ヨハン&セリヤーナ
接舷マリア/ヨハン > (スザン戦を終えたヨハンは、旅団の仲間たちに事情を聞いてはじめて、王国とヨズアが手を組んでいた理由を知った。再会を待ちながら彼女が王国の当局から釈放される時を、1日、2日、3日と待った。『オレは神殿に居るよ』と旅団に言い残し、時折ギゼムと会って刺青の施行を進めてもらいながらスザンのスラムに通う日々であった。)「……ここにまた来る事になるとはなァ……。」(ふと上を見ると、粗末な神殿に似合わないエメラルドが輝いていた。ふるふると頭を振り、思考を切り替えると、誰に話すともなく独り言を零し始めた)「……セリヤーナ、びっくりするかなぁ……オレが旅団になったって聞いたら。怒られるかもなァ。……知ったこっちゃねーや。地に足を付けるって……決めたもんな。」(少しだけ眠ろうと目を瞑る。後頭部で掌を組み、椅子の背もたれに体重をかけると、刺青を彫ったばかりの背中に激痛が走り、びくっと身体をこわばらせて)「……っっだぁあッ……!!!!!!!いってエェエェエ………」(神聖な場所に似つかわしくない大声を出し、椅子から転げ落ちた。) (2/5 00:33:04)
フルディア/セリヤーナ > 「こんなところで何ひっくり返ってんの?少年」(やっと病院から抜け出す許可を得た。町をうろつく前に祭壇に挨拶に来ると、素っ頓狂だが見知った声が聞こえた。あぁ、やはりそうだ。)「久しぶりだね、ヨハン。元気そうで何よりだ。」(痛みに悶える彼をさしおいてひとまず祈りを捧げる。もうしばらくの経過観察中に逃げ出さないようにと司祭に荷物を隠されたので神殿に供えるものを何も持ち出せなかったことが悔やまれる。)「まずは君にお礼を言わないとね。戦場では命を救ってくれてありがとう。あの頃よりずいぶん成長したんじゃない?」(頭を下げて礼を伝える。ヨハンの顔つきもいくらか精悍になったような気さえする。)「しかしキミが戦場に立つ日が来てしまうとはね。。喜んでいいのか迷うところだ。旅団を、名乗ることにしたのかい?」(祭壇から一歩離れたところに腰を下ろし、ヨハンを手招きする。) (2/5 00:47:35)
マリア/ヨハン > (ふと、頭上から声がした。耳慣れた声だ。ヨハンはばっと身体を起こし、声の主を見る。彼女こそ、ヨハンの待ち人であった)「……!……み、見てたのか。あー、……その…………久しぶり。」(罰が悪そうに肩をすくめ、椅子に手をかけヨハンは立ち上がった。0コンマ何秒か、うつむいた後にあなたの目を見て、字を呼ぶ。)「……セリヤーナ。」(彼女とは数週間の旅路を共にしたが、最後に会った時の出来事を思い返すと、少し気まずかった。自分は彼女に手を出そうとして、そして、惨めに去った。しかしそんな事は意にも介さない様子で爽やかに話しを振る彼女に、今は助けられる事にして。)「……あー、まぁ……。…………まぁなアッ!!あはははッ!!!」(すくっと背筋を伸ばし、ぽりぽりと頭を掻きながら笑い飛ばすと、手招きされたままにあなたの隣へと腰をかける。) (2/5 00:54:14)
マリア/ヨハン > (すくっと背筋を伸ばし、ぽりぽりと頭を掻きながら笑い飛ばすと、手招きされたままにあなたの隣へと腰をかける。)「セリヤーナが喜ぶかどうか、そんなこたー端から計算に入れちゃいないさ。産まれながらにして旅団ってヤツのほうが少ないだろ。……見てよ、もうちょっとで刺青も彫り終わるんだ。まぁ、ちっちゃいけどね。もっと派手でデカイのにしてくれって言ったんだけどなぁー。」(言いながらうなじのほうから指で服をつんと引っ張り、背中をあなたに向けた。)「オレはもう礼拝は終えたから、先に済ませちゃえば?……積もる話しもあるし。」 (2/5 00:54:20)
フルディア/セリヤーナ > 「そう?じゃ、お言葉に甘えて。」(腰をあげて祭壇に進み出る。王都にはこんな場所はなかったから、所作を踏んだ礼拝は久しぶりだ。丁寧に祈りを捧げ、武運を願い、再会を感謝した。)「お待たせ。積もる話はここで聞かせてよ。こういう雰囲気の場所は久しぶりなんだ。」(心地よく懐かしむような笑顔を見せて彼の隣に再び腰掛ける。)「積もる話、か…。キミの人生だ。あのとき追いかけることはボクにはできなかったけど、心配してたのは事実だよ。あの頃のキミは野営の技術も知識も半人前に毛が生えた程度だったからね。」(小さくくすりと笑って見せる。)「それが今ではすっかり芯が通ったんじゃない?ボクはキミの決断を最大限尊重するよ。そして改めて命を救ってくれたこと本当に感謝する。巡り巡ってキミのいくつもの決断でボクは助かったんだ。」(真剣な眼差しでヨハンを見つめる。)「ところで一人の旅団員として、同輩への興味で聞くけれど、今後キミは旅団としてどう立ち回るつもりだい?」 (2/5 01:20:46)
