トール
雷のごとくゑゐりあん/トール > …あぁ。怖ぇなぁ(夜。新月の夜。影すら映らぬ闇の中。一人の男が、広い草原の上で立っていた。隣には、地面に突き立てられた巨大な斧と槌が合わさった武器“ミョルニル”。傍らにそんな得物を携えながら、誰かを、影を、嘘を、待っていた。ここはカイナントとウェントの国境にある草原。周囲に遮蔽物などはなく、影を作るものもないただただ広い開けた土地である。ここからは見えないがすこし歩くと騎士たちの駐屯所がある。影を狩るには、最高の立地だ。そんな場所で来るはずであろう人物を待ちながらトールはぽつりと、誰にでもなく漏らした)あーあ。…試してねぇレシピもまだあって、子供たちとも遊び足りないし、話してぇ仲間もいるし、部下たちとももっと笑いたかったし…。…死にたくねぇ(まるで誰かと雑談するかのような気楽さで、笑みを浮かべながらそういうトール。しかし、その恐怖は本物だった。その証拠に手は震え、心臓はうるさいほどに生きている。 (2/15 22:24:36)
ゑゐりあん/トール > これから起こるであろう出来事を予感したトールの体は、この場から全力で逃げ出そうとしていた。すべてを捨ててどこかへ行こうと。もう何もかも諦めようと。そう、訴えかけていた。だが、トールの意志が、それを一蹴した。もう二度と、逃げないと。二度と目を背けないと。誓ったのだから。ヘスティアに呼び出されたトールであったが、先方が何かトラブルに巻き込まれたのか結局彼女は来なかった。ゆえにトールは彼女に充てる時間全てを、対リューグナーに使った。彼がいない間に自身の裏切りとリューグナーの危険性について伝える副団長宛の手紙を書き、前々から目星をつけていたリューグナーを殺す場所へと移動。そしてどうやって戦うかを何度も、何度も考え抜いたのだ。…万が一にも、失敗は許されない)…お出ましか(するとトールは気配を感じ取ったのか、トールは気を引き締める。そしてトールの予感した通り、地平線から一人の男がやってくるのを確認した。コートをはためかせ、こちらへと歩いてくる一人の男。リューグナーだ) (2/15 22:24:44)
ゑゐりあん/トール > 「こんなところに居たんですねぇ、百騎長サマ。探しましたよ、騎士団本部にいないんですから、どこへ行ったのかと。思わず逃げたのでは?なんて勘繰っちゃいました」(ある程度の距離まで来たリューグナーは、相変わらずの胡散臭い笑みを浮かべてそんなことを言うトール。やはり、リューグナー。彼にはあえて何も言わなかったが後をつけてきたようだ)逃げるだなんて…馬鹿言っちゃいけねぇよ。もう逃げねぇって、決めたんだからよ(トールは笑って答える。何故だろうか。自分でもわからないが、何故だか笑みがこぼれる。湧き上がってくる。怖いというのに、逃げ出したいというのに、笑えてくるのだ)「それで…何のつもりですかねぇ?こんな影ができない場所に私を連れ出して。…まるで私を狩りたいかのようだ」(すると、リューグナーの雰囲気が明らかに変わった。笑みは浮かべているが、その言葉に明確な殺意を含ませている。…お見通しだったか) (2/15 22:25:32)
ゑゐりあん/トール > うるせぇよ、もういい加減正直になれ。わかってんだろ。今から俺が何をするかを「…えぇ、もちろん。…もう少し後になるとは思ってたので少々意外ですが…。…どうせこうなることはわかっていましたよ」(ゾワッ、とトールの背筋に悪寒が走る。それと同時に、トールはミョルニルを手にして構える。心臓の鼓動が早くなる、足が震える。…が、もう後戻りはできない。あとは…勝つだけだ)…罠だとわかっていながら来るなんざ…随分な自信だなおい「当たり前でしょう。あなたみたいなただの人間ごとき、私の相手じゃありませんよ。…それに、私たちイモータルは不死身なんですよ。どう…殺すつもりで?」(トールにそう問うリューグナー。彼もどうやら臨戦態勢のようだ。完全にトールを殺す気なのだ)殺して死なねぇかもしれねぇがよ…死にかけねぇわけじゃぁねぇだろうがよ「…」この近くには騎士団の駐屯所がある。てめぇを瀕死にした後にそこへ連れてけば、拘束できんだろ。お前を拘束した後に…じっくりと殺し方を調べりゃいいさ。だから…ッ(そういうとトールはミョルニルを大きく振り回し、リューグナーをにらみつける) (2/15 22:25:46)
