セリヤーナ&白梅
スザン会戦フルディア/セリヤーナ > (煙を上げる前哨基地を背に、魔術砦を望む。前哨戦では揮わなかったが、事ここに至って漲るものを感じる。アガンの時のようにはいかないだろう。ヨズアの民にとってもそうだが、尊華にとってもスザンの地は大陸随一のパワースポットだ。王国の手を組めたことは狙い通りとはいえ運がよかった。後顧の憂いを断って、目の前の戦場に集中できる。『王国がボクを見捨てたら?』)「その時はボクはそれまでということさ。」(悔いが残らないとは言わないが、世界にふるい落とされたのだ。それを受け入れるだけの覚悟はできた。) (よく晴れた空、降り注ぐ陽光を浴び、砦からのびる影を踏みしめて。ひとつ大きく呼吸をして"言葉"を紡ぐ。) (1/17 23:21:22)
フルディア/セリヤーナ > 「穿て 暗雲に囚われた空の欠片 巡回するカッシーニの間隙 苔生した大山の亀裂 流転するグレイシャーブルーのクレバス 無明長夜に抗う虚空の天河」(腕を伸ばし、指先に炎を灯して旗が掲げられた砦の見張り台に狙いを定める。)「~ダー・ニト・ロロイ・シュクロズア~ 《フレッツェル・コンパス 》光を落とす道よ 途絶えた旅路への針路となれ」(じっくりと祈るような詠唱は力強い炎の弾となり、見張り台ごと旗を打ち抜いた。がれきが城門の内外に降り注ぐ。これで敵に指揮官を前線に引きずり出せるだろうか。) (1/17 23:21:31)
クロ:白梅 > ( _不安が無かった、なんてのは全くの嘘である。身体が震える、なんて事はなかったけれど、静かに目を閉じて何かに祈りを捧げるような姿で壁を背に座り込んでいる白梅は、そんならしくない事を考えていた。ほんのりと乾いた唇で、たった1人冷たい壁を背にして息を大きく吸い、吐き、心を静けさせる。_早く、戻らねば_こんな姿を自分の可愛い兵達に見せる訳には行かない。ぐぐ、と肩に力と足に入れ、力強く立ち上がれば、その漆黒の瞳を、和風な美しいうさぎ面の下で大きく開く。その衝動で耳元で綺麗な耳飾りが、カラン、と鳴る。鼓舞してくれているのだろうか。それとも、___ ) (1/17 23:58:47)
クロ:白梅 > _ドォンッッッ、ガラッ、ガラッッ、 ( まるで、空から大きな何かを落とされたかのような音。悲鳴と怒号が体の芯を突き刺す。急いで状況判断をし、対処をするべく近くにいた者達と被害連絡や状況把握をやり取りし、白梅は駆け足で自身が向かわなければならない場所へと向かった。冷や汗が背中を伝う中、「 敵襲!!!!敵襲!!!! 」と声を張り上げる。ギャアギャア、とまるで鳥が鳴き喚く様に慌てふためく場を抑えるかのような大声を再度張り上げる。上から降り注ぐ何かは、魔術によるものであるのは分かっている。けれど突然振りかかれば慌てふためくのも無理はない。_怪我人も居る、血の匂いがする、足音が響く、嗚呼、嗚呼!!早く助けなければ!!!!_ 焦りつつも足早に前線へと向かおうとしたその時。 (1/17 23:59:05)
クロ:白梅 > 足をやられたであろう兵の頭上に大きな瓦礫が降り注いでいくのを見た。砂時計が落ちるように、容赦なく。白梅は思いっきり走った。上から瓦礫が落ちてくるのが物凄く遅く感じた。必死になって兵を抱き抱える、重い、けれど動かねば_死しかない。ぐぐ、と2歩ほど歩んだだろうか。背中に重い痛みが走る。面が外れ、顔に鋭い痛みが走る。けれと歩みは止めない。__ガラガラッッッと、大きな音を立てて、瓦礫が地面へと辿り着いた時。白梅は無事にその男を助けられたのだが_嗚呼、してやられた。あばら骨が幾つか折れただろう。気に入ってたうさぎ面も半分砕け、頬や足、手がところどころ引っかかれ、血がポタリポタリと流れ落ちていくのがわかる。慌てふためく近場の兵達に、「 状況把握、怪我人を治癒し、万全の状態にしつつ戦闘態勢に入れ!それまで、妾が何とかしようではないか 」と身勝手極まりない指示を出し、砕けたうさぎ面を地から拾い上げ意味などないのに顔に付けた_) (1/17 23:59:15)
