かれん&明松&鬼若
浄土、愛の篝を掲げマリア/かれん > (最後の夜が始まる。――小さな神社の神楽殿の中に身を隠し、どれくらいの時が経っただろうか。共に死ぬ方法を探して闇雲に言葉を重ね合い、生前の記憶を手繰ろうにも、かれんは自分の中にある真実をなぞるばかりで時間を浪費してゆく。――潮時だ。)「……柳くん。……」(そう真名を呼ぶと、ゆっくりと生気のない白い手をあなたの首に伸ばした。まだ、諦めちゃいない。けれど、彼をこのまま、自分を愛していると思っていられるうちに殺してしまいたいと思うのもかれんのイモータルとしての意志には違いなかった。引導のセリフの代わりに、何度目か解らない誓いの言葉を口にする。)「……八百万、由縁の紫を誓わせ給へ。」 (2/2 00:15:16)
シロー/明松 > 「かれん⋯⋯。」(神社の中に身を隠して座り込み。何度も何度も言葉を交わして、時間だけが過ぎていった。暗がりで向かい合い、どちらからでも無く名を呼びあったのは自然な流れであった。何か、何かを言おうと、暗がりの中で輝いて見える瞳を見つめながら、同じ様に首に手を伸ばす。)「⋯⋯八百万、夫恋の紅を契らせ給へ⋯」(婚儀の言葉に確かな魔力を乗せて、重たく静かな声で呟くと、細く白い首に両手を宛がった。────最後に、言いたいこと。)「⋯⋯っ俺、もう、実は⋯⋯」(⋯⋯自分がもう、異能も解けていて、それでも好きだと。異能のせいじゃない、〝偽り〟じゃなく、本当にかれんを愛していると打ち明けたら、かれんは、幸せになってくれるだろうか。かれんの人生で、自分が一番になれるだろうか。⋯⋯言わない方が幸せか、それとも、言った方がいいか。そんな事を最後まで考えながらも、宛がった手に力が籠っていく。)「⋯⋯あいしてる。」(そんな時、石畳を踏みしめる音が聞こえて、思わずはっとして扉の方を見遣った。) (2/2 00:32:35)
大和守/鬼若 > 「──天之命 想いしまま 風月宿りて 大翔駆けし 濡羽色 我が身我が命 此の手中 我が心在りて 宿し給へ」(自分がこの神社に来たのは、ほんの気紛れだった。長い捜索の途中でただ立ち寄っただけ。もしかしたら、こんな場所に居るかもしれないなんて。何かを願うこの場所に居るかもしれないと。ただそう思っただけだ。軍人としてではなく、一人の魔術師として。それを表すように、今鬼若は軍服を着てはいない。黒を基調とした着物に身を包んでおり、寒さへの対策として羽織を掛けているせいで一瞬誰か分からないだろう。鬼若自身も、こんな格好をしたのは久しい。)(石畳を踏み、瞳を閉じた。この魔術を使用するにあたって、視界というのは少しばかり邪魔になる。深く息を吸い込んで、魔術を紡ぐ。顕現した魔術は、風を起こすもの。ありとあらゆる場へ、室内にさえも風は吹く。それらは何処に何があるかを正確に伝え、把握する。そのお陰で、神楽殿の方に二人の人物が居る事を鬼若は把握した。間違っていればさっさと去れば良いと、躊躇なく歩いていき、そして。) (2/2 16:05:46)
大和守/鬼若 > 「あ……。…………。…………勘違いして喚くなよ。俺は別に捕まえに来た訳じゃねぇからな。……言いたい事があって、来た」(扉を開いた先には、見覚えのある男と、面識の無い女が居た。恐らく、その女がイモータルなのだろうか。覚悟の上で来たのだから、特に気にする事でも無いが──彼らは、首に手を掛けていた。…………。──心中か? ──心中──死? ──突如過ったその単語に、頭が真っ白になる。聞きたいと思っていた言葉すらも消え失せてしまう。口をつぐむ。長い沈黙。その後、ようやく動揺から解放され、口を開いては言葉を紡ぐ。それは何時もの高慢なものではなく、焼き菓子の時に見せてしまった様なもので。軍人としてではなく、と言ったのだ。何時もの口調では軍人としての気持ちが拭えない。故に、素を晒して。鬼若は貴方達を、彼──明松を。見つめていた。) (2/2 16:05:59)