マリア/ヨハン > 「あぁ、そう?……んじゃ、そうするか。」(祈りを終えたあなたに、ヨハンは笑みを浮かべた。屈託のないとは言えないが、ゆるゆると上がる口角には、前にあった時よりほんの少しだけ余裕が見えるだろうか。)「はは……返す言葉もないや。それに、あの時の話をされたらオレ、なんかいたたまれないな。……悪かったよ。あんたを犯そうと思ったじゃない。」(肩を竦めながら、懺悔するにしたってあまりに未熟な言葉を吐いた。)「だけどさー……セリヤーナだって無防備だった……いや、ごめんごめん。こりゃ当てつけだ。でもこれからはオレの事もうちょっと、男として見てくれたっていいんだぜ」(ヨハンはそう言うと、けらけらと笑う。──不思議な関係だ。男と女でありながら、交わす言葉のあけすけさはどこか同性の友達のようだった。) (2/5 01:39:32)
マリア/ヨハン > 「いや、礼なんて。こっちこそだよ、生きててくれて……。そのー……んー、なんか照れるな。……まぁ、うん!そゆことなら、ウィン・ウィンの関係だなっ!よそうぜ、一夜を共に過ごした仲だろ!」(先程は気まずそうにしていたその舌の根も乾かぬうちに、質の悪い冗談を放り込んで。ふと、真剣な目に気づいて、あなたに応える言葉を探した。)「……だな、実はそれが本題なんだ。会いたかったのは。オレがこれから言うことに、より興味そそられてくれることを祈るよ。────せセリヤーナ、単刀直入に言う。王都を攻めないか?」 (2/5 01:39:43)
フルディア/セリヤーナ > 「そりゃあね!キミ相手に警戒するまでもないってことさ!」(無防備と言われたことに大笑いして。)「ま、確かにお互い様だね。このくらいにしとくよ。褒められ慣れてないみたいだしね、少年。」(くつくつと可笑しそうに笑って、さてここからは真面目な話だ。彼の提案はかなり大胆だが、悪くない。自分の見通しともマッチしている。)「いいね、最高だ。そうでなくちゃここの砦を奴らに渡したかいが無いってもんよ。」(カフェなんぞに行かなくてよかった。こんな物騒な話を街中でしたら騎士団が出張ってくる。)「とはいえそう簡単じゃないだろうね。どこから崩す?尊華の手でも借りないと、戦力差は埋められない。」(自分の意見もあるにはあるが、まずは彼の意見を聞きたい。もうふらふらと流離っていた頃のヨハンではないと、肌で感じている。) (2/5 22:01:26)
マリア/ヨハン > (例の件について、笑い飛ばしてくれたのはヨハンにとってかなりありがたいことだった。本来ならば軽蔑され、なじられてもおかしくないような事ですらあるのに。セリヤーナという人物の器の大きさというものを垣間見た気がした。そして、本題へと移ってゆく。)「……そう言ってくれるか。実は、とんでもないと一蹴されるんじゃないかとちょっと心配だったんだ。騎士団から聞いたよ、共闘の代わりにスザンの前哨基地を貰ったんだって?……なあセリヤーナ、王国ってのはオレ達の思ってる以上に馬鹿みたいだな。ホーリアとスザンに囲まれた王都。……これを狙わない手はないよな?」(すると、彼女から帝國の名が出る。パチンと指を鳴らしてそのまま人差し指を突きつけ、ヨハンは『それだ』と言った。)「ああ。カイナントとカンタリ、これを落とさせよう。‥…オレ達の居たキャラバンはリントの前哨基地を全て落とした。こいつを引き換えにして、帝國と手を組もうか?それとも、プロパガンダをやるかい?二国をけしかける余地もなくはないと思うよ。……何か良い案はある?」 (2/5 22:29:25)