クロ:白梅 > 名乗りもしないで奇襲とは、いやはや良い趣味をしておるなぁ、妾は尊華帝國軍、大将。白梅なり!!!!( 前線へと出れば、そこには当人がちゃんと居るではないか。その人に向け、白梅はへらへらと笑いながら言葉を投げつける。背中の痛みが、身体の中が酷く痛む。_けれど、それを相手に見せ付けるほどの根性無しなんかじゃないんだよ、華だからな_そんな強がりな思考をしつつ、右手を天につき出し、大きく声を張り上げた。_その時、鋭い痛みが身体を駆け巡る。) 氷弓生成、死矢五感。生命を奪うは自然の理。獲物を奪いし人為の理。 10の砕氷 神のまにまに。 御手の御遊び、弓幹に氷。 弦から弾かれ汝を射抜け。( 淡々と、痛みに耐えつつ詠唱をしていれば、辺りが冷え始める。小さな粒状の氷が少しずつ集まり、10個の等身大ぐらいの大きな氷の結晶が白梅の頭上に産み出される。それらは、少しずつ標的に進む。徐々に加速し、一気に降り注ぐだろう。まるで、弓矢の様に真っ直ぐ、身体を、真の臓貫く為に。 ) (1/18 00:00:05)
フルディア/セリヤーナ > (砦から怒号が聞こえる。がれきの中を部隊が忙しく動き回るのが遠くに見える。それを注意深く観察していると、威勢の良い、ある種の余裕すら感じさせる声が戦場に木霊した。なるほど、大将…か。がれきに服を多少裂かれた程度では、その威厳は少しも損なわれない。自身が前に出て部隊は後方で状況を整える、大胆かつ非常に聡明な采配だ。この御仁の前では渾身の奇襲でも部隊を機能停止に追いやることはできないのだ。ここを乗り越えなければ、スザンは獲れない。)「先に名乗りたいのは山々だけれど、城扉をノックしたところで返事は魔術か弓矢でしょ?」(軽口を交えながらも、魔術師同士の礼として名乗り返す。)「ボクはセリヤーナ。シュクロズアリの旅団で古の聖地の巡礼者。この神山に祈りを捧げに来た。」 (1/18 00:42:50)
フルディア/セリヤーナ > (口上の後半にはすでに詠唱は始められていた。気温が下がる。威圧と寒風に鳥肌が立つ。) (緑の留め具のブレスレットをとっさに外し、指でつまむように端から端までなぞる。仕込まれた暗触文字が魔術を呼び起こす。自身の正面を守るように、影が立ち上がり壁となる。直線の軌道を描く氷塊はシャットアウトできるが、顔を出したらさすがに危険。)「灯せ 再起の篝火 失意の嘆息にも吹き消されず 涙の雨にも喪わず 天を衝く烽火は已往の灯標 燦として前途を照らす」(壁に身を隠したまま詠唱を紡いでいく。このまま魔術の発動は可能だが、止まない雹弾に目視で照準を合わせることは諦めた。先ほど見た大将の姿をイメージして、感覚で位置を合わせる。「~ダー・ニト・ロロイ・シュクロズア~ 《巨人の注ぎ火》空虚な暗黒に火を灯せ!」(その魔術は地面から炎の柱を噴き上げる。当たればなおよし、少なくとも身を隠してばかりではいられない、態勢を整えなければ。) (1/18 00:43:01)
クロ:白梅 > ふ、…はは!いや全く、その通りであるな!( 軽口がかなり面白かったのか、白梅は本心から、けらけらと、大胆に笑った。そして相手の名を小さく数回繰り返して呼べば、「 うむ、覚えたぞ 」なんて一言、独り言をぽつりと呟いたのだった。) (1/18 01:34:03)
クロ:白梅 > ( じ、と相手を見詰めれば、なんとなくの状況を理解したのだろう。しかし何処から何が来るのかが、皮肉にも自身の氷で見にくく、判断しづらかった。_のだが、数分後に、ぐらり、と地面が揺れたのだ。「 うわ、…ッと、 」と、素っ頓狂な声を出しながら、辺りを見渡す。白梅の居る、所からさほど離れていない地面から炎の柱が吹き出したのを見て、ぞっとした。「 相性が、悪いでは無いか…炎を使うなど、嗚呼、暑苦しい…太陽に近寄りすぎた人が羽を焼かれ海に落ちたのを知らぬのか 」なんて愚痴をぽろりと零しつつ、炎に当たらぬように身体を動かす。不意に、胸辺りがギリ、と痛んだ。「 ごふ、…ッッ 」と、汚らしい嗚咽とともにせり上がってきた血反吐を吐き出す。不意に、脳裏に『 時間が経てば死ぬのは此方だ 』と、示しのつかない最悪の事態がよぎった。_もし、此処で力尽きたのなら__ ) (1/18 01:34:05)
