ヘスティア&アレイス
騎士と恋と錯乱と ~俺って、ほんと馬鹿~マリア/ヘスティア > (王国に帰ってきて、コーフの結婚式に参列した後の事。ヘスティアはアレイスに声をかけて二次会を抜け出して、夜のベンチで酔い醒ましをしていた。)「ふー……結構飲んじゃった。良い式でしたね、アレイス。」(彼を呼び出したのには理由がある。帝國からわざわざ迎えに来てくれたうちの一人で、自分に珍しい想いを寄せてくれている事が解っている彼。ヘスティアはどんな心境の変化か、彼を縛り付けておきたくないと思って、この関係に決着を付ける気でいた。)「ねぇアレイス、あなたも結婚したいと思う?」 (2/7 00:29:45)
グレー/アレイス ◆ > はい。まぁ、唯一と言ってもいい肉親の結婚式ですからね……楽しかったっすよ。(と、俺は笑顔になる。……最近、俺は悩んでいた。団長に対する大きなものとしては、この恋心。自分が努力すればするほど……かえって団長への想いが通じるまでは遠すぎるのだと。実際、2回攻城戦を行い、1回の防衛を行ったが、その全てで負けているという事実があるからだ。過日、前哨基地をひとつ落とすことに成功したものの、たまたまのマグレであり、事実として自分の軍には甚大な被害が出ている中、辛勝したという感じなのだ。努力をしても努力をしても……結局、現実を知り、打ちひしがれる。その中で、ヘスティアが団長の座を降りるというナイフのような事実が、俺の心を抉った。……もう、何をしても変わらないのだろうかとさえ、感じるほどに……) (2/7 00:38:51)
グレー/アレイス ◆ > あ……あれ……?なぜ……涙が……(と、俺は地を涙が染み込んでいることに気づく。努力しても努力しても報われない自分と、努力の果てに報われた弟。その劣等感もあるのかもしれない。)ああ……すいません…………正直、結婚したいかと言われたら、そうですけども……でも……(と、俺は何故か涙が止まらない……何をしても変わらぬ現実が、俺を密かに蝕んでいたという事実に……今更ながら、知ることとなったのだ。) (2/7 00:39:09)
マリア/ヘスティア > 「そう。」(夜風になびく髪を抑えながら、ふいと彼から目を背ける。アレイスが籍を入れたいと言うのであれば別にそれくらいどうってことはない。身体を重ねたければ拒むつもりもない。初めから彼にはそう言っていたはずだったけれど、どうも彼が望んでいるのはそんな事じゃないというのは薄々解っていた。)「ねえ、泣かないで。……私はあなたと結婚しても構わないですよ。以前言ったとおり、団長は辞任するつもりだし。……でも、その後あなたが何を望んでいるのか、私にはいまいち見えてこないの。私があなたの妻となって、あなたの帰りを待ちながら健気に支えたり、穏やかな日々を過ごしたり、とか?……だとしたら、私ではないほうがいいんじゃないかな、ってずっと思っていたの。私はそんな日々に幸せを見出す事は出来ないから。」(コーフの幸せそうな顔を思い出しながら、今日の為に選んだドレスの裾をつる、と撫でる。アレイスは、きっと私に彼女のようになれと望んでいるのだ。私はコーフにはなれないし、同じようにまた、アレイスに変わってもらう気もない。彼は彼のままでいてほしかった。) (2/7 00:41:49)
グレー/アレイス ◆ > っー……ふぅー……(と、俺は深呼吸をして、言葉を紡ごうとする。仮にも「魔術師」なのだから……しかし、紡ごうとするも……今まで自分のなかで抑え込んでいた自分の感情が堰を切ったように自分の中を巡り巡って……)俺……は……(と、言葉を紡ごうとするも……出てこない。)俺……は……ああ……(と、その場で崩れることしか出来なかった……)結局!!俺自身がどれだけ!努力しても何も報われないと思うと……何故か……涙が止まらないんですよ!!!!(と、感情がついに爆発する……どれだけ努力しても、努力をしても、結局独りよがりな恋心は所詮独りよがりな恋心なのだと知り……そして、その絶望に打ちひしがれた結果なのだろうか……) (2/7 00:49:48)
