レーテー&リューグナー

人形と影

蟻ィぃいッ!!!/レーテー > 「うぅん、難しいわ。それに、ちっとも可愛くない___」(彼女は路地裏でその陶磁器の様に脆く、弱く、そして滑らかな肌を晒していました。今時期はどうやらフォーチュン・クッキーという行事が流行っているようで、クッキーの中に入った占いの紙に従わないと色々良くない事が起きるみたいです。身体に巻き付いたひび割れを防止する為の包帯は赤黒く染まっています。でも、しょうがないのです。彼女には男の子の服を買うお金も無ければ、人によっては彼女の姿を見ただけで記憶を奪われてしまうと怯えて何も売っても渡してもくれないのですから。この男の子には悪い事をしたけれど、仕方ないのです。災厄は怖いから。彼女は全部脱いでからふと、下着まで交換した方が良いのか、見える所だけで良いのか、なんて悩み始めてしまいました。そもそも男の子の身体から衣服を脱がせてから脱いだ方が良かったんじゃないかしら?彼女は失敗、失敗、と唇を尖らせながら男の子の衣服を脱がせていきます。すうっと、身体のひび割れた所から体の中に入ってくる空気が冷たくて、なんだかちょっぴり哀しい気分になります。)   (1/13 02:26:13)


ゑゐりあん/リュ-グナ- > 見つけましたよ。…ようやく逢えましたねぇ(すると、誰も居ないはずの路地裏に新たな声が加わる。少女らしいレーテーの声でもなく、かと言ってその男の子の声でもない。では誰の声なのか?人影はどこにもないのに、どこから声が聞こえてくるのか?…否、人影はある。どこに?簡単だ)御機嫌よう(あなたの、影だ。そう言って一人の男がその姿を表した。下着をどうするべきかと思案するレーテーの影から、ぬるりと。まるでそれが影の正しい使い方であると言わんばかりの当然さで現れた一人の男。灰のコートに白い帽子。そしてまるで張り付いたかのような笑みを浮かべる一人の影。…リューグナーだ)   (1/13 02:35:55)
ゑゐりあん/リュ-グナ- > お着替え中に申し訳ない。ですが御安心を、私はあなたを襲いに来たわけではありません故にねぇ(にこりと笑みを浮かべるリューグナーはようやっと彼女の影から自身の足を抜き、長い2本の足でしっかりと地面に立つ)…あなた、記憶に干渉できるイモータル。…ですよねぇ?(確かめるかのような。確認するかのような。念押しするかのような。そんな口調でレーテーに尋ねる。まぁ、記憶に干渉できることは無理でも、彼女はイモータルで間違いない。だってこの目で“見た”のだから。親切な男の子から、服を頂戴するその光景を)   (1/13 02:35:57)


蟻ィぃいッ!!!/レーテー > 「ひぁ_っ!?____ぁ、ッ」(彼女は急に聞こえた声に驚いてしまうでしょう。誰にも見られていないと思っていたのに、彼女は男の人の声が何処から聞こえるのか確認するよりも先に思わずぴょんっと飛び退いて、もう動かない男の子の身体に躓いてしまいます。そのせいでぼろんと砕ける左腕、体重を支え切れなかったのかもしれません。彼女の中身は伽藍洞なので、重くは無い筈なのですが、それでも脆い彼女の腕ではそんな軽い自分の身体さえ支える事は出来ません。ひたひたと影の中から現れた男の人を見て、彼女は慌てて男の子を抱き上げて自分の身体を隠します。だって、女の子は身体を見せちゃいけないって___誰かに云われたんですもの。)「いもーたる_?そう呼ばれているみたいだけれど、___そうね、ええ、そうよ。私は人の記憶やそれに関係する感情を奪えるわ。____けどその、要件の前にお洋服だけ着てもいいかしら?逃げたりしないから、少しだけあっちを向いていて頂ける__?」   (1/13 02:50:50)


