んでいた。地が崩れ落ちて、己を構成しているモノががらがらと壊れ落ちて、そして己も堕ちていくこの得も言われぬ感覚。何よりも【嫌】で、【大嫌い】で、誰もが避ける事を望む──この、感覚。)(────【絶望】。)(鬼若の心境を表すならば、この言葉が最適だ。鬼若は、確かに今【絶望】していた。何処までも【絶望】に堕ち、【絶望】に蝕まれ、【絶望】していた。貴女が逃避の為に【拒絶】をしたのならば、鬼若もまた逃避の為に【絶望】していた。【絶望】という器に収まっていたからこそ、鬼若は今暴走せずに済んでいる。定義のないままにこの感情を持て余していたのなら、一体どうしていたのだろうか。) (2/23 17:06:59)
大和守/鬼若 > 「────」(──嗚呼、でも。これが、【拒絶】でなかったのなら。何れ程、救われたのだろうか。承諾されたのならば、鬼若は心から喜んだだろうし、それを拒否されたとしても仕方ないと割り切れただろう。伝えられずにいて後悔する事よりは、まだ良かっただろうから。でも。──【拒絶】された場合への心構えは、一切無かったのだ。一体、自分はどうしたらいい。何を、思えばいい。この絶望をどうしたらいい。喉が引きつって声が上手く出てこない。動こうにも体は一切動いてはくれない。あまりの【絶望】に、涙すら出てこなかった。けれど、このままで居る訳にはいかない事は鬼若も分かっていた。)「…………も、しわけ、ありませ……」(辛うじて絞り出した、謝罪の言葉。この状況を作り出した事への謝罪を。貴女に【逃避】という選択肢をさせてしまった事への謝罪を。) (2/23 17:07:10)
大和守/鬼若 > (鬼若は一歩、後退った。扉の前で深々と、謝罪の意を体で表すかの様に一度礼をして。今だ震える手で扉を開け、鬼若は貴女の部屋を出ていった。それだけを最後に、貴女と同じ様に。鬼若もまた、【逃避】した。今は少し、お互いに時間が必要なのだと。そう、悟ってもしまったから。)【逃避】〆 (2/23 17:07:21)