篠&明松

マリア/篠 > 「……ささ、飲みもんそ!……おやっとさぁ、明松くん!」(とくとくとくとく……音だけで喉が乾きそうな心地よさを響かせて、黒ぢょかから猪口へと熱い焼酎が注がれる。芋焼酎が飲みたいという篠たっての希望で選ばれたここは、賑やかだけれど騒がしくなく、ちょうどいい塩梅の小さな居酒屋だった。)「ゆっくりしようね。最近とみに仕事ば多かで……忙しかうちが華っちゆどんなあ。そういえば厘都に行ってん聞いたばっ、まこちか?」(言いながら、先程まとめて注文したつまみの中から揚げ蒲鉾を箸でつまんだ。)   (1/13 03:22:01)


シロー/明松 > 「おっ、ありがとね。篠もお疲れさん!頂くよ」(今日は飲もう、と最初に口にして。注いで貰ったお猪口をくいっ!と空にすると、喉がかあっ!と熱くなった。久しぶりに芋焼酎を呑んだこともあって⋯⋯ましてや、篠と二人で呑むなんて初めての事で、格好つけてしまったのかもしれない。兎に角、昂揚した気分も手伝って普段より大きな声で話しながら、黒ぢょかを篠から受け取って、注ぐよと傾けた。)「最初くれえ俺にも注がせて!篠と呑めて嬉しいわ、呑もうぜ!」(とくとくとく、とお返しのお酌をしてあげて、ついでに自分のお猪口にも手酌で注ぎ直すと、小さな火台へと戻して、ちょっとぼんやりした顔で笑みを口元に湛えながら呟いた。)   (1/13 03:50:46)
シロー/明松 > 「んああ、行ってきたよ。風城の防衛やったんやけど、あー、魔術師が名乗ってたな、ヨズアの魔術師だって。帝國側が敗走しちまったよ。」(箸を持った側の肘をついて、ぱくぱくと箸を動かしながら手の甲に額を当て、眉を下げながら乾いた笑いを見せた。折角篠と呑んでるんだし、湿気た話も嫌だと、顔を上げると、お通しのさつまいもの煮物から口にして。肩を竦めて話題を切りかえた。)「あーあ、どうにかなる前に結婚したいよ、一緒に居って楽しい人と。篠も御籤大事にしとったもんなあ、可愛いし、声掛けられたりとかしんの?」   (1/13 03:50:51)


マリア/篠 > 「あっ、あいがと……。」(明松からの酌を受け、短く礼を返す。軽く猪口を掲げて乾杯の仕草をした後、くいっとそれを一口で飲み干してしまった。ほっくりとしたふくよかな香りが鼻から抜ける。温まる、おいしい。)「うん、知っちょーよ、城ば取られた事……明松くんのせいじゃなかとは思うどん……ううん、なんでもなか。」(彼の言葉がやけに軽く聞こえるのは、きっと気のせいだろう。酒の席で沈むのもと、彼も強がっているのかもしれない。それでも思わず何か言ってしまいそうになるのは、生来の気の強さとしか言いようがないところ。”あの人”ならと無意識に比べてしまう自分を諌めて、もう一杯の焼酎を注いだ。)「……どうにかなる前にかぁ……そうじゃね、いつけ死んでんおかしゅうなかもん。……あ、ごめん。暗うなってしまうね。じゃっどん、ホンのこてや思う。」「うん」「御籤…うん、えっ?」   (1/15 00:27:49)
マリア/篠 > (相槌を打ちながら早いペースで酒を勧めてゆく。酒ではちっとも変わらなかった顔色が、かわいいと言われてほんの少しだけ赤くなった。)「……な、無かなかなかぁ!私こげんもんだし、おなごとして見てもれんじゃよ。あははは!」(照れを吹き飛ばすように後頭部を掻きながら、からからと笑った。こんな風にはっきりと言われた事すらなくて、焦ったようにどこか早口になってしまう。ここで言葉に詰まろうものなら、『そこまでのつもりじゃなかったのに』と気まずい思いをさせてしまうだろう、そんな思いがあった。)「明松くんってば色男やなあ、皆にそげん事ゆたややっせんじゃ、勘違いさるっじゃ。気をつけたほうが良か。」(へらへらと笑いながら手を動かして気まずさを紛らわせようと、まだ入っているあなたの猪口に焼酎を注いで飲めと促した。)   (1/15 