ゑゐりあん/リュ-グナ- > おやおや(自分の声に驚いて逃げる彼女を見てそう声を漏らすリューグナー。だが彼は見逃さなかった。彼女が死体に躓いた際に左腕が体から離れたのを。…ここでリューグナーは彼女に大きな期待を抱くこととなる。が、今はまだそのときでは無い。とにかくリューグナーは死体の裏に隠れる彼女の言葉を聞いて、着替える間待っていろと言われる)おや、これは申し訳ない。レディの着替えを見てしまうのは大問題でしたねぇ。失敬(そういうとリューグナーは後ろを向いて彼女を視界に入れないようにする。どうせ逃げようと思っても音で判断できる。それに、自分の異能ならばこの距離の相手を仕留めるのは難しいことでは無いのだ。着替えを待つくらいしてやってもいいだろう。そう思っての行動である)   (1/13 02:57:39)


蟻ィぃいッ!!!/レーテー > 「んん、その、___着替えながらで良かったらお話の続き、してくださるかしら?まだ少し掛かりそうなの。」(彼女はちらちらと男の人の背中に時折視線を向けて、不慣れそうにまだ治らない左腕を庇いながら片手だけで男の子の衣服を脱がし、それを自らの肌に重ねていく。今まで他の子が来ていた衣服はまだほんのりと温かくて、目の前に男の人が居て、一歩間違えれば肌をさらしてしまうかもしれないという焦燥感に似た何かすらその残った温もりへの羞恥心を高めてしまいます。)「あっ、ええと、私はレーテーよ。貴方の事はなんて呼んだらいいかしら__?」   (1/13 03:12:04)
蟻ィぃいッ!!!/レーテー > (彼女はまだ上手く着替えを終えられないまま、顔を合わせないままの自己紹介は失礼かしらと心配しながらそう呟きます。それから、彼女が思い浮かべたのはもしかしたら全部見られていたかもしれないという普通の女の子が心配する普通の思考でした。彼女が本当に普通の女の子ならもやもやを胸にしまって忘れてしまうしか待つしかありません。けれど、彼女は目の前の男の人が知る様に記憶に触れる事が出来ます。彼女は、男の人の背中をじっと見つめて、その内側に触れてみる事にしました。印象に強く残った記憶と自分自身の記憶を覗き込みそれを奪い取れる彼女の脳裏に浮かぶ、貴方の幸せや快楽、それから、貴方に彼女がどう見えているのか…随分と長い事、他の人の記憶には触れてきませんでしたが、彼女は貴方の内側に触れる事が出来るでしょうか?)   (1/13 03:12:05)


ゑゐりあん/リュ-グナ- > 話の続き?えぇ、勿論しましょう。しましょうか。なぁに、時間はたっぷりありますからねぇ(背中を向けて着替えが終わるのを待っていると、彼女の方からコンタクトを取ってきた。これは僥倖。願ってもない話だ。彼女から会話をしてくれるとは。であれば会話に乗らざるを得ないというものである。まず問われたのは名前である。なるほど、彼女は)レーテー…。いい名前ですねぇ。あなたにぴったりなお名前だ。私は…。…私はリューグナー。リューグナーと呼んでください(最初は本名を言うか渋ったが、もし記憶を見れるのが本当だとすれば嘘を言うのは危うい。それにここは2人だけだ。遠慮なく言わせてもらう。…まぁ、記憶を見ることが出来ずとも彼女を“使う”つもりだが)   (1/13 03:26:07)
ゑゐりあん/リュ-グナ- > 着替え、苦労してませんか?片手だと難しいでしょう?レーテーさんが良ければお手伝いでもしましょうか?(なんて相手の警戒を解すために言うリューグナー。彼女に記憶を見られているとも知らず。彼女が見たリューグナーの幸せな記憶は、一言で言えば“エゴ”の塊であった。考えに賛同する味方を見つけたこと。ヨズアと協力関係を結んだこと。国の重役を影から操ることができたこと。彼らしいといえば彼らしい記憶だったが、そんな記憶の中に妙な記憶があった)「●●●●●!」「●●●…!」(その記憶はあまりにもノイズがかかりすぎてほぼ見えないに等しい記憶だったが、だが一つだけわかったことは、誰かが誰かと言葉を交わした、ということだ。その言葉すらノイズ混じりでわかりはなかったが、しかしそれでも、はっきりとしない中でもその記憶はリューグナーにとって酷く幸せだったことは理解出来る。だって、忘れているはずの生前の記憶だと言うのにも関わらず、ノイズが混じってはいるが残っているのだから)   (1/13 03:26:15)