クロ:白梅 > ( _そんな事を考えていて何になる!!!兄は!!そんな事を考えなかったはずだ!!!!_己の血で汚れ、使い物にならないうさぎ面を、カラン、と地面に捨てれば唇をかみ締める。自分の未熟な心も、このうさぎ面のように捨てていこうではないか。何せ妾は、守らねばならぬ人達が居るのだから_!!!!。ぐぐっと足元に力を入れ、両手を重ねるようにして炎の柱へと差し出す。部下に命令する様に、厳しく凛とした声色で白梅は詠唱を、言葉を紡いだ。) 瓦解氷消、虎尾春氷。愛し愛せよ反する者達、地から湧き出る真の姿。氷炭相愛、月と太陽! ( ごう、ごう、と音を立てて立ち上がる炎の柱が、パきり、と歪で軽い音を立てる。白梅がその柱に手を突っ込んだその時。炎の柱が綺麗な氷に変化した。そこから何かを引っ張り出すようにして両腕を思いっきり引けば、まるで硝子で造られた様な美しさを持つ、透き通った2つのクナイが白梅の手に。それを確認するかのように強く握りしめれば、素早く口を動かしながらセリヤーナの元へと駆け出した。) (1/18 01:34:17)
クロ:白梅 > ( 地を蹴り先程の氷から身を守る貴女の元へと向かいつつ、水が流れるように、滑らかに「 目覚めよ、世界の理、生命の華。 大気に漂う古代の龍を、纏えば咲き誇る白梅の華。廻るは輪廻、御伽の話。願えよ唱えよかの存在を! 」と、詠唱をすれば、白梅の周りに、氷で出来た大きな龍が出来上がる。冷え切った空気が、身体の中を痛める白梅をさらに痛めつけるのだが、心地よく感じてしまうのは、氷を愛しているからだろうか。真剣な眼差しで、地を蹴り、高く跳び、自分が出せる精一杯の力を振り絞りながら、セリヤーナへとクナイを投げつける。それと同時に龍がクナイを押し、威力を増しながらも軌道を正す様な、援護する形で後を追う。それを見届ければ、不格好だが膝をつける形で真下に降り立った。苦痛で顔を歪め、「 ぐ、 」と、くぐもった声を漏らす。必死に痛みに耐え、立ち上がれば、貴方の様子をこの目で見届けるまで死ねない_そんな目で、前方を見つめた。) (1/18 01:34:31)
フルディア/セリヤーナ > 「おぉ…とんでもないなあれは…」(炎が氷に喰われてゆくのを見ながら、立ち回りを考え直す。…あぁでも、そんな隙は無いみたいだ。クナイを構えるのを認め防御姿勢に移る。)「踊れ 大地を駆ける炎のロアよ 姿を顕し夜を祓い 蹉跌の巡礼を照らせ ~ダー・ニト・ロロイ・シュクロズア~ 《ジャック・オー》」(手短な詠唱で火の玉をよびだし、周囲の警戒に充てる。とっさの判断で壁は維持した。背中を刺されることは避けたい。跳躍する姿に一筋の興奮を覚える。この手の震えは冷気のせいだけでは無いだろう。)「……勝負。」(ほとんど声もなく唇を微かに動かすだけ。早る気持ちを抑えるように、恐怖に縮こまる気持ちを宥めるように。) (1/19 22:56:03)
フルディア/セリヤーナ > 「ジャック・オー!祓え!」(火の玉を氷のクナイに当てるも、わずかに軌道を逸らす程度だ。一本が頬を掠める。流れる血が大地を濡らす前に)「唸れ 逆巻け 噴き上げろ!~ダー・ニト・ロロイ・シュクロズア~《蝕:鯨》」(反射的な詠唱に足下の影が応える。膨れ上がり氷のクナイと龍の頭を呑み込むと、鯨の頭部を象って大地に還る。はずだったが。)「……ダメだ」(簡単な詠唱は簡単な結果しか生まない。鯨は氷の質量に耐えられなかった。弾けて黒い飛沫が飛ぶ。食いちぎられた龍の頭はすぐに氷が作り直していく。)「くっ……!」(火の玉を集めて防御姿勢を取る。直後、鈍い衝撃と硬い冷気が全身を劈いた。) (1/19 22:56:16)
フルディア/セリヤーナ > 「ごほっ……」(背中は影の壁に、腹から足は氷の龍に挟まれて動けない。ぷっと口の中に溜まった血反吐を捨てて自身の状況を確認する。) (全身が痛い。氷の龍に突き飛ばされて後ろの壁に叩きつけられたんだ。腕を上げようとすると関節を挫かれたような痛みが走る。出血は多くないが氷の塊に体温が奪われる。)「…!……っ!」(唇が悴んで詠唱がままならない。焦るほどに祈りは届かない。自分にできることはもう多くは残されていないと実感する。)「……ジャック・オー…」(近くにまだ気配が残っている火の玉の気配に呼びかける。…よかった、まだ応えてくれる。氷を溶かすには足りないが、体温を保つ助けにはなるだろう。死の影は近い。それまでの時間で何をしよう。祈りを捧げてみようか。それとも今まで出会ったヨズアの民達に想いを馳せてみる?……自分を失うことを恐れるなんて、少し前には想像もしなかった。) (1/19 22:56:28)