シロー/明松 > (はぁっ、と焦りからか浅い息が漏れ出た。頭を過ったのは先程の強盗紛い。街中で目立つ魔術を使ったのだ、今頃騒ぎになっている頃だろう。邪魔をするならば殺す、と落ち着かない頭の中で呪文を纏めた。室内であると言うのに吹き付けた風が、汗で額に張り付いた前髪を散らす。この状況にあってはその不自然さは隙間風なんだと意識外で感じており、かれんの首に宛がった手を緩めて近づく足音を待った。)「⋯⋯っ⋯⋯大佐」(開かれた扉。月明かりが殿内に伸ばした影の先に立っていたのは、つい先日言葉を交わしたばかりの見知った姿であった。絞り出すような掠れた声を上げると、釘を刺すように放たれた彼の言葉に、喉元まででかかった悪意ある言葉を思わず飲み込んだ。一瞬だけ瞳を僅かに細めて、表情を沈鬱なものに変えた明松だったが、すぐにかれんの前に立ち塞がるように腰を上げると、真っ向から大佐を見据えて口を開いた。普段の明松らしくない苛烈さを孕んだ瞳で睨みつける。) (2/2 19:46:29)
シロー/明松 > 「⋯⋯っ、何を言っても変わらんからな、かれんを殺すのは俺だ⋯!大佐でも邪魔させん、何を言おうとこの人は俺の⋯⋯⋯⋯」(言葉を探して口を噤み、瞳を動かしながら悩む素振りを見せると、硬直する体に鞭打つようにあらんばかりの声量で叫んだ。)「俺の妻だ!!!⋯⋯この人の為ならなんでも出来る!邪魔するなら⋯⋯殺すぞッ!!」 (2/2 19:46:37)
大和守/鬼若 > 「…………喚くなっつっただろ、うるせぇな……。別にそれを止めに来た訳でもねぇ」(──邪魔をするなら殺すぞ、と。その強烈な言葉を叩き付けてきたのが何の関係もない者だったのなら、此処まで傷付く事は無かっただろう。その言葉にちくりと痛んだ心を隠し、溜め息を一つ溢せば何処か呆れたような眼差しで明松を見遣り、その言葉に応じる。だが、その直後その瞳が変わる。イモータルの前に立つ貴方を、じっと。見定めるような、憐れむような──はたまた、縋るような。意図の読めない紅の右目で、見つめていたのだった。) (2/2 20:46:54)
大和守/鬼若 > 「……お前の妻とやらの前で言うのもどうかと思うが……篠に聞いた。お前、篠に嫁に欲しいって言ったらしいな。そう言ってた癖に、そのイモータルを妻って……何だ? イモータルの異能とやらにでもやられたのか?」(──言いたい事。これがその一つである。聞きたい事、と言っても良いだろうか。篠と会話を交えた後に考えていたのだ。あの時は冷静になっていなかったせいか、ふざけるなとそんな事を思っていたが──冷静になってみれば、現状その可能性が一番高いのではないかと。……そうであれば。イモータルの異能に惑わされ、裏切りを決断する事になったのであれば。そうなのであれば──返答次第では、救いたいと。今の彼にとっては、検討違いも甚だしい発言をしてしまったのだった。) (2/2 20:46:57)
マリア/かれん > (隙間風、月明かりを背負って伸びる影。明松が扉のほうへ視線を向けるのと同時に、かれんも赤乱雲のように焼け爛れた赫い瞳を向けた。無関係の人間の姿を認めると、すうっと瞳が黒く淀んでいく。邪魔をするなら殺す、柳くんに手を出すなら殺す。明松とかれんはタナトスの誘惑に溺れたまま殺意に共鳴し、同一化していくかのようだった。彼の気持ちが、手に取るように解る。それを果たして愛と呼ぶのかどうかは――これが皮肉ならば、酷い茶番劇だろう。するりと首から手を離し、二人のやりとりをじっと見つめる。何か面倒な事になる前にこの男を殺してやろうかと、脚を動かした瞬間に明松が口を開いた。)「……」(逃げ道を自ら断つかのように叫ぶ姿は、どこか痛ましい程だった。彼はきっと、本来そう強い人物ではないのだろうと思う。だけど、不思議と何も感じなくて、痛む心も持ち合わせていなくて。きっとそれは、不死の異形としてこの世に産みなおされた時、どこかに置いてきたものだから。かれんはただ、妻だと言い切ってくれた事にだけ酔いしれるように、自らの手を這わせるようにして、明松の手を求め、きゅうっと握った。) (2/2 21:00:02)
マリア/かれん > 「……ねぇ、あいつが何かしてくるようなら、私、異能を使おうか。」(黒い着物の男が何かを喋っているのと同時に、囁きかける。明松に想い人が居たなんて事は今初めて知ったけれど、どうだって良かった。異能を使う――それは、この男を魅了するという事。何もかも言う通りにしたり理性を操る事までは出来ないだろうが、自分に好意を抱かせれば、油断させて殺すくらいは造作もない事だと思った。同時に放たれた言葉、明松はまずこの男に返事をするのだろうが、自分の言葉にはただひとつ頷いてくれさえすればいい。心の準備はもう出来ていた。) (2/2 21:00:08)