ゑゐりあん/トール > 俺はてめぇに勝つ!!勝って…この国を…子供たちを護るッ!!(声を大にして言い放ったトール。そういうとリューグナーはため息をつき、トールをにらみつけた)「…図に乗るな」(そういうと同時に、リューグナーは駆け出しトールに攻撃を仕掛ける。リューグナーの能力は影に依存する。影がなければ何もできないのだ。ゆえにこの新月の夜。影のできないこの状態ではリューグナーは己の異能を使うことができない。しかし、リューグナーはそのことを計算に入れていた。相手が自分を殺すつもりであることはわかっていたのだ。だから準備をした)「フ…ッ!」(右のこぶしで殴り掛かると見せかけて懐から取り出したナイフを左手で握り、トールの脇腹に突き刺そうとする。しかし、トールも伊達に百騎長をしてはいない。リューグナーの攻撃を察知し、ミョルニルでこぶしを受け止めつつ、右足を使いナイフを蹴り飛ばした)っらぁ!!(そして蹴り飛ばした勢いをそのままにリューグナーに回し蹴り。間一髪で間に腕を挟めたリューグナーだったが、トールの太い脚から繰り出される蹴りをくらい後方に吹き飛ばされる)「ッチィ…ッ」 (2/15 22:25:55)
ゑゐりあん/トール > (すぐさま態勢を立て直しトールを見据えるリューグナー)「…多少はやるようですねぇ。私を殺すなんて寝言を言える度胸だけかと思ってましたが…」てめぇの能力のすべてを知ってるわけじゃねぇが…。今の行動を見て確信した。やっぱりお前は影がないと弱体化するらしいな。で、あれば勝機は俺にある…ッ(そういうと、地面を蹴りリューグナーのもとへと駆け出すトール。そしてそのまま跳躍し、リューグナーめがけてミョルニルを振り下ろす)「速い…ッ」(トールの身長ほどもある巨大なミョルニル。そのすべてが金属で出来ているというのにも関わらず、そのスピードは想像以上だった。今までトールが使ってきた得物はナイフをはじめとした小さく軽いもの。しかしそれは魔術を活かして相手をなるべく傷つけずに無力化するために使っていたにすぎない。しかし、今目の前にいるのは敵。殺さなくてはならない、明らかな敵。ならば、遠慮はいらない)ぅらぁぁ!!!(斧を下にして勢いよく振り下ろされたミョルニルをバックステップで避けるリューグナー。しかし、先ほどの蹴りの反動で一瞬反応が遅れ、彼のコートの前面が切断された) (2/15 22:26:07)
ゑゐりあん/トール > 「…このコート。オーダーメイドだったんですがねぇ。ボタンが壊されちゃったら、もう前を閉じれませんよ」安心しろよ。騎士団に囚われていりゃそんな心配をする必要はねぇからな。裸にひん剥いて一生牢に閉じ込めてやらぁ「おや。大胆」(と、冗談を言った刹那、リューグナーは懐からナイフを十本取り出しタイミングをズラしてトールに投げつける)俺の真似かよ…ッ!(数本はミョルニルで、しかし遅れてきた残りを回避することはできず、体を掠めてしまう。さらに、ナイフに気を取られてリューグナーがこちらへ接近していたことに気づかず、リューグナーがトールの顔面を鷲掴みにし地面に後頭部を勢いよくたたきつけた)が…ッ!!(間一髪受け身を取れたものの、それでも衝撃を完全に殺すことはできず、脳を揺さぶられてしまう。その一瞬を逃さずリューグナーは懐からナイフを取り出し追撃を試みる。しかしトールは相手がナイフを取り出すよりも早くに口を開いた)主よ。あなたの怒りは閃光となりて地を這う。主よ。あなたの閃光は怒槌となりて地を穿つ。主よ。万物を穿ちて万物を守護する力を…ッ「詠唱…!?」(トールの詠唱を受けリューグナーは急いで飛びのく) (2/15 22:26:23)
