帆風
阿岸前哨戦翌晩うみの。/帆風 > 「…くそっ!…負けてしもたわ。せっかくうちが部隊長任されたっちゅうのに…。いちびってる場合やないって、ほんま…!!」(震える拳を握りしめ、ぽそり。苛立ちの隠せないその声色もまた、ゆらゆらと不安定で。尊華帝国の一員になってからいくらか経って、はじめて名誉ある立ち位置をいただいたのにも関わらずこんな結果だ。冷静でいられるわけがない。)「うち、…うち、もっと強くならんと…。こんなんじゃ、うちの大好きなこの国を……尊華を、守られへん………!」(戦いが終わってからというもの、自分の足で立っている感じがしなかった。ふわふわして、本当は自分に足なんかついていなくて、身体だけが浮いているんじゃないかと思うような、そんな感覚。初めての、敗北。)(______あのヨズアの女、強かった。)(しかしそれだけはしっかりと、帆風の胸に深く、大きく響いていた。あの女の強い意志を、あの時この身体でしっかりと感じたのだから。強者には敬意を払うべきだ。それくらいは未熟だろうと当たり前に心得ている。) (1/16 20:35:31)
うみの。/帆風 > 「うがあああっ!!!そんなん嫌や!!うち絶対強くなる!!…………はー、しょげてる暇なんかないわ、そんな時間あるんやったら自分の身ぃ鍛えろっちゅー話やな。ん、そしよ!」(俯いていた頭をいきなり持ち上げてわしゃわしゃ髪をかき乱し、しばらくしてぴたっ、と頭に両手を当てた状態のまま静止した。)(乾いた声で言葉を繋げ、その勢いで走りだす。迷いなどとっくに消え、その瞳に残るのはちらちら弾ける火花のような光のみだった。) 【阿岸前哨戦翌晩】 (1/16 20:35:45)