シロー/明松 > (止めに来た訳でもないと口にした彼に、なら⋯⋯と声を上げそうになるのをぐっと堪える。止めに来た訳じゃないならなんだ、恨み言でも言いに来たのだろうかと明松は考えた。が、言われた所で何かを変える訳でも無い。邪魔をするなら殺す、言いたい事があるなら言って消えろ。と、かれんと同じ殺意を孕んだ黒瞳を細めて睨む。掌に冷たい指が這うと、お互いを求めるように握り返す。そして間を置いて、開かれた扉から吹き込む風に乗って聞こえてきた鬼若の言葉。何を言われても知ったことか、と高を括っていた明松だったが、続いた言葉の意味を理解すると同時に瞳を見開いた。体が強ばって、かれんの手を握る腕に力が篭もる。聞き流して追いやるつもりでいた筈なのに、体の底から煮え滾るような激情が溢れてくる。その感情の名前を明松は見つける事が出来なかったが、表面的なものは怒りにとても近くて、その証拠に口元と眉を一層強く歪めた。同時に放たれたかれんの言葉に、いっそそうしてくれとさえ言いたくなる程だったけれど、かれんに抱く独占欲はそれを許さない。 (2/2 21:35:23)
シロー/明松 > かれんを一瞥だけするとすぐに鬼若へと向き直り、地団駄を踏むように片足で床を強く鳴らして、行き場のない怒りをぶつけながら叫んだ。)「ふざけんなっ!!知ったような口叩きやがって⋯!異能なんかとっくに解けてんやよ、元から一目惚れしてたんだ俺は!⋯⋯偽りなんかじゃ⋯⋯そんなんやねぇわ!!!」(篠の話を此処で出されるよりも、かれんの目の前で異能に引っ掛かった被害者扱いをされることが許せなくて、かぁっと熱くなった胸の内を吐き出した。最早相手が上官だと言うことも忘れて汚い言葉を並べ、息を荒くしながら仇を見るような視線で鬼若を睨んで歯噛みすると、今一度かれんの手を強く強く握って立ち塞がった。)「俺がかれんを殺して、裏切り者の俺も死ぬ!何も問題ねぇだろっ!⋯篠にそんな事を言ったつもりもない、篠にも好きに言えばいい!俺の妻はかれんだ⋯⋯⋯見てろよ⋯ッ!!」(吐き捨てるとかれんに向き直って、地面に押し倒すように覆い被さると、今度こそその首へと手をかけるだろう。 (2/2 21:35:46)
マリア/かれん > 「………偽わり………」(産まれて初めて聞いた言葉のはずなのに、ざわざわと心に黒い靄がかかり、やがてか負の感情がれんを覆い尽くす。キ――――――ン………酷い耳鳴りがして、耳から頭へ、その言葉は、声は、痛みとなってかれんを劈く。落とした手をとられて僅かに体勢を崩し、蹌踉めく。もう片方の手で頭を抑えて、思い出したくない記憶が溢れかえってくるのと必死で戦っていた。その額には、『真理』を意味する言葉が刻みつけられていた。――これはかれんが生前魔術として使役した、ゴーレムにまつわる有名な伝承だ。emeth(真理)の文字を額に描いたゴーレムを殺すには、頭文字を消しmeth(死)とせよ。――かれんの指が額にかかり、その文字を一部覆い隠した。混乱しているうちに明松に押し倒されて、首に手をかけられる。かれんはぽつりと、吐き捨てるようにつぶやいた。)「……嘘つき」 (2/2 22:05:10)
マリア/かれん > (明松の手を振り払い、思い切り突き飛ばそうと。肩を強く押して。)「…嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき!!!」(そのまま立ち上がり、彼を見下ろした。かれんは嘘を知らなかったのではない。忘れていたのだ。――偽り、という言葉を思い出すと同時に、彼女の人生が偽りに満ちていた事を――目まぐるしい走馬灯のような想起と共に悟った。一番の嘘つきは、自分だ。『かれん』――いや、『花蓮』なんて女は、はじめからいやしなかったのだから。)「異能とやらにでもやられたのか、って言ったね。……そうだとしたらなんなんだよ!恋なんて、愛なんて、誰にとっても呪いでしかないだろうが!お前らが抱くそれとこの男が抱くそれになんの違いがあるんだ!」 (2/2 22:05:17)
マリア/かれん > (扉のほうへ向き直り、黒い着物の男へと叫ぶ。記憶は思考をノイズのように乗っ取り、かれんの口調さえも変えた。生前の彼女は、『花蓮』でいる時よりも、そうでない時のほうが長かった。間者という立場に甘えた二重生活。自分は何者なのか、もはや彼女自身にも判別が不可能だった。そして、もう一度明松を見下ろして)「……誰があんたなんかに殺されてやるかよ、かれんは、花蓮はな、」(『私は』と言おうとすれば強い抵抗感が襲った。彼女が口走る言葉の全ては、今)「”由良”と死ぬんだよ!!!」(嘘に支配されていた。) (2/2 22:05:23)