ゑゐりあん/トール > 我に与えたまえ…ッ!!(リューグナーが飛びのいたと同時に詠唱は終わり、トールの体からバチバチと雷が放出される)「危ないですねぇ。人は感電させてはいけないと教わらなかったのですか?」人外風情には通用しねぇ教えだよ。…クソが(逆立った髪の毛に電流を走らせながら立ち上がったトールだが、どこか苦しそうな顔だった。それもそのはずである。現在、リューグナーの手に握られているのは漆黒の大鎌。これは本来リューグナー自身の影からしか生み出せない武器なのだ。つまり…)「しかし助かりましたよ。あなたが魔術を使ってくれたおかげで、影ができたのですから。これはお礼を言わないといけませんねぇ。どうも」(そう。雷ができてしまったおかげで影もまたできてしまったのだ。だから、折角影がない場所を選んだ意味が無駄になってしまったのだ。しかし、あの時魔術を発動しなければ死んでいたかもしれない。ゆえにトールのこの選択は責められるものではない)…まぁいいぜ。ハンデには…もってこいだ!(そういうとトールはリューグナーに攻撃された際に手放してしまったミョルニルを再び手に取り、駆け出した。…が) (2/15 22:26:34)
ゑゐりあん/トール > な…!?(突然トールの視界が歪みその場で転倒しそうになる。慌ててミョルニルを杖代わりにして転倒を防いだが、しかし片膝をついて大きな隙をさらしてしまう)こ…これは…ッ。リューグナー…てめぇまさか…ッ!(何かに勘付いたトールは歪む視界の中でリューグナーを睨みつける。するとリューグナーは笑顔を浮かべながら。勝利を確信した笑みを浮かべながら鎌を携え、トールのもとへゆっくりと歩み寄る。その姿はまるで、命を刈り取る死神のごとし)「ご明察。先ほどあなた、私のナイフを掠めましたよねぇ?あのナイフ。…というよりも私の持ってきたナイフは全て毒を塗ってありましてねぇ。残念ながら死ぬような毒なのではないですが、ちょっとばかり体が動かなくなる麻痺毒でして。まぁ、結果どういうことかといいますと…」(そういうとリューグナーはトールの目の前に立ち、鎌を大きく振りかぶり…)「ゲームオーバーです。トール」(トールの胸を切りつけた)が…ッ!? (2/15 22:26:49)
ゑゐりあん/トール > (その傷は深く、トールの胸からは鮮血が噴き出る。見るからに致命傷。この出血では助かる確率は低いだろう。…が、リューグナーはさらに、鎌の先端をトールの腹に突き刺す)…カハッ(その先端はトールの腹を貫通し背中に突き出していた。さらに鮮血は飛び散り、口からも血を吐き出してしまう。もはや死は避けられない)「残念でしたねぇトール。私に勝てると思ったんでしょうが…。言ったでしょう?図に乗るな…と」(そういうとリューグナーは鎌を消滅させトールから離れる。そして支えをなくしたトールは前のめりに倒れ、その地面に生暖かい鮮血で赤い水たまりを作った。しかしそれでもトールは顔を上げ、必死に手を伸ばしリューグナーを殺そうとする)ぐ…が…ッ「あぁそうそう。いいことを教えて差し上げましょう」(去ろうとするリューグナーは、何かを思い出した、といった態度で立ち止まりトールの方を向く)「あなたが副団長に宛てた手紙…。内容は、あなた自身の裏切りと、私について…でしたっけねぇ?」な…ッてめ…まさ…か…ぁ…ッ!! (2/15 22:26:57)
ゑゐりあん/トール > (その言葉を聞いたトールの顔に、焦りやら怒りの感情が滲み出たのを見て、リューグナーはにやりと笑う)「あなた如きの企みに、この私が気付かぬとでも?あなたの態度から丸わかりでしたよ?副団長殿とのお茶会を終えた後の態度で」(そう。あの時すでにトールは態度に出してしまったのだ。感情に出すまいとしていたトールだったが、態度に出てしまっていたのだ)「いつもはもっと大人しいのに、あの時は随分と私に対して噛みついてきましたからねぇ。何かある、と思いましたがまさかこういうことだったとは」(裏切りが事前にばれてしまったのは仕方がない。しかし、あの時伝えられなかった自分の事実、心境、情報、そして懺悔全てが込められた手紙を。希望の希望だった手紙を、リューグナーにみられてしまった。奴に見られたということはイコール)「あぁご安心を。あれはすでに、“灰”になりましたゆえ」(消される、ということなのだ。それだけは決してあってはならなかった。ならなかったというのに)あぁ…ッ!あぁぁ…ッ!! (2/15 22:27:49)
