明松&鬼若

告白

シロー/明松> 「⋯⋯大佐。以前は申し訳ありませんでした。⋯⋯急にすみませんが、大事な事なんですよ」(昼下がりのこと。丁度見つけた鬼若大佐に話し掛け、『ここでは話せない重要な要件なので少し』と前置きをして、連れてきたのは本部基地の正面玄関口を少し出た先。大佐の執務室に行けば良かったが、何となく気が引けてこんな場所に連れてきてしまった。既に日は暮れて、玄関口では軍人達が行き交っており。それらを横目に、しっかりと手入れされた植え込みの影にしゃがむ様に促すと、暗がりで話し始めた。)「率直に言います、白梅大将の事です。お詫びに手助けすると言ったので、まず聞きたい事があるんですよ。」(おっかない大佐だが、どうも白梅大将の事となると少し怖さが消えるような気がしている。目を見て上官に気後れせず話すのは気を使うが、心を鬼にして口を開いた。)「えー⋯⋯実際のところ、いつから、何故好きなんですか?何かこう、例えば⋯⋯これはせめてですよ?好意があることを気づいてもらう努力だとか、してますか?どうですか大佐」(偉そうな事を言えた立場では無いことは自分が一番分かっているのだった。   (1/25 23:20:05)


大和守/鬼若 > (……全く、一体何の用だと言うのか。何処か不機嫌そうな表情を隠す事も、去るような事はせず。そして、屈むようにと促す貴方に従い、何なのだと表情で訴えていた、が。貴方の言葉に、己の耳を疑うかのように目を丸くし。戯れ言だろうと思っていたが、誠だったとは。)「あー……そう、だな……」(この鬼にも羞恥というものはあるようで。この思いを誰かに伝えるのには躊躇いがある。口を閉ざし、沈黙。視線を逸らし、泳がせて。そして、何処か気恥ずかしそうに口を開いた。)「好きになったのは、恐らく十年前の事だ。何故かは……あの方だったからだろうか。その……一目惚れ、というものだ。あの方を初めて見た時、思ったのだ。あの方の為に生まれ、命を散らす事こそが余の成すべき事である。努力は、どうだろうな。常日頃よりあの方の為に動いているが、あの方の隣に並び立つ事など烏滸がましいと思っているのだ。だから……出来ていない、と思っている」(言葉に出来ぬ思いを無理矢理形にすればこうなる。口にして改めて思う。あの方と結ばれるなど有り得るのかと。結ばれたいとは思うが、こんな弱い自分などが、相応しいのだろうかと。そんな事を、思ってしまった。)   (1/25 23:53:50)


シロー/明松 > (一目惚れという言葉には大きく頷きたい心持ちであった。一目惚れっていうのは確かにそういうものだと思う。うん、うん、と自分と照らし合わせて頷いたが、その表情もえっ?と次の瞬間歪んだ。自らのこめかみを抑えて下を向くと、目を閉じて小さく頭を振った。)「⋯⋯マジですか⋯⋯。⋯⋯いやぁ、大佐。烏滸がましいと思ってるならずっとそのままですよ。失礼な物言いになるかも知れませんが、今回ばかりは俺大佐の恋路を本気で応援してますから、先に言っときますよ。」(何となくそんな事だろうとは思っていた。それじゃあ進展する筈もない、本人がしようと思っていないのだから。どうやら本当に心を鬼にしなければいけないらしい。この人は優秀な軍人過ぎるみたいだ、同じ恋する男として、教えてやらんと。暫く俯いてから遅すぎる前置きを残すと、しっかりと大佐を見据えた。)   (1/26 00:13:38)
シロー/明松 > 「それじゃあ進展なんてする訳無いですよ、大佐が最終的に目指す地点はどこですか?⋯⋯軍人として好きなら階級の通り、烏滸がましいって従ってれば良いかもですけど、勿論、一人の男として好きなんですよね?それなら最終的な、大佐と大将の関係は唯の男と女なんですから。待ちじゃあいけませんよ。⋯⋯何ならもう、大将に好きと言ってみてもいいかもしれません。」(ちょっと熱くなってしまった。自分を棚に上げている自覚は少しだけあるが、あの二人の為ならばここまで言わないと駄目だと思っていた。   (1/26 00:13:40)


大和守/鬼若 > (前置きの通り貴方のやや失礼な物言いに、普段の鬼若ならば厳しく見据えたのであろうが。今の鬼若は、貴方の言葉に聞き入っていた。鬼若は恋愛の事など本当に分からない。最初で最後となるであろう恋をたった一人に捧げ、それを不器用ながらも、大切に繋げてきただけの男なのだから。恋愛については貴方の方がよく知っている。そう思っていた事もあり、自然とその物言いに文句をつける気にはなれなかった。)「…………そう、だなぁ。それが良いので、あろうなぁ。それは、分かっている。分かっているが……断られた時が、怖いのだ。否、断られるだけならまだ良い。そこから関係が悪化するのは……最も、耐え難いことだ」(嗚呼、もしも避けられたら。嫌われたらどうしたら良いのかと。普段の彼には似合わぬ臆病が見え隠れしていた。もしも、もしもーーだなんて。そんな最悪の想像ばかりが脳を過って、思い一つを伝える事すら怖くなってしまっているのだ。)   (1/26 00:35:01)