大和守/鬼若 > 「ッ、おい待てお前!!!」(怒鳴り声。重い殺意、怒り。それらが己へ向けられている事に、鬼若は微かに眉を潜め、口を閉ざす。怒らせるつもりは無かった。だが、鬼若の言葉が逆鱗に触れてしまった事も否定出来ない事実。どうにもならない現実に言葉すら出てこない。どうしたら良い、と思考を回せど動揺は思考を鈍らせ、何も出来ない。だが。イモータルに覆い被さり首に手を掛けたのを見て。その言葉だけは叫ぶ事が出来た。止めるべく、彼の方へ足を進めた所で。)「………………は?」(今度こそ、思考は停止する。理解出来ない。意味が分からない。何だこの状況は、と。突如、大した動きを見せなかったイモータルがーー彼女が彼の手を振り払い、そして立ち上がる。そこから紡がれた『嘘吐き』という言葉に、『あんたなんかに殺されてやるかよ』という言葉に、思考を止めさせられたのだ。彼女の言葉を聞いても、阿呆の様にそんな言葉を溢す事しか出来ず。理解が出来ない。彼らは好き合っていたのではないのか。それなのに、なんて疑問の海に飲み込まれていたから。だから。由良というのが、過去に帝國の捕虜となった女だということも。何もかも、海の底に沈んでしまっていた。) (2/2 22:38:33)
シロー/明松 > 「えっ───」(彼女がぽつり、と呟いた言葉を耳にして、我に返ったかの様に喉を鳴らした。思考は燃えるような感情に支配されていたし、首を絞めるのだから、眼前のかれんの表情が歪んでいた事に違和感は覚えていなかった。次の瞬間腕が払われて、突き飛ばされて尻餅をつき、理解の一つ追い付かずにただ彼女の事を見上げた。殺されそうになっていざ理性を失ったのか、それとも鬼若の存在が嫌だったのか。乱れた脳内で単語単語を繋ぎながら状況を理解しようとして、かれんが嫌なら殺す、とそうまで考えて、足と腕に力を込めて立ち上がろうとした、が、鬼若の方を見て語気を荒げるかれんにまた出掛けた言葉を失って、口をぱくぱくと動かしながら必死で立ち上がろうとした。) (2/2 22:57:58)
シロー/明松 > 「っ、ちが⋯⋯。⋯⋯⋯⋯えっ⋯⋯かれ、ん」(後ろ手をついて、指に込めていた力は、彼女の刺々しささえ孕んだ鋭い視線を受けて抜けた。首を曲げてかれんを見上げながら、確かな「拒絶」という事実だけを受けてその名を呼ぶことしか出来ず。最早鬼若に意識の一つ向けてられなかった。手を動かせば、傍らに畳んであった鮮やかな布の感触に気付いて、手繰るように手を乗せて掴み取り、よろよろとふらつきながら立ち上がった。)「違うっ!⋯⋯ちがうかれん⋯もう異能は解けてる、でもそれでも俺はかれんが好きだ、嘘じゃない⋯⋯っ!愛してる、かれん⋯⋯」(焦燥しきった表情で、垂れて乱れた髪もそのままに立ち上がって、何が起こったのかも分からないまま弁明と真実だけを告げた。様子がおかしいことだけは、今までのかれんと違う事から分かっていて、掴みあげていた布を広げるとかれんへと見せた。) (2/2 22:58:01)
シロー/明松 > 「かれんに似合うと思って、一番綺麗なのをずっと考えて⋯⋯着たいって、最後に着せたら、殺すって⋯⋯な、ぁ⋯⋯かれん約束したやんかぁ⋯⋯っ!」(薄桃色の生地に色とりどりの花が描かれ染められた振袖を見せたが、だらん、と腕に力が抜けてすぐに両手を下ろすと、よろめきながらかれんに近寄って手を伸ばした。)「覚えてる、やんね、かれん⋯俺が殺すから、⋯あいしてる⋯」(動揺を隠せていないのか激しく揺れる瞳を、普段と全然違う表情を浮かべるかれんに向けて、唇を震えさせながら縋るように呟いた。 (2/2 22:58:20)
マリア/かれん > (混乱はかれんから鬼若へ、明松へ伝播し、またたく間に場を支配した。もう誰も彼もが目的を失いながら引っ込みをつけられないだろう。明松の必死の訴えにも、もはやかれんの瞳の色は変わる事はなかった。ばさりと広げられ、月明かりに照らされた可憐な振り袖を目にして、僅かに顔を歪めた。)「こんなもの着られない」(ずっと着てみたかった。)「約束なんか知らない」(その言葉が、ずっと欲しかった)「勝手に死ね」(生きてほしい)「かれんは一人で死ぬんだ、邪魔するな」(一緒にいきたい)「……好きでもなんでもなかった……誰でも良かった。」(―――……)(嘘に支配されたまま、かれんはどうしようもなくはらはらと涙を流した。その時初めて、自分が異能を失った事に気づく。もう自分の意志で、目の色を変える事すらも出来ない。)「……」 (2/2 23:40:20)