グレー/アレイス ◆ > はぁ……はぁ……俺は……貴女に変わって欲しいなどとは微塵も思ってない……ただ……!俺は……!貴女に相応しい人となれるように努力した!!けど!!!何も変わらなか゛った゛!!!それが!悔し゛く゛て!!(と、言葉が今度は流れる流れる……もう、自分の中で何が言いたいのかさえも分からないほど……感情が渦巻き、混乱していた。) (2/7 00:49:59)
マリア/ヘスティア > 「アレイス……」(ヘスティアは、アレイスの言葉に戸惑って、かける言葉を一瞬見失った。彼なりに努力している事は理解できたけれど、”相応しい男”というのがどういうものか、やはりぴんと来なかった。)「……あなた、もしかして……、私があなたの気持ちに答えられないのは、自分が戦に勝てないせいだと思っているの?」(そっと肩に手を添えて、これ以上彼を傷つけまいとするべきか、それとも自分の思っていた事を全て話すべきか迷った。迷ったけれど、きっと彼は――ヘスティアが何を思っているかなんて、考える余裕もないのだ。どうしたってこれでは自分が慰める側に回ってしまう。本当はアレイスに期待していた事も、このままじゃ話せない。意を決したように、心を鬼にして、ヘスティアはアレイスに語りかける。)「……”振り向いて欲しい”と何度も言ってくれましたね。……だけど、私だって、それは同じなんです。誰かに、私の事を見てほしかった。」 (2/7 01:02:07)
マリア/ヘスティア > (欲しい言葉は――きっと最初から、慰めなんかじゃない。もっと強く、獰猛で、勇敢な、自分の強さについてこられるような熱い激励だ。共に戦う事に立場なんか関係なかった。背中を預けても良いと思える女になりたかった。だけど、恋に溺れた男たちが言うのはいつだって、『キミを守る』なんていう甘い言葉。私の事をちゃんと見ていたら、そんな台詞が出てくるはずないのに。女だてらにつっぱっているとか、無理をしているとか、そんな風に情けをかけられるのだって、何よりも嫌いだった。アレイスもきっと、『団長を守る』と言いたくて頑張ってきたのだろう。もう、いい加減解放してあげなければ、彼はこのまま潰れてしまう。――そう思っているのに。)「……ねえ、私の事がそんなに好きなら、どうして私の言葉に耳を傾けてはくれないの?いじける男を見て同情を愛と勘違いできるほど、私は純情じゃないの!もう解ったでしょう、こんな女に恋していると勘違いするのはいい加減にして、守らせてくれるか弱い子を探せばいいじゃない‥…!コーフみたいなさぁッ……!!」(アレイスの感情に共鳴してか、ヘスティアの感情も大きく膨れ上がっていく。) (2/7 01:02:14)
グレー/アレイス ◆ > はぁー……はぁー……(と、叫びきったからか……俺は……)それは……違う……ただ……あなたに認めて貰いたかっただけだけなんだ……「よくやった。」と…………俺は!!守るのではなく!!貴女と共に戦い!共に笑い!そういった関係になりたかっただけなんだ!!!俺は誰かを守りたい訳では無い!!俺だって人間だ!!支え、支えられながら生きてるのに!!俺は!!ただ!貴女と共に!!辛い時は支えられつつ!!貴女が辛い思いをした時は支え合う!!そういう存在になりたかった!!なのに!!……もう……(と、言葉も出てこなかった……) (2/7 01:12:24)
