コルキカム&フュメオム

煙雨

大和守/コルキカム > (──ぐちゃぐちゃ、ぐちゃぐちゃ。そこは暗い路地の中。陽は落ちかけ、空が紫紺に染まった頃。湿った、聞いていて気持は良くないであろう音が響く。死して尚、人間としての尊厳さえ踏みにじられ、弄られ。紅く染まった剣先で溢れ落ちた臓物やらをつつき、破き、弄ぶ。けれどそれにも飽きた様で。青の髪──布を揺らし、コルキカムはゆっくりと立ち上がった。)「……つまんないのーっ!! 何でこんな脆いのー? アハハッ、要らないモノなんてやっぱり掃除されて正解なんだー! ちゃんと出来るボクえらーい! アハハハハッ! …………」(脆い人間に対する愚痴と、自分に対しての称賛を同時に吐く。その称賛の中には何も中身が無く、無理矢理歪め形を成したせいで可笑しな事になっている。嗤い、嗤い。けれどもその後にコルキカムは疲れた様にその顔から笑みを消す。探し物も見つけられない。手掛かりすら見つけられない。それだというのに、何故喜べるのだろう。この状況があまりにも馬鹿馬鹿しくて、溜め息を一つ溢したのだった。)   (2/12 18:02:11)


山葵@フュメオム > …あら。また随分と派手にやったものね。(ごぉん、ごぉん。夕暮れを告げる鐘の音と、透き通った真っ白な絽紗を広げたような煙霧。それを切り裂くような赤いシルクのリボン。紅で彩られた唇が開かれ、高温で焼かれ続けたようなしわがれた声が響いた。)あら、いけない。アタシったら…。…少し待っててちょうだい。(ぐるぐると低い地を割るような声を鳴らして、喉の中を潤わせていく。ぐおう、ぐおう、ぎおおおおぉッ。飢えた猛獣の如き耳をつんざく轟音をその細く薄い喉から吐き出してから、甘い柔らかな声を発する。)…ふぅ。……改めて、こんばんは。アナタ…どうしたのよ、そんな大きな溜息吐いて。(あくまで少し離れた場所からコルキカムを見つめる。薄目の男は、霧の中に今にも溶けてしまいそうだ。)   (2/12 18:27:08)


大和守/コルキカム > 「…………うわっ!? ……な、何だよもうっ! び、ビックリしたなぁっ……!」(ふと、辺りが霧に包まれている事に気付いて──そして同時、突如現れた貴方とその嗄れた声に瞳を丸くする。だがその直後、怒った様に貴方に言葉を掛けながら、辺りに擬音が浮かんでいそうな過度な動作をしていて。その表情がコロコロと変わっていく様子はまだ未熟な子供の様で、それを表す様に動作や言葉の節々には幼さが見えていた。)「…………べっつにー! オマエには関係ないもーんだっ」(ふいっと貴方から視線を逸らし、溜め息を付いていた理由は答えず。貴方がイモータル──同族である事は理解している故に敵意を向ける事は無いが、易々と身の上を語る気も無いと。これを貴方が見たら、可愛げが無いと言われてしまうだろうか。)   (2/12 18:43:56)


山葵@フュメオム > あらあら…。子供みたいな反応ね。まっ、別にいいけど。まだ可愛いものね。(子供のようにころころと表情を変え、言葉の随所に子供らしさが散りばめられたその同族のイモータル。拗ねた子供が見せる反抗心のようなものを垣間見せるコルキカムにふっ、と思わず笑みを溢した。)…まぁ、良いわ。別に聞いてもアタシに得があるわけでもないし。(そう呟き、コルキカムの残した無残な死体へと近寄る。その死体に触れると、みるみるうちに飛び散った血は蒸発し煙と化す。その肉も、骨も何もかもが、辺りを漂う白い霧へと紛れていってしまった。)……そんなに人間を殺して、楽しいのかしら?まぁ、楽しいならイイけれど。   (2/12 19:15:37)


大和守/コルキカム > 「…………わっ、すごーいっ! オマエって、凄いんだねーっ!」(先程までの不機嫌さやら反抗心やらは何処へ行ってしまったのだろうか。貴方が死体に触れた途端、霧に変わってしまったのを見て。本当に子供の様に瞳を輝かせ、貴方に向けてぱちぱちと拍手を送ろうか。)「楽しいよーっ!! だって邪魔で要らない奴等を掃除できるんだもんっ! そんな奴等を掃除したボクってすっごいでしょ!? すっごーっく! 偉いでしょーっ!? ………アハハッ!」(──ケラケラと笑みを浮かべ、ケタケタと嗤い。けれども何処か空っぽな自画自賛をコルキカムは口にする。それは親に褒められる事を望む子供の様で。愛を望む者の様で。そんな空虚に、自分は気付いているのかいないのか。ケラケラと。ケタケタと。コルキカムは嗤っていた。)   (2/12 19:33:04)