フルディア/セリヤーナ > 「馬鹿かどうかはともかく、ずいぶん前のめりであることは確かだよ。今の団長がなかなかのじゃじゃ馬でね。逆に尊華は引きこもりだ。じゃじゃ馬にちょっかい出されたのを跳ね返すか、取られたところを取りかえすかばっかり。」(実際話してみてあの団長は謀略をめぐらすタイプではなさそうだが…馬鹿と侮っては足元をすくわれる。)「キミの策も悪くないと思うよ。ただ…交渉の材料としては釣り合ってないんじゃないかな。たとえばボクが尊華の立場ならこう言うね。」(ああ、楽しくなってきた。こういう謀を練るのは実に面白い。)「リントはもともと我々のもの。それをそちらが侵略しておいて返却するから力を貸せとは何事か。ってね。」(肩をすくめてヨハンを見る。すべてこちらの都合のいいようには転がらないものなのだ。) (2/5 23:01:13)
フルディア/セリヤーナ > 「引きこもりの尊華を動かすだけの材料はそろっているはずさ。実際2年前は尊華が優勢を保って和平交渉し、そこへ今となって先にちょっかいかけてきたのはウェンディアなんだ。防衛優先の今の采配に不満をもつ兵もきっといる。そのあたりを説得の材料にして、あとは手土産だね。…ねぇ少年。キミは王都が欲しいかい?」(一人で盛り上がってしゃべってしまったことを少し反省し。一息ついて足を投げ出して空を見上げて彼の返事を待つ。) (2/5 23:01:20)
マリア/ヨハン > 「釣り合ってない、か。……帝國にとってもリントは大事な土地だと思ったんだケドなぁー……ん、セリヤーナに持ちかけたのは正解だった。このまんまじゃオレもあんたの言うところの無鉄砲なじゃじゃ馬になってたところだ。」(肘と膝をくっつけて頬杖を尽きながら足と何度か揺すって、流し目であなたを見遣り、相槌を打ちながら。)「ああ、下っ端は不満だろうな。だけどそれでも頑として動かないのは、ひとえに尊華の、上下の縛りが強い事も意味していると思う。結局は上のもんにうんと言わせる必要がある……けど、感情に訴えかけるカードはなるべく多いほうが良いのも確かだ。これはオレの親父の受け売りなんだけどね、『宣伝効果のほとんどは感情に訴えかけるべきもので、知性に対して訴えかけてしまった途端、不毛なディベートとなる。』商業も政治も、通じるものはあると思うよ。当然侮る事はできないにしろ、相手に知性が通じない事も想定しておくべきだろうな。……手土産って?」 (2/5 23:18:48)
マリア/ヨハン > (それが菓子折りなんかじゃない事は明白だった。領土、だろうか。帝國にくれてやる事が出来る地があるとすれば…エンジュ、ルガム、カーヤ、マージあたりか……故郷のマージを引き合いに出されたら、流石にキツいな……そんな事を思いながら、流れを変えるように投げかけられた質問に、ぴたりと身体の揺れを止めた。)「……それはどういう意味?オレに王様にでもなれって言ってる?」 (2/5 23:18:52)
フルディア/セリヤーナ > 「へぇ~…親父さんずいぶんなやり手なんじゃない?なかなか鋭い言葉だね…」(感心したように顎に手をやってふむふむと頷いて。)「あぁ、確かに上下の規律は厳しそうだね。まぁでも、どちらにせよ細かい尊華の状況は未だわからないし、交渉本番の前に帝都で少し情報を集めたいね。」(彼の思索を待つ。王様か。自分はもちろん、彼も、あるいはもしかしたら旅団のメンバーで王様やりたい人は少ないかもな、なんて。) (2/5 23:51:20)
フルディア/セリヤーナ > 「ううん、そうじゃなくて。王都は帝国にくれてやれってことさ。」(掌を上に向けるジェスチャー。もう少し自分の考えを披露してみる。)「今回スザンでやったのと似たようなことをするの。最前線には尊華を出させて、ボクらは死なない程度に支援したうえで本命の手柄は遠慮する。その代わりに何か報酬をもらうって寸法さ。この線で考えると、一番効果的なのはホーリアを渡すこと、というわけ。」(どう?と目くばせして、もう少々付け加える。)「ただし当然デメリットもある。王国を首尾よく潰せたとして、帝国が強大になりすぎるんだ。その後のボクらの立場は、依然悪いままかもしれない。」(渋い顔をして目を伏せる。王国を潰すことにこだわりすぎ、成果を急ぎすぎ。しかし急がなければ膨れ上がる2国の力に押し流されてしまうのではないか。)「キミのいうように、南方の領土を攻めて、焦らずに外堀を埋めるほうが現実的かもしれないね。結局一発逆転なんて、都合よくはいかないんだろな。」 (2/5 23:51:31)
