ジェフティ&ヘスティア

太陽は、はるか、たかく、月は、かけ、はなれ

λ/ジェフティ > 「————あ……………。」(食堂。いつものメニューを頼んで、おまけと言わんばかりに、小皿に一個のクッキーが。)「…………………。」「そっか。」「もう、そんな時期……………。」(歳を取れば取るほど、時間の流れは早く感じるというが、もう、だなんて。)(思ってしまうくらいにゃ……………生きてきたのだろう。)(それは、この時期の風物詩。名前をフォーチュンクッキー。)(中に神社で貰うような御神籤のような紙が入っていて、それで御告げを頂くという、子供の頃からやっている行事だ。今年も例に倣って、このクッキーに“私の最善を占ってもらおう”じゃないの。)「げっ………………。」「ん、ん〜〜〜…………。んー、あ〜…………。」「そう来たかあぁあぁ〜〜———……」(多分ハズレの部類だと思う。)(胸に大切にしまっている、秘密を話せだなんて、ツキ-月-が良くないのかも。)(濁ったようなため息をついて、食堂のテーブルに突っ伏しそうになったジェフティだった。)(そして、その不幸はまだ続く。)   (1/12 00:51:11)


マリア/ヘスティア > 「……こんにちはっ。」(さらり、赤い髪があなたの視界に入るだろうか。食事のトレイを持ったまま、少しぎこちなさそうに声を掛けるのは騎士団長のヘスティアであった。)「……隣いい?嫌なら他を当たりますけど……えーと、たまにはお話してみたくって!」   (1/12 01:12:01)
マリア/ヘスティア > (どこか心の籠もらない上滑りした響きでそう言うと、あなたの隣の椅子を引いてゆっくりと腰を下ろした。普段なら女性騎士団員と話す事は少なく、もっぱら副騎士団長に任せているのは自身が女性に好かれてはいないとの自覚が少なからずあるからであるが、今日ばかりは男の周りをうろちょろするわけにはいかない。――だって、今朝食べたフォーチュンクッキーにそう書いてあったのだもの。今日一日は、異性に指一本触れてはいけないって。執務室にいたらいつセオドアが仕事ですとやってくるかも分からないし、こうして少し気難しいと噂の司祭と一緒にいれば、その珍しい組み合わせに近寄る者は少ないだろう、なんて。でも本当は、言葉通り少し話してみたかったという気持ちがあったのかもしれない。神様に背中を押されるでもない限り、騎士団長自ら食堂で騎士達に混じって、女性騎士団員に話しかけるなんて無かっただろうから。)「……あ~、あなたも食べたの?それ。結果はどうでした?」(努めて落ち着いて話しかけ、水差しからコップに水を注いだ。)   (1/12 01:12:03)


λ/ジェフティ > 「(うげげっ————————)あ、あー……………。」(これは、なんだと言うのですかお月さま。)「珍しいじゃない…………あなたが殿方を連れて私なんかに話しかけるなんて……………。」(なんて、一瞥したあなたの、記憶通りの子綺麗な顔を細めた目に写してから、顔を正面に戻して瞼を閉じながらそう言った。)(なんて因果だ。信じられない。これじゃ、まるであなたに秘密を明かせだなんて神様が仰っている様じゃないか。)(————え、やだ。やなんですけど…………)「………………。」(見たところ、そのギクシャクした表情から見て察するに、不犯禁欲を引いたとか?なるほど、ならばいい気分だ。そのクッキーにお灸を据えて貰えばいい。)「別に。」「いいわ。」(ぶっきらぼうにそう言った。)(ジェフティの水を注いだグラス。それに付着した結露がつるりと滑り落ちて跡を残した。)「どんな月の巡りって思ったけど、フォーチュンクッキーのせいでしょ。」「———————まあ…………………会話くらいなら。」   (1/12 01:38:57)
λ/ジェフティ > (とは言え、会話に全然応じない程の気難しさでは無いらしい。しかし、刺々しい気配が、あなたを拒絶するかのようにまとわりついているのは、きっと、やはり、貴方に嫌悪があるからだろう。)(御告げの内容を教えてほしい。)「えぇえ……………。」(その言葉に、露骨に引き攣って嫌な顔で返した。)「……………。」(しかし……………これでも、ジェフティは敬虔な教徒の一人で迷える子羊。神の御言に叛けば、なんて恐ろしい天罰が下る事だろう。)「————うう。」(それに、不本意であるだろうに、その上で従っているあなたに対して、自分だけ従わないのも癪なので、非っっっ常ぉお〜〜に不本意で不服ではあるのだが…………)「ひ、秘密…………………」「……………秘密、話せってやつ………………。」「————ほ、ほら、わかるでしょ、それだけで。」「あなたに、教えなきゃなんないみたいだわ。」「はあ。」(と、肩を落とす事になった。)   (1/12 01:39:43)