蟻ィぃいッ!!!/レーテー > 「_______ッ、リューグナーさん__、」(彼女が触れた記憶の中の貴方は何やら難しい事ばかりしていました。幼い彼女にはそれがなんなのか、一体どんな意味を孕むものかすらも理解できません。けれど、それを深く知ろうとはしないのです。きっとあなたもそうしたいからそうするだけなのだから、貴方がそれを好きだからきっとそうしているのだから、彼女はそう信じてやみません。途中まではただ目の前で自分の肌を見ておきながら一切自分の記憶が貴方の中に無い事が少しだけ不服な程度でしたが、途中から、彼女はズキリと痛む胸を片手で抑え始めます。無い筈の胸の奥が、空っぽの筈の体の芯が、伽藍洞だったはずの頭もそして心臓もズキズキとまるで押しつぶされて砕けそうになります。何も知らない筈なのに、それだけは解る、この記憶には触れてはいけない。)   (1/13 03:38:05)蟻ィぃいッ!!!/レーテー > 「___ごめん、なさい____その、__私、ちょっとボタンを絞められそうにないから、お願いしたいのだけれど、__良いかしら?」(彼女はそっと立ち上がり、貴方の傍まで歩み寄ると右腕で君の袖をくいくいと引きます。貴方がこちらを見てくれるのでしたら彼女は困ったように微笑んで貴方を見上げているでしょう。きっと両手が揃って居れば胸元くらいは隠しているのかもしれませんが、彼女の腕は1本だけ、今は貴方の袖を弱弱しく握っている為、青白く滑らかな胸元が開けたワイシャツから覗くでしょう。)   (1/13 03:38:09)


ゑゐりあん/リュ-グナ- > …?どうかしましたか?(彼女が突然自分の名前を呼んだので思わず何があったのかと尋ねるリューグナー。…もしかして、既に記憶に干渉されたのだろうか?だとすればまずい。早めに消す必要が…。…なんて思っていると、彼女は着替えを手伝って欲しいと言い裾を掴んだので臨戦態勢を解く。杞憂だったか)えぇいいですよ。お手伝いしますとも(そういうとリューグナーは振り返り彼女を見る。そこにいた彼女の無垢な体躯は隠されることなくその目に入るが、リューグナーは眉ひとつ動かさず、張り付いた笑顔のまま彼女を傷つけぬようにゆっくりとボタンを閉める)素敵な体をしてらっしゃいますねぇ(…とxここでリューグナーが行動に出る)芸術品のように美しく、同時にこうやってボタンを閉めるだけでも手のひらから零れそうな儚さを持っている。…護りたくなってしまいますよ(ボタンを全て止めてあげたリューグナーは彼女の目を見てそう言った)…さて、他に手伝うことはありますか?なんでも申し付けください(そう言って他に手伝うことはないかを尋ねる)   (1/13 03:48:26)



蟻ィぃいッ!!!/レーテー > 「__、リューグナーさん、御世辞なんて謂わなくていいのよ?貴方は私自身に何の感情も抱いて無いもの。____そうでしょう?」(彼女は歯の浮くような台詞に少しだけ目を丸くして、びっくりしてしまいますが直ぐにほんの少しだけ寂しそうに、そして、貴方が気を悪くしてしまわない様にふにゃりと柔らかく微笑みます。彼女は貴方が彼女自身にどんな心象も抱いていないことを知っています。自分自身が貴方の内側に映らなかったのはだって、そういうことなのですから。)   (1/13 04:00:51)
蟻ィぃいッ!!!/レーテー > 「もう大丈夫よ、腕も治り始めているからもうすぐまたいつも通りになるわ。___それより、私を探していたみたいだけれど、私は捕まっちゃうのかしら_?でも、とても自警団さんとか、憲兵さんには見えないわ。」(彼女はやっとの思いで男装を終えました。これで災厄に見舞われずに済むのかもしれません。それもそのはず。彼女は貴方に邂逅してしまった事の重大さを知らないのです。神様はいつだって待ってくれません、せっかちで自分勝手です。きっと彼女が着替え終わるのが待てなかったのでしょう。だからきっと、彼女は貴方に出逢ってしまったのです。それは微睡に身を委ねる様な愚かで浅はかな幸福でしかなかったと、彼女が気付くのは恐らくもっともっと先の事。)   (1/13 04:00:53)