マリア/かれん > (ゆっくりと扉のほうへ振り向き、明松と鬼若を交互に見る。これが物語なら、何もかもがぐちゃぐちゃだ。生前、最期の時に覚えた感情が流れ込み、自分が結末へ導いてやらなくてはいけないという感情に変わっていく。自分の手で終わらせたのに、どうして産まれ変わってしまったのかも解らないけれど、世界の理を無視してもう一度この大陸の物語に加わったという事だけは真実なのだから。だからイモータルはその業を、神罰を背負い、何かのけじめをつけなくてはならない。そう思った。かれんは絶えず額に当てていた手をぱっと話して、駆けるように神楽の舞台に上がる。奥に安置されていた神楽道具に目をやり、その中から小太刀を手にとった。『笹割舞』という神楽に使われる道具だ。明松の恋人――?彼女の名前は篠と言うのか。笹を意味する名を持つとは、なんと因果な巡り合わせか。やはり、運命を弄ぶ神が居るのだと確信する他なかった。)「……教えてやるよ、この物語の終着点を。」(右手で太刀をすらりと抜き、振り返って――かれんという語り部は、神へ捧げる歌を紡ぎ始める。) (2/2 23:40:44)
マリア/かれん > 「由良という女がいたんだ。知ってんだろ――”大佐”さん。」(彼とは直接の関わりはなかった。だけど、明松が彼をそう呼んだ事を覚えていて、ならば生前の自分の事を知っていてもおかしくないと思った。)「聖フィニクス騎士団の密偵だった。帝國軍の捕虜となり、彼女は帝国軍の間者となる事で命を助けてやると言われたんだ。」(左手に持っていた鞘を捨てると、からんと音がして、二度程跳ねて舞台の下に転がり落ちる。かれんは空いた手で、また額を抑えた。)「誇りを取って、彼女は死んだ。敵国に人為を捧げるくらいならばと。――もう気づいたか?そうだよ、お前らが見ているものはね、由良の怨念だ。」 (2/2 23:40:54)
マリア/かれん > 「産まれ変わった理由が解ったよ。どうして帝國にばかり執着していたのかも。――帝国軍に復讐を果たす為だ。この異能は密偵として生きた頃の名残なんだ。仲間のふりをして籠絡して、そして殺してやるためにね。」(左手を額から離し、両手で太刀を持ち直して。涙でぐしゃぐしゃになった顔を歪めて笑った)「ねえ、お前が愛した女なんて最初から居なかったんだよ。『花蓮』は全部由良の作りあげた偽りの姿で、だから――」(そこで、言葉に詰まる。ふるふると頭を振って、かれん、否。由良は、まなじりを決した。)「お前ら二人とも、殺してやるから。」 (2/2 23:41:00)
大和守/鬼若. > (目前で起こっている全ての事が、鬼若にとってはどうでも良い事の様に、上手く脳に入ってこない。彼の絶望も、彼女がその手に小太刀を持った事さえも。何処かぼやけていて、不正確で。よく、分からない。脳が、理解を拒絶している。──だが、そんな現実逃避とも呼べるそれは。再び、彼女の言葉で引き戻される事になる。)「…………由良……」(『知ってんだろ』、と。そんな言葉と共に投げられた字は、確かに聞いた事のあるものだった。思わず復唱するようにその字は溢れ落ち、海に沈んでいた意識が強制的に引き上げられ、此度は理解を強制するのだ。静かに、静かに、彼女の歌を聞く。涙でぐしゃぐしゃになってしまった顔が、笑みを作った。その笑みに、鬼若はただ眉を潜める。その笑みは何処か痛々しくて。哀れで。見ていられなくて。だから、鬼若は。)「────そんなぐっしゃぐしゃの顔で何言ってんだよ。……──この嘘吐き」 (2/3 00:41:08)
大和守/鬼若. > (そう、言葉を口にしてしまった。彼女の言葉は、嘘にまみれている様にしか聞こえない。それら全てが、本当に嘘ではなく真実なら。どうして、そんなにも泣いているのだ。辛そうに。苦しそうに。──だが、これ以上は自分が動いてはいけないだろう。これはきっと、彼と彼女の問題だ。それに無闇に関与してしまった自分も、自分だが。彼の方を見つめる。絶望に在るであろう彼に。)「……なぁ、明松」(声を掛けた。届かなくても、それでも良い。だけど、この幕を閉じれるのはきっと彼だけだから。自分が関与してはいけないだろうから。)「お前はどうするんだ。殺すのか、それとも──嗚呼、こうやって言うのも良くねぇか。……じゃ、そうだな」(半ばで言葉を途切れさせる。外からの声程余計なものはない。先程も言った通り、これは彼と彼女の問題だ。悩んで、悩んで。最後にそれだけを口にして、一歩下がる。自分は殺されたい訳ではない。だが、下手に関与も出来ない。しようとも思えない。──だから。)「後は自分でどうにかしろ」(掛ける言葉は、たったそれだけだ。) (2/3 00:41:10)
