ハンス
錐体外路の不在フルディア/ハンス > 「どういう使い方をしたらこんな風に壊れるんだ?」(機械騎士から修理の依頼が舞い込んだので作業場に足を運んでもらったのだが。彼の右腕のアーツは手首が120°外向きにひん曲がり、噛み合わせがおかしくなった関節はニュートラルポジションに戻らなくなっている。しかしそのほかは通常の損耗の範疇で全く異常がない。)『いやっそれが…同僚との腕相撲でしてっ…負けた拍子に机のへりに手首を打ち付けてしまいましてっ…』(眉間に皺を寄せたガタイのいい髭面に問い詰められ若い騎士はしどろもどろだ。とはいえ本人に責めるつもりは毛頭無い。)「なるほどな…正直そんな状況は設計段階では想定してなかったよ。次のバージョンでは改善しておこう。だがまあ今のところは現行モデルの取り替えで我慢してくれ。」(彼のアーツを肩から取り外す。型番を確認し在庫を探す間、少し世間話をすることに。)「ところで腕相撲の相手はアーツか?」『いえ、生身でしたよ。』「そうか…お前の敗因はなんだと思う?」『えっ…うーん……』「アーツは単純な力比べなら生身に負けないさ。とすれば、敗因は反射速度の差だろう。」 (2/5 21:59:12)
フルディア/ハンス > (スペアのアーツを手に取って戻ってくると、若い騎士はなるほどといった表情をしている。)「アーツはなるべく肉体に近い動きができるように努力しているが、あくまで機械だ。生身の肉体は、意識した時にはすでに動作が終わっているというが…その域には至っていない。最大出力に達するまでにさらにラグもある。…生身の左腕と同じと思うな。これがおれからのアドバイスだ。」(換装を済ませて動作確認をしてもらう。よし、一通り問題無さそうだ。)「ま、こんな話をいちいち意識してたら余計に反応は鈍くなる。知識として頭の片隅に留めといてくれって事だ。腕相撲はいい訓練になるだろうし、これからも続けたらどうだ。進歩があったら教えてくれよ。もちろん、十分広いテーブルにタオルでも敷いてやってくれ。」 (2/5 21:59:27)
フルディア/ハンス > (礼を言って出て行く騎士を見送って、手元の故障機に目を落とす。)「関節のデザインは難問だな。可動域の多寡はともかく、ニュートラルポジションに戻らないのは大問題だ…何がやらかしたんだ…?」(呟きながらデスクライトを点けて問題の個所をチェックする。本来なら、多少関節が外れた程度であればぶらぶらと力が入らなくなるはずで、このように噛み合わせがおかしくなるということは内部でパーツが破損していることを意味する。)「見つけた、こいつだな。…いやはや厄介だ。さてどうしたもんか…。」(気づけばもう日暮れ時、先に早めの夕飯とシャワーを済ませてから取り掛かることに決めた。白衣の胸ポケットから煙草を取り出すと部屋を出て扉を後ろ手に占めながら火を点ける。難題は、楽しみだ。)〆【錐体外路の不在】 (2/5 21:59:40)