シロー/明松 > (最初こそ強がる自分もいたけれど、篠と話すのはとても楽しくて、ぺらぺらと口が回った。既に酒が相当回りきっている事も、顔が赤くなっているのも、自分では気づけないままだった。「いつ死んでもおかしくない」なんて言葉を聞いて、篠には死んで欲しくない、と思ったけれど、何か言う前に話題が切り替わって、また逃した。喋ろう喋ろうと次から次へ、言葉が喉元まで出てくるのは酔っているからか。会話の途中、分かりやすく否定する篠を見て何処か安心した自分も居たけれど、きっと照れているんだろうと直感的に思えて、瞳を細めて笑い声を零した。)「違ぇって、篠、可愛いやんか。だからやよ。⋯俺だって普段、女の人と二人で呑みなんてしんし。やから、言わん。」   (1/15 01:15:24)
シロー/明松 > (酔っ払ったら頬杖をついてしまうのは癖で、重たい顔を支えるようにして掌に頬を乗せながら、篠を見つめた。気分がぼーっとして、気付かぬままに訛りが強くなっていた。飲め飲めと酒を注がれると、頬杖を止めてお猪口を差し出す。「ありゃと」と普段使う言葉も訛りかけて、継がれた酒をちび、と口にしながら篠を見つめていた。)「⋯⋯可愛いし、居ると楽しいし」(お猪口に付けていた唇を離して、ぼそりと呟いた。少し力の抜けた黒瞳はぱっちりと二重に。篠の少し後ろを見るような視線を向けたまま、真面目な顔になったり、頬を弛めたりと表情を変えながら、また口をつけて。)「⋯⋯めちゃんこ⋯可愛いやんか、篠さん。篠と結婚出来たら幸せに決まっとるなあ、この前、篠さん、俺ゆったやん」(ぐい、と酒を呷って、空になったお猪口を机に置くと。背中を丸めて姿勢を低くし、机へと両手を置いた。そのまま突っ伏して寝てしまいそうな体勢になって、篠の方に手を伸ばすと、机に置かれた篠の手に自分の手を重ねた)   (1/15 01:15:26)
シロー/明松 > 「篠なら俺が、俺がなぁ、⋯⋯。俺が!篠⋯。可愛いがや⋯⋯嫁に欲しい。⋯くらい⋯⋯」(ぐっ、と篠の手を握るように一瞬力を込めて、顔を上げたけれど、そのままがくんと自分の前腕に額を置いて、突っ伏してしまった。耳まで顔を赤くして、暫くしたら寝息が聞こえてくるのだった。)   (1/15 01:15:46)


マリア/篠 > 「えーーーーー………っとぉ………」(照れを誤魔化そうと口角を上げた表情のまま動かなくなって、きゅうと喉を絞めてそれから何も言えなくなってしまった。なんと返すべきか。勘違いさせてしまったのはこちらのほうじゃないのかと、赤ら顔に反して思考はどんどん素面になっていくようだった。いよいよこれは口説かれているな、と鈍感な篠でも悟らざるを得なくなった頃、言いようもない後悔の念が押し寄せる。男の人に言い寄られた事なんてなくて、それが満更でもなくて、たぶん、ちょっと浮かれてしまって。だけどきっと社交辞令だと思い込むようにしていたから、なんとなく曖昧な態度でほんの楽しみとして享受してしまったのだ。”冗談でも嬉しい”きっと篠にとっては、それだけで良かった。)「あの……!う、うん。明松くん、えっと、私、憧れちょっ人が、あの……聞けちょる?」   (1/15 01:51:44)
マリア/篠 > 」(きっと酒の勢いでこんな事になっているんだ。そう目の前の相手に責任を押し付ける気持ちと、想い人が居ながら明松のまっすぐな言葉にはときめきを隠せない自分を罰したい気持ちが綯い交ぜになって、自己嫌悪として現れ始める。――”軽い女だと思われたんだ。自分が悪いんだ。”そう結論付けてなんとか納得しようと試みるのが、今のところは精一杯だった。)「……明松くん、もったいなかじゃ、勢いでそげん事ゆたや、もっと素敵な人がおっし、うんと、……私も明松くんの事は好かんじゃなかけど、好いちょる人が……おるままで、こげん気持ちじゃ付き合えんし、えっと―――……」(ぼそぼそと、聞こえるか聞こえないかの声で紡がれる言葉は――)   (1/15 01:51:54)
マリア/篠 > 「……え?」(どうやら、届いてはいないようだった。)「……寝てしもたと!?」(ぺしぺしと肩を叩いて揺すった後、額に手をつけてはあーと溜息をつく。後に残るのは、飲み残した焼酎と……勘定のみであった。)「もう、ばか!明松くんのばか!!――――おあいそぉおおお!」〆【無明の酒】   (1/15 01:52:00)