シロー/明松 > 「そりゃあ、確かにそうですけど⋯⋯分かります。でも⋯⋯この10年は良かったかもしれない、ですけど、また戦争が始まって、⋯⋯こう言うのは不敬かもですけど、いつ死ぬか分からないじゃあないですか。」(その気持ちも勿論分かるが、生きるが死ぬかの時代が戻ってきたのだ、3年振りに。10年言わずに居たことを凄いと思った。恐れる気持ちは分かるけれど、自分だったなら戦時中にずっと胸の中にしまっておける程強くは居れないだろう。死への恐怖、悔いへの恐怖、刹那的な何かに耐えられる鬼若の事を素直に尊敬もしたけれど、やはりそれでは進展が無いことは明白だった。)   (1/26 00:55:42)
シロー/明松 > 「二人とも指揮官として矢面に立つことも多いんじゃあないですか?大佐はリントを防衛しましたよね?大将は守山で少なからず負傷したと聞いてます。⋯⋯死人に口なしですよ、大佐。きっと大将はそういった事に人一倍鈍感な方だと思います、真っ直ぐ男らしく、愛しています。と伝えてみたり⋯せめて、悔いのないようにしておいた方が。ああ!⋯⋯それこそ、愛しているから、貴方は俺が守ります。くらい言っても、俺はいいと思いますよ」(10年来なのだ、もう、良いだろう。他人事だと心のどこかで思っているのかも知れないが、明松は『言わない後悔より言って後悔しよう』という心持ちであった。じっ、と真面目な顔で見つめると足をずらしてしゃがみながらに詰め寄った。   (1/26 00:55:50)


大和守/鬼若 > 「……ッ」(『いつ死ぬか分からない』。貴方のその言葉に鬼若は眉を潜め、口を緊く結んだ。嗚呼、確かに、確かにその通りである。人とは脆い。疲労でも、何でも。それらが募り続けるだけでもその花は儚く散ってしまうのだから。何をそんな大切な事を忘れていたのかと、改めてそう気付かされる。確かに、そうなのだ。あの方が怪我を負ったとの事も耳に入っている。会う事は出来なかったが、それでも心から心配を、敵への怒りを。それらはあの方が危険に晒されたという事への真実で、証なのだから。それをこの鬼に示してくれた事に、気付かせてくれたことに。緊く結んでいた口を緩め、開いては言葉を紡ごうか。)「嗚呼、確かに……それも、そうだ。感謝を述べようぞ、明松よ。お主の言葉は余の助けになった」   (1/28 21:59:48)
大和守/鬼若 > (少し。少しだけ。本当に少しだが、穏やかな口調でそれを口にした。貴方の言葉は鬼若に覚悟、そして決意を固めさせるモノに成った。十年来の思いを伝えようと、そう決心させる一手に。それが承諾されるか、否かはあの方次第ではあるのだが。だが、それでも貴方に感謝を。ーーもしも、伝える前に。明日や、明後日。近い未来に、あの方が死んでしまったとしたら。鬼若は後悔してもしきれなかっただろうから。故に、心からの感謝を言葉に乗せたのだった。)   (1/28 22:04:29)


シロー/明松 > (さぁどうだろうか、という顔色から心情の程を窺って見る。息を飲むように窄んだ口元を見て、『今度こそ偉そうなことを言ってしまったか』とほんの僅かに身構えたが、どうやらさっきの表情は決意を新たにした顔だったらしい。続いた返答に頬を緩く綻ばし、しゃがんだまま腕を組んで微笑んだ)「良かった。⋯そうですよ、いいじゃないですか、恋。恋って、良いですよね、とても。」(決意に満ちたその表情を見ていたら、何だか自分語りがしたくなって、思わずそんなことを呟いてしまった。自分でも知る由ではないが、優しい表情で足元を見て、魔術師らしからぬ纏まらない言葉を組み立てる。)「俺も軍人ですけど、何てぇか⋯⋯その⋯、あれです」(言葉を選びながら、誤魔化すようにフィラーを重ねる姿は心底魔術師らしくない。)   (1/29 19:40:08)
シロー/明松 > 「愛した人の為なら、全てを敵に回せるっていうか⋯⋯⋯⋯ああ勿論あれですよ、その位恋っていうのはすげぇなって思うんです。」(何となく、今ならば言えるんじゃあないか。10年来想い続け、想い人の為に生まれ、命を散らすと言い切ったこの人になら分かって貰えるんじゃあないか。軍人でありながらイモータルと恋をして、あまつさえ匿っている後ろめたさからか、人には決して言えないこの想いを、自己満足だとしても吐き出したかったからか、この場に乗じて密かに告白した理由はきっと沢山あるのだった。後ろで軽く結ばれた黒髪の根元を撫で付けるように掻くと、目を閉じて立ち上がった。)「少なくとも俺の恋は、その位のもので⋯⋯多分きっと、鬼白さんもそうですよね。」(短い時間であったがしゃがみ続けたから、少しだけ凝ったからたをうん、とけ伸びをした。『全部ぶつけたら、後悔もないですもんね。悔いのないように、応援してます、大佐』【告白】   (1/29 19:40:21)