マリア/ヘスティア > (ヘスティアは、アレイスの言葉を黙って聞いていた。彼を解放してあげなければなんて……本当は、きっと建前だ。この言葉は、私がアレイスに”言わせてしまった”言葉なんだ。彼だけは他の男と違うのではないかと期待していたのだ。ヘスティアはもうその気持ちを止められそうになかった。大きく手を振りかぶって、アレイスの額をぴしゃりと叩いた。)「……『なのに』って何なの!?『認めてほしかった』、それで!?『なりたかった』、それで!?『なのに、なのに、なのに』って、そればっかり、どうして!?私は最初からあなたを認めてる、じゃなきゃ戦に行かせたりなんかしない!負けたって、よくやったと抱きしめたでしょう!やっぱり何も聞いちゃいなかった!その目は私を見ちゃいなかった!」(彼を叩いた手が震える。ただの騎士に、どうして自分はここまで心を波立たせているのだろう。ヘスティアはアレイスの胸倉に掴みかかり、そのまま奪うように唇を重ねようとした。 (2/7 01:29:13)
マリア/ヘスティア > 「……ほら、こんなにも簡単に奪われる!私はね、いつだってこうすることが出来たんだよ!……しなかったのは、あなたを尊重したから!あなたが、他の男と同じにされたくないと思っていたと思ったから!……欲しいものがあるなら、あなたが奪う側に回らなくてはいけないのよ、アレイス!他の男に抱かれるのを黙って見ている時点で、あなたはその他大勢と変わらないままなの!」(ヘスティアは、いつの間にかぼろぼろと涙を零していた。ここまでこっ酷い態度を取ったのなら、いよいよ彼の気持ちが冷めるのも時間の問題だろう。――自分はうまく、悪役に徹する事が出来ただろうか。)「……何度目か解らないけど、もう一度言うね。私のような女を好きになってくれてありがとう。あなたの真っ直ぐな気持ちは、私が騎士団の中で一人ぼっちじゃないと思えるだけの支えになりました。嬉しかったよ。……だから、私、あなたに期待してしまった。……愚かでした。」 (2/7 01:29:26)
マリア/ヘスティア > (こんな事をするのは、あなたが初めてだった。自分に好意を向けてくれたままのほうが、よっぽど操りやすくて好都合なはずなのに、あなただけがイレギュラーだった。……そう言おうか迷った言葉は、ついぞ語られないままヘスティアはあなたに背を向ける。)「もう行って。」(やはり、涙は見せたくなかった。これがヘスティアという女なのだ、誰であっても、弱味は見せられない。……背中で語る姿は、最後の矜持。) (2/7 01:29:31)
グレー/アレイス ◆ > っ…!?(と、額を叩かれ……言葉をぶつけられる……そうだ。俺は既に認められていたでは無いか……なのに、何故それを認められたと思わなかったのだろうか……あの時、自分を励ましに来てくれたでは無いか……騎士団長という立場でありながら……そして、唇を奪われそうになるが……彼女はそれをせずに……言葉を続ける……その言葉は今の俺にはよく刺さる訳で……いや、この場合、差す訳でして……)……今まで、あなたのことを見れていなかった。あなたはやっぱり、美しい方だ。だからこそ……次に会った時にこの恋心が冷めていなければ……他の人にこの情熱が向いていなければ……その時には、改めて……いや、これ以上は言いません……では……失礼しました…… (2/7 06:17:52)
グレー/アレイス ◆ > (と、俺は語ることなく、この場を後にする。……愚かなのは自分なのだ。あそこまでしてくれて、思っていてくれていたのにも関わらず、自分はそれに気づくことが出来なかったのだから……自分の価値観をあてて、押し付け……ホントに、俺ってバカだな……でも、もうこんなことは起こさないし……もう、相手を悲しませたりなんてしない。俺は頑固なのは知ってるだろう?) 【騎士と恋と錯乱と ~俺って、ほんと馬鹿~】 (2/7 06:18:03)