マリア/ヨハン > (貴女の言葉を、全て聞き終わるまでヨハンは黙りこくっていた。帝都で情報を集める、王都は帝國にくれてやる、か。自分と違って、セリヤーナはかなりの慎重派なようだ。)「……なるほどね。さっきの質問はそういう意図だったか。なら、改めて答えるよ。……セリヤーナ、オレは……王都が欲しい。」(赤く滾る目をかち合わせて、貴女をまっすぐと見据える。口にすれば余計に、その思いが強くなるような気がした。)「”何か報酬”なんて曖昧な目標じゃ、仲間すら動かないかもしれない。ホーリアとスザンが旅団優位にある今を逃せば機会を失いかける可能性すらあると、オレは仲間に訴えかけるべきだと思うんだ。希少性ってヤツは、物事の価値すらも変える。できればこの流れを掴みたい。……スザンについては、あんたがやってくれた事だから、オレは都合よくそれに乗ろうとしてるだけではあるけどさ。」 (2/6 00:10:13)
マリア/ヨハン > (目を瞑って、ふうと息をついた。口が思考に追いつかない。もっと時間が必要だ。なるべく風呂敷を広げすぎないように要点を絞って整理していこうとする中――ひとつ、セリヤーナの案に気になるところがある事に気づいた。)「なあ、帝国領になったウェントをもう一度侵略する腹づもりなら、ホーリアからの援軍は出しづらくなるよ。セリヤーナ、もしかしてだけど……あんたは帝國を優勢にさせても構わない程、…………王国が憎いのか?」 (2/6 00:10:18)
フルディア/セリヤーナ > 「承知。ならさっきの話はすっぱり忘れてくれ。王都を攻めるための算段を立てよう。」(首を振ってため息を一つ。少々熱くなりすぎたろう。頭を冷やしたほうがいいな、と思っていると、やれやれ、なかなか鋭いじゃないか。少ししゃべりすぎたな、と内省する。)「憎いってのは少し違うね。単に気に入らないだけさ。」(頭を掻きながらまだ続きを聞きたいか、と視線で問うと続きを促された気がした。)「何のことはない、キミにだって馬の合わない人間の一人や二人いるだろう?ボクにとってはそれがウェンディアだってだけの話だよ。」(もう一度首を振って息を吐く。先ほどと比べると伏し目がちで語る言葉にも幾分か元気が減っている。) (2/6 00:39:16)
マリア/ヨハン > 「……そっか」(どうやら積極的には語りたくない様子だ。触れてはいけないものに触れてしまったのだろうか、とざわつく心を抑えて。)「……それ以上は聞かないほうがいいなら聞かないけど。もしまだ何かあるんなら、その気に入らない理由ってやつを話してくれよ。オレはそんな事でセリヤーナの人間を見ようとはしない。」(どこか勢いが減ったように見えるのは、気のせいだろうか。この戦争を私怨だと―例えそうでなかったとしても―セリヤーナに自覚させてしまっては、彼女はやる気を失うかもしれない。こと彼女に関しては、感情ではなく知性に対して訴えかけるべきイレギュラーなのだとヨハンはこの瞬間心に刻みつけた。)「続きは焚き火でも囲みながらでも構わない。……俺たちのキャラバンに、合流しよう。紹介するよ。ギゼム達をさ。」 (2/6 13:51:18)
フルディア/セリヤーナ > 「ごめんね、自分のことを話すのは得意じゃないんだ。まあ…性分ってやつ。気を遣わせちゃったね…」(苦笑してもう一度ため息ひとつ。)「まあ大した理由じゃないんだけど…さ。ヤツらは旧い魔術師の誓いに背いた。それだけさ。」(相変わらず伏し目がちだが視線と声音はしんと冷たい。…一呼吸置いてぐっと伸びをする。)「それじゃあお言葉に甘えて、キャラバンに合流してからその先の計画を立てようかな。でも準備もあるし、一日時間をちょうだい。ここの街も見てまわりたいし…」(立ち上がって埃を払い、ぴしっとヨハンを指差して。)「よし付き合え、少年。買い出しがてら街を見物しよう。調味料やら日用品やらを調達して…それと焚き火を囲むなら、葡萄酒が欲しいね。…あぁ、キミにはまだ酒は早いかな、少年。」(調子が戻ってきた。朗らかに笑ってみせる。今日一日までは嵐の前の静けさということになるだろう。いままでで最も大きな戦いになるのは明らかだ。より良い準備と休養こそが、より良い戦果に繋がるはず。)〆【接舷】 (2/8 22:40:57)