セリヤーナ
精算フルディア/セリヤーナ > 「いつっ……?!」(痺れるような痛みとむず痒さで目が覚めた。土埃と消毒薬のまじったにおい、清潔な布の天幕、せわしなく歩き回る騎士団の司祭。そこではたと自分が王国の拠点に匿われているのだと理解した。)「もしもし少し聞いてもいいかな。スザンの会戦はどうなったか教えてもらえない?」(近くの司祭に声をかける。体を起こそうかと思ったが、うまく力が入らない。)『もう目が覚めたんですか?戦闘行為は昨日の夕方に終わって、今はその翌日の朝ですよ。百騎長様から手紙を預かっていますから、まずはそちらをお読みになってください。』(確かに枕元に一片の紙が畳まれている。重たい腕に喝を入れて持ち上げると、肘から下は包帯がきっちりと巻かれている。青白い手で紙片をめくれば、戦況の子細が綴られていた。)「そうか…勝てたか。」(払った犠牲は少なくないが得たものはそれ以上に大きい。…そう、この大地に降り積もった先人の信仰の残滓は、この身一つより何倍も大きい。何気なく手紙を裏返すと、〈貴女の覚悟は伝わった〉とある。律儀なことだ。たまたま利害が一致し戦線を共にしただけのこと。いつかその覚悟が自分たちに牙をむくとも限らないのに。) (1/29 20:55:42)
フルディア/セリヤーナ > (ようやく緊張が解け安堵が押し寄せる。手紙を持ち上げただけで疲れ果てた腕を下ろすと、疲労からか睡魔に襲われた。微睡みながら、自分もここで歴史の大山の一部になるのも悪くないかなんてちょっと思ったが、いやいや死にかけた時の感傷を引きずり過ぎだ。)「ふふっ…」(意識を失う少し前のことを思い出して笑みがこぼれた。仇を討たせろって…?キミのおかげで死に損ねたよ、ヨハン。飛び出していった時は心配したけど…再会が楽しみ…だな…) (1/29 20:55:55)
フルディア/セリヤーナ > (次に目を覚ましたのは空腹のせいだった。いつの間にか屋内に移されている。窓の外は夕方だが日付はわからない。街並みはどこかの魔術砦のようだけど…)『あらおはようございます。体調はいかがですか?』「うん、お腹が減ったよ。ここはどこの病院?」『スザンの街ですよ。前線の救護テントは昨日あなたが目を覚ましたあとすぐ撤収しましたからね。夕飯は少し早めにお持ちしますから、待っててください。』(そうか、まだ一日と少ししか経っていないのか。改めて自身の状況に意識を向けると、肘から先だけでなく腹から下もきっちりと包帯が巻かれている。特に脚は余計に動かさないように固定までされている。) (1/29 20:56:06)
フルディア/セリヤーナ > 「いつ頃退院できるかな。」『少なくとも数日はここで安静にしてくださいね。そのあとも経過観察のためにしばらくはこの街に留まっていただかないと。』「しばらくってどのくらい?」『少なくとも一月は。』「そんなに?スザンの山を端から端まで歩けちゃうよ。」『経過観察だと言いましたよね?そんな激しい運動は禁止です。』「さすがに冗談だよ…。でもミトラやルガムの方面に行く用事があるんだ。もたもたしてると状況が変わっちゃう。」「ルガム、ですって…?」(何気なく言ったつもりだったが、司祭は鬼のような形相でつかつかと歩み寄ってきて)『あんたバカァ?!自分がどういうケガしてきたかわかってないの?!全身、特に下半身に重い凍傷および圧挫傷!低体温による意識障害!そのほか擦り傷切り傷多数!腹部の圧迫による障害がないか経過観察が済んで凍傷による水ぶくれが治るまでは病院から一歩も出さないからね!!』(司祭の剣幕に圧倒されて目を丸くしながら)「す…すみませんでした…」 (1/29 20:56:18)
フルディア/セリヤーナ > (落ち着きを取り戻した司祭から改めて今後の治療の方針を聞かされた。一月もスザンに押し込められてはかなわないので、退院した後出かけることは許してもらった。とはいえ戦場で無茶をするようなことは少し控えることにした。数日とはいえ病院に缶詰めなんて性に合わないけど、戦場で敗れたにもかかわらず命を拾ったのだから幸運と思うべきだ。) (凍傷による壊疽のせいで左足の指を失うこととなり、"ヘスティアに関わると指を喪う"とのジンクスが彼女の中で生まれることになるのだが、それはまだ少し先の話。) 〆【精算】 (1/29 20:56:32)