シロー/明松 > 「⋯⋯⋯うそ⋯」(震えた喉から蚊の鳴くような声が出る。「嘘だ」と言い放ったというよりは、彼女の言葉が信じられなくて、思わず漏れたものだったのだろう。動揺から激しく揺れていた瞳は動きを止めたが、堰を切ったように目頭から涙がぼろぼろと流れ落ちた。『好きな人から別れを告げられる』そんな良くある話と言えば、そうなのかもしれないが、明松にとっては全てを投げ打ってはじめて愛した、人生そのものとも言えた。伸ばした腕から指先まで力が抜けて、だらりと垂れた両手からは、振袖が落ちて床に広がった。)「でも⋯⋯でも俺は⋯⋯かれんを愛してる⋯⋯かれんが⋯⋯⋯⋯かれん⋯⋯」(『「……振り袖、着てみたかった。』『……それでも、私はあなたのこと───』『やくそく、やくそくね───』あの時、自分は本当に異能に掛かっていたのだろうか。そんな違和感も感じられない位には、かれんのくれた言葉一つ一つが、自分にとっての篝火だった。それらがふっと消えてゆくような感覚に、譫のように愛を囁いてただ泣いた。 (2/3 01:10:29)
シロー/明松 > 手を伸ばそうとすれば、かれんの体はふわりと届かない場所へと駆ける。泣き腫らした瞳で追い掛けた。由良だと語る彼女を前にしても、自分にとってはかれんで、その前提が覆らない以上、生前の話など関係無いと思えた。「俺はかれんが好きだから」。信じたくないと思う都合の良さから来る思考なのか、明松には理解出来なかったが、小太刀を抜き放ったかれんが紡いだ全てを聞いた上で。納得も、肯定も、なにもできなかった。)「⋯関係ねぇ⋯⋯」(一言、ぽつりと呟いたのは自分に言い聞かせる為か。こちらに言葉を投げ掛ける鬼若の言葉を視線を下げたまま耳にして。様々な感情を込めて睨みつければ、既に鬼若は後ろへと下がっていた。彼女と同じ様に泣き腫らした瞳は鋭く狭められていたが、鬼若の最後の言葉を耳にすると、僅かに瞳を伏せる。何かを口にする余裕もなく、無言でかれんへと向き直ると、暫く俯いてからゆっくりと、強ばった足を動かして近づいていった。) (2/3 01:10:43)
シロー/明松 > 「⋯⋯関係ねぇ、かれんは⋯⋯かれんやよ⋯⋯」(自分の足音と衣擦れ、息遣いの音だけが聞こえてくるようで、滲んだ視界でかれんを見つめながら歩く。──本当にかれんが最初から偽りだったなんて、信じたくない。真実がどうであれ、俺はかれんが好きになった。)「俺が殺してやるから、俺だけ見てろって、言ったやん」(いつかの夜、自分が言った事を繰り返した。二人ともと言ったことが、かれんの目に鬼若が映っていた事が許せなくて、一人で死ぬんだと言った事が許せなくて呟いた。歩きながら、腰に差していた短刀を手に取ると、震える手で勢いよく鞘を抜き放った。後ろへと投げ捨てた鞘が重い音を立てて滑る。下ろした切っ先を一度見て、見上げれば、もうかれんは目の前で。静かに立ち止まると小太刀を構えたかれんを見つめて、表情を優しく破顔させた。) (2/3 01:11:01)
シロー/明松 > 「ぶっ殺してやる」「⋯⋯ずっと愛してるよ。────」(ぼろぼろと泣きながら微笑むと、両手で短刀を握り直す。いつしか震えは止まっていた。もう、それ以上声は出なくて、ぱくぱくと口を動かしてから、はっとしたように、無理やり上げていた口角から力が抜けた。『おまたせ』と最後に口だけを動かして。出ない声を何とか絞り出そうと息を吸い込んだ。)「⋯⋯ッうぁぁあああ゛あ゛あ゛ああああああああァッ!!!!!」(短刀をあらんばかりの力で握り締め、切っ先の向いた小太刀に怯えないように強く踏み出す。怒号にも近い咆哮を上げながら、小脇に短刀を抱えたままかれんへと突っ込んでいった。 (2/3 01:11:37)
