ディラン&アデルグント
騎士団長の噂シロー/ディラン > 「よっ⋯⋯と。」(王都、騎士団本部倉庫。戦場で組み上げる魔術砲のパーツを運び終えると、冬だと言うのにじんわりとかいた汗が冷えてきて、小さく身震い。⋯⋯年明けから数日。先代の団長に代わり就任した騎士団長の指揮下、王国は連戦を重ねていた。特に、工廠で誇りを被っていた魔術砲を始めとした兵器群の整備などが続き、整備士達は火の車であった。台車の上に乗せていた紙束⋯⋯倉庫へ運び込んだ兵器の総数、使用方法などを纏めた報告書を手に取ると、騎士長か団長に渡す為に倉庫を出る。)「────、千騎長!太陽の名のもとに!」(少し離れた所に居た新たな千騎長を見つけると、胸に手を当て、簡易式の敬礼をして。歩いて近づきながらパラパラと紙束を捲り内容を今一度確認して、両手を使って少し恭しく手渡した。)「千騎長、こちら、会戦時に要請があった兵器群の報告書です。兵器倉庫に運び込んでおきましたので、団長にお渡し下さい。」(もう一度例をして⋯⋯少し、言い辛そうにもう少し聞いてみるのだった。)「⋯⋯あの、戦況の程はどうなっていますか?ガーラを陥落させたとは聞いているんですが⋯⋯千騎長は、前線に?」 (1/4 00:50:56)
大和守/アデルグント > (王国の為に、民の為に。連戦を重ねる王国の為に、己は一体何が出来るか。どうしたら良いか。何処を守り攻めるか。相手はどう動いてくるか、なんて。静かに座って考えるのは性に合わないなんて、己が普段演じている【設定】を被り、倉庫やらを回る事で必要な物を思考する。という事を行っていたが、声を掛けられれば無意識に冷たく落ちていた瞳を上げ、声の主を探し。)「太陽の名の元に。……分かった、有難う!」(敬礼に答礼を返し、報告書を受け取れば「助かる!」なんて明るい笑顔を浮かべながらそう付け足し。)「戦況かー……そうだな、ガーラを陥落させてから、まだ特に大きな変化は無い。まぁその内仕掛けてくるはずだし、それに備えなきゃいけないな! あたしはまだ前線には出てないんだ。千騎長なんて立場だし、王国の為にも頑張らなきゃなんだけどなー」(実の所、あまり把握出来ていないというのが本音だ。前線にも出ていないのだから尚更。王国の為に、民の為に頑張らなければいけないというのに、だなんて自責と焦りとが込み上げる。けれどもそれを表情にも一切出さず、あくまでも明るくそう答えてみせる。そういう【設定】を、己は騎士団で演じているのだから。) (1/4 01:22:55)
シロー/ディラン > (ガーラを落としてから戦況に変化はなし。小さな攻勢はあったと耳にしているが、やはり領土を奪った、奪われた、というのは無いらしい。となると、これから兵器の損耗が激しくなり、後方への移送、修理⋯⋯は甘すぎるか、整備士も多く前線に出ることになるのだろう。兵器の扱いは整備士の仕事なのだから。⋯⋯自分が戦線に出る可能性も十二分にある事を今更確認する。覚悟を決めて、僅かに眉をきゅう、と結び、穏やかに務めて返答をした。)「そうなんですか、でもすぐにきっと、機会があるんですよね、多分。その⋯⋯新しく団長が就任してから、騎士団も人員が多く入れ替わって⋯⋯もっと⋯⋯なんと言うか、厭戦的な空気だった気がするんですけど、急に騎士達の士気が高まっている気がしますし。」 (1/4 01:39:57)
シロー/ディラン > (近頃の騎士達の士気がいやに高まっている気がしていた。無論、戦争が始まったから、という理由に他ならないのかもしれないが、自分の知り合いもあんなに気の乗らなそうな奴だったのに最近何故か張り切っているのを見て、不思議に思っていたのだ。千騎長なら何か知っているんじゃなかろうか、と思って聞いてみることにしたらしく。)「報奨か⋯⋯何かあったんでしょうか?俺は整備士なので中々耳に出来なくて、友人も突然人が変わった様に精を出していて⋯⋯」 (1/4 01:39:58)
大和守/アデルグント > 「…………んー、そうだな……お前は騎士団長についての噂を知ってるか?」(貴方の言葉にアデルグントは腕を組み、考え込む。成る程、確かにそれは自分も思っていた。だがしかし、今この時期に士気が全く無いよりかはあった方が良いと。特に可笑しな事ではないだろうと気にしてはいなかったのだが。改めて話を聞くと少し引っ掛かる事もあるのだ。今までに聞いた話やら噂やらを脳内で整理し、そして一つが思い当たり。組んでいた腕を解き、首を傾げればそう問いを投げ掛けるだろう。)「騎士団長は頻繁に、聖騎士団の男騎士と肉体関係を持っている……らしい、っていう噂が流れてるんだよな。……もしかしたら噂じゃなくて本当、なのかもしれないけどなー!」(何処か真剣な表情を浮かべ、返答を聞く前にその噂とやらを口にする。だが、最後にはぱっとけらけらと軽快な笑い声を溢して。仮に本当だとしても、特に気にしてはいない。彼女は騎士団長だ。騎士団長として、仲間の為に自分の行える事を成しているのだろうと、アデルグントはそう思っている。そう考えれば、これ程尊敬できる人は居ないのではないかと、そうも思えるのだから。) (1/4 01:58:48)
シロー/ディラン > 「噂?人望のある方とは聞いてますが⋯⋯」(騎士団長の噂、そう聞いて思い付くものは特に元々整備士の中でも騎士と触れ合うのは少ない方だ。知っている事といえば、騎士が「団長の為に命を賭けて叩い抜いてみせる」だとか、それに近い事を言っているのを何度か耳にした、程度であった。何だろう、実は王家と繋がりがあるとか?最近、偶然か突拍子も無い出会いばかり起きているディラン、そのせいか、まさかな、といった思考になってしまう。───そんな訳無いか、と脳裏で一蹴したディランに、千騎長から告げられたた言葉は今日一番の驚きをもたらすのだった。)「え?肉体関係?⋯⋯それは⋯⋯あぁ⋯⋯すみません、変な事を聞いて⋯⋯⋯⋯ははは!噂ですしね!」 (1/4 02:14:29)
シロー/ディラン > (飛び出た言葉にえ?と繰り返してしまった。もしかしたら言い辛い事だったかもしれない、まさか自分が何となく聞いた事への返事がこんなものだとは思わず。女性の口から言い難いことを言わせたか⋯⋯と口を噤んで、この空気を何とかしようと千騎長の笑い声に同調して、此方も笑い声を重ねた。⋯⋯しかしそれがずっと続く訳もなく。腕時計をちらり、と見て態とらしく時間を気にすると、頭を下げて早口に言葉を紡いだ。)「あっ⋯⋯すみません!整備も立て込んでいて、そろそろ戻ります!⋯⋯千騎長!ご武運を、太陽神の御加護があらんことを!」(胸に手を当て敬礼すると、そそくさと逃げ出して行くのであった。【騎士団長の噂】 (1/4 02:14:31)