ゑゐりあん/リュ-グナ- > …そろそろ頃合ですかねぇ(なんの感情も抱いていないという言葉は黙って聞いていたが、なんの用か?と立て続けに聞かれついにリューグナーは本心を打ち明かすことにする)   (1/13 04:08:35)
ゑゐりあん/リュ-グナ- > …私は、あなたを助けに来ました(そういうとリューグナーは跪いて彼女に手を差し伸べる)私はリューグナー。レーテーさんと同じ化け物。…イモータルなのですよ。私はね、とある目的を持って動いているのです。それはイモータルの国を建国するということ。あなたのような魔術師に打ち勝つことが難しいような非力なイモータル達を理不尽な暴力から護る為の国を作ろうと思っているのです。…あなたの噂は聞いてましたよ。記憶に干渉できる力を持ったか弱い少女。それを聞いた時、私は理解しました。嗚呼、その子こそ私が護るべき存在そのものではないかと…ねぇ(彼女の目をじっと見つめ、感情を込めて言葉を紡ぐリューグナー。…実質本心も混じってはいた。イモータルだからと言って危害を加えたイモータルだけでなく危害を加えない弱いイモータルまでもを殺そうとする人類の態度に、リューグナーは常々疑問を抱いていたのだ。そんな思いを込めて、リューグナーは再び彼女に訴えかけた)私はあなたの味方です。…信じてくれますか?   (1/13 04:08:37)


蟻ィぃいッ!!!/レーテー > 【あなたを助けに来ました】「______っ、」(どくん、跪いた貴方に彼女はびくっと肩を震わせます。この世界には様々な魔術があるから、その一挙手一投足に怯えるのは何も間違いではありません。けれど、相反して貴方が差し出したのはナイフでも銃口でもましてや魔術の矛先でもなく、温もりの在る掌でした。貴方の言葉は少しだけ難しくて全部は一度に呑み込めませんでした。どくん、でも確かに貴方の言葉は彼女の伽藍洞の身体を、何も無い空っぽの身体を満たしていきます。どくん、そんな事に憧れていたわけではありません、心の底から白馬の王子様が助けに来てくれる事を願った事なんてありません、_____【私はあなたの味方です。】__そんな言葉を信じるなんて利口じゃない事も分かっていました。どくん、けれど、きっとその差し伸べられた手に触れれば、血肉や弾丸の熱なんかよりももっと幸せな温度を感じ取れると思ってしまったのです。貴方の手を取る切っ掛けなんて、何も無い彼女にはそれだけで十分でした。)   (1/13 04:29:24)
蟻ィぃいッ!!!/レーテー > 「___まだ、信じ切れないけれど、きっと貴方は信じさせてくれるのでしょう?__________私が心から貴方を信じれる様になるまで、手伝って下さるかしら、リューグナーさん?」(彼女は少し捻くれた言葉を紡ぎながらそっと貴方が差し伸べた手に自身の硬い陶磁器の様な指先を重ねます。少しゴツゴツとしていて、それでもちゃんと柔らかくて、温かい貴方のその手が、貴方が、確かに此処に居る事を確かめるように触れ合う面を広げ、インクが水に滲み込む様にいつしか蘇っていた片腕も加え、貴方の前にそっと両ひざを着けば、愛おしそうにその瞳から黒い錆びの様な涙を流して貴方の掌をそっと、壊してしまわない様に自身の頬へと添えるでしょう。)   (1/13 04:29:28)


ゑゐりあん/リュ-グナ- > えぇ。…やってみせますよ(そういうと彼女が自分の手を取ってくれた。磁器のようにゴツゴツしてるにもかかわらず人のように暖かい。なんとも不思議な心地で、まるで夢のような感触だった。そして彼女は自分の手のひらに頬をあてがい涙を流した。その行動にいてもたっても居られなくなったリューグナーは優しく彼女を抱きしめた。壊れぬよう、崩れぬよう。ふわりと優しく。体だけでは飽き足らず、己の影から影の触手を生み出しそれでも抱きしめた。レーテーはリューグナーに包まれていた。そしてリューグナーは彼女の頬に自分の頬を擦り寄せ、全身で彼女を抱擁し)「嗚呼、なんと…なんと…」(心の中で)「単純なんでしょうかねぇ」(嘲った)【人形と影】   (1/13 04:42:27)