夕霧
もの言う花、たくらむ花λ/夕霧 > (ぽた、ぽた)(ぽた、ぽたぽた、)(ぴちょん━━━━━)「ああ」(弾ける水音にはっとした。)「…………………………。」(心無くしていたらしい。伝書の用紙には、墨汁がカビのように黒い丸となっていた。)「こりゃ、いけんす。」「“溶けよ、熱の前に。解けよ、根源。どろりと融けて泥のように醜く、どろりと熔けて艶やかに。蝋なる姿が相応しい、おどろおどろしい姿を見せておくんなまし”━━━━━━━」(流麗につらつら。歌うように言葉を発すれば、紙に垂れた墨汁は逆再生でもしたかのように集まり始め、一滴の液体になればそれは宙を浮いて硯に戻っていった。)「………………………あはぁ、ちいと疲れんした……………………。」「しかし…………………」(さっきからぼうとして、逐一動作を止めているのは、夕霧の頭の中で、恐ろしい速度で頭を回転させていたからだ。)(先の会戦にて、驚きの人物が捕虜に落ちたと、報告が伝わったからだ。) (1/19 13:06:48)
λ/夕霧 > 「(あんの首狩り好好爺も、とっくに刃を潰したと思いんしたが…………………伝説の再臨という奴でありんすかえ)戦場伝説の華には結構でござんす。」「(けども、これで戦況は大きく動きんした…………。煮え湯を飲まされ続けてきた尊華も、ようやく大胆に動く事が出来るでありんす。女狐と言えど、ヘスティアさんは現団長。その心臓をわっちたちは握っている。)」「(向こうは、間者として動いてくれる事を望んでいりんしょうが、この事実がある限り、王国も好き勝手にこちらを刺激は出来ん…………………。)ようやく、山を超えた訳でありんすえ。」「んふっ………………ふふっ、んふふふ」「アハッ」(誰もいない部屋に、女の哄笑がよく響いた。)「これから楽しゅうなりんす。あはあ、楽しゅう事になりんす。ええ、なりんすえ━━━━━━━━」(これだ。こうなるから、さっきから考えが止まらなかった。この利点をどうこねくり回して活用しようか。) (1/19 13:07:23)
λ/夕霧 > (考えれば考える程に愉快になっていく。)(ドキドキしていた。昂っていた。)(これから起きることに、恋する乙女のように期待してしまって仕方がなかった。)「ふふっいけないいけない。」「はしたない。」「んふ、ふふっ」「━━━━━━━まずは、会いに行く……………」「お話はそれからでありんすえ。」〆【もの言う花、たくらむ花】 (1/19 13:07:42)