マリア/ヘスティア > 「月の巡り……ねえ?」(星ではなく、月。不思議な言葉選びをするものだと思った。騎士団長の自分を前にしても態度を緩める事なく、高飛車とすら思えるあなた。ヘスティアにとっては、その性格はむしろ助かっていたかもしれない。女性に嫌われるだろう事を自覚しているから女性が苦手だなんて建前に過ぎなくて、結局のところこの女はどうすれば女性相手に好かれるのか解らないのだ、距離感の取り方も何もかもが。結果として必要以上にお姫様扱いをして自分がくたくたに疲弊してしまったりする。相手が可憐で健気であればあるほどに、自分の役割がわからなくなるから。―――だけど、ジェフティ。あなたの前では、ヘスティアは少しばかり対等でいられそうな気がしていた。)「……ひ、ヒミツ。あなたの?……っぷは!」   (1/12 01:54:10)
マリア/ヘスティア > (眉を顰めて心底不服そうにしているのが、どこか親しみやすくてヘスティアは小さく笑い声を漏らした。わかりやすく肩を落としてみせたり、あなたはこんなに表情豊かな人だったのか。)「……いいですよ、私はこのまま食事をしているから、右から左に聞き流してあげます。誰かに盗み聞きされたくなかったら、耳打ちをしてくれてもいいですよ。騎士たちは私達がそんなに仲良くなったのかと目を見張って驚くでしょうね。ふふ、あなたにとっては不本意なのかな。」(秘密を打ち明けようとしているあなたに合わせて、声のトーンをひとつ落としてパンを頬張った。)   (1/12 01:54:15)


λ/ジェフティ > (彼女は、少女意外そうに笑った。あなたの笑った顔は、太陽みたく明るくて、ジリジリと焼ける様に辛かった。やめなさいよ。あなたにそんな顔をされると、どうして自分があなたが嫌いだったのか、忘れてしまいそうになるのだから。)「はあ。いい性格してる。」(団長の前でも、こんな態度なのは、ジェフティが彼女をどこかで団長と認めていなかったからだ。)(そして、何より、貴方のことが気に食わなかったから。)「————————。」(それでも、こうして言葉と言葉を交わして、得たあなたの新しい印象は、着々と、どこかでジェフティのヘスティアという人間の評価を変えている。いや、正しいものにしていると言った方が正しい。)(ジェフティは、グラスの縁に、口付けする様に一口、水を喉に通しておいた。)「なら、今から私は“独り言を言います”。それをあなたは、“それがたまたま聞こえてしまうくらい近くにいた”。それを私は認識していなかった事にする。」   (1/12 02:31:16)
λ/ジェフティ > 「だから……………まぁ、あなたは今から私が言う事を聞いても聞かなくても、いいわ。」(ジェフティは、不意に手持ちの鞄の中身から、一冊の分厚い書籍を取り出した。その本をテーブルの上に載せると、愛しく表紙の皮細工を撫で始め、ヒトリゴトを発した。)「私は、今の団長、ヘスティアが、嫌いよ。」(最初は、ストレートな物言いだった。)「第一、破廉恥じゃないかしら。」「男を食い物にして、それから野郎たちはみんな気が変わったように、攻め始めるし…………」「怪我人も、増えるばかりよ。私のスクロールだって無駄にできないし、私の術じゃ、どうにもならない傷も増えてきた。」「私たち神官ありきの、頼り切った戦いは……………気に入らないのよ。」「————————」   (1/12 02:31:40)
λ/ジェフティ > 「けど。」(閉じていた目を開いた。)   (1/12 02:31:56)
λ/ジェフティ > 「彼女のこと、破廉恥ではあるけど、ふしだらとは、思ってはいない。」「私、彼女の人間性は嫌いだし、その方針も大っ嫌いなんだけど、【団長】って言う立場で見れば、認めたくはないけど、理解はしているつもりなの。」「彼女っていう存在があったから、正直、兵一人一人の、戦いに込める意気が上がって、士気が上がっているのは、証明されていることだから————」「自分にできる事を忖度、断捨離して、削りに削り、挙句覚悟が定めた事ならば、私は、認めることはないけど、理解したくない事はない………………。」「尊国を想っての事なら、それはするべき最善なんじゃないかしら。」「わたしは、違う道を行くけれど。」「彼女によって、影響を与えられた人間は、沢山いる。良い面もあり、もちろん悪い面もあるけれど。」「私ならそんなこと、きっとできないってわかっている。」(それは、彼女にしかできない扇動の仕方があるのだ。そして、その扇動力は、絶対に自分じゃ実現できないことを理解していた。)「ただでさえ、ここの国民は目で見える事しか信じない性質なんだから————————」   (1/12 02:32:17)
λ/ジェフティ > 「でも、少しは、私たちにも輝いてくれないかしら、太陽さんは。」「どうあれ、上の団長に、私たちはついていくしかないのだけど……………」「貫き通すなら、とことんやってほしいところね。」「本当は、一番に、備忘録に書きたかった。」(その長い、長い暴かれた心の内に秘められていた、日を浴びる筈のなかった秘密。それを言い切ったジェフティは、もう一度だけ、水を口に含み、それから飲み干して、表紙に触れた。)「おっと、これはヒトリゴトなんだったわ…………ついつい、余計な事まで言ってしまったわ。」「……………。」「ねえ、そうは思わない?【女性騎士】さん。」   (1/12 02:32:29)