マリア/かれん > (嘘つき、と言われて、びくりと眉が動いた。イモータルの言葉に耳を傾け、推し量るなど……軍人としては失格かもしれないが、由良の言葉に秘められた魔力を感じ取った、否、感じ取れてしまった彼は、紛れもなく一流の魔術師だった。――見透かされるような瞳に、一瞬、力なく項垂れる。――『帝國にいきたかった』ずっとそう思っていた。こんな上司を持つ明松が羨ましくて、また、その二人の関係をぐちゃぐちゃにした事を、遅まきながら思い知って。だけど、返す言葉もなかった。明松が落とした振り袖を見て目を細める。もう、終わりにしようと思った。太刀を握った両手に力を込める。その時、『⋯⋯関係ねぇ、かれんは⋯⋯かれんやよ⋯⋯』その言葉を耳にした瞬間、憑き物が落ちたように霧が晴れた。ずっとそう言って欲しくて、藻掻いていた生前の自分がはっきりと今、異形となった自分に重なった。) (2/3 02:02:11)
マリア/かれん > 「…………っう、……」(『――うるさい』そう紡ごうとした唇が震えて、涙に濡れる。嘘をつきたいのに、自分は憎まれて死ぬべきなのに。――その一言は、あまりにも、カレンの心を揺さぶった。続けられた言葉がかれんの意志を凌駕する程強い意志を感じるものだった事もまた、『この苦しみから連れ出してくれる人は、拗れた自分の意志を見抜いて、関係ないと強引に切り捨ててくれる人でなければいけないのかもしれない』と、どこか受け身な浅ましい期待を捨てきれなかった事を思い出し、心臓を鷲掴みにされるかのような心地だった。優しい表情で終わりへと誘う明松を目に焼き付けて、もう一度太刀に力を込めた。自分がどんな表情をしているかも解らなかったけれど。ぽた、ぽた、と顎から滴る水が神の舞台に水溜りを作っていた。)「……うん。」(聞こえるか聞こえないかといった、小さな声で。ただ喉を鳴らしたのか、相槌をうったのかすらも曖昧な声を漏らし、再び手に力を込めた。) (2/3 02:02:19)
マリア/かれん > 「…… ――ーッ……!」(声にならない声を出し、乾いた叫びで応じながら太刀を突き立てて、突っ込んでくる明松を迎えた。短刀が鳩尾に突き刺さった瞬間、静かに笑って抱きしめるようにして、背中に太刀を突き立てる。)「……ッ……う、……ぁ゛あ……柳くん。…柳くんだけ、置いて…いけないよね。……やくそくだから。」(万が一にも彼が死に損なわぬよう、最期の力を振り絞って小太刀を抜く。肉へ突き立てる感触よりも抜いた時のそれは余程生々しく残り、抜いた瞬間傷口からは血が溢れ出した。)「ありがとう……」(震えた声でつぶやいて、体を預けた。すでに背中を一突きされている明松はカレンを支えられず共倒れになるだろうか。そのまま血に濡れて光る小太刀を振りかぶり、自らが事切れて全ての体重をかけるのと同時に、鳩尾に突き立てられるだろう。) (2/3 02:02:28)
マリア/かれん > (―――ねえ、柳くん。あの世でもう一度会えたら、話したい事が沢山あるんだ。『私の真名はかれん』って言ったの、嘘じゃなかったの。本当だったんだよ。――他にも沢山、もう誰も、神様の目だって気にしなくていいのなら。今度こそ私の心の内を打ち明けさせてほしい。あなたじゃないと駄目なんだ、――由良が、初めて愛した人だから。) (2/3 02:02:34)
シロー/明松 > (踏み出してしまえば、終わりは一瞬であった。『やくそく』したのだから、殺すのは自分。そう思って短刀を突き立てた。ずぶりと肉に突き刺さる生々しい感触を感じる余裕も無かった。突き立てる瞬間、確かに笑ってくれたかれんの表情を見た時に、ついさっきやっぱり頷いていてくれていたんだ、と理解して、止めどなく涙が溢れた。神経を断ち切られたのかびくりと体が跳ねた事にも自分では気づかないまま、背中の熱さと異物感に少しだけ表情を歪めたけれど、かれんの言葉に瞳を優しく細めて、首を傾けながら笑った。)「⋯っ⋯⋯うん、ずっと⋯⋯一緒やよ⋯。」(ただ、心の底から嬉しいなとだけ思った。死ぬのも何も怖くない、痛みすらも感じない。『やくそく』のこと、覚えていてくれて、またその声で真名を呼んでくれて、本当に───)「⋯⋯。⋯⋯なぁ⋯かれん、すごく⋯可愛いよ⋯。⋯⋯かれんの全部が⋯⋯俺⋯⋯大好きやよ⋯⋯、愛してる⋯」 (2/3 02:51:00)
シロー/明松 > (痛みを感じないのと、体の反応は全く別物で、短刀を握る手には力が籠らなくなっていく。人生で一番、幸せな筈なのに溢れて止まらない涙が頬を流れていった。背中に感じていた異物感が消えて、すぅ、と背中の方から底冷えする感覚に襲われる。短刀を握っていた両腕を垂らすと、ぱち、ぱちと瞼を痙攣させるように瞬きし。赤い血が床へと噴き出して広がった。かれんが目を閉じるまで、最後の最後まで必死で笑っていたけれど、体を預けられて、耐えられず背中から血の海に倒れ伏してから、遅れて理解した「ありがとう」の言葉に、表情を歪めて喉の奥から嗚咽と共に血をこぼした。)「⋯⋯⋯愛してる⋯⋯、⋯⋯、誰がなんと⋯言おうと⋯⋯かれん⋯、俺は⋯⋯かれんのことをあいしてる⋯⋯」(既に返事はなかった。全身から力が抜けていくのに抗って、必死で腕を動かして、かれんの体を掻き抱くと、初めてあった時と何ら変わらない冷たさを感じる。小さな頭を抱きしめると、涙を零しながら呟いた。) (2/3 02:51:03)