ゑゐりあん/トール > (馬鹿な。馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な…ッ!手紙が無くなったってことは…誰にも俺の言葉が届かないってことは…ここで俺が死んでしまえば全てが闇の中ということになる…ッ。それはだめだ…!ヨズアとイモータルとのつながりを教えなければ、王国にいずれ害が及ぶ。それは…それだけは避けなくてはならないのに…ッなのに…ッ!)「結局。あなたは何もできずに終わるのですよ。愛する子供たちのために国を裏切り、仲間を売り、己を殺し。振り絞った勇気で動いた私殺しですが、結局それも大した傷を負わせることすらできずに終わる。…惨めですねぇ」 (2/15 22:28:06)
ゑゐりあん/トール > (リューグナーの声を、トールは薄れゆく意識の中で聞いていた。あぁ…ほんとに俺は馬鹿だなぁ…。国を護る為に…エクレを…家族を護る為に騎士になったっていうのに…誰かを傷つけることから逃げて…責任を持てないくせに不似合いな地位について…上司とも結局話し合うことすらできずに…国も裏切って…子供たちも裏切って…殺したい相手すら殺せずに死んでいくのか。ほんっと…馬鹿みてぇだなぁ…。ごめんなぁ…もっと頼れる上司だったら…お前らを引っ張ってやれたのに…。ごめんなぁ…俺がもっとしっかりしてたら…お前たちに責任を負わせずに済んだのに…。ごめんなぁ…お前らのこと…護ってやれなくて…。…ほんと…馬鹿で…ごめん…な…) (2/15 22:28:12)
ゑゐりあん/トール > ごめんじゃ…ねぇ…だろうが…ッ (2/15 23:10:45)
ゑゐりあん/トール > (立て…ッ。こんなところで寝てる暇はねぇだろうが…ッ。立て…ッ。何も護れてねぇくせに…ここで終わろうとすんじゃねぇ…ッ!立て…ッ!謝れば済むと思ってんじゃねぇぞ俺…ッ!!)「…おや。まだ立ち上がりますか。…いい加減しつこいですねぇ」(護るって決めたんだろうが…決めたんなら最後までやり通せ…ッ!じゃねぇと子供たちに示しつかねぇだろうが…ッ!!俺は誰だ。騎士だ。ウェンディアという太陽を、そしてその太陽を支える子供たちを護る使命を持った騎士だ。騎士のなんだ。百騎長だろうが。百騎長ってのは…そういう騎士たちの命、百人分を預かってるってことだろうが。なら、国を護れなくてどうする。国すら護れねぇ馬鹿が、国を護ろうと必死になって戦う奴らを護れるわけねぇだろうが。立て。立ちやがれ。死んでもいい。ここで終わってもいい。だが…自分が決めたことは、最後までやり遂げろ。だって俺はよぉ…) (2/15 23:10:56)
ゑゐりあん/トール > 俺は…ッ!ウェンディア王国カイナント、エクレ出身…ッ!フィニクス騎士団が百騎長トール…ッ。百騎長…トゥルエだ…ッ!!!!(血を垂れ流しながらも。瀕死の重傷を負いながらも、強い意志で立ち上がったトール。もう視界も暗くなって前すらよく見えない。だが、それでもここで立ち上がらなくてはならないのだ)「いい加減飽きたんですよねぇ…ッ」(しかしリューグナーはトールのもとへ一気に駆け寄り、右手でトールの首を絞めて持ち上げる)カ…ハァ…ッ!(息が詰まり、再び意識が遠くなる。…が、トールは地に濡れた騎士団の制服の中からナイフを取り出す。そして右手でリューグナーの腕を握り締め、更に自分の手も巻き込んでリューグナーの腕にナイフを突き立てる)「…ッ!何のつもりですか…ッ。最期の悪足掻きですか?」 (2/15 23:11:04)
ゑゐりあん/トール > (無駄な抵抗に首を絞めるリューグナーの手はさらに強くなるが、それでもトールはニヤリと笑う)最初に…言ったよなぁ…ッ。この近く…には…駐屯所がある…ってよぉ…ッ「それがなんだというのです」ここで…よぉ…バカでかい雷…が…起きたら…駐屯所の…騎士たちも気づくと…思うん…だよなぁ…ッ「あなた…さっきから何を言って」(呼吸すらまともにできぬ状況の中、トールは笑みを浮かべながらリューグナーに説明する。最後の。最期の悪足掻きを。さぁ、言葉を述べよう。仕上げと、いこう) (2/15 23:11:12)
ゑゐりあん/トール > 轟け魂よ「…あ?何を言って…」響け生命よ 唸れ意志よ 叫べ我らよ落雷のごとく 迅雷のごとく 激雷のごとく 万雷のごとく「…ッ!この雷…貴様まさか…ッ!!」喜べ 怒れ 泣け 笑え そして (2/15 23:11:20)
ゑゐりあん/トール > (じゃぁなみんな) (2/15 23:11:25)
ゑゐりあん/トール > 生きよ (2/15 23:11:32)