山葵@フュメオム > 当たり前でしょう?だってアタシはイモータルよ。人間にできないことだってできるわ。(ぱちぱちと拍手を送り目を輝かすその異形にふぅ、と息を吐く。そうして自らを偉いだのなんだのと御託を並べケラケラ笑う月に、煙は呆れ気味に声を漏らした。)偉くないわ。アタシから見れば、アナタは空っぽよ。全部ね。(ただ褒めてほしいと望む子供のようで、だけどその中には何も含まれていない。そうしてその嗤い声を掻き消すように牙を剥く。白く鋭い、本来ならば存在しえない異質な牙だ。)アナタは…そう、弱いわね。もっと賢く逃げ回ってみなさい。泥に塗れた鼠の如く。追い詰められた鼠の如く。それで初めて一人前だと、言えるんじゃないかしら。(その空虚な傲慢を叱咤するように。子供を叱る親のように。吐き出された真っ白な煙が、更に濃く風景を消していく。一度描かれた街並みは、まっさらなキャンバスへと戻っていった。)   (2/12 20:02:38)


大和守/コルキカム > 「……………………は? …………なにそれ」(──『偉くない』。──『弱い』。────『空っぽ』。その貴方の言葉に、コルキカムは大きく目を見開いた。人間からそんな事を言われた事はあれど、同族であるイモータルにそれを言われた事は無かった。花を見せてくれた彼女だって、その行いを偉いと。肯定してくれたのだから。だから尚の事、貴方の言葉が上手く理解できなくて。飲み込めなくて。──どうしようもなく、苦しくて。)「どうして……どうして、どうしてそんな事言うんだよッッ! ボクが偉くない訳がないんだっ、だって、だってちゃんと片付けたもん……! どうして、誉めてくれないの!? 何で認めてくれないんだよおッ!」   (2/12 20:22:30)
大和守/コルキカム > 「──ひどい、ひどいひどい、ひどいよ……!! ……だって、ボクはただ……っ!!」(まるでそれは子供の癇癪。貴方の言葉を引き金にして、コルキカムはそう叫んだ。沸き上がる激情に乗せてがむしゃらに言の葉を綴ったせいで、最後に繋ぐ筈の言葉を続ける事は出来なかった。鋭く、けれども子供の様に貴方を睨み付け、手に持った剣を強く握り締める。それでもそれを振るわないのは、何処かで貴方にこれを振るった所で当たりはしないだろうと、そう悟っていたからだろうか。心の何処かで、貴方の言葉が正しい事も理解している。だが、どうしてもそれを受け入れられない。──それを受け入れてしまったら、きっと自分の何かが壊れると。それも同時に、理解してしまっているのだから。)   (2/12 20:22:33)


山葵@フュメオム > …そうやって癇癪起こすところもまだまだ子供なのよ。…アナタ、自分の感情を取り繕ってるわね。別に人間を殺そうが食べようが、知ったことではないわ。アタシだってイモータルだもの。…でもね、自分の感情も制御できない、わからないようじゃあ、偉いとは言えないのよね。(剣を、折れそうな程に握り締め代わりに言葉の刃を飛ばすコルキカム。しかしそのストックも次第に切れていき、最後にはこちらを睨み付けるだけになった彼にするり、と近付く。金と青の瞳。金色を帯びた瑠璃にも似たその瞳を、真っ白く濁った双眸が見つめた。)…それでアナタが、納得出来ないならアタシは別にそれでも良いの。…なんだか説教臭くなっちゃったわね。ごめんなさい。(またするり、と蛇が這うようにコルキカムから離れては、再びその細い指を動かして霧を操る。次第に白い絵の具にも似た煙霧は、男を覆っていく。)   (2/12 20:40:24)


大和守/コルキカム > (此方へ近付く貴方をじっとりと睨み付け、貴方が何か行動を起こすようであれば此方も返すつもりであった……が。ーー『自分の感情を取り繕っている』。図星を突かれ、一瞬コルキカムは言葉を発する事が出来なかった。『どうして』と。『なんで』と。それは、そんな言葉を発する余裕さえ奪う程の衝撃だったから。冷静を取り戻し、そして貴方の言葉を噛み砕く。暫くの沈黙を経て、ようやく理解した時には。どうしようもないーー後悔、と言うのだろうか。罪悪感と言うのだろうか。負の感情に支配され、ふいと貴方から視線を逸らした。)「……ッ…………ごめん、なさ……い」(続けられた説教の様な言葉が余計にその気持ちを煽った。やがてあまりにも、居たたまれなくなって。コルキカムは、小さな謝罪の言葉を吐いた後に駆け出した。貴方に背を向けて。貴方から逃げる様に。泣きそうな表情を隠すように。ーー逃げて、逃げて、逃げたのだった。)【煙雨】〆   (2/12 21:02:31)