マリア/ヘスティア > (『独り言だ』と前置きをするジェフティのほうを見ないまま、正面を向いてパンを水で流し込む。目を瞑り片手で手をひらひらさせてわかったと合図をすると、彼女は”秘密”とやらを語りはじめた。)「……」(序章を耳にした時は、なんだそんなことかと思った。それが秘密だとするなら、随分拍子抜け。解っているのだ、自分が好かれていないことなんて―――だけど、起承は転じて、ヘスティアという聴者に驚きを与えてくれた。)「……ジェフ……」(思わず彼女のほうへ顔を向ける。猫のようなオッドアイは気高い光をうつして、彼女の言葉に迷いのない事を思わせるようだった。きっと、それが"最善"だと信じているから?――なんて、ヘスティアには知るよしもない話、だけど。はっと顔を逸らして、またヘスティアは正面をむいた。たまたま聞いちゃった、そういう設定だったのだから。だけど、転じたそれは後書きのように語りかける口調にグラデーションしてゆき、果たしてヘスティアは彼女、ジェフティの登場人物となることを許されたようだった。)「……そうですね、貫き通すならとことん。……私もそう思います、あなたに対しても。」   (1/12 03:03:40)
マリア/ヘスティア > ("人間性は嫌い"と言い放たれてしまったけれど、それでもジェフティは、自分は自分として尊重してくれる視点を持っているのだ。ならば、私も、あなたも、このままで。自分自身、どこか螺子が外れている自覚があるからこそ、彼女のような人もまた必要なのだという思いから出た言葉だった。司祭とあってはなおさら、彼女だけは”狂っちゃいけない”。生ぬるいお為ごかしで馴れ合う事よりも、互いにしか出来ないことを全うしよう。心地よく、そう思えた。)「……"私たちにも輝いてくれないかしら"……ですか。」(最終的に心に残ったのはその一言であった。騎士長達との間で蟠りを膨らませていくにつれ、どうやら自分には何か圧倒的に足りないものがあるらしいと最近はよく思う。太陽がいくらひとりでに輝いたところで、月がそばに居ない新月の夜はどうしたって真っ暗なのだから。)   (1/12 03:03:47)
マリア/ヘスティア > 「……そうしたいのは山々なんですけれどねぇ……。私は、時々騎士達と致命的に噛み合わないところがあるみたいで。……ジェフティ、どうすればいいかヒントを貰っても良い?私がずっと考えていた事について。」(それは、つい先日シュクロズアリ旅団の女性に投げかけられた一言。現在のヘスティアにとっての命題とも言えるもの。)「……あなたにとって、"太陽"とは何ですか?」(太陽は、まだぎらぎらとひとりでに輝こうとしていた。衛星が回る限り、ずっと。)   (1/12 03:03:54)