ゑゐりあん/トール > (元気でな) (2/15 23:11:40)
ゑゐりあん/トール > ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッッッッッッッッッ (2/15 23:11:47)
ゑゐりあん/トール > (巨大な爆音とともにトールの体から強烈な光と、自然雷をはるかに上回る電気が発せられる。トールが最期に述べた詠唱。それは、自身の体を巨大な発電のための装置とし限界以上の雷を生み出す魔術である。無論、そんな電撃にトールの体は耐えられるわけがない。それは代償として自分の命を奪う魔術である。この魔術を使い終わった場所は、まるで巨大隕石でも落ちたかのようなクレーターができ、後に残るのは炭化してしまったトールの遺体。そして同じく炭化し再生までに長時間かかってしまうリューグナーの体。そしてトールの雷に耐えうる丈夫な作りで作られたミョルニルだけである。これが、トールの奥の手だった。何かしらの手段でリューグナーの動きを拘束し、この魔術を使う。暗闇広がる夜である。巨大な轟音とまばゆい光が起きれば、さすがの騎士たちも様子を見に来る。そして二つの体を見つけ、あとはそれを騎士団本部に持ち帰る、ということである。イモータルがどれだけの再生能力を持っているかは知らないが、少なくともすぐには再生しないことは知っていた。ゆえに、己の命と引き換えに確実にリューグナーを捕らえる算段だったのだ。 (2/15 23:12:02)
ゑゐりあん/トール > トールの命を懸けたまさに決死の作戦であった)「…危ねぇな」(が)「ふざけやがってあの野郎。…マジで死ぬかと思ったぜ。…まぁ、生きてるがな」(大きく窪んだ戦闘の跡地にいたのは、炭化したトールの遺体とミョルニル。そして、片腕をなくしたリューグナーだった。あの瞬間。トールから光が生じる瞬間、リューグナーはそこから生じた自分の影から刃物を生み出し、トールの首を絞めていた腕を切り落とした。そして体を開放し、隣に突き立てられていたミョルニルに発生した影に間一髪逃げ込んだのだ。雷が終わり再び暗闇となって影は消失。そのため外に出ざるを得なかったリューグナーであったが、片腕を切り落としただけでピンピンしていた)「こいつ…まさか自爆しやがるとは…。…ふざけやがって」 (2/15 23:12:14)
ゑゐりあん/トール > (冷めた目でトールだったものを見るリューグナーは、怒りのままに彼の頭を踏み潰す。炭となった体はいとも容易く崩れ、その頭部は踏み潰されてしまった)「くそ…ッ。片腕を切り落とさなきゃ…マジでやばかったな。…あー…むかつくぜ本当によぉ…ッ」(詠唱が終わる寸前、トールの体に電流が走ったことを感じたリューグナーは、彼が雷を発生するのを待ち構えていたのだ。そして雷を放った瞬間に影から刃物を取りだし、急いで逃げ込んだというわけである。光は、あらゆるものよりも早いのだ。リューグナーはその性質を利用して、間一髪生き延びたというわけである。しかし、無論片腕を落としたのはリューグナーにとっても痛手である。当然この腕は再生するわけだが、片腕を切り落とした痛みは尋常ではない。今でも痛みが脳を刺激する。このまま確認に来た騎士団と戦闘するのは避けねばなるまい) (2/15 23:12:22)
ゑゐりあん/トール > 「は…ッ。ざまぁねぇなぁおい?命を代償にしてまで放った決死の魔術も、結局無意味に終わったんだからよぉ。…それに、さっきまではてめぇの大切な子供たちを殺すつもりはなかったんだが、気が変わった。…俺の片腕を落としたこの怒り、ぶつけなきゃ収まらねぇんでな」(そういうとリューグナーは窪みを登り始めた。このまま陰のある場所へと行き、その中でゆっくりと傷を癒すのだ)「あばよ。無能騎士」(最後にリューグナーはトールにそう吐き捨てその場を後にした。残ったのはヘスティアに頼み最優先で作らせたミョルニル。そして、家族のため、愛する者のために国を裏切り、そして最後は己の信念に従い雷のように戦い、雷のように散っていった百騎長の、遺体だけであった。フィニクス騎士団百騎長トール。真名をトゥルエ。享年、31歳である)【雷のごとく】 (2/15 23:12:28)