シロー/明松 > 「⋯すごく⋯⋯⋯幸せ⋯⋯だ⋯よ⋯⋯俺⋯⋯⋯⋯」(───かれん。ほんの少しだけ待っててくれ。すぐに、逢いに行くよ。ずっと一緒って、やくそくだから。───結婚の儀、もう一度やろうよ。かれんに似合う、凄く綺麗な振袖を着せるから。これもやくそく。───あとさ、後にも先にも、かれんだけだったよ、俺が愛したのは。ちゃんと説明するよ、これもやくそくな。こんなにやくそくがあるから、絶対───)「⋯⋯」(かれんの頭を抱きしめていた腕が滑り落ちていった。かくん、と糸の切れたように首が曲がって、鬼若の方を向いた。目を閉じて口の端からも血を流した明松の表情は、穏やかと言っても差し支えないものだった。 (2/3 02:51:19)
大和守/鬼若. > 「────────ぁ、」(崩れ落ちるのを見ていた。命の灯火が終わるのを看ていた。嗚呼確かに、自分でどうにかしろとは、言った。けれど、この現実に耐えられる程の余裕など鬼若には無く。いっそ、戦場で命を落としたのならばまだ割り切れた。戦場は命の駆け引き。負ければ死に、強者のみが生き残れる世界なのだから。だが、こうやって戦場ではない場所であっさりと消えてしまう命を見たのは。親しい者の命が消えるのを見たのは、二度目だ。前は十二の時だったか。目前で恩人が崩れ落ちるのを見ていた。見る事しか出来なかった。それ以外にどうすれば良いかだなんて分からなかったから。今は、もう知っている。魔術というものを知っている。多くの知識を持っている。だけど、あぁ。自分から、その道を断った。彼にしかこの問題は解決出来ないと。好きにしろと。己は、離れた場所で見守って。──嗚呼、死んだ。心中──死だ。けれどもそれは、幸せな心中だ。お互いの望んだ、幸福な、モノ。自分にそれをとやかく言う権利はない。けれど、少しだけ。鬼若という一人の魔術師の独り言を、聞いてくれやしないか。君が生きてる間に言えなかった、後悔しかないものだけれど。) (2/3 03:36:34)
大和守/鬼若. > 「…………なぁ」(歩み寄る。かれんと共に海に沈む明松に、幸福な君に語り掛ける。この世で最も幸せなまま死んだ、君に。最期の最後に、力の抜けたせいで此方を向いた君に。聞こえないのは当然分かっている。けれどもそれを止めずにはいられなくて。)「……俺さ、本当に初めてだったんだよ」「──あんな風に、誰かと気軽に話せたの」「お前から見て、気軽にだったかは分からないけどさ。……でも、俺はそうだったよ」(あの焼き菓子のせいで、篠と共に大声で怒鳴った。素を晒け出して、彼処まで怒ったのもあれが初めてだ。怒鳴ってしまったのだから、印象は良いものでは無かったと思うが。)「……凄く、楽しかったんだよ」「だから、だからさ……」 (2/3 03:36:52)
大和守/鬼若. > (──結局の所。君を探しに行ったのは、この理由もあったのかもしれない。)「────俺、お前ともっと話したかったんだよ」(『止めに来た訳ではない』、と。ずっとそうは言っていたが。正直な所、君という存在が消えるのが少し怖かったのかもしれない。相談にまで乗ってくれて、更には鬼若の覚悟を決めさせてくれて。そんな経験は、鬼若の中では無いに等しい。だからこそ、君は鬼若の中で少し特別な存在でもあった。だからこそ、もっと話したかったなんて。そんな思いも生じていたのだ。──今となっては、もう遅いけれど。) 「──あの世とか……あるのかは分からないけどさ、ぁ……。……明松、そこで、……幸せに、なれよ」「かれんさんも」「────幸せにしなかったら、怒鳴りに行ってやるからな、明松」 (2/3 03:37:06)
大和守/鬼若. > (いつの間にか溢れていた涙には気付かない振りをして。瞳を閉じ、手を合わせ。そうして、祈った。二人の幸福を。極楽浄土が何処かで、二人幸せに過ごせば良い。愛とは炎のようなもの。それを、永久に絶やさずに在らん事を。)【浄土、愛の篝を掲げ】〆 (2/3 03:37:18)