λ/ジェフティ > 「…………………。」(その時だけ、その時だけ二人の間で、歯車がかちりと嵌まり込んだ気がした。)(二人の、とある部分が一致して、彼女の中で、何か繋がりを持つことができたらしい。)(その結果、あなたには一つの疑問が浮上した様だ。)【Q.あなたにとって、太陽とはなんですか?】「………………………………。」(少しだけ、ジェフティは、上唇に曲げた人差し指の横腹を当てる、思案するときの癖を見せた。少々の空白の時間が過ぎる。)「————————そうね…………………。」(太陽と故郷は、互いが密接に関わり合った、良き隣人でもあり、恐るべき、畏敬の対象でもあった。)(故郷でこそ、太陽信仰は盛んに行われており、世界のどの位置からでも仰ぎ見られ、また太陽は人々の行いを監視する目でもあった。お天道様が見ていると言われるのはこの為の筈だ。)(太陽とは反対に位置する月でこそ、その輝きは太陽によるものと言うではないか。)「————————」(そうあれかしと言うものではないが、彼女は答えを求めている。)「それは……………」「現団長がしていい質問じゃないんじゃないかしら————」   (1/12 03:39:55)
λ/ジェフティ > 「………………。」「質問に答えたら、忘れてあげる。参考の一つにしておいて、この事は無かった事にしなさいな……………。」(一つ、息をついた。)「太陽は、様々な信仰が向けられてきた。……………ねぇ、その中でも、どんな進行でも統一されているのは、その【満遍さ】なの。」「太陽の前に、人は無力。では、太陽に、私たちに愛を込めて光を届けているのかしら。友情や親愛を持って、本当に、照り輝いているのかしら?」「————————」「違うわ。」「太陽は、ただ、そこにあるだけ。」「神様も一緒であらせられるはずよ。神様は神様として、そうあり続けている。意味を見出すのは、私たち…………。」「ヘスティア団長、あなたは変わろうとしているのね。……………なら、聞いておきなさい。」「ヘスティア、あなたは、この組織において上には誰にもいないの。つまり、あなたは自分以外の人間、全ての命を背負っているのよ。」   (1/12 03:40:18)
λ/ジェフティ > 「私たちにとっての太陽があなた。ならば、どんな末端にも届くくらい。輝いてみなさい。そうすれば、周りは自然とあなたについてくる。あなたがどうして噛み合わせる必要があるのかしら。」「向こうにとって必要なら、あなたは何をするまでもなく、あなたに噛み合わせようと、向こうからする筈よ。」「あなたは、カリスマが足りていないの。」「カリスマが足りていないから、肉体関係なんてまどろっこしい手を使うしかない。違うかしら。」「それでついてくる人間はいるかもしれないわ。でもついてこない人間も中にはいる。」「それは、太陽としちゃ、あまりに偏屈な照りじゃないかしら。」「私が言えるのはこれだけよ……………。好き放題言って、悪かったわ。貴方のこと、期待しているから、私、いいや、騎士団の心、掴み取ってみなさい。貴方にしかできない方法で。あなたの、心の太陽で。光を。」(話が終わる頃には、ジェフティは荷物を纏めており、一通り言った後にゃ、すぐにその場から立ち去るだろうか。)   (1/12 03:40:32)
λ/ジェフティ > (最後には、ジェフティは少しだけ柔らかい笑みをあなたに浮かべていた。)(あなたにも、人並みに悩む事があったんだ。)(その親近感が、あなた自身への拒絶を溶かし、あなたの心に触れる先駆け足り得た。)(忘れてはいけないのが、これがたった一つの、一部だけの意見だと言う事。)(あなたが、他の誰に同じような質問をするかもわからないが、その全ての答えを踏まえ、あなたを作り上げるのかは、まだ、誰にも、あなた自身にもわからない事だろう。)〆【太陽は、はるか、たかく、月は、かけ、はなれ】   (1/12 03:41:02)